真・恋姫無双 別たれし御遣い 第三十二話
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〜一刀視点〜

鎖で船団を繋ぎ合わせて揺れを少なくする方法

これはこの辺りの漁師が行っている方法と言っていた

実際はどうか知らないが、冥琳の仕込みだろう

その準備を曹操軍は着々と進め、かなりの数の船団が鎖で繋がれた

そして、それは船団の密集を意味する

此方の準備は整った

後は風向きが変われば、決行だ

 

ほぼ全ての連環が終了し、曹操軍の準備が整った頃風向きが変わった

決行するなら今夜だな

その夜、

「北郷、来なさい」

曹操に呼び出された

作戦は動き出しているが、今はまだばらせないので素直に従う

曹操、夏候惇、夏侯淵について旗艦に行く

「此処で良いでしょう

 北郷、貴方は本当に孫呉と戦う意思が有るのね?」

「投降する時に言った通り、俺の望みは鞘華の身の安全だ

 その為なら、他の事は大して考慮しない」

俺の言葉に曹操は表情を険しくする

「人としては評価できない言葉ね」

「俺は『天の御遣い』なんて神輿にされているんだ

 多少の我儘は認めてもらうさ」

そこへ荀ケがやって来る

俺を一瞥すると

「華琳様、お伝えしなければなら無い事が・・・」

そう言って曹操に耳打ちする

それを聞いた曹操の表情が一変する

「北郷、貴方の部隊の兵が行方をくらましたわ

 どこに行った 何を企んでいる!?」

「答えずとも直ぐに分かるさ」

俺がそう答えた時、船団の数か所から火の手が上がる

火計は成功した

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火計は密集した船をどんどん巻き込み、広がって行く

「これは貴男の仕業ね!」

「正確には俺の連れて来た部隊の、ね」

夏候惇、夏侯淵は怒りの形相で武器を構える

「私は、まんまと騙された訳ね」

「半分は本当さ

 俺の目的 鞘華の身の安全が最優先 これだけはね

 その為には孫呉が曹操に勝つのが一番確率が高い」

戦なので確実とは言えない

だが勝ち戦ならば生存率は高くなる

 

「許さん!」

夏候惇が怒声と共に、斬りかかって来る

既に旗艦にも火が迫っているのに、三人とも撤退しようとしない

相当、俺に対して怒っているようだ 当然だけど

夏候惇の斬撃を躱し、反撃を試みるが夏侯淵の援護射撃でとても出来ない

防ぐのが精一杯だ

この二人、姉妹だけ会って連携が取れている

このままやりあっても勝ち目は薄い

かと言って、逃げようとすればその隙を夏侯淵に突かれて、弓の餌食だ

おまけに時間をかけて居られない

火計に巻き込まれる前に脱出しないと

どうにもよくない状況が揃いすぎている

攻防をしながらも、思考を巡らす

これが隙を生んだのか、脇腹に鋭い痛みが走った

「春蘭と秋蘭に気を取られ過ぎね 私を無視するなんて」

曹操が愛鎌「絶」で俺の脇腹を切り裂いていた

致命傷では無いが、かなり深い

手で傷を抑えるが、出血が酷い

この状態で三人を相手に生き延びるのは、不可能だ

その時、対岸の方向から孫呉の軍勢が攻め寄せて来た

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〜鞘華視点〜

一刻も早く一君の元に辿り着かないと

その一念で船に乗っていた(漕ぐのは兵士の人)

火計は成功したので、孫呉が有利になった

数の不利は確かだが、向こうは火計で碌な対応が出来ない

勝手に数を減らしてゆくし、水上戦での練度は桁違いだ

だが、この計略が成功しても一君の危険度は高い

早く合流しないと、取り返しのつかない事になる そんな嫌な予感がする

曹操軍の船団の中を進んで行くと旗艦らしき船を見つけた

その船には・・・一君が居た

「あの船が旗艦よ

 あの船に向かいなさい」

私は自分の乗っている船に指示を出す

一君の救出をする許しは雪蓮から得ている

だが・・・

 

〜一刀視点〜

「華琳様、急ぎ撤退を!」

荀ケが叫んでいる

「分かっているわ!

 北郷を始末したら、直ぐに行くわ」

俺は夏候惇と鍔迫り合いの状況の所に、曹操が向かって来る

一か八かで夏候惇の剣を横に流しながら、横に飛ぶ

しかし、一瞬遅く肩から胸にかけてを斬られてしまう

後ろにふらつきながら

(とどめがくるのか)

そう思ったが、それより速く俺の体は船から落下した

 

〜鞘華視点〜

一君が負傷しているのが見えた

早くいかないと

だが、私達の船が旗艦から100メートル以上離れている時点で・・・

一君が船から落下した

 

「一刀ーーーー!!」

 

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〜あとがき〜

 

赤壁の戦いのクライマックスでした

 

最後の鞘華の叫びは感情の爆発の為「一君」ではなくなっています

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
赤壁の戦いB
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コメント
この後の鞘華の行動が気になりますな〜助けに河に飛び込むのか、怒りで華琳に斬りかかるのか!(nao)
俺は『天の御遣い』なんて神輿にされているんだ まるで自分が被害者か犠牲者かのような発言に胸糞が…選択肢がなかったかのように言ってますけどそれってどうですかね?(禁玉⇒金球)
……展開がまるで龍狼伝ですね。勝機を作った龍娘々が負傷した状態で敵と一緒に河に落ちてしまったものの、それでも龍の軍師は曹操を守る為に司馬仲達と戦わなければならなかった。さて、こちらの天の御遣いはどうするのやら。(h995)
今作はよく一刀君負傷しますねぇ。さて、鞘華は形振り構わず一刀わ助けに行くのかそれとも行きたいのを我慢して他の人に任せ、決戦の場に挑み一刀の敵討ち「死んでねぇ!」をとるのか(スネーク)
タグ
真・恋姫無双 北郷一刀 北郷鞘華 華琳 

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