IS ゲッターを継ぐ者
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?ナレーションside?

 

「はい、織斑先生。どうぞ」

 

「ああ。ありがとう、山田君」

 

 

 日本海に浮かぶ人工島。パワードスーツ『インフィニット・ストラトス』の操縦者育成機関のIS学園。その職員室。

 

 緑色の髪に眼鏡をかけた女性『山田真耶』が、黒髪に黒いスーツを着た女性『織斑千冬』に、コーヒーの入ったカップを渡した。

 

 真耶と千冬はこの学園の教師。真耶はISの日本の元代表候補生で、千冬の方は最初の世界大会で優勝した猛者であり、今はこうして教鞭をふるっている。

 

 新学期がスタートしてから一週間。今日は連休で生徒達は思い思いの時間を過ごしているが、教師である千冬らには仕事がある。

 

 今は書類整理が一区切りついたのでちょっと一服、休憩タイム。

 

 真耶から渡されたコーヒーを一口飲み、ふう、と一息つく千冬。

 

 

「もう新学期ですね。今年は代表候補生が多いです」

 

「そうだな。だが多い分いざこざも起きるやもしれん。全く、これだから若い娘どもは」

 

 

 今年の代表候補生に対し辛口な評価を愚痴る千冬に、真耶は苦笑いを浮かべる。

 

 千冬が担任、真耶が副担任を勤める一年一組にも代表候補生がいて、その女子が少し高飛車で、それによってちょっと問題があったからだ。

 

 これは厳しくしていかないとな、と千冬の呟きに、厳しさという名のしごきを知っている真耶は心の中である代表候補生に黙祷を捧げる。

 

 ……その時。

 

 

ーードワォッシャン。

 

 

 「ひゃぁ!?」「おっと」

 

 

 なんか混ざった音が聞こえて学園が少し揺れた。

 

 突然の揺れにコーヒーをこぼしそうになる真耶。それを片手で空中キャッチし自分のももう片方の手で取ったままの千冬。

 

 

「……熱」

 

 

 でも実は熱かったりする。仕方ない。

 

 

「な、なんですか!?」

 

「……山田君。他の教師に声をかけてくれ。私は外を見てくる」

 

「は、はいっ!」

 

「すまない」

 

「気を付けてくださいね」

 

 

 千冬は冷静に指示を出し、真耶は職員室から出ていき、気分転換に学園の外へ歩いていく。

 

 

 

 

?IS学園屋外・砂浜?

 

 

 警戒しつつ誰もいない砂浜までやってきた千冬。

 

 左右上下、辺りを伺いながら歩いていく。

 

 

「……?」

 

 

 不意に感じた人の気配。千冬の感覚は世界王者に輝いた事と、日々の鍛練により鍛えこまれている。

 

 スパイか何かの可能性を疑い、いつでも警備部隊に通報出来る様にしながら、気配がする方へ向かっていく。

 

 研ぎ澄まされた感覚を頼りに歩いていくと、見つけた。

 

 波打ち際に倒れている少年を。

 

 

「おい貴様、大丈夫か!?」

 

 

 急いで少年に駆け寄る千冬。少年は仰向けに倒れていたので、反対向きに起こす。

 

 

「ッ……な、なに……!」

 

 その顔を見た瞬間、千冬の脳裏に何かがよぎり、行動を止めさせたが、直ぐに我に帰り、少年を抱えて医務室に運びこむのだった。

 

 

 

 

 だが、千冬はこの時気づいていなかった。少年の左手に、ヒビが入った白、黒、紫のラインがあるガントレットがあった事を。

 

説明
プロローグその2です。
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インフィニット・ストラトス 千冬 真耶 プロローグ2  漂流 

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