仮面ライダー剣×ゴッドイーター ?掴み取る運命? 第4話
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十真

「ソーマ…」

 

リンドウ

「そうだ。今度の任務はそいつと行ってもらう」

 

 

 

 

エントランスのロビーで十真とコウタはリンドウに呼び出されていた。

 

初陣から何日か経ち、新たな任務が十真とコウタに舞い降りてきたのだ。

 

と言っても、新人のスキルアップのための任務。大して凄くないのだが、本人達にとっては全て新鮮な経験だ。

 

 

 

 

リンドウ

「あいつは、ゴッドイーターとしてはかなり優秀でな。戦闘技術を学ぶなら持ってこいだろ。まぁ、同じ第一部隊の仲間だし、顔合わせと思ってくれ」

 

コウタ

「へぇ…」

 

リンドウ

「少々、人付き合いが下手だが…お前さんらと同年代だ。気軽に接してやってくれ。あー、あともう一人『エリック』って奴も同行する。こいつも変わり種だが、悪い奴じゃないから安心しろ」

 

 

 

 

少なくとも、十真達よりは経験を積んだゴッドイーターだ。頼らせてもらうほかない。

 

任務は翌日だった。大まかな内容は昨日リンドウから伝えられていたので、特にミーティングなどはなく現地集合だ。

 

場所は、古い鉄塔が草木で埋め尽くされたエリア『鉄塔の森』。

 

広い円形のそのエリアは見晴らしが良く、アラガミの位置を特定しやすいが、逆に見つかりやすいとも言える。

 

だから、合流する人物を見つけるのも簡単なわけで、目的の二人はすぐに見つかった。

 

1人は暗い紺色のコートにフードを深く被った銀髪黒肌の青年。

 

もう1人の青年は対照的で、茶髪にサングラス、胸元や肩が省かれた軽装な服で、色白な上半身全体にタトゥーが入っている。

 

茶髪の青年は十真達に気づくと、大きく手を振って駆け寄ってきた。フードの青年はちらと一度こちら見ただけで、つまらなさそうに立ったままだった。

 

 

 

 

エリック

「やぁ。君達が例の新人クンかい?噂は聞いてるよ。僕の名前はエリック。エリック・デア・フォーゲルヴァイデ」

 

 

 

 

エリックは、どことなくチャラチャラとした感じで2人に話しかけた。不真面目ではなさそうだが、変わり者のように見える。リンドウの言っていた意味がわからない気もしない。

 

彼がエリックなら、向こうにいるのがソーマという人だろう。

 

 

 

十真

「斬峰 十真です」

 

コウタ

「藤木 コウタッス!」

 

エリック

「ま、君達も僕を見習って、人類のため華麗に戦ってくれたまえーー」

 

ソーマ

「エリック、上だ!」

 

 

 

 

その時、十真達は息を飲んだ。

 

突如、十真達の頭上から飛んできたオウガテイルがエリックに襲いかかったのだ。

 

エリックは悲鳴を挙げることもなくオウガテイルに喰われ、十真達の目の前で命を失った。

 

そう、このエリアは見晴らしがいい。ゆえにアラガミからも見つかりやすい。

 

 

 

 

ソーマ

「ボーッとするな…!」

 

 

 

 

[CHANGE]

 

 

 

 

オウガテイルの前にソーマが現れまでは、本当に一瞬だった。

 

気づくと既にチェンジのカードで変身している。

 

しかし、その姿はコウタ達のものとは違った。

 

黒と銀の装甲に、真っ赤なハート型の複眼。全身に稲妻のような金のラインが流れ、明らかに他の旧型ラウザーシステムとは一線を画していた。

 

バックルも通常とは違う。カードをセットするタイプではなく、ラウザーと同じくラウズして使用するもののようだ。

 

黒い戦士はオウガテイルを蹴り飛ばし、十真達と距離を離した。

 

まだオウガテイルが宙を舞う中、彼の手に銀色の刃を持つ弓矢が召喚され、オウガテイルを斬り裂いた。

 

オウガテイルが地に着く時、既にその体は真っ二つに裂けていた。

 

 

 

 

ソーマ

「…ようこそ…クソッタレな職場へ…」

 

 

 

 

オウガテイルの死体を後にし、黒い戦士は十真達の元に近づいてきた。

 

 

 

 

ソーマ

「ここではこんな事は日常茶飯事だ。俺はソーマ。別に覚えなくていい」

 

 

 

仲間が目の前で死んだのに、ソーマの身振り素振りはサッパリとしているように見えた。

 

 

 

 

十真

「俺はーー」

 

 

 

 

エリックの死に動揺しつつ、名乗り返そうとすると、いきなり眼前に刃先が現れた。

 

瞬きと同じ速さで繰り出されたそれは黒い戦士の持つ弓矢の刃だと、3秒ほどして気付いた。

 

 

 

ソーマ

「お前はどんな覚悟を持ってここに来た…?」

 

十真

「っ……??」

 

ソーマ

「ふっ…」

 

 

 

 

軽く笑ったような声が仮面越しに聞こえると、ソーマは変身を解いた。聞こえた声の通り、ソーマの顔は少し笑っていた。

 

後輩をからかう先輩。側から見ればそんな風に見えるかもしれない。

 

だが、少なくとも十真の目には、ソーマの笑顔がどこか苦しそうに見えた。

 

 

 

 

ソーマ

「行くぞ、ルーキー共」

 

 

 

 

そんな風に言って向けられたソーマの背中は、年はさほど離れていないはずなのに、広く、大きく、そして孤独に見えた。

 

 

 

 

ソーマ

「とにかく死にたくなければ、俺と関わらないことだ…」

 

 

 

 

そして背を向けながら呟いたソーマの一言が、十真のその感覚を更に強めた。

 

 

 

 

 

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リンドウ

「はぁ…やっぱ仕事終わりのビールは最高だな」

 

サクヤ

「あ、また人の冷蔵庫勝手に開けて」

 

リンドウ

「いいだろ?お前どうせ飲まねぇんだし」

 

 

 

 

リンドウはサクヤの部屋で一服していた。

 

彼は酒とタバコは大好物だ。任務直前にもよくタバコを吸っている。

 

酒はフェンリルから配給されるのだが、それだけでは物足りず、こうしてサクヤの部屋に足を運んでいるわけだ。

 

サクヤは酒を飲める口ではないし、不快には思っていない。

 

 

 

 

リンドウ

「なんなら、あの品種改良されたデッカいトウモロコシと替えてやろうか?」

 

サクヤ

「いやよ。あれ食べにくのよねぇ…」

 

リンドウ

「こんなご時世だ。食えるだけでもありがたいと思え」

 

 

 

 

こんな風に、リンドウと談笑できる時間にもなるので、むしろ酒には感謝せねばならない。

 

 

 

 

サクヤ

「そういえば新入り君達は、今日はソーマと?」

 

リンドウ

「あぁ…」

 

 

 

リンドウは酒を飲む手を止め、その問いに答えた。しばらく考え込むと、すぐにまた飲み始めた。

 

 

 

 

サクヤ

「何か、心配なことでもあるの?」

 

リンドウ

「いや、そうじゃない。なんつーか…」

 

 

 

 

リンドウはビールの空き缶をテーブルに置き。ふぅ、と一息ついた。

 

 

 

 

リンドウ

「あいつらなら、ソーマを助けられるかな、って」

 

サクヤ

「…そうね。期待していいんじゃないかしら?」

 

リンドウ

「上手くいってくれるといいんだがな」

 

 

 

 

リンドウは再び冷蔵庫から缶ビールを取り出し、今度はつまみも一緒に出してきた。

 

 

 

 

リンドウ

「これ、食ってもいいか?」

 

サクヤ

「ダメ」

 

リンドウ

「そんな…」

 

 

 

 

 

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ソーマ

「あいつがターゲットか…」

 

コウタ

「あれが…グボロ・グボロ…」

 

 

 

 

開けたエリアながら、わずかな物陰に潜んで討伐対象の『グボロ・グボロ』に近づく。

 

翼のような両ビレと尾ビレ。額と頬の三箇所から突き出た砲塔。そして奇妙な紋様が象られた登頂の盾。

 

口元の牙はこれよ見よがしに剥き出しだ。

 

 

 

 

ソーマ

「行くぞ…」

 

コウタ

「え、作戦とかはーー」

 

 

 

 

しかしソーマはコウタの声を聞かず、グボロ・グボロに向かって走り出した。

 

 

 

 

[CHANGE]

 

 

 

 

ソーマは一瞬で黒い戦士に変身すると、あの弓矢を片手にグボロ・グボロへと襲いかかる。

 

その後ろ姿は、まるで冷酷な獣。

 

 

 

 

十真

「これは……」

 

 

 

 

一瞬自分の脳裏をよぎった感覚を、十真は振り払おうとした。

 

だが、その感覚は決して拭えなかった。

 

 

 

 

十真

「アラガミ同士の…戦い…」

 

 

 

 

自分と何ら変わらぬ人間のはずなのに、十真の目にはソーマとグボロ・グボロがそう見えてしまった。

 

 

 

 

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作者&十真 feat エリック より…

 

 

 

 

作者

「このままではあまりにも無念過ぎるので、エリックをゲストにお呼びしました」

 

エリック

「やぁ。みんなに会いたくて、黄泉の国から帰ってきたよ」

 

十真

「村上幸平さんのパクリじゃねぇかよ」

 

作者

「今回はソーマ登場&上田退場でした」

 

十真

「ソーマ初変身だな。しかもカリス」

 

作者

「いやもう、ソーマ以上にカリスが似合う奴はいねぇだろ、と思って」

 

エリック

「僕もソーマみたいに、華麗に変身したかったんだけどなぁ…」

 

作者

「そんな上田君に朗報です」

 

十真

「?」

 

作者

「実は、今製作中の作品に、上田君が登場します」

 

エリック

「何だって??」

 

作者

「変身もしちゃいます」

 

十真

「どういう作品だよ?」

 

作者

「それは言えないなぁ。ま、ヒントを言うとしたら『1周年』、かな」

 

十真

「1周年?」

 

作者

「詳しい内容は近い内に!それではこの辺で…」

 

 

 

説明
ソーマ登場です。
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