真・恋姫無双〜項羽伝〜三国編
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第四章 拠点 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆の鍛錬が終わり、日が暮れる頃

 

 

サラサラサラ

 

サラサラサラ

 

コトン

 

稟「ふ〜〜〜これで終わりですね。それにしても・・・・・・」

 

稟は積み上げた書簡を見上げて

 

稟「・・・改めて見るとこの量は凄いですね。曹軍の時にこういう机仕事は慣れていると思っていたのですが、最後まで残ったのは私だけですか。司馬懿様を始めとして、周瑜殿や張昭殿、賈駆殿達はあっという間に終わらせてしまいましたし、私の前に終わらせた鳳統でも皆さまが鍛錬の中頃には済ませていましたね。やはりこれは慣れなのでしょうか・・・・・」

 

自分の仕事の速さに不安を抱いていると

 

コンコン

 

風「り〜〜〜んちゃ〜〜〜〜ん、此処に居ますか〜?風が差し入れを持ってきましたよ〜〜」

 

稟「ああ、風ですか。今開けますので待ってください」

 

カチャ

 

キーー

稟「どうぞ入ってください風」

 

風「はい〜〜、それにしても稟ちゃん仕事に結構時間掛かりましたね〜〜」

 

風は稟にお茶を渡していつもの飴を舐めながら聞いてきた

 

稟「そう言う訳ではなのですが・・・・・・他の方達が異様に処理が速いのですよ。いえ、決して私が遅いわけでは無いのです。周りの皆がおかしいのです」

 

稟は拳を握りながら力強くそう言った

 

風「おお〜〜〜稟ちゃんがいい具合にすれてきましたね〜〜〜。それと稟ちゃん、仕事の速さの事なら慣れたら速くなりますから気にしないほうが良いですよ〜〜。それに、風みたいに此処に慣れ親しんでいても、涼さんの速さなんか風でも信じられないですからね〜〜」

 

稟「そうですよね!!あの速さはおかしいですよね!!あの方は始まったかと思うとあっと言う間に書簡が山積みされて、物の数時間で私が一日かけて終わらした仕事をやってしまったんですよ。絶対に慣れだけではああはなりませんよ!」

 

稟は熱演するように風に語っていった

 

それから、稟の話をある程度聞いて

 

風「さてさて、稟ちゃんの鬱憤も全部吐き出したみたいですし、調度ご飯の時間なので食べに行きましょう」

 

稟「ん、もうそんな時間ですか。ついつい話に夢中になってしまいましたね。それでは行きましょうか」

 

二人が立ち上がり部屋を出ようとしたら

 

コンコン

 

星「稟、居るか?」

 

稟「はい、居ますよ。如何したのですか?」

 

キーーー

 

扉を開けて星が入ってきて

 

星「少しな。おや、風も一緒か。それなら調度いい」

 

稟「それで、用と言うのは風も一緒にでいいのですか?」

 

星「ああ、昨日の話の事についてな。久しぶり三人で酒でも飲みながら話そうと思い、誘いに来たのだ」

 

風「それは良いですね〜〜。でも、風はもうすぐこの子が産まれますしお酒は無理ですよ〜〜」

 

星「それの事も考えてホレ、風の好きなお茶を持ってきておる」

 

風「おお、流石星ちゃんですね〜〜〜」

 

稟「お酒ですか・・・・(星殿とお酒と言う事は、とんでもない量を飲むのですよね)」

 

星「おや、稟は酒が苦手だったかな?」

 

稟「う・・・いえ、苦手と言うわけでは無いのですが・・・少し・・あ!そう言えば夕食はどうするのですか?準備してもらっている料理を食べないのは少し気が退けるような気が・・」

 

星「それなら大丈夫だぞ。私が涼殿に言って簡単なつまみだけ頼んだから。後で取りに行くだけでいいぞ」

 

稟「そうですか・・・」ガク

 

稟は頭をうな垂れてさせたのであった

 

風「稟ちゃん諦めて楽しくお酒を飲みに行くのですよ〜〜」

 

稟「・・・そうですね。それで、星殿。何処で飲むんでしょうか?」

 

星「そうだな・・・・フム、あっちの庭にある休憩所で月を見ながら飲もう」

 

風「それでは出発なのです」

 

風はよちよちとお腹を抱えながら歩きだし、星と稟は風の手助けをしながら歩き出したのであった

 

 

 

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コト

 

トクトクトクトク

 

星「それでは乾杯といこうか」

 

風「何に乾杯するのですか〜?」

 

星「ん、そうだな・・・簡単に三人の再開と稟の楚へ参入を祝って」

 

そう言いながら星は盃を持って掲げ、二人も同じく持って

 

三人「乾杯」

 

カチン

 

コクコク

 

星「ふ〜〜、やはりこの酒はうまいな」

 

稟「・・・これは・・」

 

風「如何したのですか稟ちゃん?」

 

稟が盃を持ったまま不思議な顔をしていたのを不思議に思った風が聞くと

 

稟「いえ、飲んだことの無いお酒だったので・・・・老酒や紹興酒とも違う・・・これはいったい?」

 

星「おや、稟はこの酒を飲むのは初めてだったか?」

 

風「星ちゃん、一体何のお酒を渡したのですか〜〜?」

 

星「そんなに大したことの無い酒だぞ。私が小さい頃から飲んでいる酒だしな」

 

風「星ちゃんが昔から?ふむ・・・何という名前のお酒なのですか?」

 

星「名?名か・・・確か種類は日本酒だったきが?あまりにも慣れ親しんでいるせいで名前を憶えていないな」

 

風「あ〜〜〜日本酒ですか。星ちゃんはそんなに昔から飲んでいたのですか〜?」

 

星「ふむ。私の実家で毎年自分の家で飲むものを作っていたからな。建業に来てからも普通に有ったから、世にも普通に出回っていると思っていたが違うのか?」

 

稟「いえ、こんなに質の良いお酒で此処まで香りがいい物初めて頂きましたよ。華琳様の所でも此処まで良いお酒は飲んだこともありません」

 

星「ほう、美食家で有名なあの孟徳でさえ飲んだことが無いか。そんなに珍しい物なのか?」

 

風「そうですね〜〜、今の呉ではそんなに珍しくありませんね。でも、風達三人でまだ旅をしていた時、星ちゃんはお家や此処建業以外でこの日本酒を飲んだことは有りましたか?」

 

星「そう言われてみれば、ここ以外ではあの旅の時この酒を見たことが無いな」

 

稟「ですが私は建業に居たときこの様なお酒、目にも耳にもしたことありませんが?」

 

風「それはですね、お兄さんが建業に着いてからこのお酒を広げたからですよ〜〜。多分ですが風達が居たときは、炎蓮さんが秘匿していたんでしょうね。だから呉覇将の子孫である星ちゃんだけこのお酒を飲んでいたのでしょうね〜〜」

 

星「成る程な。そう言えばあの時に飲んでいたのは私と炎蓮殿だけだったな」

 

風「たぶんですけど、あの時は祭さんや雪蓮ちゃんもこのお酒の存在は知らないと思いますよ〜〜」

 

稟「え!?あの二人がこのように素晴らしいお酒の存在を知らなかったのですか」

 

風「多分ですけどね〜〜〜知っていたとしてもむやみやたらに飲むことが出来ないお酒として諦めていたんじゃないでしょうかね〜」

 

稟「あの二人が我慢しているなど想像が出来ないのですが・・・・」

 

風「風も余り想像できませんね〜〜〜。あの二人は子供が出来てから、お酒を飲めなくなって色々大変でしたから〜〜」クスクス

 

風は少し前の雪蓮と今まさにその状態の祭の事を想像してほくそ笑んでいた

 

星「それほど炎蓮殿が厳重に管理していたのだろうな。それで稟よこの酒を初めて飲んだ感想は如何だ?」

 

稟「え、そうですね・・・とても味わい深くて美味しいですね。私は余り好んで酒を飲む方ではありませんが、これだったら楽しみながら飲めそうですね」

 

星「それは良好だ。私もこの酒を持ってきてよかったぞ。そうだ、せっかくだから渡し専用のこのつまみ我が趙家特製のメンマを分けてやろう」

 

そう言って星は腰に下げていたメンマを入れている小瓶をズイズイと稟に差し出した

 

このメンマは星が母から、母はその親からと初代の星龍から歴代の当主に受け継がれてきた製法で作られてきたメンマであった

 

しかしそれを見た稟は

 

稟「う・・またメンマですか」ボソ

 

稟は星が頼んでいた料理の全てメンマが入っていたので少し嫌気を指していたのだが

 

ピキ

 

星「おっと、盃を割れてしまった。ヒビでも入っていたか?それで、稟よ。どうかしたのか、少し顔が蒼いようだが、酒が悪い方に回ったか?」

 

稟「い、いえ。何もありませんよ!!と、とっても美味しそうなメンマだったので少し固まっていただけです!」

 

星「そうか、何やらメンマを侮辱したような言葉が聞こえた気がしたのだが、如何やら私の勘違いだったようだな。ほら稟、遠慮せずにこのメンマを食べてくれ。このメンマは私が今まで食べてきた中で一番の物だからな」ニカ

 

星は笑顔でメンマを小瓶から取り出し稟の取り皿に置いたのであった

 

稟「では頂かせてもらいます(ハム)・・・!!!こ、これは本当に美味しい・・・一体どうしたらこんなに美味しくなるのですか?」

 

星「フッフッフッフ、それは教えることは出来ないな。我が一族が長い年月をかけて作り出した秘伝の作り方だからな」ドヤ

 

星はドヤ顔で言ってきて、その後もメンマに付いて語り始めたのであった

 

それを見ながら稟は小声で

 

稟「ねえ風、星殿は何故こんなにもメンマに固執するのですか?」

 

風「それはですね〜〜このメンマを伝えたと言われているのがお兄さんだからですよ〜〜」

 

稟「え!!それは本当ですか?」

 

風「風も星ちゃんから聞いたので絶対とは言い切れませんが、多分間違いないでしょうね〜〜。お兄さんも似たようなことをあの時言ってましたからね〜〜」

 

稟「そうなのですか・・・しかし、それだと本当に項羽様は過去から来られたのですね」

 

風「稟ちゃんはまだ信じてなかったのですか?」

 

稟「いえ、信じていなかったと言うわけじゃありませんが・・・やはり突拍子のない事なので確信と言うか何というか・・・」

 

風「まあ、そうですよね〜〜〜知らない人が聞いたらおかしいと感じるのは当たり前でしょうね。でも、真実は見て触れない限り解らない事が多いですからね〜〜」

 

稟「まさにその通りですね。そう言えば星殿」

 

星「・・メンマと言うのは・・・・ん?どうかしたか稟?今私がせっかくメンマに付いて力説していると言うのに」

 

稟「メンマの事は今度聞かせてもらいますので、今は明日の事について話をしませんか」

 

星「明日・・・ああ、そうだったな。ならその話に入ろう」

 

星は新しい盃を出して、酒を注ぎ一口であおぎ話を仕切り直した

 

星「さて、主も言っていたが元曹操軍の者達についてだが・・・どうする?」

 

風「そうですね〜〜、一番大変そうな曹姉妹は春蘭ちゃん姉妹がしてくれそうだから良いとして問題は凪ちゃんの友達二人ですね〜〜」

 

星「やはりそうか。ん〜〜〜〜、お、そう言えば確か元曹操軍にはちびっ子が三人いなかったか?」

 

稟「確かにいますよ。華琳様の親衛隊だった季衣と流琉に香風、つまり許緒に典韋、徐晃の三人ですね」

 

星「その三人だ。今はどの様にしているんだ?」

 

風「許緒ちゃんと典韋ちゃんはいつも春蘭ちゃん達と鍛錬をしたり、涼さんや亞莎ちゃん達と料理をしてますよ〜〜まあ、許緒ちゃんは食べる方ですけど」

 

星「そうか、その二人は確りと溶け込んでいるみたいだな」

 

風「はい、二人ともまだ幼いだけに皆と壁を作ることなく親しんでますよ〜〜」

 

星「それならもう一人の徐晃と言う者は?」

 

風「さ〜〜〜、風は余り見ていませんね〜〜。稟ちゃんはどうですか〜〜?」

 

稟「そう言えば私も余り・・・・・・・あ、そう言えば蓮華さんが一度香風の事を話していたような・・・」

 

星「おや、蓮華とは真名を交換したのか」

 

稟「ええ、以前項羽様の所に仕事上聞きたいことが有ったので伺ったところ部屋を離れられていて、戻ろうとした時に調度蓮華殿が来られて話をしたんですよ。そこで(項羽様の話で)意気投合をして真名を交換したんです」

 

星「そうだったのか。稟も着実に慣れ親しんでいて嬉しいぞ」

 

風「それで稟ちゃん、蓮華ちゃんはジョコタンの事を何と言ってたのですか〜〜?」

 

稟「ジョコタン?それが、何やら「邪魔じゃないけど邪魔なような・・・・でも邪魔な・・・いや、此処で邪魔と言うと恋が・・・・」とよくわからない事を呟いていたのです」

 

二人「「????」」

 

二人は稟が何を言っているのか解らないと言いたいような顔で頭を捻っていた

 

稟「だから私もよく分からないと言ったでしょう。ただ、話からすると如何やら香風は蓮華殿の近くに時々居ると思えますが・・・」

 

風「そうですね〜〜稟ちゃんが言う通り蓮華ちゃんの近くに居そうですね〜〜」

 

星「ふむ、しかし何故蓮華の近くに・・・・」

 

風「解らないなら一度見に行ってみればいいのですよ〜」

 

星「それもそうだな。よし、なら明日三人で見に行ってみるか」

 

稟「え、しかし私は仕事が・・・・」

 

風「大丈夫ですよ稟ちゃん。お兄さんからの頼み事と言ったらお仕事を一日位抜けさせてもらえ・・・・・」

 

稟はいつもの風の嘘と思いそれくらい私は見抜けますと得意顔で目を瞑り風に話しかけ

 

稟「本当ですか風?もし嘘だったら次の日に私が酷い目にあるのですから、正確な(ドサ)「おい風どうした!!」え!!!?」

 

稟はつぶっていた目を開いて風を見たときには風は座っていた椅子から転げ落ちお腹を抱えていて星が抱き起していた

 

星「稟!!急いで誰かを呼んできてくれ。恐らく風は陣痛を起こしている」

 

稟「は、はい!!」

 

稟は急いでその場から駆けだして人が居る方へ向かっていった

 

風「ハァ、ハァ・・・・結構痛い物ですね〜〜〜。あの雪蓮ちゃんが泣き叫ぶだけはありますね。ハァ・・・・・・」

 

星「それはそうだろう。赤子を生むのだ、それなりの痛みはあるさ」

 

風「フフフフ、これで星ちゃんより一歩リードですね」

 

星「フフ、言っておれ。私もすぐ主の御子を授かり風に追いついて見せるさ」

 

二人は口元を緩ませながら、痛みから気を紛らわせるため話していると

 

稟「星殿!風は無事ですか!?今、呂蒙殿が華佗殿を呼びに。後、調度その場に流琉が居たのでお湯の準備を頼んできました」

 

星「そうか亞莎が行ったならすぐに鷹は来るだろうから風を部屋に運んでおこう」

 

稟「そうですね。なら私は先程頼んだお湯は風の部屋に持って来るように頼んできます」

 

星「ああ、頼む。それと他の者達にもこの事を伝えてくれ」

 

稟「解りました」

 

そう言って二人は別れた

 

 

 

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それからすぐに鷹はやってきて風は部屋で無事出産を迎えた

 

風「む〜〜〜やっぱりお兄さんの子どもは女の子ですか〜〜〜」

 

風がそう呟いていると稟の報告聞いてやってきていた出産経験者たちのうちの一人である雪蓮が

 

雪蓮「何を言ってるのよ。まるで私の子どもの孫紹ちゃんが一刀様との子じゃないみたいじゃない」

 

雪蓮の言う通り雪蓮子である孫紹は男の子であった

 

風「おお、そう言えば雪蓮ちゃんの御子さんは男の子でしたね〜〜〜あまりにも可愛かったのでつい女の子と思ってましたよ〜〜」

 

雪蓮「え、やっぱりそう思う?そうよね〜〜〜うちの孫紹ちゃんって楚で一番かわいい赤ん坊よね。今後どんなふうに美形に成長していくのかもう今から楽しみなのよね〜〜」

 

雪蓮は我が子の自慢を始めると

 

春蘭「む、雪蓮。それは聞き捨てできぬな」

 

秋蘭「うむ。そうだぞ。楚で一番可愛い赤子は・・・・」

 

二人「「我が娘の充(衡)だ!!・・・ん?」」

 

秋蘭「姉者・・・・何やら違う名を聞いたように思えたのだが」

 

春蘭「気が合うな秋蘭・・・・私もおかしな名を聞いた気がしたのだが・・・秋蘭は何と言ったのだ?」

 

秋蘭「それはもちろん我が子の衡といたぞ。姉者は?」

 

春蘭「勿論私が一刀様や秋蘭と同じくらい愛している充だぞ」

 

秋蘭「そうか・・・・姉者とは一度話し合った方がいいようだな」

 

春蘭「そのよだな」

 

そう言いながら姉妹が部屋を出て行こうとすると

 

涼「二人ともいい加減にしなさい。風にとっても私達にとっても新しい家族が出来た、めでたい日に争いごとをするべきではないわ。それに一番かわいいのは私の娘達よ」

 

と、ちゃっかりと自分の娘も食い込ませる涼だった

 

それに

 

恋「そう・・・二人とも落ち着く。子供たちは皆可愛い・・・・・そして小夜叉が一番」

 

恋も涼に続くのであった

 

雪蓮「何だかんだで皆自分の子ども自慢してるわね」

 

風「それはそうですよ〜〜。皆さんお兄さんの事が大好きなうえに、そのお兄さんとの間に出来た子供たちですからそれは可愛いに決ってるじゃないですか」

 

雪蓮「風の言うとおりね。私もそう思っているしね〜〜」

 

風「それに風も自分の子どもが一番と思っていますし」

 

雪蓮「フフ、皆一緒って言う事ね」

 

風「ククク、そうですね」

 

二人はまだ自分の子ども達の自慢を言い合っている皆を見ながら笑い合うのであった

 

 

 

 

そして

 

星「なあ稟よ・・・・」

 

稟「・・・何ですか星殿」

 

星「私等・・・空気になっているな」

 

稟「言わないでください・・・・私もそれには気づいていますから・・・」

 

星「今回は私達が一番頑張ったはずだよな・・」

 

稟「うう・・・・」

 

星「もう部屋に戻って寝よう。稟、風は明日来れそうにないから私達二人で徐晃を見に行くぞ」

 

稟「はい・・・・・私も今日は疲れたのでもう寝させてもらいます」

 

二人は部屋の隅で涙を溜めながら自分の部屋に帰っていった

 

 

 

 

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次の日

 

 

 

コンコン

 

星「稟、起きているか?」

 

稟「はい。もう準備が出来ていますので行きましょうか」

 

そう言いながら稟は部屋から出て来て

 

稟「さて、まずは何処に行きますか?」

 

星「そうだな、やはり先ずは蓮華の所に行ってみるか」

 

稟「そうですね」

 

 

 

 

 

 

蓮華の部屋

 

 

コンコン

 

蓮華「誰かしら、もうそろそろ一刀様の所に向かわなくてはいけないのだけれど・・・はい、何方ですか?」

 

星「朝から悪いな蓮華。私だ」

 

蓮華「星さんですか」

 

キーーー

 

メイド姿の蓮華は扉を開け二人を部屋の中に居れた

 

稟「蓮華殿おはようございます。すみません、こんな朝早くから」

 

蓮華「ああ、稟も一緒なのね。おはよう。それで、如何したのこんな早くから・・・その申し訳ないんだけど、そろそろ私、一刀様の所に向かわなくてはいけないのだけれど」

 

星「それはすまなかったな。何、すぐ終わる話だ。蓮華、稟から聞いたのだがお主は徐晃がこの頃どこで過ごしているのか知っているらしいから、その事を聞きに来たのだ」

 

蓮華「え、香風の事?」

 

稟「蓮華殿、香風から真名を預かったのですか?」

 

蓮華「ええ、あれだけ同じ部屋にずっといればね・・・・・・」

 

蓮華な何故か遠い目をしながらそう言った

 

星「??どういう事だ?」

 

蓮華「・・・・そうですね、言葉にするより見てもらった方が速いかもしれません。どうですか二人とも、もしよろしかったらですが私と一緒に一刀様の執務室に来ませんか?そうしたら星さんや稟が疑問に思っていることが解りますよ」

 

稟「項羽様の執務室にですか?」

 

星「何故そんな所に徐晃が?恋が良く入れたな」

 

蓮華「・・・・・それでどうしますか?」

 

蓮華は目を泳がせながら星の質問に答えずそう言った

 

星「ふむ、折角だから一緒に行かせてもらおう」

 

蓮華「それでは行きましょう」

 

 

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コンコン

 

蓮華「失礼します。蓮華ただいま参りました」

 

一刀「ああ、入ってくれ。昨日の分の書簡はそこに纏めているから点検を頼むな」

 

蓮華「了解しました。失礼します」

 

二人「「失礼しま・・!!!!!!」」

 

蓮華は何事もないように部屋に入り一刀からの指示どうり仕事を始めたのだが、一緒に入ってきた二人は違った

 

サラサラサラ

 

コト

 

一刀は書いていた書簡を書き終わり、仕上がった書簡の山に乗せようと顔を上げたときに二人が扉の前で驚いて固まっている姿を見つけた

 

一刀「ん?如何したんだ二人とも。扉の前で固まったりして」

 

と、一刀も何事も無いように振舞っているのだが

 

明らかにこの部屋におかしな存在が三つあるのである

 

それは

 

一刀が使っている机の前に体育座りをしている三人がずっと一刀を見つめている姿であった

 

その三人とは

 

一人は呉覇将の一角を担い、親衛隊隊長を務める鬼神呂布その人である

 

恋は仕事柄上ここに居るのはそうおかしい事では無い

 

しかし残りの二人が違った

 

一人は呂玲綺こと恋の娘である小夜叉ちゃん。娘達の中で一番のお父さんっ子であり常にお父さんの膝の上を狙っているお子さんである

 

そしてもう一人が

 

ジョコタン事、徐晃、真名を香風その人であった

 

この三人が一刀に向かって何かをねだる様なつぶらな瞳で永遠と一刀を見つめていたのであった

 

星「・・・は!!い、いえ何でもないですぞ主」

 

一刀「何でもない事は無いだろう。そんな扉の前で動かなくなるなんて星では珍しい事だろう?」

 

星「そ、それは・・・・」

 

一刀「いいから言ってみな。俺が解る事なら教えてあげるから」

 

星「そ、それなら・・・・・・その、何故この三人・・・・いえ、恋は仕事なのでしょうから小夜叉と徐晃が此処に?」

 

一刀「ああ、その事か・・・・・・・色々有った・・いや起きなかったのか?」

 

何故か遠い目をして悩みだした一刀であった

 

稟「一体何が?」

 

一刀「それがな、孟徳たちが此処に参入した時の事なんだが・・・・最初は受けた恩を返すだけだったらしいがその時、この徐晃「ジョコタン!!」そのジョコタンと恋が一緒に食事をして何故か意気投合してな・・・・恋が俺の事を熱心に言い聞かせたらしい。そしたら如何やらジョコタンが俺に興味を示したと言うか、懐いたと言うか・・・・・それから何をするにも恋とこのジョコタンが着いて来てな。そしてそれを知った小夜叉がジョコタンに俺を取られると思ったのか恋と一緒に仕事場に来るようになって今の状態になったと言うわけだ」

 

星「成る程。つまり、また主が女を誑したというわけですな」

 

一刀「誑したって・・・そんなつもりは無いぞ」

 

稟「しかし、この様にずっと見つめられていては集中が出来ないのでは?」

 

一刀「今はもう慣れたけど・・・最初の頃はどうにかしてジョコタンだけでも出てもらおうとしたんだが・・・・」

 

星「どうかしたのですか?」

 

一刀「見てもらった方が速いかな。蓮華頼む」

 

蓮華「はぁ、解りました」

 

蓮華は疲れた顔をしながら香風の元に行き香風を担ぎ部屋の外に出した

 

星「無事外に出したようですが何か・・・・!!!」

 

稟「星殿どうかし・・・・!!!!」

 

二人が扉から目線を一刀の方に戻して目にしたのは一刀の膝の上にちょこんと座っているジョコタンの姿だった

 

小夜叉「あーーーー、またパーパの御膝座ってる〜〜〜〜〜!!!そこ小夜叉の〜〜〜!!!パーパ、小夜叉も乗せて〜〜〜〜」

 

そしてその姿を見た小夜叉が対抗心湧かせて一刀にせびる光景だった

 

星「一体何が・・・・・先ほど徐晃は蓮華が・・」

 

蓮華「ああ、やっぱり中に居たのね」

 

蓮華は部屋に戻り一刀の膝の上に居る香風を見てそう言った

 

稟「蓮華殿あれはいったい・・・・」

 

蓮華「私にも解らないは。何故か知らないけど、毎回ちゃんと外に出るまで持っていたはずの香風が気づいたら居なくなって毎回一刀様の御膝の上に座っているのよ」

 

星「一体どうしたらそうなるのだ?」

 

蓮華「さあ・・・・ただ、毎回こんな事をしてたら仕事が進まないからって一刀様はもう気が済むまでいさせようと言うことになったのよ」

 

星「成る程。しかし先ほどの三人の目は主に何かして欲しそうな眼をしていたが?」

 

蓮華「それは仕事の合間合間に息抜きとして簡単な鍛錬をされているからそれを待って居のでしょ」

 

稟「!!と言う事は香風は項羽様直々の鍛錬をしていると言う事ですか?」

 

蓮華「ええ、そうなるわね」

 

星「末恐ろしいヤツだな。まだ来てそれほど立っていないのにもう主と鍛錬を・・・・・それにこの流れだと相手は恋もしていると考えられるな」

 

蓮華「ええ、時々だけど一緒に鍛錬している所を見たことが有る気がするわ」

 

稟「一体香風は何をしたいんだ?」

 

稟は一人で呟いたつもりだったようだが、調度その時小夜叉に一刀の膝を譲ったのだろう香風が近くに居て答えたのであった

 

香風「香風は好きな人守る・・・・友達の恋がいっぱい教えてくれた。御主人様良い人。一杯愛してくれるらしい//////////。だから香風も愛してもらえるよう、御主人様守れる強さ手に入れて恋と一緒に守ってみせる」

 

星「それは親衛隊に入ると言う事か?」

 

香風「コク」

 

稟「それはまた・・・・・」

 

星「親衛隊はこの国で一番入るのに厳しく激しい場所だぞ。それでも入りたいのか?」

 

香風「うん。香風友達守りたい」

 

星「そうか・・・・なら今度呉覇将の皆に掛け合ってみよう」

 

香風「がんばる」

 

香風はヤル気を漲らせながらそう言ったのであった

 

 

 

 

 

その頃の一刀は

 

一刀「小夜叉、もうそろそろいいか?お父さんお仕事したいんだけど」

 

小夜叉「ん〜〜〜わかった。」

 

ピョン

 

飛び降りた小夜叉はもと居た場所に向かった

 

一刀「ふ〜〜これで仕事が(トントン)ん?」

 

一刀の肩を誰かが叩いたので見ると

 

恋「次は恋の番///////////」

 

恋が顔を赤くさせてそう言ったのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき??

 

 

お久しぶりです

 

暇が出来たときに書き足しているのですが、話がつながらなかったりして少し・・・いやかなりか?おかしなとこがあるかもしれません

 

でも、楽しんでもらえているなら恐縮です

 

次回は曹家に季衣と流琉に誰かを絡めていきたいと思います

 

 

では待て次回

 

説明
お久しぶりです。
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コメント
さすがはジョコタン、色々と凄いっすね。しかし、これを恋以外の犬二人が見たら発狂しそうな気も…あっ、申し遅れましたが、風さんおめでとうございます。(mokiti1976-2010)
子煩悩が治める国それが楚である(スネーク)
恒例に間違い探しから:普通に会ったから→普通に有ったから。ジョコタン最強過ぎる。既に一刀と鍛錬しているとは・・・・忠犬もとい親衛隊最強ですね。君主を護るのが親衛隊の役目ですからね。でも一刀に必要か?(覇王)
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