艦隊 真・恋姫無双 41話目
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【 十常侍の叛逆 の件 】

 

? 司隷 洛陽 都城 にて ?

 

一刀「先ほどは………お見苦しい姿を見せてしまい、申し訳ありません! これが……私の正式な軍装です!」

 

★ーー★ーー★ーー★ーー★

 

(二種軍装(夏服)だけど……)と心の中で呟く一刀。

 

本来は、紺色の一種軍装(冬服)やら正装、礼装とか種類あり。

 

『提督ぅ〜、時間と場所をわきまえなヨー!』の誰かさんの台詞じゃないが、白色の軍装を一年中着用している事は無い。

 

だけど、この外史の一刀は、あの絶対絶命の中から、着の身着のままで来ちゃたので……仕方が無い。

 

作者も詳しく知らないし、他の作品の司令官さん方も……二種軍装で表現しているので、この話も倣う事にさせて頂く。 それに、天の御遣いは『白色の服装』だから、こっちの方が都合が良い……っていうのもあるけど。

 

★ーー★ーー★ーー★ーー★

 

劉宏「おぉ………ッ! やはり……やはりぃ……!!」

 

軍装の白色が、日の光を浴びて、劉宏の目に輝き映る! 今まで、半信半疑であった一刀の姿が……はっきりとした確信に変わった!!

 

噂話で伝わる『天の御遣い』が……余命のある内に現れ、親しく声を掛けてくれたのだ。 劉宏は……静かに目を閉じて感涙……した! 

 

★☆☆

 

そんな中、張譲たちは騒ぎ立てる!!

 

張譲「ぐ、ぐぅーー!! い、いや……陛下ぁ! これは冤罪でございますぅ! この清廉潔白な私が───陛下を誤魔化そうなど!? 何進や御遣いを名乗る曲者たちに、嵌められたのですぞぉ!!!」

 

趙忠「陛下───ッ! 『貌をもって人を取る』と、孔子も申しておりまする! 今一度、御再考の考えが必要かと!!」

 

劉宏「だ、黙れぇ!! 朕の詔を偽造し……ゴホッ! か、何進どころか……御遣い様まで騙そうとする───ゴホッ! ゴホッゴホッゴホッ!!」

 

何進「陛下! ここは───私にお任せ下さい!! 張譲を始めとする十常侍どもよ! 貴様らの悪徳は、ここに暴かれた!! 陛下に謝罪し、素直に捕縛されよ!! 近衛兵よ──ッ! 十常侍どもを捕らえるのだッ!!」

 

ーーー

 

兵『!?!?』

 

孫璋「なにを呆けておるッ! は、早よう! この者を始末せぇ!!」

 

兵1「し、しかし……陛下の御言葉、閣下の命令は!?」

 

孫璋「愚か者共めぇええッ!! お前たちに何の為に護衛で集められた!? 陛下は元より、儂らを守る為に居るのじゃろうがぁ!! 陛下は、逆臣何進に騙されておるッ! 陛下を救い出し、逆臣どもを誅殺せよ!!」

 

兵2「ですが、直属の上司に当たる閣下が───そのような事を!!」

 

畢嵐「ふむふむぅ……お前はぁ……逆臣何進に加担する気かぁ? ならばぁ……お前とぉ! お前の九族合わせてぇ……死刑確定ぃいいいッ!!」

 

兵2「そ、そんな────ッ!!?」

 

郭勝「ならばぁ───早く行けぇ!!!」

 

兵2「────は、はいっ!!」

 

段珪「それにな〜、御遣いや何進の首級を挙げた者に、百金の報奨を下そうじゃないか〜! 御遣いに仕える者共も一人に付き十金〜! 悪い話ではなかろう……クククククッ!!」

 

『─────────!?』

 

自分たちの給金が一年で《一金と少し》だけ。 

 

どれだけ一生懸命働いても───だ。 

 

それが、十年ぐらい遊んで暮らせる程の金を得る事が出来ると云う。 

 

命令を拒否すれば九族抹殺の刑、実行すれば多額の報奨金! 

 

城下の間では、憧れの職業ではあるが………実際は上司の無理強いに板挟みになる宮仕え。 決断に逡巡する者は多い!!

 

しかし、趙忠に急かされ、『畢嵐、郭勝の恫喝』『段珪の誘拐』に負け、集まった兵士たちが剣を抜き、一刀たちに向き直った!!

 

★★☆

 

皇帝劉宏に認めて貰うのが……当初考えていた一刀たちの目的! 

 

無論、張譲達が邪魔をして来るのも分かっていた!

 

張譲十常侍達が動くのであれば、兵力に因る武力行使を使う事も想定範囲内。 

一刀達の得物も艤装も、都城に入る際は全て預けるが原則だから、近衛兵を何らかの理由を付けて、当てて来るだろう……と。 

 

しかし、此方も……先導する何進は、権力者の雄であり武官としての長であり、その何進が招聘した者は、数々の奇跡を成し遂げた天の御遣いの一行!

 

この事を背景とした威光を持ちて、近衛兵に指し示せば、漢王朝内の争いは防げると判断。 しかも、念には念を入れて、霧島に張譲の声を録音するように、指示までしていたのだが……。

 

張譲たちは───予想通りに己の非を認めず、逆に何進たちを謀反人に仕立て上げ、一刀たちを近衛兵たちに襲わせた!!

 

だが……事態は予想を越えるッ!

 

ーーー

 

張譲「ホーッホホホホッ! ……………ここまで申し上げても、御理解されませんか! 今までと同様に我々の掌で、踊っていれば良いものをッ!!」 

 

張譲の皺(しわ)だらけの顔が、更に皺だらけになるように歪む!

 

張譲「ならば、仕方ありませんな! 十常侍よ! 兼ねてからの手配を開始する! 姿を見せい──ッ 高望、宋典!!」

 

張譲が叫ぶと───最後まで閉められていた重き扉が開く!

 

────バァン!!

 

高望「張譲殿ぉ! 皇女様方を……ほれっ! この通り、お招き致しましたぞぉ!? 皇帝陛下が危篤と申せば、御姉妹で仲良う来られたわ!! 腹違いと云えども、仲良きかなぁ────ホホホッ!!」

 

ーーー

 

劉辯「御父様! 即解放!(お父様! 早く解放せよ!) 」

 

劉協「父上ぇえええッ!! は、離しなさいッ! 無礼であるぞッ!?」

 

ーーー

 

宋典「両皇女のどちらかが……新皇帝になられるのだ! 云わば、新玉は我々の掌にあり! 寿命尽きる傀儡なぞに……興味など無いっ!!」

 

金髪の髪を背中まで垂らすロングヘアーの少女『劉辯』、銀髪の髪を結う少女『劉協』が、十常侍の『二人』に─────捕まえられていた。

 

 

◆◇◆

 

【 皇女たちの危機 の件 】

 

? 司隷 洛陽 都城 にて ?

 

その様子に、張譲の口角が醜く上がり、十常侍が口々に仄め(ほのめ)かす!

 

張譲「ホーホホホッ! 良きかな! 良きかなぁっ!!」 

 

郭勝「動くなぁ───ッ! 動いたらぁ皇女達を殺すぅぞぉおおお!!!」

 

孫璋「一人だけ残れば後は………のぉ?」

 

劉宏「劉辯ッ! 劉協─ッ!」 

 

張譲「ノーッホホホホッ!! 十常侍を甘く見たようじゃな? 何進、御遣い達! そして────劉宏よ!!」

 

『──────────!』

 

劉宏「十常侍よ! 貴様達ぁ───ゴボッッ!?」

 

『ノーッホホホホホホッ!!』

 

『ホ───ッホッホッホッホッホッ!!』

 

劉宏の壮絶な絶叫、喀血する姿を目の前にして………張譲たちは高笑いを優雅にしつつ高望に合流、何進たち此方を眺めて勝ち誇る!! 

 

『張讓、趙忠』が劉宏に懇願

 

『孫璋、畢嵐、郭勝、段珪』が兵たちを動かし

 

『宋典、高望』が皇女を拿捕

 

『夏ツ、栗嵩、張恭、韓?』が、

奇妙な笑い声を上げながら……合流に向かう。

 

これで『十常侍』たちが、この場に全員揃ったのである!

 

★☆☆

 

金剛「Why? 十常侍は『10人の宦官』じゃないのデースカ!?」

 

朱里「ち、違うんですぅ! 十常侍は『12人の中常侍の集団』を云いまふ! 集団の名称は概数で表すものでしゅから……! そ、そんな事より、皇女様がぁあああッ!? た、大変ですよぉ!!!」

 

桔梗「卑怯な………!!」

 

焔耶「くそぉーッ! だから宦官ってヤツは、嫌いなんだよッ!!」

 

ーーー

 

袁紹「キィ───ッ!! たかが宦官の分際で、名族袁家に刃向かうなど言語道断! さっさと辯皇女、協皇女をお離しなさいッ!!」

 

文醜「麗羽様!!(袁紹 真名 麗羽) そんな刺激を与えるような言葉じゃ無理ですって! もう少し穏便な言葉で!」

 

麗羽「じゃあ……猪々子さん(文醜 真名猪々子)! なんって呼び掛ければ良いんですッ!?」

 

猪々子「よぉーく聞けぇえええッ!! お前たちはぁ〜完全に包囲されているッ! 大人しくー投降しろぉおおおッ!!」

 

張譲「……………………………」

 

顔良「ぶぶぶっ、文ちゃんッ!! どこでぇそんな挑発的な言葉を覚えたのぉ!? 駄目だよ! 十常侍たちを余計に刺激してどうするの!! それに、包囲されているのは私達なんだよぉ───ッ!!?」

 

猪々子「斗詩〜ぃ(顔良 真名 斗詩)固い事云うなよぉ〜! あぁいうヤツらには、単純な言葉で説得するのが一番! それに、幾ら兵が多くても、あたいと斗詩の力を合わせれば──アッというまに片付けて、逆に囲んでやるからさぁ!」

 

斗詩「だからぁ───人質が居るのぉ! 私達が手を出すと、皇女様のどちらかが、死んじゃうかもしれないんだよッ!?」

 

ーーー

 

張譲「クククククッ……漢王朝の忠誠は見事じゃが……時勢に合わぬシロモノよ! 『皇帝』なんぞ飾りに過ぎん! 皇帝としての地位が欲しければぁ、それを支える我々を大事にしなくてはの〜!?」

 

趙忠「陛下! 一時は、張譲殿と儂のことを『父母』と呼んで、厚遇したではないか? 今からでも……遅う無い! 何進の一党を罷免、御遣いたちに我々へ協力するように要請すれば、御二方を御返しましょうぞ!?」

 

劉宏「────しかしッ! しかしッ!!」

 

郭勝「我らが、ただの脅しかぁ! ───その目で見るが試してみるか!?」

 

劉辯「──────!?」

 

劉協「──あ、姉上ぇっ!!」

 

郭勝が懐より、金銀を散りばめた小刀を取り出し、一人の皇女に向けた!

 

 

◆◇◆

 

【 助っ人登場 の件 】

 

? 司隷 洛陽 都城 にて ?

 

恋姫達と艦娘達は、兵たちを睨み付けながら機会を窺う。

 

兵達も、顔を歪みませて、刃を向ける事を躊躇する者、欲の塊となりて目を輝かせ狙う者と様々!

 

だが、皇女を人質とする前代未聞の行為に……何進側に対抗する術は、今は無く……このままでは、張譲側に軍配が傾く!

 

ーーーーー

 

そんな中、劉宏と十常侍たちが交渉している間に、一刀は恋姫、艦娘達に隠れて、何進と相談していた。 この状況を覆す為の打開策を作る為に!

 

ーーー

 

一刀「………何進、例の覇気を使う金縛りって、この人数でも可能?」

 

何進「数が多い───。 しかも、私が訓練を施した剛の者ばかりだ。 術に耐性もあるから難しい……な」

 

一刀「そうか……」

 

何進「だが───心に隙が出来れば、術は掛けやすくなる。 動揺するような予測不可能の出来事が起きればだが!」

 

一刀「……………!」

 

一刀が『ある事』を思いついた時と同時に、張譲側へ異変が起きた!

 

★☆☆

 

───────ゴロゴロッ!

 

十常侍の……皇女を人質に取る高望、宋典、そして郭勝の傍に……丸い物が転がって……近付いて来る。 

 

ーーー

 

高望「な、何じゃ? 鉄の『鞠』が転がって来おったが?」

 

宋典「ま、鞠にしては……動物の耳らしい物が付いておじゃるのぉ……?」

 

郭勝「気味の悪い物だ! こんな物、すぐに破壊してやるわ!!」

 

劉辯「─────!」

 

劉協「北───!?」

 

郭勝が、小刀を皇女から鞠に向けて変え、一つを突き刺そうと動く!

 

郭勝「ふん────ッ!」

 

─────スススッ!

 

───────スカッ! バキッン!!

 

郭勝「わ、儂の絢爛豪華の宝剣がぁ─────ッ!?」

 

すると───郭勝が何をするのか、分かっていたかのように避けて、前へ進む! 郭勝は、石の床に突き刺す事になり、自慢の小刀を己の手で破壊してしまい、唖然として見送った!

 

 

ゴロゴロ───ピタッ! 

 

────ガバッ!!

 

??「グーッガガガガガガッ!!」

 

??「カ─────ッ!!」

 

 

丸い物は、二人の宦官の傍に近寄ると……停止。 

 

そして───物体は急に飛び上がり、大口を開いた! 

 

鋭い鋸状の歯を持ち、焔を時折吐き出しながら、威嚇の鳴き声を上げる!

 

そんな、得体の知れない物が高望、宋典に襲いかかったッ!

 

高望「ひっ! ひぃ──っ! ば、化け物ッ! 化け物じゃ!!」ドンッ!

 

宋典「おじゃ────るぅッ!!」ドンッ!

 

二人は、己の身を守るため躊躇する間もなく、皇女を身代わりに投げ出した!

 

劉辯「───痛ッ!」バタッ!

 

劉協「────姉上ッ!?」

 

皇女の二人は、縄で拘束されている身! 当然ながら、逃げる事も避ける事も不可! 早い話が身動きが取れない、絶体絶命の状態!!

 

張譲「馬鹿がッ! 二人とも化け物に渡しおってぇえええッ!! 正式な血族で皇帝を継がせた方が、遥かに楽なのは知っておろう!!」

 

高望「わ、我らが死んでも宜しいのかぁ!?」

 

宋典「死にとうないッ! 死にとうないぃいいいッ!!」

 

張譲「───チィ! 死んでも支障など無かろう! お主達の代わりなど、幾らでもおるわ! しかし、皇女達の代わりは───おらんからな!!」

 

『────────!?』

 

張譲は、無残な姿になった皇女を予想して……振り向いた。 自分に向かってきたら……高望、宋典を身代わりにしようと考えながら。

 

ところが─────!

 

??「ガガガガガッ! 『ブチッ!』 クゥ〜ン! クゥ〜ン!!」

 

??「ガブッ! ガガガガガッ!!」

 

劉辯「(  ̄▽ ̄)ノ”●≪≪≪≪」ヨシヨシ

 

劉協「『たこ焼き』! すまぬ、早く縄を解いてくれッ!!」

 

皇女達を助けようと縄目を噛み切る『要塞』たち!

 

北方棲姫「タコ焼キ……違ウッ! ───早クゥ! コッチ来イッ!!」

 

十常侍たちの後ろには、何進配下の『北方棲姫』が居た。 

 

郭勝「……………………」

 

そして、足下には………白目を向いて倒れる郭勝。

 

郭勝は───後方より、北方棲姫の持っていた『菱餅』の角で叩かれ───気絶していたのだった!

 

 

◆◇◆

 

【 一触即発 の件 】

 

? 司隷 洛陽 都城 にて ?

 

張譲「き、貴様ぁ! あの時の!!」

 

趙忠「おのれぇ───ッ! 近衛兵よ! その不埒な者を倒せ! 生け捕る事などしなくて良いッ! 殺せぇ! 殺してしまぇ!!」

 

近衛兵『ハ───ッ!!!』バタバタバタッ!

 

ーーー

 

─────趙忠が殺害命令を出した! 

 

政敵の殺害は珍しい事ではない。 皇帝の寵愛厚い者が、捏造した罪を告げて、政敵を自殺、もしくは左遷させてから抹殺する前例がある!

 

しかし、今回、自分たちの目論見が全部バレてしまった。 このままでは、十常侍全員が処刑されるのは目に見えている。

 

なら……どうするか?

 

皇帝の一族は、宦官の力を知っている。 近衛兵もしかり……だ。

 

だから、言いくるめて罪を闇に葬る事も可能。

 

だが───何進や御遣い達は違う!

 

宦官の権力に屈しない者! 寧ろ、正面より対抗出来る『敵対関係者』!!

 

─────早急に排除しなければならない!!

 

そんな考えがあったのだ。

 

 

 

しかし、そうは問屋……艦娘達が許さない!

 

こちらも、姿、形は違えど……先の大戦で戦ってきた『艦』である!

 

上官を守護すると云う想いは、近衛兵如きに負ける事は無い!

 

ーーー

 

天龍「素手だからって、甘く見やがると……!!」ヘッ!

 

龍田「ものすっっごい〜反撃を、お返しして上げるわね〜!!」

 

ーーー

 

長門「来いッ! この長門──艤装無くとも武勲艦として、提督の命を守り抜いてみせるぞ!!」

 

ーーー

 

ビッグE「Street fighting(ストーリートファイト)か! 久々に滾るわね!」

 

アリゾナ「ねぇねぇ……何人倒せるか……競争してみなぁい? 賭けるのはぁ〜て・い・と・く1日自由権利権!!」

 

スチュワート「の、乗ってあげても……いいわよ!!」

 

榛名「面白そうな試みですね! 私も参加しますッ!!」

 

霧島「榛名には負けないわよ? 奮戦するんだからッ! 」

 

雷「………電、また合体するわ! 準備してぇ!!」

 

電「…………仕方ないのですッ!」

 

響「フッ! 私の Боевое самбо(バエヴォエサンボ 日本名 コマンドサンボ)の恐ろしさ! 見せてやる!」

 

金剛「私が会得した……必殺のThe Fairbairn Fighting System(フェアバーン・システム )が火を噴くネ!」

 

比叡「お姉さまの邪魔するひとは、許さない! し、司令……は、関係無いです! お姉さまの為に───気合い! 入れますッ!」

 

ーーー

 

雪風「どうしましょ! どうしましょ!? 人を相手に無効化なんてぇ、雪風、始めてなんですぅよぉ!!」

 

木曾「俺たちは、軍艦相手だったからな……。 いや、提督とのスキンシップが攻略の鍵かも知れん! その加減を見極める事ができればなッ!!」

 

ーーー

 

暁「ちょっと! レ、レディに……まさか、相撲で相手しろと……! えっ? 合気道とか知らないのかですって!? 普通、深海棲艦に体術なんて使わないでしょう! ねぇ! ねぇってば!!」

 

翔鶴「私達は、弓が折れた場合の体術を教えて貰いましたが……」ショッボン

 

瑞鶴「大丈夫ッ! アイツらから武器を奪って攻撃すれば、私達の方が有利よ!! だから、翔鶴姉ぇ──頑張ろぉ!!!」

 

ーーー

 

港湾棲姫「アッ! アァアアア────ッ!!」

 

サラ「港湾棲姫さん!! 事情は……お察し致しますが、今は御自分の心配をなさって下さい!! 貴女が倒れてしまえば───哀しまれます!!!」

 

ーーー

 

艦娘……勿論、恋姫達も素手で応戦する準備をする。

 

流石に、朱里や麗羽は後ろに下げさせる!

 

一刀「二人とも! 急いでこれを膨らませて! 合図をしたら、口から離して!!」

 

朱里「はっ! はいっ!!」

 

麗羽「まぁ……御遣い様ですから、従いますけど。 本来名族を使うのに、礼儀が適っていませ『早くッ!!』────分かりましたわ!!」

 

一刀「────! ────!!」

 

そして、二人は……一刀がポケットより取り出した『風船』を膨らませ、一刀は、別の物に空気を入れていた。 

 

 

◆◇◆

 

【 一刀の奇策 の件 】

 

? 司隷 洛陽 都城 にて ?

 

双方が激突し出す直前、力が抜けそうな音が鳴り出した。

 

『ブゥーーーーーーー!』

 

『ブゥ、ブゥーーーーーー!!』

 

ーーー

 

近衛兵「───?」

 

近衛兵「──!? ───!?」

 

天龍「な、なんだぁあ!?」

 

猪々子「おいおいッ! こんな時に、呑気な音出す奴は誰だよぉ!!」

 

ーーー

 

近衛兵と艦娘達がキョロキョロと辺りを見渡す!

 

そして、次に────!

 

『パアアァァァァ────ッ!!!』

 

と、大きな音が鳴り響いた!!!

 

ーーー

 

近衛兵『ビク────ッ!!』

 

翔鶴「こ、今度は何なのぉ!?」

 

ーーー

 

一刀が────何進に叫ぶ!!

 

一刀「何進! 今だぁ!!」

 

何進『カッ─────!!』

 

何進から強力な覇気が、方向性を持って向けられる!!

 

向けられた先は───近衛兵! 

 

一斉に顔が青ざめ、動けなくなる!

 

一刀は、近衛兵達が持っている捕縛用の縄で、全員縛り上げるように命じ、複数の艦娘が処理に当たった!!

 

 

★ーー★ーー★ーー★

 

一刀が持っていたのは、前の世界で寄った『薬屋』のオマケ『音が鳴る風船』である。 空気を入れ、膨らませてから口を離すと……『ブゥー』と鳴るタイプの風船。

 

そもそも、なぜ薬屋に寄ったかと云うと……『胃薬』を買いに。

 

世の中に数ある鎮守府の中で、よく使う『三大使用薬』があるそうだ。 

 

……最後の物は、その鎮守府の環境次第で変わるが、『1番 胃薬』 『2番 風邪薬』は不動である!

 

胃薬は……食あたり、精神疲労、食べ過ぎ。

 

多分……思い当たる提督は多いと思う。 

 

比○カレーとか……○風の朝食とか……

 

風邪薬……体力低下が多い激務、水を被る事が多い為。

 

3番が………睡眠薬、精○剤etc.

 

何に使うかは……まぁ……想像にお任せ。

 

一刀は、その使用が高い胃薬を買いに行き、オマケで貰った。 風船が2個、それを入れていた紙袋を。 

 

一刀『ウチの鎮守府じゃ……取り合いになるしな。 喧嘩の種をワザワザ持ち込むのも馬鹿馬鹿しい』タタミタタミ……スッ

 

そう考えて、ポケットの中に綺麗に折り畳み……入れていたのを忘れていたのだ。 

 

一刀は、風船を朱里と麗羽に膨らませ、その間に何進へ相談! 

 

何進にも承諾を得て、直ぐに風船が入っていた『紙袋』を膨らましたのだ。

 

そして、双方動き出した時に、風船を鳴らして気を削ぎ、その終わりに『紙袋』を叩いて、破裂させて驚かせたッ! 

 

その隙をついて、何進が覇気を放ち、金縛りにさせる!

 

三段階の構えを持つ『精神操作術』である。

 

★ーー★ーー★ーー★

 

 

何進「一刀ッ! よくやった! これで十常侍共を───ッ!?」

 

北方棲姫「アイツラ……逃ゲタ……」

 

何進が、残り十常侍を捉えようとしたが、室内には………既に居ない!

 

北方棲姫は、皇女を守護するだけで精一杯らしく、十常侍をみすみす見逃してしまった様子。

 

近付くには、北方棲姫にやられた郭勝ただ一人、転がっていただけだった!

 

★☆☆

 

何進は、麗羽たちに十常侍追討の将に命じ、都城内の兵士達を使い、十常侍を捕獲するよう命じた!

 

一刀も、配下の将に十常侍を追わせるため、何進に竹簡に許可を記載して貰い、部隊を分けて都城内の捜索を指示する!!

 

ーーーーー

 

一刀「逃げ足の早い奴らだ! 朱里、桔梗、焔耶──三人を指揮官に命じる! 残り十常侍の後を追うんだ! 艦娘達も四隊に別れ、一隊が陛下の守備、後の三隊が追撃に付いてくれ!」

 

ーーー

 

金剛「私達、金剛姉妹艦は朱里に入るネ! 朱里、Please do me this favor!」

 

朱里「て、天の国の言葉でしゅか!?」

 

榛名「分かりづらくてすみません! 姉は『よろしくお願いします』って、申しています! 妹の榛名です! 指揮官、どうか御指導の程を!」

 

朱里「い、いえッ! 此方こそ!!」

 

比叡「私も頑張りますから! 比叡、行きます!!」

 

霧島「貴女の知謀の数々、聞いていますよ! 艦隊の頭脳と言われるように、勉強させて貰います!」

 

朱里「はわわわッ! き、恐縮ですぅ!!!」

 

ーーー

 

焔耶「ワタシのところには………」

 

天龍「しゃあねぇ……この天龍様が付いてやるぜ!」

 

焔耶「………………むっ!」

 

龍田「ごめんなさいね〜! 天龍ちゃん、焔耶ちゃんの事が気に入って、心配だから付いて行くって聞かないのよ〜! 私も〜お供させて貰うわね〜!」

 

焔耶「─────はっ!?」

 

天龍「ばッ! 云うなぁ!! お、お前のその……なんだぁ……。 熱いところが気に入ってるんだ! だ、だから……手伝わせろ!!」

 

木曾「俺もだ! ここなら、俺の力が発揮できそうだしな! よろしく頼む、指揮官殿!!」

 

ビッグE「アタシもコッチに入るよ! 提督を見ていると……ついつい厳しくなっちまう! 偶には離れて……この世界を知らなくちゃな!」

 

焔耶「理由は……色々あるみたいだな。 わかった! ワタシは指揮官として──北郷様に命じられた身だ! 如何に『天の御遣い』と云われる貴女達でも、文句は言わさないぞ! ワタシに付いて来いッ!!」

 

『了解(しました〜)!!』

 

ーーー

 

桔梗「さてぇ………わしには?」

 

雷「よろしく頼むわね! ジュウジョウジ……って奴らを捕まえて、早く司令官を安心させたいのよ!」

 

電「第六駆逐隊が麾下に入るのです! よろしくお願いしますね!」

 

桔梗「な、何じゃ!? 女童ばかりか……?」

 

暁「わ、私だって……私だって………成長すれば……レディになるもん!」

 

桔梗「─────ッ!?」

 

響「まぁ……気にしないでくれ。 指揮官が魅力的な女性だから、暁が勝手に落ち込んでるだけだ。 束の間だが……宜しく頼む!」

 

桔梗「……わしこそ……軽はずみじゃた! ……すまぬ!」

 

暁「………いいわよ。 レディは、このくらいで挫けない! 必ず見返してやるんだから!!」

 

桔梗「ふむっ! 流石は北郷殿に付き添ってきた者達じゃ! お主らの力頼りにさせて貰う! 宜しく頼むぞ、小さな英傑達よ!!」

 

『はいっ(了解)!』

 

ーーー

 

こうして、十常侍と何進、一刀たちの戦いは……一応の決着が付いた。

 

しかし……劉宏の余命は……幾ばくも無い。

 

皇女達も……北方棲姫が護衛に付き添って……近付く。

 

劉宏との……最後の対面を………迎えようとしていた。

 

 

 

ーーーーーー

ーーーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

 

リアルが予想以上に忙しくなって、疲れで作業が進みませんでした。

 

今回も、何とか上がりましたが……まだ忙しさが続きます。

 

今度の更新は、ヘタをすると……二週間後に!?

 

なるべく早く上げたいですが……どうなるか。

 

また、よろしければ読んで下さい!

 

 

 

 

説明
今度も、更新が遅くなります。 3/16 イチナナヨンマル……加筆修正しました。
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コメント
スネーク提督 再コメントありがとうございます! ようやく……です。 四十数話にして……。(いた)
四方向…なるほど(。-∀-)ニヤリ(スネーク)
hokuhin提督 コメントありがとうございます! 厳密に言えば……ほっぽちゃん……何進側です。 一刀の事、許していないから。 それと、明石さんや間宮さんも……出さないといけませんね。(いた)
ぽっぽちゃん味方だと頼もしいなw菱餅もあるみたいだし、武装の強化も明石さんが居れば出来そうだな。(hokuhin)
mokiti1976-2010提督 コメントありがとうございます! 勧善懲悪物です(笑)  十常侍の行き先は……次回の予定です。 四方向に向かうと云えば、お分かりかと。(いた)
やはり悪は滅ぶのみ…しかし張譲達は一体何処へ逃げるというのでしょうね?(mokiti1976-2010)
スネーク提督 コメントありがとうございます! 前作もそうですが、今作も思い付きで書いています。 ですので、後付け設定に結構苦労しているんですがw 月の方は理由は出来てるんですけど、反連合軍結集の理由付けが、まだ定まっていません。 まだ、先の話ですのでゆっくりと思案中。(いた)
ほっぽちゃんナイスwwさぁ十常侍どもを引っ捕えろぉ!斬首でも車裂きでもなんでもしてやれー!w張譲だけは逃げ切るんだろうなぁ…あれ、でもそうしたら麗羽は張譲の企み分かってるから反董卓連合は誰が?そもそも皇帝と一刀達が会ってるから月が来る必要もないような…はて?(スネーク)
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