艦隊 真・恋姫無双 45話目
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【 洛陽へ! の件 】

 

? 揚州 九江郡(淮南郡) 寿春 にて ?

 

 

そんなこんなで──出立を開始しようとする袁術軍。

 

七乃が準備を行っただけあって、軍備に置いて抜かりは無い。

 

高価な軍装を着用し、それを身に付けた精鋭軍が、規則正しい動作で進軍を開始する。 一糸乱れぬ整然とした行進が、その練度の高さが推し量れた。 

 

また、汝南袁家の一族である袁術が、有り余る財で揃えた軍装。 晴れ渡った日の光が、軍装に反射され、更に鮮やかさが際立つ。 

 

これだけの事をしたのは、勿論……日々張り合う『袁紹』に見せ付ける為。 

 

『全ては、お嬢様の幸せを願うがゆえ!』である!!

 

そんな七乃の思いを込めた袁術軍が、長蛇の陣に編成して洛陽へと向かう!

 

★☆☆

 

美羽は、輿に乗って中央に位置し……前後に分厚い防護陣を敷いて、守りを固めている。 孫呉の配置は、前方付近に命じられ、蓮華たちが馬に乗り、周囲の警戒を図りて、敵勢力からの攻撃を警戒していた。

 

ーーー

 

冥琳「明命は、前方周辺に目を配れ! 思春と半刻(約一時間)事に交代! 思春は、部隊全体に目を配るように!」

 

思春、明命「「はっ!」」

 

ーーー

 

しかし、このような任務、蓮華は初めての為……冥琳が指揮を取り、将たちに持ち場を定めて、明確な指示を出す!

 

ーーー

 

冥琳「稟、風は……蓮華様や小蓮様に付いてくれ! 張勲からの命令や兵士たちからの具申、報告事があるかもしれん。 その事に対して、良き『あどばいす』を頼む!」

 

稟「『あとばいす』……とは?」

 

風「もぅ……稟ちゃん鈍いですねぇ〜! 多分、アレは『天の国の言葉』ですよ〜! 察するに『助言を頼む』と言う事ですね〜? 了解ですぅー!」

 

冥琳「す、すまん! 前に北郷より教えて貰った『天の言葉』が、つい出てしまった。 ……北郷を知っている者が居ると……嬉しくてな。 コホン! せ、星! 後、お前に……護衛を任す!!」

 

星「うむっ! 承知した!」

 

冥琳「私たちの護衛と言っても……主に蓮華様と小蓮様、次に稟や風を守ってくれ! 私は、周辺の指揮もあるから、移動が激しい。 それに、少なからず我が身を守る術も持っている! 四人の身を守って欲しい!!」

 

星「…………冥琳、一つだけ言っておく。 主は、誰よりも身近な者の死を悲しむ御人だ。 記憶があろうと無かろうと……自分と関係がある将が、傷付き倒れたなどと知ったら……。 後は………分かるだろう?」

 

冥琳「……………そうだな。 私も北郷に逢えるのに、少し浮かれていたようだ。 思春、明命! 間がある時で良いから、私の護衛も頼みたい!」

 

明命「勿論! 最初から、そのつもりですッ!」

 

思春「…………お任せをッ!!」

 

蓮華「……………………」

 

小蓮「………?」

 

ーーー

 

孫呉も……また動き出す。

 

目指すは洛陽! 

 

目的は……『天の御遣い 北郷一刀』!!

 

 

◆◇◆

 

【 丁々発止 の件 】

 

? 荊州 南陽郡 付近 にて ?

 

 

行軍が始まり……数刻が過ぎる。 

 

兵は徒歩だが、将は馬。 

 

だけど……疲れは溜まるもので………

 

ーーー

 

風「……お日さまがポカポカで……気持ち良いですね〜」

 

稟「行軍をするなら、絶好の日です───ハッ! 風、こんな所で寝るなんて止めて下さいッ!!?」

 

風「プゥ───! 風は寝てませんよーだ!」

 

稟「ご、ごめんなさい! こんな天気だと……風は何時も居眠りをしていたから……。 謝罪します!」

 

風「分かれば良いですー! 分かれば………グー!」

 

稟「だから────寝るなぁあああッ!!」

 

風「おぅーッ!」

 

ーーー

 

馬の上で器用に寝る風を、怒鳴って起こす稟の姿があった。

 

★☆☆

 

袁術軍は、行軍を休止する。

 

適度に休み、無理なく進む……これが通常の行軍である。 

 

だから、距離を見ながら、兵たちの疲労を考慮して進めて行く。

 

今回も、少しの間だけの自由な時間を得て、将兵は自由を満喫していた。

 

孫呉の軍勢も、長い間の行軍より解放されて、それぞれが休息を取り始める。

 

そんな……一人……大木の根元で膝を抱えて……蹲る(うずくまる)蓮華の姿があった。

 

ーーー

 

蓮華「はぁ〜〜〜ッ! 私ったら……どうして……」

 

小蓮「どうしたの? お姉ちゃん?」

 

蓮華「あっ……シャオ!? な、何? どうしたの!?」

 

小蓮「お姉ちゃんに……聞きたい事があったんだけど……。 その前に、どうしたの? 溜息ついちゃて………?」

 

蓮華「…………冥琳にね? ちょっとだけ……ホンのちょっとだけ……嫉妬してたの。 私の知らない……一刀の事を知ってるみたいだったから……」

 

小蓮「……ふ〜ん」

 

蓮華「だけど……冥琳は、自分の身を差し置いて……私たちの事を案じてくれた。 一刀に逢えるから浮かれているって……言いながらも、自分の仕事を

キチンとする冥琳に………申し訳ないな……って思って……」

 

小蓮「………お姉ちゃん。 稟たちを信用しているけど、大丈夫なの? 三人が……呉を乗っ取ろうって思わないの?」

 

蓮華「えっ!? な、何で──そんな質問『応えてぇ! シャオに取っては、大事な質問なんだからぁッ!』───わ、わかったわよ。 ものすごーく簡単な事だけど……いい?」

 

小蓮「うんうんッ! 早く早くぅ!!」

 

蓮華「───同じ異性を───愛した者同士だから───」

 

小蓮「はぁ──ッ!? そんな事でぇ!?!?」

 

蓮華「この考えは、冥琳たちと相談した上よ。 星、稟と風……三人とも仕える国は違うけど……愛した異性は同じ。 その異性が……天の御遣い『北郷一刀』だったのよ! シャオも───そうなんでしょう?」

 

シャオ「────うんッ! 大好きだよ! もっちろん〜今もぉッ!!」 

 

蓮華「なら……分かる筈よ。 一刀が何をすれば……悲しむ事か? 何をされれば喜んでくれるか? どう……シャオ?」

 

シャオ「…………何となくは……」

 

蓮華「一刀はね、私たちが争うのを嫌うの。 命を落とす事を恐れるのよ。 だから……仲良くして、一刀から選んで貰える事を……考えているの!」

 

シャオ「そんな事、優柔不断の一刀に出来るワケ無いじゃないッ!」

 

蓮華「………それは、一刀へ私たちが贈る罰。 あの時より更に美しくなって、選ぶときに散々悩んで貰う為の優しき謀。 私を、私たちをヤキモキさせた意趣返し! それくらいしても、罰は当たらないと思うんだけど……?」

 

小蓮「お姉ちゃん……自信過剰ぅ……。 慢心は危ないんだよ〜?」

 

蓮華「だ、だって……私の魅力的な部分は……下半身……のみだなんて……嫌ッ! ちゃんと私自身を愛して貰いたいの! 孫呉の王族じゃなくて、『蓮華』個人として……!」

 

シャオ「ふぅ〜ん。 ………じゃぁあ、シャオも参加するッ!」 

 

蓮華「──────!?」

 

小蓮「当然〜シャオの魅力も加わった方が、孫呉にとっては有利だしぃ〜! そ・れ・に・お姉ちゃんとしては、選ばれなくても、孫呉領内に居て貰った方が、いろいろと嬉しいでしょう!?」

 

蓮華「な、何よ! シャオを選ぶか決まったワケじゃないのよ!? も、もしかしたら、私……かも知れないし……//////」

 

小蓮「プゥ───! シャオの魅力が分からない一刀じゃないもんッ!」

 

蓮華、小蓮「「 グギギギギギィィィ───ッ!! 」」

 

───────ザッ!

 

パンッ! パンッ!

 

蓮華、小蓮「「 ハ───ッ!? 」」

 

二人の後ろから、手を叩く音が聞こえた!!

 

冥琳「御二人共──休止は終わりましたよ!? 直ぐに持ち場へ付いて下さいッ!!」

 

蓮華「ご、ごめんなさい! 冥琳ッ!!」

 

小蓮「わぁーッ! 今、行くからぁ許してぇえええッ!!」

 

バダバタ──バタバタッ──ッ!

 

……………………

 

冥琳「………僭越ながら……私も……参加させて貰いますからね! ────蓮華様! 小蓮様!」

 

 

◆◇◆

 

【 今回の艦娘たち の件 】

 

? 河南尹 新城 付近 にて ?

 

 

幾日か過ぎる。

 

地平線が見える大地を、袁術たちが一万余りの兵を率いて、通過して行く。 

 

見渡す場所は平地が多く、山と言っても丘に近い低い物が、幾つか見られる程。 行軍に不安な地形は無く、平坦な道が続いている。

 

しかし、主要な街道を利用して進むとはいえ、大陸の荒廃は惨く……何かしらの行軍を苦しめる因子が加わるのは常。 

 

水が合わない、体調不良、外敵からの襲撃etc.……。 

 

それが、ここまでの行軍中、大きな問題も無く……無事に来れたのは、袁家の幸運と携わる者たちの力ゆえだろう。 

 

また、休止中や宿営の折りには………若き娘たちが、それぞれの思いを抱きながらも、今を───謳歌する! 

 

星が戯れ、蓮華と小蓮が対抗し合い、風がほくそ笑み、稟がツッコむ! 

 

明命が真面目に対応し、思春が呆れ、冥琳が溜息を漏らす。

 

そんな様子を───美羽が懐かしそうに眺め、七乃が真剣な顔で……美羽の様子を見守っている。 

 

そんな日々が……ゆっくりと続いた。

 

そして、そのまま───洛陽へ無事に辿り着くかと思えば……………

 

─────異変が起きた!

 

正確に言えば……行軍を遮る者たちが、現れたのだ!!

 

ーーーーー

 

美羽「………………」ボー

 

七乃「……お嬢さま! お嬢様ぁ!!」

 

美羽「……………………」ボー

 

七乃「お嬢様ぁ……! これ程叫んでも無視するなんてぇ……どうしたんでしょう? あっ! ま、まさか………お嬢様が、私を放置して快感を与える高度な技を!? あぁ〜! そんな美羽様に〜心底痺れるぅ憧れるぅ〜ッ!!」

 

美羽「七乃……。 七乃は………」

 

七乃「はい? あっ、はいはいっ! 呼びましたか、お嬢さ──ッ!?」

 

袁兵「ほ、報告致しますッ!! 我が軍の前に、行く手を塞ぐ数名───!?」

 

『─────はっ!?』

 

袁兵「そ、その者たちは────!!」

 

 

★☆☆

 

 

袁術軍の行軍を遮る者たちは……背の高い白き円卓を囲み、優雅に『お茶会』を繰り広げている。

 

ーーー

 

朱里「う〜ん、どうすれば……?」

 

金剛「HEY、朱里ーぃ! 考えてばかりいてもぉ〜疲れるばかりデース! 私達とTea Timeしながら考えまショウ!」

 

霧島「そうですよ。 敵の居場所は分かっているんです。 慌てず騒がず、機会を見計らって事を起こせば、必ず成功しますよ!」

 

朱里「ですが……」

 

金剛「朱里ぃ〜! 私の居た世界ではぁ、『keep cool  keep cool Take a break  take a break』と有名な言葉がありますネ!」

 

朱里「────はわぁ? な、何ですかッ! その言葉の意味はッッ!?」

 

榛名「す、すいませんッ! 姉は『あわてない、あわてない。 一休み、一休み』と申しているんですッ!!」

 

比叡「さすがぁ金剛お姉さま! 美人で戦にも強いのに───そのうえ博識だなんてッ! もう───ぅ! 最高でぇーすッ!!」

 

朱里「そう……ですね。 此処で焦っていても、仕方ありません。 金剛さん……宜しければ、その………紅茶……ですか? わ、私にも………」

 

金剛「OK! 朱里の分を今、準備しま……!?」ピタァ!

 

榛名「金剛姉さま? どうしたんです……きゃぁあああッ!!」

 

霧島「どうしたの? 深海棲艦でも出た────クッ!?」

 

比叡「ど、どうしたのぉ? …………ホッ! なんだぁ〜何も無いじゃないッ! もぅ……皆で驚かそうとしたって、そうは行きませんよぉ──ッ!」

 

金剛「Wow!? ひ、比叡ーッ! 手に持っているモノは、いったい何なのデスカァ──ッ!?!?」

 

比叡「これですかぁ? 皆で食べようと思って、焼いて置いた『クッキー』ですよぉー!! さぁー、遠慮せずに食べて下さいねぇ!!」

 

朱里「く、黒色の食べ物!? 変な異臭がぁ───!! うぐッ!? あ、愛紗さんの料理が、何で此処に───ッ!?!?」

 

金剛「I am sorry! 私、用があり──ガチッ!『金剛お姉さま? 用ってドコに何をしに行くつもりですかぁ?』───あっ! あぁあっっ! 提督ぅ───ッ!!」

 

榛名「一刀提督……ごめんなさい! 榛名は……此処で……!!」

 

霧島「ふぅー。 この世で最後に味わう紅茶……本当に美味しいわね………」

 

ーーー

 

一休みするつもりが………下手をすると、永遠の休みを取るかも知れない……朱里たちが居た。

 

 

★★☆

 

 

『────────!?』

 

その様子を見て訝る(いぶかる)者が多数を占める。 

 

しかし……数人が、その中で『知己』や『仲間』を見付けて……驚いた!!

 

蓮華達(『朱里───ッ!?』)

 

思春「あれは……成都に居たアイツの配下か? 確か……金剛……」

 

袁術より命が下される前に、蓮華達が動く!

 

ーーー

 

蓮華「袁術軍の行進を塞ぐ不届き者は、私たちが排除して参ります! どうか、暫しお待ちを!!」

 

七乃「それはそれは、殊勝な心がけですねぇ〜! 美羽様、ここは孫権さん達にお任せ致しましょう!」

 

美羽「……………」

 

七乃「功があれば〜お嬢様の物にしちゃいましてぇ、もし何かあれば、孫権さん達の罪にしちゃえばいいんですよぉ! 折角、孫権さんがやる気になってくれているのに、水を差すのも悪いじゃないですかぁ〜?」

 

美羽「………七乃に任す……」

 

七乃「は〜い! わっかりました! では、孫権さん! 許可致しますので、接触して下さい! 判断が付かないときは、此方に言ってくださいねぇ!」

 

蓮華「────はっ!」

 

ーーー

 

蓮華たちは、軍備を確認し集合! 相談の後、朱里たちの傍へ駆け寄った!

 

表向きは……進軍を阻む『謎の集団』の排除。

 

裏では──『天の御遣い』に関する者たちに、早くも出会える事への期待が高まっていた!

 

 

◆◇◆

 

【 一期一会 の件 】

 

? 河南尹 新城 付近 にて ?

 

 

思春「蓮華様! 私が先に接触して説明して参ります! 他の者たちと兵を纏めて……御出で下さい!」

 

蓮華「わかったわ! 気を付けてね……思春!」

 

思春「御意! ───明命、一緒に付いて来い! 接触して何も無ければ……蓮華様をお連れするように! 私は、朱里たちに危険が無い事を説明しなければならん! 双方に争い起これば、話し合いでは到底済まないからな!」

 

明命「はいっ! ────お供しますッ!!」

 

ーーー

 

星「─────!!」グッ!

 

風「どうしたんですか〜星ちゃん? だから、メンマを食べ過ぎちゃダメって、風が何度も止めたんですよ〜?」

 

星「──フッ! 馬鹿な……メンマは私にとって『万能の回春薬』だ! 幾ら食べても健康になるだけ! 病に取り憑かれる事など───無いッ!!」

 

稟「どう考えても……塩分の取り過ぎなんですが。 ところで、星……どうしました? 朱里殿と一緒に居る、あの娘たちを睨みつけていますが?」

 

星「………感じない……か?」

 

風「風も……違和感を感じますね〜」

 

星「───ほぅ? 風が気付くとは驚いた! この違和感を!?」

 

稟「……………? 私に、二人の言う違和感が、分からないのですが?」

 

星「………朱里の傍に居る四人……かなりの実力者と見た。 周囲の空気がピリピリしている。 無闇に近付くと、タダで済むとは思えん……!」

 

稟「……あの者たちより……半里(約200b)も離れているのに?」

 

星「────強い殺気が流れてくる! 冷や汗が……止まらないのだッ!」

 

稟「それでは──風もッ!? 貴女も……殺気を感じて──ッ!?」

 

風「……………何がですかー?」

 

稟「あ、貴女の云う違和感ですよッ!!」

 

風「あぁ〜! 風の違和感ですね〜? じゃあ、説明する前にぃ、よぉく見て下さいー! あの四人の女性を〜! 気が付いた事がありますよねー?」

 

稟「………………? 衣装が一緒? 姿が似ているから姉妹ですかね?」

 

風「稟ちゃんー? まだまだ甘いですねぇー!? 全然違いますよぉ〜!」

 

稟「えぇ〜!? じゃ、じゃあ……何だと!?」

 

風「良いですかぁ? 朱里ちゃんはガチガチの『貧乳党』党員ですよー?」 

 

稟「………そう言えば……そうでしたね………」

 

風「むぅー! 風より『ある』からって、何という余裕の態度ぉ! 風は非常に激おこですぅー! プンプンッ!!」

 

稟「………はいはい。 で、言いたい事が……予想できましたが……一応聞いておきましょうか?」

 

風「良いですかぁー! 朱里ちゃんが、あの巨乳人たちに囲まれて、平気で居るなんてー! 風には、とても信じられないのですよー!!」

 

稟「やっぱりぃ……………」

 

★☆☆

 

比叡は、にこやかに笑いながら、クッキーを大皿に入れて……差し出した。

 

比叡「さぁ〜! 召し上がれぇ!!!」

 

『──────────!!』ブルブルブルブルッ!

 

4人が一カ所に固まり……震えていた。

 

黒焦げて形が歪になった『お菓子』が、皿に積まれて食べられるのを待っている。 どうやら、動物の顔を象ったクッキーらしいのだが……幾ら見ても、邪悪なモノが……薄笑いを浮かべた表情を象ったモノにしか思えない。

 

『食えるのか?』 『味見はしてある?』

 

『まさか……最後のTea Time………?』 

 

走馬灯の如く……疑問点が頭の中を廻る。

 

戦で命を散らすのなら、名誉の戦死! 

 

それが、食中毒で命を失ったとあれば……後世で何を言われるか分からない。

 

『天の御遣い、食い意地を張り過ぎて轟沈す!』

 

………なんてぇ……笑い話にもなりゃしない。

 

 

 

─────────スッ!

 

思春「………お楽しみ中のところを……失礼する!」

 

『───────!?』

 

突然の救世主の登場により、四人は歓喜に満ちた!!

 

ーーー

 

思春「また、会えたな……朱り『し、思春さぁあああんッ!!』───!?」

 

金剛「Yeah!! 比叡、残念ですが……Tea Timeは『お開き』ですネ!?」

 

比叡「金剛お姉様……最初に喜びの言葉を発せられたような……」

 

金剛「何を言うのデ〜ス!? 急なAccidentに見舞われ、思わず声が出てしまっただけネ!! 関係ない、まっったく関係ないヨー!!」

 

榛名「霧島……私たちは……無事生還を果たしたのですね!」

 

霧島「当面の危機は去ったわ。 だけど、次の時には、事前に妨害工作をしなければ……」

 

榛名「そうね。 このままだと……提督の身の上まで!!」

 

ーーー

 

朱里は、思春に思わず抱きつき、思春は面食らいつつも……受け止めるッ!

 

金剛は、比叡からの追求を巧みに躱し、榛名と霧島は……喜びと同時に対策を講じようと強く頷く。

 

ーーー

 

思春「お、おいっ! 何が何だか分からんが……話をしたい! 我が主、孫仲謀様との席を用意してくれないか!?」

 

朱里「はわわわッ! わ、分かりました! 此方何時でも良いですよ!」

 

比叡「じゃあ、私のクッキーを───」

 

霧島「せっかくのクッキーですが、今回は仕舞って下さい! ほらっ! 人数が、あんなにも多いですから……! 幾らなんでも、皆さんに分けれなくては、争いの種になりますよ!!」

 

比叡「うぅっ! な、何、あの人数!? 流石に多過ぎるよぉ〜! 分けて上げたいけど……数が足りないしぃ……。 残念だなぁ………」

 

榛名「(ナイスですッ! 霧島!)」

 

霧島「(当然の結果ですよ……)」

 

金剛「Good Timing! 歓迎しまーすネ!!」

 

ーーー

 

思春は、朱里に抱き付かれ、顔を真っ赤にしながら、明命の居る方角に顔を向けた! 声こそ出さぬが、唇の動きで知らせたのだ!

 

『……ダイジョウダ。 コチラニ ゴアンナイ シテクレ!』

 

明命「はわ………は、はいっ!」ダッ!

 

明命は、思春の口の動きで、内容を確認、蓮華の下へ向かう。

 

──────ザッザッザッ!

 

明命(……思春殿……変わられました! 昔は、無表情で口数も少なかったのに……。 今では───)

 

数日前に、自分を慰めるために見せた……雛里の物真似。

 

あの時、呉に降りたった『天の御遣い』の力が無ければ……到底見る事などできなかったであろう!

 

明命「一刀殿……! 早く………逢いたい! また、前のように───ッ!!」

 

そう呟きながら、明命は──蓮華たちへ知らせに向かった!

 

 

ーーーーーーーーーー

 

恋姫と艦娘。 

 

違う世界の者たちが、北郷一刀を通じて……接触する事になった。

 

時代は、漢王朝末期……黄巾党が出没する……少し前の話である。

 

 

ーーーーー

ーーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

 

十常侍を捕らえるだけの話が……こんなに伸びてしまうとは……。 おかしいなと思いつつも、まったく反省していない作者です。

 

申し訳ないですが、呉の方が後、一、二話続きます。

 

その後に蜀と言う事で。

 

こんな話ですが、楽しんでいただければ幸いです。

 

 

説明
今回……話が続きます。
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コメント
雪風提督 コメントありがとうございます! 基準が難しいですが……将の出逢いとしては蜀、国と考えれば呉になります。 呉の話が続いて恐縮ですが、肝心の十常侍の処置が、まだ出てきていないから。 次こそは、出して話を進ませますので。(いた)
一刀達に最初に接触を達成出来た呉・・これがこの外史にどの様な波紋をもたらすのか楽しみです。(雪風)
Jack Tlam提督 再コメントありがとうございます! 断言は出来ませんが……球磨型は全員出す予定です。 北上さんと大井さん………後の策に必要ですので。 他にも、某二次小説にハマり、菊月を出せないか思案中です。 (いた)
hokuhin提督 コメントありがとうございます! …………潜水艦の子たちは出しますよw  何人出れるか分かりませんが、19は外せませんねw (いた)
↓浜風や浦風もね……白露型の子も年齢相応程度とはいえ大きめだから嫉妬はされたかも。朝潮型や暁型なら兎も角……ああ、もう暁型は全員揃ってたか。陽炎型が雪風くらいしか居ないからなあ、どうなるかわからないなこれから。(Jack Tlam)
金剛達はまだ大人体系で普通の胸だから良かったもの、潮や19がいたら朱里達も黙って居なかった&龍驤の貧乳党入りもあったかもw(hokuhin)
mokiti1976-2010提督 コメントありがとうございます! 英語で話すとこうなるそうです。 …………磯風も出してみたいですね。(いた)
まさか金剛さんの口から某とんち小僧の名言が飛び出すとは…!そして、とりあえず比叡さんが愛紗・春蘭とトリオを組まない事を切に願う。(mokiti1976-2010)
スネーク提督 コメントありがとうございます! 元の一刀より鈍感(朱里談)だそうですので、難しいかも……。 それに恋敵も………多いと。(いた)
んー、蓮華さん燃えてますなー…ただ提督の一刀に自慢のお尻が通用するのかな?種馬スキルもこの一刀なら落とすだけで事には及ばなそうな気がするな(スネーク)
Jack Tlam提督 コメント&御指摘ありがとうございます! 蓮華の件は、次回以降の話で摺り合わせていきたいと思います! シャオの疑うのも……家族や国が大事ゆえの疑い。 信用できる事があれば、いつものように動いてくれるかと。 (いた)
一刀へ与える罰……ねえ?随分と傲慢ですね、蓮華さん?相手は別人ですよ?それを知っているはずなんですけどね、貴女は?……この会談でどう事が動くのかが気になる。依存心の強い蓮華がどういう反応をするか……それにしてもシャオも意外に猜疑心が強いですね。果たして、同姓同名の別人でしかない一刀提督を受け入れられるか?(Jack Tlam)
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