恋姫英雄譚 鎮魂の修羅19の2
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拠点・星

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

星「一刀殿、今日の夜は私と・・・・・」

 

一刀「すまない、各邑と郡の治安の書類を今日中に片付けないといけないんだ!!別の日にしてくれ!!」

 

星「・・・・・分かりました」

 

 

 

 

 

 

 

次の日

 

星「一刀殿♪素晴らしいメンマが手に入りましたぞ♪」

 

一刀「悪い!!漢王朝から使者が来ているんだ!!後にしてくれ!!」

 

星「むぅ・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

更に次の日

 

星「一刀殿♪今日こそは酒を酌み交わして・・・・・」

 

一刀「人和、この書類を頼む!!影和、この書類を三番の部屋に届けてくれ!!」

 

人和「はい、分かりました!」

 

影和「あ〜〜〜、忙しい忙しい♪」

 

星「・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

星「まったく、一刀殿も多忙が過ぎる、もうちょっと余裕を持って仕事をするという事を知らないのか!?」

 

酒壺を片手にプンスカしながら廊下を歩く星

 

その足取りはどうにもオヤジ臭い

 

ここ暫く、一刀は星と酒の席に付き合っていない

 

もちろん忙しいという理由もあるが、それでも星は不満だった

 

白蓮「ん?どうした星、機嫌が悪そうだな」

 

菖蒲「どうかされたんですか?星さん」

 

その時、向かって右側の扉が開き白蓮と菖蒲が出て来た

 

星「おお、白蓮殿、菖蒲、聞いてくだされ、最近一刀殿が付き合いが悪いのだ!」

 

白蓮「おいおい、それは今更だろう」

 

菖蒲「はい、一刀様のお仕事は多方面に及びますから、一刀様の判断を仰がなければならない事が多いですし」

 

星「それは知っている!それでももうちょっと他の者に仕事を分担するなりなんなり、色々工夫できるでしょうに!」

 

白蓮「それはもちろんやっているさ!それでもこの有様なんだからしょうがないだろう!」

 

菖蒲「はい、一刀様も他の文官の皆さんの育成にも力を入れていらっしゃいますが、それでも追い付いていない状況ですので・・・・・」

 

星「むぅ〜〜〜〜〜・・・・・何とかならないものなんですか?」

 

白蓮「何とかしようにも、私達も手一杯だからな・・・・・」

 

星「白蓮殿はお暇でしょう、今ではほとんど仕事は回ってこない状態のはずですし」

 

白蓮「人聞きの悪い事言わないでくれ!州牧としての仕事はいくらでもある!一刀が推し進める政策もそうだが、他の文官達の言も聞かなきゃならないんだからな!」

 

菖蒲「私も部隊の調練や、一刀様のお手伝いで一杯一杯の状態ですし・・・・・」

 

星「・・・・・・・・・・」

 

白蓮「そこまで言うんだったら、星も武官の仕事ばかりしていないで、文官の仕事もやってみたらどうだ?」

 

星「いえ、私は武官一筋ですので、そういった事では役に立てませぬ」

 

白蓮「調子良いな、ただそういった細かい事が面倒臭いだけだろう・・・・・」

 

菖蒲「一度一刀様のお仕事を経験されてはいかがですか?そうすれば一刀様のお立場が分かると思いますよ・・・・・」

 

星「いや、遠慮しておく!一刀殿と同じ仕事量など、私が5人いても事足りるかどうかわからん!」

 

菖蒲「あ、星さん!?」

 

白蓮「ちょっとおい!!話を振っておいて逃げるな〜〜〜〜!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、白蓮と菖蒲を振り切り廊下を闊歩する星

 

星「ふぅ、危なかった・・・・・一刀殿と同じ仕事量など、おちおち酒を飲む暇もありはしない・・・・・」

 

菖蒲の言っている事も理解できるが、自分の一番楽しみにしている時間まで奪われるのはたまったものではない

 

飄々と雲の如く自然体で生きる事を信条としている星にとって、一刀の仕事の仕方はとても真似できるものではなかった

 

星「しかし、いかに一騎当千の武を持つ一刀殿といえどもこのまま続けていては、いずれ倒れてしまうぞ・・・・・」

 

そう、いい加減な事を言っているように見えるが、星が最も危惧しているのは一刀の体調なのだ

 

いままで一刀と共に戦場を駆け見てきているが、一刀も決して無限の体力を持っている訳ではない、疲れれば息切れもするし、傷付けば血を流すのだ

 

このまま仕事が集中し過ぎて過労で一刀が倒れてしまえば、それこそ仕事は滞ってしまうだろうに

 

星「仕方ありませぬな、他の者に話しても解決する事ではないし、私が一肌脱ぐか♪/////////」

 

そして、怪しげなポーズを取り星は再び廊下を歩きだした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「・・・・・ふぅ、終わったぁ〜〜〜」

 

ようやく仕事が一区切りし、一刀は自分の執務室に戻って来た

 

外は既に暗がりが支配し、虫の鳴き声が響いてくる

 

一刀「流石に疲れたな・・・・・今日は、夕飯を食べる気力もない・・・・・」

 

執務室に戻って来るなり、椅子に項垂れる一刀

 

一刀「・・・・・それにしても、星にはすまない事をしてしまっているかな」

 

ここ最近は、漢王朝との繋がりが太くなり仕事量が増している為、殆んど構ってあげられない日々が続いているのは分かっていた

 

彼女からの誘いの回数が日々増えている事からも、かなり寂しい思いをさせてしまっているのも理解していた

 

おまけに

 

星「一刀殿ぉ、主と呼ぶことを許して下され♪」

 

一刀「断る、俺達の主は白蓮だろ?」

 

星「それはそうかもしれませんが、私は貴方を主としたいのですよ♪」

 

と、自分を主に仕立て上げようとする回数は数えきれなかった

 

彼女の思いは本物だろう、しかし一刀はその申し出を受け入れる事は出来なかった

 

仮に自分が白蓮に成り代わりこの幽州の州牧などになってしまえば、この幽州に縛られてしまい腐敗した漢王朝の改革など出来なくなってしまう

 

この大陸全体の事を考え、地位向上を推し進め、かつ自身の身動きが取れる最上の位置はナンバー2であると一刀は考えているのだ

 

一刀「そろそろ休もう、明日の仕事に支障が出る・・・・・」

 

文官の服を脱ぎ、寝間着に着替えた一刀は即効で寝台に潜り込もうとする

 

一刀「そうだ、鴎から貰った薬も飲もう・・・・・」

 

鴎から貰った薬はこれまでも服用したことがあり効果がある事は知っていた

 

むろんいつも服用している訳ではない、こうして疲れ過ぎて眠ることが出来ない日のみ、鴎の薬をあてにしているのである

 

そこに、いきなり扉がノックされる

 

一刀「?・・・・・誰だ?」

 

星「一刀殿、私です」

 

一刀「星か、開いてるから入っていいぞ」

 

そして、星は一刀の執務室に入る

 

星「お疲れ様です一刀殿」

 

一刀「こんな夜更けにどうしたんだ?なにか仕事で問題でもあったか?」

 

星「はぁ・・・・・一刀殿、貴方はいつも仕事仕事と、こんなにも見目麗しい女が夜更けに殿方を訪ねてきているのに、他に言う事は無いのですか?」

 

一刀「?・・・・・他に言う事?」

 

星「はぁ・・・・・今宵は酒の席だけにしようと思っていましたが、これはもう実力行使しかありませぬかな?」

 

一刀「え?なっ!!?」

 

いきなり星は、一刀を寝台に押し倒した

 

不意打ち気味に襲われ、しかも相手が星という事もあって油断していた

 

一刀「お、おい!!何をするんだ、星!!」

 

星「一刀殿、私の主になって下され」

 

一刀「またその話か、それは断ると何回も言っているだろ」

 

星「私は、貴方に生涯の忠誠を誓いたいのです」

 

一刀「なんで俺なんだ?それに白蓮を差し置いて、そんな事出来る訳がないだろう」

 

星「一刀殿の義理堅さは知っています、しかし貴方の器は最早二番目でいていいものではありませぬ!もっと上を目指して良いものです!」

 

一刀「断る、前にも言っただろう、俺は誰かの主になる気はさらさら無いって」

 

星「・・・・・どうやら決意は固いようですね、分かりました、そこまで言うのであれば私も何も言いませぬ・・・・・ならば一刀殿、今ここで私を抱いてくだされ♪」

 

一刀「は?ちょっと待て!!なんでそこでそんな話になるんだ!!?///////////」

 

星「何を言っておりまする、若い男女が月明かり差し込む薄暗い部屋で二人きりなのですぞ、そういった事をするのは至極当然でしょ・・・・・それとも、ここまでさせた女に恥をかかせるのですか?」

 

一刀「・・・・・っ!」

 

バサッ!

 

星「きゃあっ?」

 

上を取っていた星の腕を取り、引き寄せ、逆に上を取り覆い被さる一刀

 

星「ふふふふ♪ようやくその気になっていただけましたか♪//////」

 

一刀「・・・・・いや、自分の部屋に戻ってくれ」

 

星「ここまでしておいてそれは無いでしょう!!」

 

女として、ここまでの屈辱と侮辱と恥を味わい、星は軽く激昂する

 

一刀「すまない星、俺は漢王朝を変えるまで絶対に女性は抱かないと心に決めているんだ」

 

星「では、この場で私を抱いてくださらなければ、私はこの陣営を出て行きましょう」

 

一刀「なんで抱く抱かないでそこまでの話に発展するんだ!?」

 

星「一刀殿が分からず屋だからです!!最近の一刀殿は余りに付き合いが悪いです!!酒の席に誘っても全く参加してくれませんし、一緒に至高のメンマを探しに行こうと誘っても来てくれないし!!」

 

一刀「それは・・・・・星だって知っているだろう、俺だって忙しい身だってことは・・・・・」

 

星「一刀殿が多忙なのは知っていますが、それでもあんまりです!!・・・・・私だって一人の女なのですよ、殿方の肌が恋しくなる時だってあります、一刀殿は私が仕えるに値する主だと思っているのに、なぜそんなに邪険にするのですか、なぜ振り向いてくださらないのですか、一刀殿ぉ・・・・・」

 

一刀「・・・・・星」

 

最後の方は泣きそうな声だった

 

表情から見ても、星が本気で自分の事を慕ってくれているのが見て取れる

 

しかし

 

一刀「すまない・・・・・俺だって星の事が嫌いなわけじゃない、星は魅力的な女性だ、俺だって星とそんな関係になれたらいいと思っている・・・・・それでも俺は、今の漢王朝を変えるまで、絶対に女性は抱かないと決めているんだ」

 

星「しかし、それはいったい何時の話なのですか!!?」

 

漢王朝を変えると一言で言っても、それは1年や2年で終わるような話では決してない

 

下手をしたら何十年、もっと悪ければ一生を賭けても出来ないかもしれない

 

それくらいの途方もない労力と時間が必要なのだ、一刀のやろうとしている事は

 

星「その間中、貴方は女性と疎遠するというのですか!!?それで貴方は報われるのですか!!?」

 

一刀「自分の利益なんて考えていたら絶対に出来ない、全てを擲ってでもやり遂げる覚悟が必要なんだ」

 

星「その覚悟は称賛に値します!!貴方の自己犠牲の精神は、尊敬に値すると言ってもいい!!しかし、それでも納得がいきませぬ!!なぜ貴方なんですか、なぜ一刀殿が犠牲にならなければならないのですか!!?それに貴方一人が全てを擲って解決する問題ともとても思えませぬ!!」

 

一刀「勘違いするな、星、これは誰かがやらなくてはならない事、それがたまたま俺だったというだけの話なんだ・・・・・星や他の皆だって言っているじゃないか、俺が天の御遣いだって、だったら俺は天の御遣いとしての役割を、乱世を未然に防ぐ事を果たす」

 

星「我々は、そのような意味で一刀殿を天の御遣いと称している訳ではありませぬ!!」

 

一刀「それじゃあどんな意味なんだ?星達にとっての天の御遣いっていうのは」

 

星「・・・・・それは・・・・・」

 

一刀「この大陸に平和を齎す使徒か?それとも、乱世で何百万人も殺す大量殺戮者か?」

 

星「・・・・・・・・・・」

 

一刀「言い回しでいくらでも解釈は違ってくるさ、特に天の御遣いとか超常現象絡みの胡散臭いものは・・・・・それに、仮に俺が漢王朝を変えられなかったとしても、その次の人間が後に続いてくれればいいんだ」

 

星「しかし、それでは貴方は何も得られませぬ・・・・・」

 

一刀「それでいい、自分の名声なんかと引き換えなら、まったく惜しくない、平和を守る為なら」

 

星「・・・・・・・・・・」

 

星は信じられなかった、一刀は、自分が築き上げた成果を全て他人に譲り渡すと言っているのだ

 

名誉は得るかもしれないが、失敗すれば漢王朝からは邪険にされ、民達からは約束を破った裏切り者呼ばわりされてしまう、いかに帝から信を得る事が出来たからといっても、気が遠くなるほどの遠き道のりと障害を乗り越えた末に手に入れた褒章としては、あまりにも小さい

 

一刀「悪いな星、これだけは譲れない、これを曲げてしまったらこの先必ず何処かで歪みが出て来てしまう、一度決めた事は最後まで貫きたいんだ・・・・・星だって、一度決めた信念を捻じ曲げてあっちへこっちへフラフラするような挙動不審な男を好きになれるのか?」

 

星「〜〜〜〜〜〜〜っ!!」

 

そう言われてしまうと星も返す言葉が無い

 

信念を持たない人間になど仕える価値は無いし、仕えたとしても面白味の無いものになってしまうからだ

 

一刀「それに、なにも俺一人で漢王朝を変えようだなんて思っていないし、変えられるとも思っていない、これから漢王朝の内部と外部に味方を作っていく、それを繰り返していけばきっと時間は掛からない、きっと数年で漢王朝は昔の華やかさを取り戻す、それまで待ってくれないか?」

 

星「・・・・・それでは、全てが終わった暁には」

 

一刀「ああ、星は俺が貰ってやる、だからそれまでは力を貸してくれ」

 

星「分かりました、そこまで仰られるならもう何も言いませぬ、私も出来うる限りのお力添えをいたしますぞ♪//////////」

 

一刀「ありがとう、星」

 

星「キャッ!」

 

可愛い叫び声をあげる星

 

覆い被さった星を抱き起し、一刀は力いっぱい抱きしめて来た

 

星「〜〜〜〜〜〜っ////////////////」

 

その逞しい腕に抱擁され、星は顔を真っ赤にしながら自身も抱き締め返した

 

そして、夢見る

 

いつか、この腕に抱かれ、一刀と契りを交わすその日を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

拠点・菖蒲

 

 

 

菖蒲「きゃーーーーー!!!きゃーーーーー!!!きゃーーーーー!!!」

 

自身の愛斧、鬼斬を振り回す菖蒲

 

一刀「う〜〜〜〜ん、まだ克服には程遠いみたいだな・・・・・」

 

後ろから菖蒲に話し掛けた一刀は鬼斬の斬幕を掻い潜っていた

 

鶸「あ、また菖蒲さんですか」

 

蒼「男性恐怖症だとは知っていたけど、菖蒲さんは相当に重症だね♪」

 

白蓮「しかし、そろそろ慣れてきてもいい頃だと思うんだがな・・・・・」

 

星「ですが、これはこれで面白いです♪」

 

菖蒲「もももも、申し訳ありません!!!一刀様!!!」

 

そして、例によって例の如く早回しの平和鳥のようにひたすらに謝りまくる菖蒲

 

一刀「いや、別に構わないけど、ここ最近ぶり返してないか?」

 

菖蒲「はい、私もそう思います・・・・・黄巾の乱でも部隊を率いているはずですのに、なぜか体が勝手に反応してしまうんです・・・・・」

 

一刀「う〜〜〜〜ん・・・・・これは、知らない人が菖蒲の後ろに立つと危ないな、そのうち絶対血を見るぞ」

 

菖蒲「あうう〜〜〜〜(私は何をやってるんですか・・・・・これでは一刀様や皆さんに要らぬ迷惑を掛けてしまいます)」

 

自身が男性恐怖症である事をこれほどまでに恨んだことは無い

 

自分の不甲斐無さにただただ菖蒲は嘆くばかりだった

 

一刀「・・・・・効果があるかどうか分からないけど、一つ試してみるか?」

 

菖蒲「なんですか!!?この際何でもいいです!!この性格が治るんだったら何でもします!!」

 

一刀「・・・・・なら菖蒲、俺に付いて来てくれ」

 

菖蒲「はい!!どこまでも!!」

 

一刀「いや、そういう意味じゃないから・・・・・ちなみに、他の皆は後を付けてこないように」

 

蒼「え〜〜〜、なんでなんで〜〜〜!?」

 

星「ぶ〜〜ぶ〜〜、隠し事とは感心しませんな、一刀殿〜」

 

白蓮「おいおい、いちいち一刀のやる事に干渉するなよ」

 

鶸「蒼も付いていっちゃ駄目よ!」

 

蒼「え〜〜〜!?蒼達は一刀さんの監視役なんだよ〜〜!」

 

鶸「それとこれとは話が別よ!!」

 

こうして、変な言い争いをしている最中

 

一刀「菖蒲、行くぞ」

 

菖蒲「え?あ!?」

 

一同が言い争いをしている隙を突き、菖蒲の手を取り駆け出す一刀

 

菖蒲「(ああ、一刀様の掌、暖かいですぅ♪)/////////」

 

掌から一刀の体温を感じ、菖蒲は今までに感じた事の無い幸せを味わっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「よし、ここまでくれば大丈夫だろう」

 

そして、菖蒲を連れてやってきたのは街だった

 

菖蒲「あ、あの、一刀様、これから如何なされるおつもりですか?」

 

一刀「ん、これから俺と逢引するんだよ♪」

 

菖蒲「え・・・・・えええええええ!!!??///////////」

 

予想もしていなかった一刀の言葉に菖蒲はテンパる

 

菖蒲「(どどどどうしましょう!!?いきなり過ぎて心の準備が何も!!)///////////」

 

かつて白蓮と一刀の逢引を手引きした経緯があるが、自分が一刀と逢引するなんて事は決してないと思っていた為、軽く混乱していた

 

一刀「まずは男に慣れていくことから始めた方がいいからな、それには逢引が一番手っ取り早い」

 

菖蒲「え・・・・・そう、ですよね・・・・・」

 

この一刀の言葉で目が覚める、てっきり一刀が自分に好意を寄せていると思い込んでしまった為に菖蒲は少し気を落としてしまう

 

一刀「菖蒲は逢引なんてした事が無いだろ、だったら俺が先に立たないとな、ほら」

 

菖蒲「え?きゃあ!?」

 

いきなり一刀は菖蒲の肩に手をやり抱き寄せ、そのまま歩き出す

 

菖蒲「(ああ、どうしましょう、どうしましょう)////////////」

 

形だけの逢引とはいえ、菖蒲は果てしない幸福感に包まれていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、その後一刀と菖蒲のデートは菖蒲の人見知りもあり色々とぎこちない部分もあったが、なんとか事無きを得た

 

内容は白蓮としたのと大差は無く、回るのに少し時間が掛かったくらいだった

 

一刀「どうだ?楽しかったか?」

 

菖蒲「それはもう♪一刀様も楽しめましたか!?私も至らないところが多々ありましたので、ご迷惑を掛けませんでしたか!?」

 

一刀「至らないのは俺も同じだよ、なにせ逢引なんてこの前白蓮としたのが最初だからな」

 

菖蒲「でも、私は一刀様に任せきりでしたので、楽しくなかったのではと・・・・・」

 

一刀「そんな事ないよ、普段忙しくて菖蒲との時間なんて持てなかったし、こうして菖蒲と逢引が出来て新鮮な気分になれたよ♪」

 

菖蒲「・・・・・それなら良かったです」

 

一刀「だからそんなに卑屈にならないの、そんな性格だから男性恐怖症が何時まで経っても治らないんだぞ♪」

 

菖蒲「//////////////////」(モジモジモジモジ)

 

笑顔で顔を覘き込まれ、菖蒲はまともに目を合わせることが出来なかった

 

そして、再び手を繋いで街を歩きだす一刀の菖蒲

 

一刀「・・・・・なぁ、菖蒲、前からずっと聞きたかったことがあるんだけど」

 

菖蒲「あ、はい、なんでしょうか?」

 

一刀「菖蒲は、どうしてこの幽州に仕官したんだ?」

 

菖蒲「え?なぜそのような事を聞かれるのですか?」

 

一刀「いや、深い意味は無い、疑問に思っていただけだ」

 

深い意味はある、徐晃公明といえば生涯の殆どを曹魏に仕えた将である

 

公孫賛のいる幽州に仕えたなんて事実は史実はもちろん、三国志演義でもないのだ

 

だから菖蒲に関してはここだけがどうしても引っかかっていたのだ

 

菖蒲「その事ですか・・・・・実を言うと、私は仕官するかどうかも迷っていたんです、一刀様にも話したことがありますが、私は子供の頃男の子達に苛められていて男性恐怖症になってしまいました、それを克服しようと武芸を習っていましたが、それも結局は無駄な努力でした」

 

一刀「それとここに仕官したのとどういう関係があるんだ?」

 

菖蒲「はい、せっかく武芸を習ったのだからそれを生かせないかと思っていたのですが、男性恐怖症である事もありましたし、止めようかと思っていたんです、その時ある占い師が私を訪ねて来たんです」

 

一刀「占い師?」

 

菖蒲「はい、その人は自分の事を管輅と言っていました」

 

一刀「管輅って・・・・・まさか!!?」

 

菖蒲「はい、一刀様が天から遣わされる事を予言した人です、その人に言われたんです、『幽州を訪ねなさい、天の御遣いが貴方を導いてくれるでしょう』、と」

 

一刀「まさか、そんな胡散臭いものを信じてここに仕官したのか!?」

 

菖蒲「胡散臭いだなんてとんでもありません!確かに最初は迷いましたが、こうして一刀様と出会う事が出来ました!一刀様は、男性恐怖症の私に優しく接してくださっていますし、こうしてその克服も手伝ってくださっています、今はあの人の言う通りにして良かったと心から思っています♪」

 

一刀「(・・・・・本当に何者なんだ、その管輅っていうのは)」

 

管輅というのは史実や演義にも出てくる、人の誕生日や寿命を占いによって言い当てることが出来たと言われる占い師である

 

しかし、こんな三国志の序盤で管輅が徐晃と接触し、あまつさえ幽州に仕官するように促したなんて事実は歴史の何処にもないはずである

 

だが、実際にこうして徐晃こと菖蒲はこの幽州にいる

 

一刀は強烈な違和感を覚える、その管輅という人物は自分を遥かに凌ぐイレギュラーなのではないかと

 

菖蒲「・・・・・一刀様、そんなに私がここに仕官したのがおかしいですか?」

 

一刀「いや、そんな事は無い、菖蒲がいてくれて俺も助かっているしな」

 

菖蒲「ありがとうございます♪これからも誠心誠意お仕えいたします♪」

 

一刀「ありがとう・・・・・それはそうと、男性恐怖症は改善されたか?」

 

菖蒲「え、あ・・・・・まだ、よく分かりません・・・・・」

 

そう、今回の逢引の主目的はそれなのだ

 

一刀「そうか・・・・・なら、漢王朝を改革したらもっと沢山逢引しよう、菖蒲ともいろんな所に行きたいからな♪」

 

ギュウッ

 

菖蒲「あ・・・・・ああああ//////////」

 

いきなり一刀に抱き締められ、菖蒲は赤面してしまう

 

その胸板に顔を抱き寄せられ、更に後ろから頭を撫でられる

 

菖蒲「・・・・・えへへへ♪(ああ、一刀様ぁ、やっぱりお優しいですぅ♪)//////////」

 

その掌の感触に浸り、菖蒲は生涯で一番の幸せを感じていたのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、拠点終局

説明
幽州拠点、パート2
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コメント
彼女らを抱く理由って、駒として使い易くするためかな?一刀の中にはどんな思いがあるやら(弥生流)
nao 種馬肌馬関係無いやろアホかw(ポンチキ)
Eire言ってる意味さっぱり分かんねえよw種馬関係ねーだろドアホw(ポンチキ)
人殺しはダメなのに重婚はオッケーなんですねw さすが種馬wwww(Eire)
この一刀には、タクティクスオウガというゲームに登場するプランシー神父の遺言を聞かせてやりたいですね。なお、その遺言とは「己を棄てろ。大義の為の礎となれ。現実をきちんと見据えて、より良い選択肢を選ぶのだ。お前は次の世代の為に道を作るだけでよい。それを忘れるな」……さて、一刀には一体何が欠けているのでしょうか?(h995)
失敗した場合、民から信用されなくなった自分の変わりに改めて頑張ってくれる後継者や子孫がいないと責任は取れないぞ。歴史上の英雄達が自分の後継者や血筋にこだわるのはそうゆう意味合いもあると私は思うからな。まあ身内や親しい人への情ももちろんあるだろうが。(yuuki)
一刀は、失敗した時歴史上最低の悪党と王朝や民に言われてもいい覚悟はすでにしていたんだな。だがなわかっていないぞ一刀。失敗した場合お前に恨みを向ける民達も苦しいということを。信じていた物に裏切られ、恨みを植え付けられた人の苦しさは半端無いからな。自分が責められる覚悟と自分を信じてくれた人の責任を一緒にしちゃあいけないよ。(yuuki)
漢王朝が盛り返せば種馬になるんですねwこれから仲間が増えてそれにともない肌馬も増えるとw(nao)
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鎮魂の修羅 恋姫英雄譚 恋姫†無双 北郷一刀 ファンタジー 

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