覇王少女アインハルトStrikerS(IF〜例えばこんな最終回)
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――ヾ(゜∪゜★)ノ゛・:*:・ ――

 

 

 

 

 ――終わりに続きはない。

 

 終わった((物語|じんせい))はそれまで。

 その後は何も無いか、あるいは新しい((物語|じんせい))があるだけだ。

 それは当然。

 ((完結した|おわった))のに((蛇足をしよう|つづけよう))なんて((許しがたい|おこがましい))にも程がある。

 されど、人は続きを求める。

 それは何時までも終わって欲しくないから。

 楽しい時間は永遠であって欲しいから。

 終わりを認めたくないから。

 

 それは何故か?

 きっとその((人生|はなし))が不完全だから。

 とめどもない((可能性|イフ))があると、((最善の|のぞんだ))結果ではないからと……。

 

 誰かが云った。

 精一杯足掻いて、もがいて、挫折して、それでも前へと進んで。

 もしも、それでも届かなければ最後に笑ってやればいい、と。

 

 誰かが嘆いた。

 そんな((結末|もの))は((許容でき|みとめ))ない。

 ならば、終わりの先に続きを求めるのは必然であろう、と。

 

 正しさなんて、どうでもいい。

 ((当人|じぶん))が決めることでもないし、((第三者|だれか))に押し付けられる価値観に左右される程度の((意思|おもい))ではない。

 

 

 

 

――(っ`Д´)っ・:∴断空拳!!!!!! ――

 

 

 

 

 ((身体|カラダ))が痛い。

 ((記憶|ココロ))が悲鳴をあげている。

 自身が倒れている床の感触が固く、なんとなく((説教|SEKKYO))を思い出すから非常に不快だ。

 機動六課の崩れ落ちた壁や天井、それらを媒介に燃える炎。

 まるで戦火に焼け落ちたかつての((大地|ベルカ))のようだ。

 そう、後悔することすら許されなかった((過去|あのとき))と同じく。

 かつて大切な人を((止めら|まも))れなかった、情けない((過去|じぶん))を彷彿させるような。

 

「ひっく、おねぇちゃん……おねぇちゃん」

 

 自分の後ろで((あの子|ヴィヴィ))が泣いている。

 怒り、憤り、そういった感情が内から溢れてくる。

 どうしてヴィヴィが泣かなくてはいけない、悲しまなければならない、と。

 何でヴィヴィを笑わせてあげられないのか、と。

 激しい感情は肉体を凌駕し、動けないであろう身体を立ち上がらせる。

 既に限界なんて超えているが構うものか。

 ありったけの((魔力|チカラ))を身体に((巡|まわ))す。

 かつて、そして今まで鍛えてきた覇王流は意識せずとも、拳を構えることができた。

 そして目の前にあるヴィヴィを泣かせる((存在|てき))を睨みつける。

 

「おねぇちゃん……」

 

 後ろは見えないので表情はわからないが、心配するような、不安がっているような、そんな声色に聞こえる。

 そんな思いはして欲しくない。

 ((この子|ヴィヴィ))には、いつでも笑っていて欲しい。

 

「……泣かないでくださいヴィヴィ」

 

 もっと気のきいた台詞を言えない自分が情けない。

 あの笑顔が嘘くさいクラスメイトなら、口八丁でヴィヴィを安心させれるかもしれない。

 だが、そんな詮無いことはどうでもいい。

 そうだ、今はフレンチクルーラー並にどうでもいい。

 

「わた、しは……私、たちは……!」

 

 かつて短いながらも生涯をかけて鍛えあげ、最強の流派ともなった((覇王流|クラウス))の技。

 ((記憶|おもい))とともに受け継がれた((覇王流|ソレ))を自分も鍛えてきた。

 叶わない願いと知りながら、報われない望みと知りながら。

 己の無力感に苛まれながら、それでも真っ直ぐに鍛え上げた。

 そう全ては――――

 

「((覇王流|カイザーアーツ))はっ! ((覇王|クラウス))の想いはっ! 絶対にっ! 負けませんからぁぁ!!」

 

 ――――今、このとき! ((大切な人|ヴィヴィ))を守るために!!

 

「覇王ぉぉぉぉ――」

 

 練り上げた魔力が、鍛え上げた技が、受け継いだ想いが形となる。

 それは数百年にもおよぶ((想い|ねがい))が紡いだ絶対なる一撃。

 

「――断空拳!!!!」

 

 

 

 

――ナデナデ(*^-^)ノ(_ _o)Zz――

 

 

 

 

「ふむ、全治4ヶ月とは中々ですね。どっちの意味で、とは言いませんが」

 

 時は2日後、場所は変わって聖王医療院。

 定期診断ついでに見舞いへ来た笑顔が嘘くさいクラスメイトがのたまう。

 彼が悪いわけではないのに、その物言いがなんとなく感に触る。

 そしてお見舞いの品がフレンチクルーラーというのが何故か腹立たしい。

 

「そもそも隠れていれば良かったんじゃないですか? 直ぐに解決したんですから」

 

 何故自ら戦おうと考えたのか、普通8歳児は戦って切り抜ける方法をとらないだろう、と。

 正直、癪であるが彼の言う通り、事件は直ぐに収束した。

 まるで予め分かっていたかのようにスンナリと、時空管理局の壊滅的危機は解決してしまった。

 それは自分の預かり知ることではないし、重要なことではない。

 

「無我夢中だったんです……只々、守りたかった」

 

 最後は声を小さく、彼にも聞こえない程度に。

 そう言って、折れていない腕でベッドに寄りかかり眠るヴィヴィの頭を撫でる。

 守り抜くことが出来た存在。

 ((覇王|クラウス))の((願い|おもい))を叶えることが出来た証人。

 未だ複雑な感情がゼロになった訳ではない。

 まだまだ未熟で、この先も通じて守れるかは分からない。

 でも今は、今だけは――――

 

「……なんだ、笑えたんですね。意外とは言いませんが、普段の仏頂面より似合ってますよ」

 

 ――この奇跡に身を委ねても悪くはないだろう。

 

説明
時系列的には新暦75年9月12日、地上本部公開意見陳述会、地上本部襲撃の時。機動六課に、というより、ヴィヴィオに逢いに来ていた時のこと。戦っている敵が誰とは明言しないが。

当初、こんな終わり方をしたくて書き始めたのがコレ(っ`Д´)っ・:∴断空拳!
数時間前に、とても良い終わり方をした二次創作を読んで、急遽書きたくなってしまいました。
まぁ、本編は……アニメを見てから考えます。
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魔法少女リリカルなのは アインハルト ヴィヴィオ オリキャラ(相変わらずメタい) 

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