咎を受けし御使いの最後の旅〜二人の御使いと二人の劉備〜
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 咎を受けし御使いの最後の旅〜二人の御使いと二人の劉備〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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建業の戦い

 

 

 

 

 

 

 

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 冥軍の江夏城侵攻が完了し、孫権と呂蒙は一部の兵と共に建業に撤退せざるを得なかった。しかし孫権達が撤退して孫堅から聞かされたのはとんでもない現実だった。

 

 孫堅「蓮華、よく無事に帰ったね。報告を聞く前にこちらの状況が大きく変わったことを伝えておくよ。」

 

 孫権「状況が変わった?」

 

 周瑜「はい、蓮華様。実は建業を残し、残りの城は晋国に奪われました。南方も山越がこれを機に侵攻を開始。我等は冥国か晋国、山越の三勢力に完全に囲まれてしまったのです。」

 

 孫権「そ、そんな・・・」

 

 呂蒙「そんな事が・・・ど、どうするんですか?炎蓮様。」

 

 孫堅「ま、どの勢力とやりあって吸収されるのがいいか・・・考えなきゃだね。」

 

 孫権「母様!?」

 

 周瑜「蓮華様、それほど絶望的なのです。晋国との戦闘を生き残った者の情報では突然城内に妖が現れ、まともな戦闘も出来なかったようです。」

 

 陸遜「山越の対処をしていた雷火、包の報告によると、相変わらず女子供も容赦なく殺されているそうです〜。」

 

 孫権「そんな・・・」

 

 孫堅「ま、戦うにしても蓮華の報告を聞いてからだね。」

 

 孫権「は、はい。江夏では姉さま率いる軍に一矢報いる事も出来ず配線してしまいました。兵を削る事も出来ず・・・思春と明命、梨晏が捕らえられてしまいました・・・」

 

 孫堅「ふむ・・・雪蓮とは剣を交えたのか?」

 

 孫権「それは・・・」

 

 孫堅「ま、蓮華は武闘派じゃないのは分かってる事だよ。」

 

 呂蒙「それと炎蓮様。孫策様から伝言です。」

 

 孫堅「ん?聞こうか。」

 

 呂蒙「『私は絶対母さんを倒して呉を冥国に取り込む。これは父祖の地を守るためにも必要なこと。母さんなら大体察しはつくでしょう?』とのことです。どう言う事でしょう?この地を守ると言いながら侵攻してきてますが?」

 

 孫堅「・・・・・・ああ、なるほどねぇ。確かにこれは雪蓮の言う通りかもね。」

 

 周瑜「炎蓮様?」

 

 孫堅「考えてもみな。晋国は兵士を化け物に変える妖術を、山越に至っては私らを生かしては置かないだろう。つまり・・・」

 

 周瑜「もしも取り込まれるなら冥国が一番マシ・・・ですか?」

 

 孫堅「ああ、此処まで来ると押し返す事も難しい。この城にすらいきなり晋国の兵が現れかねない。さっさとあいつ等の所に呑み込まれた方がいいだろうね。」

 

 黄蓋「だが堅殿。それならば白旗を上げたほうが早くは無いか?」

 

 程普「祭。それであんたは納得するの?」

 

 黄蓋「・・・無いなですな。戦って認めてこそです。」

 

 孫堅「そう言う事だ。だがしかしシャオは向こうに亡命させておこうと思う。」

 

 張昭「保険ってことかい?大殿。」

 

 孫堅「ああ。向こうの大将がどんな男かは知らない。雪蓮が居るんだから問題は無いと思いたいが、どうもあいつに対して私の勘がうまく働かない。いや・・・もしかしたら私の直感が感じることすら拒絶してるぐらやばいのかもしれないね。」

 

 周瑜「そんな相手に雪蓮は・・・何を求めたのでしょう。」

 

 孫堅「そりゃあ・・・精を求めたんじゃないかねぇ。あっはっは!」

 

 黄蓋「ほう、策殿は男を求めてか。これは良い酒の肴だな粋怜。」

 

 程普「まったく・・・否定はしない。」

 

 孫堅「はっはっは。さてと・・・晋国が此処に来る前に冥国が来てくれることを祈るよ。冥琳、穏、雷火、包。兵站の準備を急ぎな。祭、粋怜、蓮華、それと亜莎には悪いけど今回は武官として動いてもらうよ。それじゃあ動きな!」

 

 全員「「「「「御意!」」」」」

 

 後が無くなった孫呉は冥国との決戦を決定。晋の奇襲が来ない間に軍備を整えようと動き出した。

 

 その頃の冥軍はと言うと・・・

 

 

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 一騎「山越の状況はどうだ?柳琳。」

 

 柳琳「はい、現在虎豹騎隊が西から削って行って占拠されていた町や村を取り返しています。」

 

 一騎「藍、楔の状況は。」

 

 藍「建業の城を中心に打ちこみは完了しています。これで非認可の術の使用、術の掛けられた者の行動の制限と探知が可能です。」

 

 一騎「了解だ。五胡の馬鹿共にも及川の変態にも雪蓮の大舞台の邪魔はさせん。」

 

 柳琳「それでは華侖姉さん達に引き続き山越の相手をさせます。」

 

 一騎「ああ、よろしく頼む。雪蓮、これで後顧の憂いは無い。思う存分文台さんと雌雄を決してくれ。」

 

 雪蓮「ありがとう、一騎。さあみんな!これから決戦よ!!」

 

 全員「「「「「応!!!!」」」」」

 

 戦いの裏で暗躍する無法者と変態のけん制を一騎指揮の元つつがなく終わらせ、遂に建業に向けて軍を動かした。冥軍総兵力五千と呉軍総兵力二十万の戦いが今始まる。

 

 

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 冥軍進軍開始から十数日、呉軍には冥軍の兵力が経ったの五千であることがすぐに知られていた。周辺豪族出身の武官や文官は口々に勝利を口にするが、孫堅ははっきり言って勝てる気がしなかった。いや、負けると自身の勘が騒いでいた。

 

 孫堅(まったく・・・過去に無いぐらいすっきりした直感だね。ただ負けるだなんて思った事すらないってのに・・・)

 

 その視線の先には冥軍の旗が靡いていた。冥の牙門旗に黒地に炎の刺繍があるケの旗。その横に程、孫。向かって左の陣には張、徐。右の陣には許、典。後方には顔の文字も見える。

 

 孫堅「相手は少数。籠城は意味は無し。やる事と言ったら大兵力で一気に押し切る事だが・・・それを許さないだろうね、あちらさんは・・・」

 

 周瑜「とは言え豪族たちはさっさと叩き潰すべきだと主張・・・」

 

 孫堅「は・・・反董卓連合の時の惨状を見てないからそんな事が言える。」

 

 周瑜「どうしますか?」

 

 孫堅「そんなの・・・兵に死んで来いって言うしかないだろう。二十万の内あの戦いを知る者はそれこそあちらと同じ数居るかどうか・・・」

 

 周瑜「では・・・」

 

 孫堅「向こうさんの優しさに期待だね。」

 

 周瑜「それでは全軍に出陣の命を出してきます。」

 

 孫堅「ああ、頼むよ冥琳。私もすぐに出る。」

 

 周瑜「は!」

 

 その後しばらく孫堅は冥軍の陣を見ていて思った。

 

 孫堅(それにしても相手の兵は飄々としてるねぇ・・・十九万の兵力差なんてあって無い様な物だと言いたいのかね?ケ艾士載・・・楽しみだ。)

 

 彼女はどうあっても武人でしか居られないらしい。ケ艾との戦いを楽しみにする一介の武人の顔をしてその場を後にした。

 

 

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 場所は変わって冥軍本陣

 

 

 一騎「それじゃあ雪蓮、俺も今回は暴れるから巻き込まれないように。」

 

 雪蓮「分かってるわよ〜。一騎こそ私と母さんの決闘の邪魔だけはしないでよね。」

 

 一騎「分かってる。」

 

 風「それでは雪蓮さん。お兄さん。ご武運を。今回は決戦ですので下手な策は弄しません。ただ力の限り相手を満足させてください。」

 

 二人「「ん、了解。」」

 

 雪蓮「聞け、皆の者。我等はこれより孫呉との最終決戦に赴く!相手は削ったとはいえまだまだ二十万の大軍勢だ!だがしかし、お前たちは化け物と言われるケ艾に鍛えられ、その仲間達にしこたま虐め抜かれ、それを耐え抜いた精鋭だ!お前たちの仕事はこの戦に勝つことではない。この後の建業の守備につく事とだ!それを忘れるな!生きてあの場所で新たな生活の場を守護する事に命を掛けろ!良いか!!」

 

 冥軍「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」」」」

 

 一騎「諸君、冥皇ケ艾だ。江夏から此処まで君たちは生き抜き耐え抜いた精鋭中の精鋭だ。もはや心配はしていない。だから・・・俺の信頼を裏切るな。お前達が最後まで生き抜く事を俺は信じている。さあ、宴の始まりだ。」

 

 二人「「全軍、前進せよ!!」」

 

 冥軍「「「「「応!!」」」」」

 

 二人の号令と共に五千の兵はそのまま一歩一歩寸分の狂いなく前進する。目標は建業、その前に布陣した呉の軍勢だ。

 

 伝令「申し上げます。こちらの弓の射程に相手を補足しました。」

 

 雪蓮「分かったわ。両翼も準備は出来てる?」

 

 伝令「どちらも合図があればいつでもとのことです。」

 

 雪蓮「じゃ、一騎。」

 

 一騎「ああ・・・合図と共に俺達は一気に敵に突っ込む。お前たちは後ろからついて来て取りこぼしをちゃっちゃと捕まえろ。これは捕縛訓練と同じだ。命を掛けた・・・な。」

 

 ケ艾隊「「「「「は!」」」」」

 

 雪蓮「こっちも同じよ〜。もし下手なことしたら・・・ブッスリ何かが刺さるから覚悟してね♪」

 

 孫策隊「「「「「ひゃい!?」」」」」

 

 一騎「おいおい・・・それじゃあ合図・・・上げろ!!」

 

 一騎の一言で伝令が一つの銃(一騎がプレゼント)を取り出し撃ち上げる。空高く上がったそれは一定の高さになった時青色の発光色を出し、ゆっくりと下りて来る。その瞬間冥軍から多数の矢が呉軍に向けて放たれた。

 

 しばらくして敵に混乱の兆しが見えた。本来届かない距離から届かせられて動揺したのだ。それを機に将全員が呉軍向けて飛び出した。

 

 一瞬で呉軍前線に肉薄した各将は敵兵を吹き飛ばしながら殲滅活動を開始した。その一部・・・とりわけ前回出番の少なかった霞と香風を見てみよう。

 

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 霞「出番なかったのはどこぞの馬神の所為やろー!!!」

 

 香風「・・・屠る。」

 

 おう・・・怖いデ〜ス。

 

 霞「おらおらおら〜!!!」

 

 霞は天麟は展開せず、純粋に偃月刀を振り回しながら敵兵を天高く吹き飛ばしていた。

 

 香風「よっこいしょっと。」

 

 香風は香風で愛斧の面で敵兵を吹き飛ばす。

 

 ちなみに二人の攻撃には追加効果が発生している。

 

 霞の一振りは敵をしっかり柄で捕らえ吹き飛ばすが、振り抜くとそこから突風が吹き荒れ、敵兵は勢いに負けて尻もちをついたり、怯んだりとまともな軍事行動が取れないでいた。

 

 香風の攻撃は数人を吹き飛ばすと同時に同じく突風が吹き荒れるが、それは地面を軽く抉るほどの強さで、まともに受けた敵兵は戦武で吹き飛ばされた者と同様に天高く舞う事になった。

 

 霞「さあ、ウチ等を止められるもんはいるか?居ないんやったら・・・道を開けぇぇぇい!!!」

 

 香風「他の隊より先に敵本陣につく・・・そうすれば一騎にいっぱいなでなでしてもらえる」

 

 二人はそのまま呉本陣への道を作り上げていた。だが、そこに数本の矢が的確に二人の急所に向かって飛んできた。

 

 ガキン!

 

 霞は叩き落とし、香風はそれをキャッチすると向かってきた方向へと投げ返した。

 

 黄蓋「ち、嫌な反撃をする小娘だ。」

 

 香風「・・・おばさん、だれ?」

 

 黄蓋「おば!?くぅ、否定できない歳である事は重々承知だが・・・我が名は黄蓋、呉の将として、そして一人の武人として一騎打ちを所望する!」

 

 霞「黄蓋かいな・・・香風、任せてもええか?ウチは・・・」

 

 そう言って霞は黄蓋の後ろに視線を向けた。

 

 程普「気が付いていたのかい・・・」

 

 そう言って物陰から出て来たのは、蛇矛を担いだ程普だった。

 

 香風「ん、了解。」

 

 香風は程普を確認するとそのまま黄蓋に向き合って戦闘態勢を取った。

 

 黄蓋「貴様が相手か?」

 

 香風「江夏では活躍の場が無かった・・・一騎に褒めてもらうためにぼこられて。」

 

 黄蓋「生意気な小娘じゃな・・・そう簡単にやられはせんぞ!」

 

 黄蓋はすぐに矢を番えると、目にもとまらぬ速さで矢を連続で打ち出した。

 

 香風「だから(ヒュン)そんなの(ヒュン)当たらない(ヒュン)ぞっと。(カキーン!)・・・どうだ(エッヘン)」

 

 香風はそのまま飛んできた矢を避けて避けて避けて撃ち返した。

 

 黄蓋「く、こうも簡単に避けられるものか?ならば・・・ぬ!?」

 

 ズドーン!

 

 香風「あ・・・おしい。」

 

 黄蓋「く!何時の間に!!」

 

 香風は一気に黄蓋に肉薄すると戦斧を全力で叩きつけた。が、黄蓋はそれをすんでの所で回避に成功する。

 

 二人の戦闘はそのまま攻防を繰り広げ一進一退を繰り返す。そんな戦闘を尻目に霞も程普との戦闘を開始した。

 

 

 

 霞「それじゃあウチ等も開始と行こうかい?」

 

 程普「そうだね・・・私の蛇矛の錆にしてやるよ。」

 

 霞「それはウチの台詞や・・・と言いたいんやけど、一騎の方針でな?錆とは言わんけどちょっとばかし痛い目にだけあってもらうわ。」

 

 程普「まったく・・・小娘が良い気になるなよ?」

 

 霞「小娘扱いは否定せんけど、実力の差ぐらいは察知してもらいたい・・・な!!」

 

 程普「ぐぅ!?」

 

 ガギィィン!!

 

 一瞬で肉薄した霞の冗談の一撃をまともに受け止めた程普だったが、その余波で地面は陥没し、程普も片膝を付かされてしまった。

 

 程普「ぐ・・・重・・・」

 

 霞「は・・・これで重い?こんなん準備運動やろ?」

 

 程普「嘗めるなぁ!!」

 

 霞「うぉっと!」

 

 程普「それそれそれぇい!!」

 

 霞「はん、それが攻撃のつもりなん?あくびが出るわ!」

 

 程普「ぐぅ!」

 

 霞「ほらほらお手手がとまっとるでぇ!!」

 

 程普「ぬぅ、がぁ!?ぐあぁぁぁ!!!」

 

 霞「せいせいせいせいせい!!!!」

 

 程普「が、ぐ、がは、うぐ、ぐは!?」

 

 霞「これで・・・終いやぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 程普「ぬぅ!?・・・・・・??」

 

 霞「さ、これで満足やろ?殺す気は無い言うたやろ。」

 

 程普「・・・は・・・ははは。ああ、負けたよ。好きにしな。」

 

 霞「さてと・・・香風はどないなったかな?」

 

 程普との決着を付けた霞はそのまま香風の方に目をやると向こうも決着が付いた所だったらしい。

 

 香風「終わった。」

 

 霞「よし、これでこっちの仕事は終わりや。孫呉の兵に告げる。これ以上の抵抗は血肉残さぬ地獄になりかねん。せやから投降してもらう!!抵抗するなら・・・分かってるなぁ??」

 

 霞は尋常じゃない殺気を周囲に飛ばし、前線に出ていた呉の精鋭を怯えさせて見せる。すると後方の一般兵もさすがに分が悪いと思ったのか、次々と武器を捨て投降の意思を見せていったのだった。

 

 香風「霞、向こうも終わりそう。」

 

 霞「ん?あれは・・・雪蓮と、美羽!?どうしてこんな所に居るん!?」

 

 香風「そういえば・・・暇だから来るって話してた。」

 

 霞「誰が?」

 

 香風「風が。」

 

 霞「もう知らん・・・」

 

 霞はもうこの軍はめちゃくちゃだと諦めながらため息をついた。

 

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 場所は変わって雪蓮&美羽方面。そこに対峙するのは孫堅と孫権、孫尚香だった。

 

 雪蓮「へえ、三人がかり?母さんも老いたわね〜。」

 

 孫堅「は。言っておれ。シャオはそっちに渡すだけだ。」

 

 雪蓮「へ?どう言う事??」

 

 孫堅「この子はそちらに亡命させたい。そう言っておる。」

 

 美羽「その必要は無いと思うがの?」

 

 孫堅「そうか?此処は戦場、どうなるかは分からんのが戦という物だ。だから・・・」

 

 孫尚香「お母さん・・・」

 

 孫堅「頼むよ雪蓮。」

 

 雪蓮「・・・は〜。ま、いいわよ。シャオこっちに来なさい。私達の後ろに居れば安心よ。」

 

 孫尚香「雪蓮お姉ちゃん・・・わ、分かったけど・・・」

 

 美羽「ぬ?妾の事かえ?案ずるな。何もせんよ。」

 

 孫権「そんな事を信じろと言うのか?」

 

 雪蓮「蓮華。あんたはちょっと考えなしすぎ。」

 

 孫尚香「や、やっぱり私もお母さんと一緒に戦う!」

 

 孫堅「いい加減にしな。さあ雪蓮、シャオを連れて行きな。」

 

 雪蓮「まったく・・・大丈夫よシャオ。すぐにこっちに組み込んであげるから。」

 

 美羽「ちゃっちゃと終わらせんとまずいとも主様は言っておった。おそらく・・・」

 

 雪蓮「晋が動く・・・か。じゃ、さっさと始めようか母さん。」

 

 孫堅「ふむ、私はケ艾と一戦交えたかったのだがな。」

 

 雪蓮「私の後ならいくらでも。じゃ、往くわよ。」

 

 美羽「妾はお主じゃ。堅物。」

 

 孫権「だれが・・・!!」

 

 孫堅「蓮華、油断するんじゃないよ。七乃は部隊を下がらせな。」

 

 張勲「は、はい〜。・・・・・・み、美羽様。」

 

 美羽「七乃、今は敵同士じゃ。わきまえい。では行こうかの堅物。」

 

 孫権「だから誰が!!」

 

 そのまま孫権は美羽に向かって突撃してきたが、美羽は難なく回避する。

 

 美羽「遅いの。ほれこっちじゃこっち。」

 

 そのまま美羽は雪蓮達から孫権を引き離して行った。

 

 雪蓮「気を使わせちゃったわね〜。さてと・・・往くわよ母さん。」

 

 孫堅「ああ・・・来な、馬鹿娘。」

 

 二人「「はああああああああああああああ!!!!」」

 

 ギャリィィン!!

 

 戦場に南海覇王と雪蓮の“太刀”が交差する音が響いた。

 

 

 

 美羽「向こうは始まった様じゃの。」

 

 孫権「はぁ、はぁ、はぁ。」

 

 美羽「お主はもうばてたのか?それでは将は務まらんじゃろう。」

 

 孫権「まだまだ!!」

 

 美羽「ふむ、それではこちらも本格的に・・・!?」

 

 キン、キン!

 

 美羽「なるほどの。暗器使いか。」

 

 呂蒙「蓮華様!」

 

 孫権「亜莎、助かった。」

 

 呂蒙「蓮華様、二人で戦いましょう。」

 

 美羽「別に構わんぞ?妾は二人でも三人でも相手になってやるでの。」

 

 孫権「その余裕・・・此処で討ち果たしてくれる!!」

 

 呂蒙「驕りが過ぎます!覚悟!!」

 

 二人の攻撃が美羽を襲うが、美羽はそのまま攻撃を受け流し、すり抜けざまに孫権に一撃を加え、後方で暗器を飛ばす呂蒙に肉薄すると掌底で顎を捕らえ、地面へと沈めた。

 

 孫権「あ、亜莎!?」

 

 美羽「どうしたのじゃ?これでは話にならんのじゃが・・・」

 

 孫権「く・・・」

 

 孫権自身も先ほどの一撃でまともに立ち上がる事すらできなくなっていた。

 

 孫権「それほどの力・・・どうしてケ艾などと言う輩の為に使う。」

 

 美羽「ふむ・・・では孫権よ。お主はなぜ母親の為に力を貸す?」

 

 孫権「そんなの孫家の為、ひいては江東の民の為だ!」

 

 美羽「それと変わらんぞ?妾は主様の為、主様の願いの為じゃ。お互いそれだけじゃろうて。物事などその程度なのじゃ。人の考えは共感できるか出来ないの差だけで大差は無いのじゃ。妾の力は主様の為。お主の力は江東の民の為。誰に力を貸すかなどそれこそ些事ではないかの?」

 

 孫権「・・・」

 

 美羽「雪蓮姉が妾たちの元に来たのも雪蓮姉の意思じゃ。それをお主が咎めるのは自由じゃが、否定する事だけはするでないぞ?」

 

 孫権「お前は・・・私よりも姉さまを知っているのだな・・・」

 

 美羽「うむ、お主もこっちに来ればもっと知ることになる。それこそこの大陸の知識を超えた真実や、どうでもいいような些細なことまで・・・の。」

 

 孫権「・・・はあ、これでは意地を張っている私が馬鹿みたいだな。」

 

 美羽「ではこれで終わりかの?」

 

 孫権「ああ・・・私達の負けだ。」

 

 美羽「これでこちらは終わり・・・雪蓮姉の方は・・・終わりそうじゃのう。」

 

 美羽はそのまま雪蓮の方を観戦する事に決めたようだった。雪蓮は未だに孫堅と剣を交えていた。

 

 

 

 雪蓮「母さん、それで押し込んでるつもりなの?片腹痛いわ。」

 

 孫堅「く・・・まさかここまでとはね・・・雪蓮、どんな鍛錬を積んだんだい?」

 

 雪蓮「それを聞いちゃうの?ただ一騎・・・ケ艾に鍛えてもらっただけよ。」

 

 孫堅「は!此処まで強く出来るケ艾という男は何処まで底が知れないのかねぇ!!」

 

 雪蓮「・・・・・・母さん、もしもケ艾の底を知りたいなら覚悟だけはしておいてね。母さんの人生すら霞むほど・・・深いんだから。」

 

 孫堅「・・・そうかい・・・お前の強さの秘密はそこにも有るようだね。良いだろう・・・だったらまずは私を完全に納得させてみなぁぁぁ!!!!」

 

 雪蓮「そうさせて・・・貰うわ!!!」

 

 ギャリィン!

 

 一気に二人は距離を取り、着地と同時に踏み込み突撃する。一撃で決める。その気概を込めて孫堅は南海覇王を振り抜いた。これで死ぬようならそこまでと言わんばかりに。

 

 ギィィィン!!!

 

 二人は互いに斬り抜けて背を向けあっていた。

 

 孫堅「見事だよ雪蓮。南海覇王を真っ二つに斬るなんてね。」

 

 雪蓮「・・・そう思ってる母さんはもう私の足元にも及ばないよ。」

 

 そう言って雪蓮は太刀を鞘におさめ『チン』と音を立てた。と、同時に孫堅はその身に無数の切り傷を発生させて膝をついた。

 

 孫堅「がああああああああ!?!?・・・・・・い、何時の間に・・・」

 

 雪蓮「一刀みたいには行かないか・・・確か・・・『斬空刃無刃衝』・・・だっけ?」

 

 雪蓮は見よう見まねで一刀の技を盗んで見せたのだった。いまだに彼の域には至らぬなれど彼女の斬撃は達人の域に達しているのは事実であった。

 

 雪蓮「さてと・・・一騎と華琳も終わらせたみたいだし・・・冥琳をとっ捕まえに行こうかな?孫呉の兵よ、分かってると思うが・・・総大将が負けたのだ。要らぬ抵抗はするな。」

 

 その一言に孫堅隊の兵は武器を投げ捨てて行った。その行動がどんどん呉軍全域に伝播して行って最終的に呉軍は全面降伏をせざるを得なくなった。

 

 戦後処理はすぐに行われた。何より建業の周辺は最早晋の領地なのですぐにでも精鋭で領地奪還と晋国侵攻を計画しなければだったのだ。

 

 ちなみに一騎と華琳は軍師の二人を相手取って遊んでいたらしい。兵を生かさず殺さずで弄びながら笑っていたらしい・・・後に陸遜と張昭は口をそろえてこう言った。『冥皇と覇王は二人揃うと正しく魔王なり』と。

 

 

 

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 あとがき

 

 

 けっちゃーく!!!

 

 美羽の合流は急きょ蓮華の相手させてぇなぁ思い合流させました。

 

 もう何処に誰が居るのか自分でも分からなくなってきたなぁ・・・

 

 それでは次回はひとまず呉軍の将を説得・・・してみますか!

 

 では次回『呉将吸収』でお会いしましょう。

 

 実際呉の将の出番は次回で終わりなきがするなぁ・・・

 

説明
孫呉との最終決戦です。桜楼村にいるはずのあの子が登場です。
決戦と言っても速効決まってしまうのがつまらないという方は早急にバックしてね。
ここまで来て何言ってんだって気もしますがね!
では本編どうぞ
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コメント
M.N.Fさん<羽生「きゃあああ!ストーカー!!!!(渾身の右ストレート)」   やめなさぁぁぁい!!!!(ユウヤ)
↓久々の羽生登場と聞いて来ました。(M.N.F.)
叡渡さん<そう?ならもっと滅茶苦茶に・・・ 羽生「久々の登場ア〜ンド自重せんか〜い!」  アベシ!(ユウヤ)
黒鉄刃さん<やってることは悪党っぽいけどね?(ユウヤ)
えぇっと(^_^;)、言葉が足らなくてすいませんが今回の話の中での一騎と華琳が某二人で一人のヒーローぽい思っただけです・・・(^_^;)(黒鉄 刃)
黒鉄刃さん<それを意識したことはありませんなぁ。しかし何処かにそれらしきものがまざっとるかもしれません。でもそれが二次創作言うものでしょう!・・・・・・そうだと信じたい。(ユウヤ)
あかさん<そうかい?次回もなんでもありな展開を見せるかい?どうなるかは自分でもわからんけどw(ユウヤ)
何だろう・・・一騎と華琳の状態見てると、某二人で一人の特撮ヒーローを思い浮かべてしまった・・・(黒鉄 刃)
hahahahahaもう何でもありだな!!だが、それがたまらない!!!!次回も期待してます(あか)
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