「少年戦記ガイアテラス」第7話・「一輪の花」Aパートその1
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(ケンスケのナレーション)

「11月19日、南部戦線ではこのところ戦闘準備態勢を示すグレードAどころか

要警戒態勢を示すグレードBさえも発令されない日々が続いている。

オリオンの中でも、それまでの張りつめた空気は何だったんだってくらいに

のんびりした雰囲気が広がりつつあるようだ。

そんな中、突然ある『事件』が僕らを襲ったのだった…。」

 

シーン1・シャワールーム前廊下

入り口のドアに貼られている「故障中」の張り紙の前で互いの顔を見合せる

ケンスケとカイト。

ケンスケ「2日ぶりにすっきりできると思ったのに…。」

カイト 「風呂ぐらい1週間や2週間入らなくても死にゃあしねぇよ。」

ケンスケ「そりゃカイトはそうかもしれないけど。」

カイトの言葉に小さくため息をつき、軽く肩をすくめるケンスケ、一方その後の

ケンスケのあきれたような表情を目にしたカイトはドアの横の艦内通話機に

手を伸ばす。

カイト 「まぁとりあえず、ジンに何があったのか聞いてみるか。」

無言でうなずくケンスケ、カイトは素早くテンキーを押してジンがいるであろう

部屋へと回線をつなぐ。

 

やがて何度かのコール音の後、受話口からいつもよりは微妙にトーンの高いジンの

叫ぶような声が聞こえてくる。

ジン  『はい、こちら第3機関室!』

その声量に思わず受話器を少し耳から離してしまうカイト。しかしすぐに気を取り

直して会話を続ける。

カイト 「俺、カイトだけどどした?シャワー室使えないのか?」

ジン  『どうもお湯を沸かすボイラーが壊れちまったみたいでな、このままだと

    下手すると食事も作れないかもな。』

カイト 「そりゃ困る、乾パンパーティーなんてゴメンだからな。」

ジンの答えに苦笑いを浮かべるカイト、その様子を横からケンスケが不思議そうな

表情で見つめている。

 

そのうちカイトの耳に受話器を通してジンに指示を飛ばしている機関班長の声が

かすかに聞こえてくる。

ジン  『え、何ですか!…あ、悪い、ちょっと待ってくれるか?』

カイト 「ん、ああ、わかった。」

いったん受話器を耳もとから離すカイト、その姿を見たケンスケがカイトに声をかける。

ケンスケ「何かトラブルでもあったの?」

カイト 「のようだな。」

それだけ言うと黙って天井を仰ぐカイト、二人の間にはしばし沈黙が続くがやがて

それを破るように、受話器から再びジンの声がする。

ジン  『あ、すまん。とりあえず壊れた場所の見当はついたけど、部品の在庫が

    ないみたいでどうやら俺がそれ取りに行くことになりそうだ。』

カイト 「アメクの補給基地か?なら俺も行こうかな、こっちでも結構足りない

    モノが多くなってきたからな。」

 

 

 

 

当初はまさにTVアニメのように前半後半の2回でうpする予定だったんです

けど、御覧の通り結構長くなったので前半後半をそれぞれ2回に分けて

うpすることにしました。

でも…この書き方だとちょっと見にくいかなぁ(大汗)。

説明
http://www.tinami.com/view/75906 に続く、“ガイアテラス”の本編その1です。
http://www.tinami.com/view/104999に続きます。
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SFアニメもどき ちょっとシリアス 話の始まり 少年 友情 戦争 各種ネーミングの元ネタは(以下略) もしよければよいキーワードつけてください(大汗) 

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