仮面ライダー剣×ゴッドイーター ?掴み取る運命? 第5話 |
ソーマ
「喰らえ…!」
黒い戦士は弓矢の刃でグボロ・グボロの顔面を斬り裂いた。
真っ青な身体から真っ赤な鮮血が吹き出し、戦士の体を染めていく。
コウタ
「俺達も行くぞ!」
十真
「お、おう!」
コウタの声で十真は我に帰り、すぐにバックルを装着した。
十真・コウタ
「変身!」
[TURN UP]
[DIA 10]
オリハルコンエレメントを潜り抜け、2人も変身。それぞれのラウザーを手にグボロ・グボロへと立ち向かう。
十真
「うぉぉぉぉおっ!」
[TACKLE]
タックルのカードをラウズし、グボロ・グボロの横っ腹をブレイラウザーで突く。
十真
「柔らかい…ここが狙い目か!」
[SLASH]
続けてスラッシュのカードをラウズし、斬れ味の増したブレイラウザーで斬撃を放つ。
しかしグボロ・グボロは、その巨体に似合わぬ俊敏な動きで体を回転させ、両ビレでブレイドを叩いた。
十真
「ぐあっ!」
至近距離での力任せの攻撃は、ブレイドを建物の壁まで叩きつけた。
コウタ
「十真!」
十真
「うぅ……っ!コウタ、危ない!」
コウタがブレイドに視線をずらした時、グボロ・グボロの砲塔から氷弾が放たれた。
コウタ
「あ、うあぁぁぁぁあっ!」
ソーマ
「余所見をするな!」
素早くコウタの前に黒い戦士が現れ、弓矢で一閃。放たれた氷弾を破壊した。
コウタ
「さ、サンキュー…」
ソーマ
「…………」
ソーマの態度は素っ気なかった。助けてやったのは本心じゃない、とでも言いたそうだ。
その後の戦闘もそんな空気だった。
ソーマは異様にコミュニケーションを取ろうとしない。しかし2人の危険をさりげなく救う。
十真には不思議に思えた。
ソーマ
「そろそろか…」
黒い戦士は腰のラウザーを取り外すと、弓矢の中央部に装着した。
[DRILL・TORNADO]
弓矢に装着されたラウザーに2枚のカードをラウズ。
[SPINNING ATACK]
黒い戦士の体を中心に竜巻が起こり、空中へと上昇、体をドリル回転をさせながら竜巻と共にグボロ・グボロを貫く。
身体に風穴を開けられたグボロをグボロは、断末魔の叫びをあげることもなく、霧散した。
ソーマ
「…………」
弓矢からラウザーを外すと、黒い戦士はソーマの姿へと戻る。
ソーマは十真達には目もくれず、黙って自分のバイクに乗り込んだ。バイクも、黒と金で装飾されており、量産型ではなかったのに驚いた。
十真
「あ、あのさ!」
何を言っていいのかわからない。だが、今ここでソーマとコミュニケーションを取らなければいけない気がした。
ソーマ
「言ったはずだ。死にたくなければ、俺に関わるなと…」
十真
「っ………」
ソーマのバイクが静かに動き出し、その場を走り去っていった。孤独な背中を見せながら。
コウタ
「変な奴…気にすんなよ、十真」
いつのまにか変身を解いていたコウタが、まだボンヤリと佇むブレイドの肩に手を置いた。
男1
「なぁ、聞いたかよ。エリックが死んだんだってよ」
あの日から一夜明けて。すでにエリックの死を知らない者はいなかった。
十真が自室へ向かうためエレベーターを出ると、自販機の前のソファーで2人の男が話をしていた。
首に下げられた社員証を見るとゴッドイーターであることがわかる。
男2
「またソーマと同じチームの奴が死んで…やっぱりあいつは死神だな」
十真
「(死神?)」
男1
「あ、そこのお前」
つい足を止めて2人の話を聞いていたら、男の1人に声をかけられた。
男1
「お前、新型の適合者だろ?この前ソーマとミッションに出た」
十真
「あ、はい」
男2
「あいつとの任務は避けた方がいいぜ。あいつとチームを組むと、誰かが死ぬんだよ」
十真
「え……」
男1
「気をつけろよ。自分の命ほど大事な物はねぇからな」
それだけ言って、2人の男は何処かへと去っていった。
十真
「(ソーマとチームを組むと死ぬ……何でだ?ただのジンクス、ってわけじゃなさそうだよな…)」
通常とは異なるラウザーシステム。身に纏うオーラ。十真が見たソーマから考えるに、何かしら理由があるとしか思えない。
十真
「(あいつは一体、何者なんだ…?)」
同じ第一部隊として活動するのに、男達が言うように避けるのは間違っている気がする。
ソーマについて知り、何か距離を縮めるヒントを得る必要があると十真は考えた。
ソーマ
「余計な詮索はするな」
深く考え込んでいたら、後ろから声が聞こえた。
いつの間にか、ソーマが来ていたようだ。
ソーマ
「あいつらから話は聞いただろ。だったら、もう俺とは関わるな」
冷たく言い放ち、ソーマはフードで顔を隠しながら歩き去ろうとした。
十真
「俺たち、同じチームだろ?仲間を独りになんか、できねぇよ」
初めて会った時から、ソーマは孤独を貫こうとしていた。しかし、恐らく彼はそんなことを望んではいない。
自分の側にいれば、そいつは死ぬ。そんな恐怖から、人を避けているだけのはず。
エリックが死んだ際にも、そんな風に自責の念を感じていたに違いない。
ソーマとの付き合いは数日にも満たないが、何故かわかるような気がした。
ソーマ
「わかったような口聞きやがって…テメェに何がわかる…」
ソーマはそう呟くと、そそくさと自室に入っていった。
それを見送ると、十真も自室に入り、カウンターに飾られた写真を手に取った。
十真
「…独りの辛さを知ってるから、かな……」
その写真を見つめながら、ソーマの残した呟きに答えてみる。
写真はほとんど焼け焦げてしまい、何人もの人間が写っているのに顔が鮮明なのは十真一人。
そう、十真の姿だけが、鮮明に写されているのだ。
十真
「独りに耐えられる人間なんて、いるわけねぇよ…」
十真は写真をカウンターに戻すと、ターミナルを開いてデータの整理を始めた。
写真に、たった一粒だけの涙を落として。
作者&十真 より…
作者
「エイプリルフールのネタ考えてたら、4月1日過ぎちゃった」
十真
「おい」
作者
「ま、いまさらなんで、本編の製作に専念します」
十真
「そういえば前回、別の作品がどうとか、ヒントは1周年だとか言ってたけど…」
作者
「そいつは3分の1くらい進んでる。一体何をしているかは、4月7日に発表します」
十真
「へぇ」
作者
「それでは今日はこの辺で…」
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だんだん1話分の内容が短くなってきてる気がする… ※題名の話数が第6話になっていましたが、正しくは第5話です。失礼しました。 |
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