真・恋姫†無双 裏√SG 第41話
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蓮鏡視点

 

 

 

蓮鏡「ここ…でもないか」

 

私は洛陽城にある私室棟の二階にある部屋をシラミつぶしに開けていった。

 

結構開けたけど、これで残りはあと二部屋。このどっちかに、北郷さんがいる

 

私は今一度気合いを入れ直し、深呼吸をして心を落ち着かせた

 

蓮鏡「よし!」

 

私は手前の部屋の扉の前に立ち、銃を構えて静かに開けた

 

蓮鏡「うっ!」

 

部屋の中の光景は、これまで開けて来たどんな部屋よりも異質だった。

 

まず、部屋全体の雰囲気が重々しく、色合いが赤や黒を基調としていて暗い。

さらには、そこら中に散らばっている鞭や蝋燭などの拷問に使われそうな物が、私の背筋をゾクリとさせた

 

そして、私を一番不快感にさせたのは、壁に大の字で張り付かれている、全裸の北郷さんだった。

その体は、痛々しい程に傷だらけだった

 

むごい…その一言に尽きる。

北郷さんは生きているのだろうか…

 

一刀「もう…やめてくれ…」

 

蓮鏡「!?北郷さん!」

 

北郷さんが弱々しく呟いた。

その声音は、恐怖に満ちていた。

きっと、私を北郷さんをこんな目に合わせた人と勘違いしているのだろう

 

私は直ぐに走り出し、羽織えるものを持って北郷さんの元へとやって来た。

北郷さんに括り付けてあった縄を切り、北郷さんに上着を着せて抱きとめる。

腕や脚には、縄で縛られてあった痕がクッキリと残っている

 

蓮鏡「北郷さん!しっかりしてください!」

 

私の声が聞こえたのか、北郷さんは呻き声を上げながら、ゆっくりと瞼を開けた

 

一刀「うっ…君は…蓮鏡…ちゃん?」

 

蓮鏡「よかった!目を覚ましてくれて…」

 

一刀「俺は…いったい…」

 

北郷さんは辺りを見回し、状況を確認しようとしているが、まだ頭が完全に目覚めていないのか、朧げな様子だった

 

蓮鏡「北郷さんはここで捕まってたのよ。多分、酷い拷問を受けたんだと思う」

 

そうやって見せたのは、先ほど鞭や蝋燭が散らばっていた床だ。

そこには鞭や蝋燭以外にも、木刀や手錠、謎の薬にローションのような物、卑猥な形をした大きな棒に女性物の下着……?

 

蓮鏡「えっと…北郷さん、いったい何されて…」

 

一刀「………」

 

なんで北郷さん、冷や汗流しながら目を逸らすのかな?

そして今気づいたけど、北郷さんが居た辺りに飛び散ってる白い液体って、もしかして…

 

蓮鏡「…最低」

 

一刀「ちょっと待って!誤解!誤解だから!無理矢理されただかだから!レイプだから!」

 

必死に言い訳を始める北郷さんだが、これがもしやましい物でなければ、こんな必死で言い訳するとは思えない。

もし本当にレイプなら、もっと覇気がないはず。

いや、レイプは事実なのだろうけど、多分北郷さんは途中から楽しんでたんじゃないかなぁ

 

蓮鏡「なら、私がこの事を愛紗さんや華琳さんに言いふらしても、何の問題もないわよね?だって、レイプなんですもの。北郷さんにその気はなかったんだから、悪くないですよね?」

 

一刀「え!?そ、それは、もちろん…」

 

歯切れが悪い。どうやら黒のようだ

 

蓮鏡「ねぇ北郷さん、私と取り引きしませんか?」

 

一刀「と、取り引き?何を言ってるんだ?」

 

蓮鏡「私ぃ、沙和さんの店の新商品のバッグが欲しいなぁ」

 

一刀「だ、だから…?」

 

蓮鏡「この状況、愛紗さんが知ったら何て言いますかねぇ。まぁでも、愛紗さんなら優しく受け止めてくれますかねぇ。だって愛紗さんなんですもんねぇ」

 

お、北郷さん、良い感じに汗ダラダラ流してるな。こりゃ後一押し…

 

「あなた!私の北郷様に何気安く触っていやがりますか!?」

 

おっと?突然背後から女がしたかと思ったら、甲高い声できーきー喚きだしたぞ。

なんか「私の!」とか言ってるから、状況から見てこの人が北郷さんをレイプしてた人なんだろう

 

蓮鏡「ちょっと待って。少しいいかしら?えっと…」

 

鍾会「鍾会よ!全く!あなたはいったい、どこの馬の骨なのかしら!」

 

鍾会と名乗った女がプンプンと怒りながら近づいて来た。

見た目は文官風だし、あまり強くは無さそうだな

 

蓮鏡「あー、私は孫紹よ。それで、あなたはこの人と何をしていたのかしら?」

 

見た目は別に悪くない。

可愛い系と言うよりも美人顏ってやつで、スタイルも、出るとこ出てて良い方だろう。

甲高い声が少し気になるが、それを差し引いても女性としてのランクは高い方にある。

 

相変わらず、北郷さんはモテますなぁ

 

鍾会「それはもう!たっぷり、ねっとりと…私のお腹の中は北郷様の愛で満たされています!昨晩も、北郷様はようやく私を受け入れて、御自ら腰を振ってくださって…」

 

と、長々と惚気始めた鍾会を横目に、私はジトッと北郷さんを見た。

その表情はまるで「やべっ、浮気がバレた」とでも言わんばかりのものだった

 

蓮鏡「言い訳があるなら聞きますけど」

 

一刀「いやほらね?人間、あまりにも恐怖心を刺激されると、自分の心を守ろうと壊れてくるでしょ?だからこう、あれは俺じゃなかったと言うか。それに頑張って鍾会を疲れさせて寝かせたら何とか脱出出来るんじゃないかなという、俺なりな作戦もあった訳で、だから別に故意でやったわけじゃないし、あの状況では仕方なかったと言うか、ぶっちゃけ俺は悪くない!」

 

長々と言い訳をし始める北郷さんだが、正直最初から聞く気は無かった。

でも耳に入ってくる単語があまりにもアレだったので、やはり私は笑顔で彼を見てこう言うしかなかった

 

蓮鏡「この種馬が!」

 

一刀「すいません…」

 

鍾会「北郷様ったら凄いのよ?どれだけ出しても全然衰える事を知らなくて、それどころか中でドンドン大きくっ!!?」

 

何故かまだ惚気ていた鍾会に、私は当身をして気絶させ、鍾会を縄で縛って放置したまま部屋を後にする事にした

 

なんか、とんだハズレくじよね、私…

 

 

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咲希視点

 

 

 

咲希「覇龍翔天破!」

 

氣と魔力が混ざり合った拳を突き上げる。

すると私の周囲に竜巻が発生し、辺りにいた雑兵共が天高く飛んで行った

 

ふむ、これで粗方片付いたか?

数も500を越えてからは数えてなかったが、まぁ流石に千は越えなかっただろう。

準備運動にしては少しもの足りないが、まぁいいだろう

 

「武松のカタキーー!!」

 

そろそろラスボス退治かな、なんて考え始めると、人の雨の中をどしんどしんと走ってくる巨漢の女がやって来た。

女は走りながら右の拳を後ろに引き、一気に突き出してきた

 

 

バァァン!

 

 

咲希「!へぇ…」

 

私はその拳を受け止めたが、勢いが止まらず、後ろに押されてしまった

 

魯智深「梁山泊、魯智深!我が友、武松を討った仇、ここで取らせてもらう!」

 

魯智深はそう言って、今度は左の拳を突き付けて来た。

私はそれも受け止めたが、やはり少し後ろに押されてしまう

 

魯智深「梁山泊一の怪力、とくと見よ!」

 

魯智深は私の手を握り、そのまま持ち上げてきた

 

咲希「…」

 

魯智深は私を大きく振り上げ、勢い良く地面に叩きつけようとしたが…

 

 

ドシーン

 

 

私は上手いこと両の足で着地した

 

魯智深「なんだと!?」

 

咲希「どうした力自慢。終わりか?」

 

私は握られた手に力を入れ、魯智深がやったように魯智深を振り上げ、そのまま地面に叩きつけた

 

 

ドシーン!

 

 

魯智深は腹から落ち、動かなくなってしまった

 

咲希「よし、体もあったまったし、そろそろ行くか」

 

私は少しストレッチしてから、洛陽城の天辺目指して大ジャンプした

 

 

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洛陽城の一番高い位置にある屋上らしき開けた場所に着地すると、そこには1人の女性が戦場になっているであろう所をジッと見つめていた

 

徐福「見よ、鬼よ。人は些細なことで簡単に争う。今回も、余が少し人質を取り、脅しただけで国を巻き込んで争っておる。まったく、嘆かわしいとは思わんか?」

 

そんな哀しそうな声音とは裏腹に、こいつが醸し出している色は喜色に富んだ黄色だった。

雰囲気も威圧的で、この辺一帯の空気が重い

 

昨日見た奴と同じ、こいつが徐福か

 

咲希「なら、お前はどうして戦いを煽ったんだ?どうしてお前は、そんなにも楽しそうなんだ?」

 

私の言葉に、徐福はピクリと反応した。

少し虚を突かれたような、そんな反応だった

 

徐福「これは驚いたな。お主、感情が読めるのか?」

 

咲希「まぁな。人の声、感情、音、視覚や聴覚に関係するものは大抵、色になって視えている」

 

徐福「ふむ、確かずいぶん昔にも、そんな奴が居たな。生まれ付いての病気の様なものだと思ったが、お主はそれを有効活用しているようじゃな」

 

愉快愉快と笑う徐福に、私は少し毒気を抜かれた。

 

徐福は私に対して、警戒心は抜いてないようだが、それ以上に敵対心が無かったのだ。

まるで、ようやく仲間を見つけたと言わんばかりに、はしゃいでいるように視えた

 

徐福「先ほどのお主の問いじゃがな、余も何も、争う気は無かったのじゃ。ただ三国の首脳陣と、その中心点に居るものを抑えば、無血で国を取れると思っておったからな。

じゃが、やはりそこは人じゃ。交渉をする間も無く攻めて来た。しかも、何やら強力な力を使えるものを引き連れ、破竹の勢いでここまで来た。まこと、恐ろしいよな。本気となった人の力ほど、警戒に値するものはない」

 

徐福は楽しげに語る。

そんな姿に、私は確信めいた結論を導き出した

 

咲希「だけど、お前はそんな人の姿が何よりも好きだ。違うか?」

 

そう言うと、徐福は再び驚いて見せ、さらに大きく口角を吊り上げて笑い始めた

 

徐福「クッ!ハーハッハ!良い!やはりお主は良い!まこと、その通りじゃ!余は人が好きじゃ!人が持つ無限の可能性が大好きじゃ!こんな騒動を引き起こした事も、全てはそれに関係する!

余はな、鬼よ。何も好き好んで何百年も生きている訳ではないのじゃよ。こんな体になったのは事故の様なもの。偶然試した術が偶々成功してしまった。それだけの事なのじゃよ。じゃから、余は不老不死の体になったとしても、その後の目的があった訳でもない。ただただ、無為に過ごしていた。

暇だったのじゃよ。そう、これは暇潰しなのじゃ。余は、退屈を極めていた。じゃから思い至ったのじゃ。そうじゃ、世界制服しよう、とな!さすれば、退屈を紛らわせる事も叶うじゃろうと。そして、その第一歩がここで、幸運な事に一番初めにお主に会えた!これを喜ばずして、何を喜ぼう!お主のおかげで、初めは意欲の低かったこの計画を前向きに考える事が出来たのじゃ!

余の目的はな!お主の様なものと相対する事なのじゃ!」

 

つまりこいつは、こいつや私みたいな、化け物っていう仲間が欲しくて、こんな事をしているのだろう。

そしてそれは、初めから見つかってしまった。

私という、戦う事に関しての化け物を…

 

徐福「あ、勘違いはするでないぞ?余は別に、世界制服をするからと言って、滅ぼす気は毛頭ないぞ?というか、暇潰しという目的の為にも、人や国は必要なのじゃ。なぜなら、余一人では限界があるからじゃ。食料を生み出すのも人。生活をより良くしていくのも人。娯楽を生み出すのも人。余では考え付かないような事を考え付くのも人じゃ。そんな人を、滅ぼすなど惜しい。じゃから、全ての人には、余の為にも発展を遂げて欲しいと願っておるよ。

じゃからなんじゃ、数年前、一度だけ余に会いに来た張譲とかいうあんぽんたんの、『この世界を壊さないか』などと言う戯言は一蹴したな。ただ、あいつが壊そうと思った世界がどんなものかは興味があったから、それを理由にここに来て、お主に会えたのじゃから、悪い事ばかりではないよな」

 

張譲…お父様達の因縁の相手…

ここでも邪魔をして来るのか…

 

咲希「それでヤク中にさせてるんじゃあ、世話ねぇけどな」

 

徐福「あぁ、それについては余も失敗したと思っておる。あれは人間の潜在能力を高める為にと、試験的に回したのじゃが、高めると同時に、脳が極楽までぶっ飛んでしまうとは思っておらんくてな。あんな中毒性があっては、使い物にならん」

 

おいおい、ありゃ、本当の意味での覚醒剤って事なのかよ。

って事は、それも化け物を量産する為のものって事になるのか

 

こいつは、長く生き過ぎて孤独なんだな

 

徐福「ふむ、ずいぶんと喋ったな。鬼よ、お主は余と戦いに来たのじゃろう?余もそれを愉しみにしておった。じゃが、やる前に少し良いか?」

 

咲希「ん?なんだ?」

 

徐福「なに。お主、余と共に来ないか?今ならこの世の半分を、お主にやるぞ?」

 

なん…だと?こいつは今、なんて言った?

 

咲希「世界の半分?……クッ!アーハッハッハ!」

 

私は思わず声をあげて笑ってしまった。

まさかこいつが、私相手にそんな取り引きを持ち掛けるなんてな!

 

咲希「ハハハ!イイ!イイよ、お前!今の冗談はなかなか良かった!」

 

徐福「ん?余は冗談で言ったつもりはないぞ?余とお主なら、世界制服くらい、訳無いであろう?」

 

咲希「あぁ、まったくだ!お前となら、それくらいは朝飯前だろうな!だけど…」

 

私は笑い過ぎて出てしまった涙を拭き取り、氣と魔力を全開にした

 

咲希「世界の半分?たったそれだけ?どうせくれるなら、この世界全部だろうが。私はそんなに安くはねぇぞ!て言うか、今さらこんな世界一ついらねぇんだよ!お前はまだまだ知らない。この世界以外にも、この世は無限に広がってるんだってな!」

 

もう一つ言うなら、私にとっての世界とは、私が家族と思っている人が居るだけの空間だから、他の世界とか邪魔でしかないけどな

 

徐福「!?クハハハハ!それは流石の余も予想しておらなかったな!なるほど、それは確かに、一つじゃ物足りんよな!じゃが、良き強欲じゃ!益々気に入った!なら、勝った方が従う。そうはしないか?」

 

咲希「あぁいいぜ!まぁ、私が勝ったら、テメェの命を貰うがな」

 

徐福「やれるものならな!」

 

徐福はニタリと笑い、私と同じ様に氣と魔力を全開にした

 

お互いの氣がぶつかり合い、辺りの空気を一変させた

 

咲希・徐福「ハァァァァ!!!」

 

そして、お互いの拳がぶつかると、そこを起点に大爆発が辺りを覆った

 

 

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あとがき

 

 

 

こんにちは、桐生キラです

 

 

 

いきなりなんですが、まずは謝罪をしなければなりません

 

 

 

Second Generations、4月までに完結しませんでした…

 

 

 

当初の目的では、3月いっぱいでこの物語を終わらせる予定でしたが、様々な諸事情があり、残念ながら完結する事が出来ませんでした…

 

本当に申し訳ありませんでした…

 

もちろん、4月からも何とかして更新する予定ではありますが、4月から始まる新生活、それに伴う一ヶ月間の研修により、なかなか更新する環境が整わないと思われます

 

なので、今後の更新予定は未定です。なるべく早く更新を目指しますが……

 

この物語を読んでくれる方には、待たせる事になってしまい、本当に申し訳ないと思います

 

しかし、自分もこの物語を始めた以上、必ずや完結させる予定です。絶対に逃げません。少し時間が掛かるかもしれませんが、必ず終わらせます。

 

なので、もうしばらく、この物語に付き合ってくれると幸いでございます

 

 

 

この物語もいよいよ佳境でございます

 

 

 

【晋】は三国を救えるのか

 

 

 

咲希は徐福を倒せるのか

 

 

 

友紀を止める事が出来るのか

 

 

 

自分も新生活に負けず、頑張っていこうと思います!

 

 

 

それでは、また次回!

 

 

 

説明
こんにちは!
Second Generations複数視点
洛陽救出戦其三
追記:あとがき追加しました
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コメント
頑張ってください!ずっと待ってます!士希とはやての物語の続きも!(ohatiyo)
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真・恋姫†無双 オリキャラ 北郷一刀 

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