真・恋姫無双 別たれし御遣い 第二十八話 |
〜一刀視点〜
「私が!」
「いいえ、私が!」
「これは譲れないわ!」
今、俺の目の前で静里、氷雨、鞘姉が言い争いをしている
原因は俺の看病
と云うよりも、寧ろ俺に食事を食べさせる役を争っている
別に背中の傷の所為で手を動かすと多少痛むとは確かだが、自分で食べられない訳では無い
しかし三人とも
「完治するまでは!」
と譲らない
しかも三人とも料理が出来るから話が進まない
「私が一番早く来たんですから!」
と静里
「静里は食事よりお菓子の方が得意だったでしょ!
食事は私の方がうまかったわよ」
と氷雨
「私の料理が一番、一君の口に合うわ
だって故郷の味だもの」
と鞘姉
三人とも料理を作って来たものだから、俺に選べと言われても困る
ただ三人とも不毛な争いで忘れてるのかな
この争いは朝食に関してだ
もう昼近い
このままだと何時、俺は食事できるのだろう・・・
「私も料理を修行するかな・・・」
「誰に習うのが一番いいのでしょうか・・・」
様子を見に来た蓮華と明命がそう呟いて、退室して行った
俺は一日も早く怪我を治さないと
餓死したくないから・・・
〜雪蓮視点〜
「蓮華が襄陽を落したのは良いんだけどね・・・」
私は報告書を冥琳に渡しながら呟く
「まあ、実績作りとしては問題無いだろう
蓮華様の失策に関しては、豪族たちには秘匿しておけば良い
問題は蓮華様がこれで成長するかどうかだ」
冥琳の冷静な分析に同意する
「豪族に関しては任せるわ
それと、蓮華からの報告書とは別に来た粋怜からの報告書に良い事が書いてあったわ
一刀が蓮華を落したらしいわ」
「まあ、時間の問題だったからな」
「ならば蓮華様の成長に関しても問題は無かろう
あ奴に任せておけば良い」
祭の言葉に私は
「一刀に?どういう事?」
「恋する女子は強い という事じゃよ
成長せんかったら他の者に取られてしまうわ
あ奴は無自覚に女を誑しよるからの」
祭の言葉に三人で笑いあった
〜桃香視点〜
「愛紗ちゃんと雛里ちゃんはどうなったの?」
襄陽が落とされたという報を持って来た兵士に問い詰める
「御二人共、生死不明です
鳳統軍師は囚われたと思われますが、関羽将軍は一騎打ちで倒されたので恐らく・・・」
「そんな・・・」
膝に力が入らなくなり、その場にへたり込む
「くそ、私が残るべきだったか!」
「鈴々が仇を取るのだ!」
そうよ、愛紗ちゃんの仇を!
「皆、出陣の準備を!
愛紗ちゃんの弔い合戦よ!」
私が指示を出すと、即座に
「待って下さい!」
朱里ちゃんが止めに入った 何故?
「雛里ちゃんはおそらく、捕虜になっています
愛紗さんは不明ですが、同じく捕虜になっている可能性もあります
それなのに攻め込んだら、二人は処刑されかねません!」
反論出来なかった
「今は情報を集める事と、戦力の増強を計るべきです
二人が捕虜になっていたら、引き渡しを求めるのも考えましょう
引き替えに、何か要求されるかもしれませんが・・・」
朱里ちゃんの意見を採用した
愛紗ちゃん、雛里ちゃん、無事でいて!
〜一刀視点〜
戦から3日経ち、俺も問題無く動けるようになった
食事はローテーション制にして、餓死を免れた
そして、鞘姉に付き添われて関羽に会う為、地下牢に来ていた
劉備陣営に対する牽制の為、処刑はしていない
で、無駄と分かっているが説得して呉に仕えさせられないか と言う訳だ
「久しぶりだね 関羽」
格子越しに話しかける
「貴様〜、よくも私の前に顔を出せたな〜!」
関羽は凄い形相で睨みつけながら続ける
「私の武をさんざん貶しておきながら、よくも〜」
やっぱりあの人を思い出すな
(私は此処まで酷くなかったと思いたい)
ん?今の誰?
気を取り直して
「水関でさんざん言ってたくせに、よく言えるね〜」
鞘姉が呆れている
「まあ、いいよ 本題としては、呉に降らない?」
険悪な雰囲気は壊したかったので、極めて軽い口調で訪ねる
「む、お互い様なのは認めよう
だが、私は劉備様意外に仕える気は無い」
やっぱり無理か
「でもそれだと、此処から出せないよ」
鞘姉の言葉に対して
「それでもだ!
例え処刑されようと答えは変わらん!」
此処まで言い切る以上、説得は無理だな
処刑しない方針でいるけど
「これ以上説得しても仕方ないから、今回は帰るよ
でも一応選択肢の一つとして考えておいて」
「考えるまでも無い!」
関羽は憮然として言い放つ
「じゃあ、考えなくていいから次からはもうちょっと穏やかな表情で話してよ
せっかく可愛い顔なんだから」
「なっ・・・」
絶句してしまった関羽を残して、俺達は地下牢を後にした
「捕虜まで口説くな!」
その気は無かったのに、鞘姉に叱られた
〜あとがき〜
それぞれの動きですが、最初は襄陽での動きです
この時点で蓮華は料理が出来たかどうかは定かでは無いと思いました
萌将伝で修行してたし、王族なので出来ないと判断しました
雪蓮側は変わらず
桃香は確定情報無しに動こうとしましたが朱里に止められました
これにより夷陵の戦いは回避されました
愛紗はやはり頑固です
まあ、簡単には裏切らないのは当然ですが
あの人の声は何の伏線でも無い事を重ねて言っておきます
更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです
説明 | ||
それぞれの動き | ||
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コメント | ||
お、朱里が仕事したww雛里に関しては次の話で出るのかな?一刀やっぱり取り憑かれてるねwww(スネーク) 蜀陣営はなんか精神的に未熟な子ばっかですな〜愛紗が討たれたから弔い合戦て、雛里は捕虜になってるって情報きてるのに雛里はどうでもいいんかw(nao) いやいや冥琳、豪族連合でしかない呉は色んな思惑とかが犇めき合ってるんだから、隠蔽なんぞ無理に等しい。未熟さ故に勝てる戦を危うくしたというのは、戒告処分なりしてちゃんと罰しなければ現在の総大将である雪蓮の顔も潰れる。孫呉の未来、危うし。国を率いる立場の人間に、未熟や劣等感といった甘えは微塵も許されない。(Jack Tlam) むしろ、漫画の「影武者徳川家康」の様に雪蓮が蓮華を呼び出してから将官や豪族達の面前で失態を激しく叱責した上で「次はない。私の後継者であるのなら、他の誰よりも必死に励め」とでも脅しつけた方がまだマシです。(h995) ……冥琳が余りにも馬鹿すぎます。今回の蓮華の失態を豪族達に秘匿するには、今回出征軍に従軍した兵士達はもちろん、戦の詳細を知る荊州方面の商人や彼等との交易を通じて情報を得る事になる他の商人や品物を購入する一般の民の口をも塞がないといけません。そんな事、神でもない限りは不可能です。(h995) 前にも書いたがもう一度。一刀はん、とり憑かれてますがな(笑) 説得に亜紗を連れて行かなくて正解ですね。あんまりこじれると赤壁に向けて呉蜀同盟組めなくなりそう。(kazo) |
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