英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜
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〜カレイジャス・会議室〜

 

「彼女達はメンフィル帝国の精鋭部隊――――リウイ陛下が率いる精鋭部隊のメンバーとして屋上を目指すそうだよ。」

「―――なお、メンフィルはリウイ陛下の部隊とは別に”槍の聖女”率いる”鉄騎隊”の別働隊が二手に分かれてそれぞれのルートから屋上を目指すそうです。」

「ええっ!?や、”槍の聖女”どころか”鉄騎隊”まで精鋭部隊のメンバーなんですか!?」

「まあ連中の実力を考えると精鋭部隊に選ばれてもおかしくないわね。」

「どちらにしても心強い話である事には違いありませんね。」

「まさか”結社”の連中まで世界の命運をかけた決戦に参加するとはねぇ……」

オリヴァルト皇子の後に説明したクレア大尉の話を聞いたエマは驚き、セリーヌは納得した様子で呟き、エリスは微笑み、サラ教官は苦笑していた。

 

「でもプリネ達はメンフィルの部隊か……やっぱり僕達と一緒に行く事は無理なのかな……」

「……プリネ達の立場を考えたら仕方ないな。」

エリオットとガイウスはそれぞれ残念そうな表情をし

「私は”Z組”が全員揃った所が見られなくて残念だわ。一度でもいいから”Z組”のみんなが揃った所を見たかったのだけど……」

「”Z組全員”という事は……」

「……プリネ君達に加えてクロウもか。」

「クロウ君……」

ゲルドが呟いた言葉を聞き、クロウを思い浮かべたジョルジュやアンゼリカ、トワはそれぞれ寂しげな表情をしていた。

 

「………………そうだな。ゲルドの言う通り、俺達”Z組”はまだ”全員揃っていない”。世界の命運をかけた決戦にベストを尽くす為にも”Z組全員が揃う必要がある”と俺は思う。」

「兄様……?」

「お、お兄様。まさかとは思いますがメンフィルにプリネ様達やクロウさんをわたくし達のメンバーに入れるように説得するつもりなのですか……!?」

リィンの言葉を聞いたエリスは不思議そうな表情をし、セレーネは信じられない表情で尋ねた。

 

「ああ。――――それとクロチルダさんもだ。」

「姉さんもですか!?い、一体どうして……」

リィンの口から出た予想外の答えに驚いたエマは信じられない表情でリィンを見つめた。

「クロチルダさんに償いの機会を与える為だ。世界の命運をかけた決戦に参加すれば”槍の聖女”同様とまではいかないと思うけど、メンフィルにも貢献した事になるから罪も少しは軽くなるだろう?それにクロチルダさんはみんなも知っての通り、魔術師として相当な使い手だ。戦力としても心強い存在である事には違いないだろう?」

「リィンさん…………」

「ヴィータが世界の命運をかけた決戦に参戦ねぇ……”結社”が崩壊した事に意気消沈しているあの女が参戦するとはとても思えないし、そもそもヴィータやあのバンダナ男を一時的にとは言え釈放したら下手したらそのまま逃げられるわよ?もしそんな事になったらメンフィルに責任を追及されるわよ?」

リィンの答えを聞いたエマは驚き、セリーヌは真剣な表情でリィンに忠告した。

 

「……その時は俺が責任を持って二人を探して拘束してメンフィルに引き渡すし、メンフィルが決めた俺に対する処罰を受け入れるつもりだ。それにエリスとアルフィンの件を考えるとクロチルダさんは根っからの悪人ではないと思うから、そんな事はしないと思う。」

「え…………」

「わ、私達の件ですか?」

「ど、どうしてでしょうか?姉さんはお二人を誘拐したのに……」

リィンの説明を聞いたアルフィンとエリスは目を丸くし、エマは戸惑いの表情で尋ねた。

「”パンダグリュエル”でカイエン公が俺を勧誘した時にクロチルダさんは俺に俺がどんな選択をしても二人の安全を保障するって伝えて、その場でカイエン公に確約させたんだ。」

「姉さんがそんな事を…………」

「……………………メンフィルの件があったからそんな事を言ったんじゃないかしら?アルフィンはともかく、エリスとアンタに何かあればメンフィル帝国が問答無用で攻めて来て結社と貴族連合を一人残らず殺す事はわかっていたし。その証拠にユミルに現れた貴族連合の協力者達のほとんどを”英雄王”達は殺したじゃない。」

リィンの答えを聞いたエマは驚き、セリーヌは複雑そうな自身の推測を口にした。

 

「確かにその可能性も考えられるけどエリスの安全を保障をカイエン公が確約する時、カイエン公は一瞬表情を歪めていたから、あれはクロチルダさんの独断でエリスとアルフィンの安全の保障を確約したんだと思う。下手をすればカイエン公が焦りのあまりエリスに危害を加えてルーファスさんの返還をメンフィルに迫る可能性だってあったのに、クロチルダさんは先にその可能性を潰したという事になる。―――それを考えるとクロチルダさんは根っからの悪人とはとても思えないんだ。」

「リィンさん……」

「”蒼の深淵”の件はそれでいいとしても、クロウが逃亡しない可能性はちゃんとあるんでしょうね?」

リィンの説明にエマは僅かに嬉しそうな表情をし、サラ教官は真剣な表情で尋ねた。

 

「……自分の故郷が”あんな事”になってしまったんですから、クロウとしても自分の手でオズボーン元宰相を討伐し、故郷を何とかしたいはずです。それを考えるとそんな事はしないと思っています。」

「クロウの故郷―――”ジュライ特区”か……」

リィンの言葉を聞いたジョルジュは重々しい様子を纏って呟き

「それに……―――俺は信じています。俺達の”仲間”が俺達を心から裏切らないって。」

「リィン……」

「全く……お前はどこまでお人好しなんだ?」

「フフ、それがお兄様の良い所ですよ。」

「フッ、もしクロウが逃亡なんて真似をしたら半殺しにしてからメンフィルに引き渡そうじゃないか。」

「もう、アンちゃんったら……」

決意の表情をしたリィンをゲルドは微笑みながら見つめ、呆れているユーシスにセレーネは微笑みながら指摘し、口元に笑みを浮かべるアンゼリカの物騒な発言にトワは冷や汗をかいて苦笑していた。

 

「その、クレア大尉……先に謝っておきます。―――すみません。クレア大尉にとって色々思う所があるクロウを俺達”Z組”のメンバーに入る事にクレア大尉は反対の上、正直不愉快と思っているかもしれませんけど、それでもあいつもいないとダメなんです。」

「リィン………」

クレア大尉に謝罪するリィンをアリサは心配そうな表情で見つめ

「私の事はどうかお気になさらず。―――それに私も”Z組”の皆さんが再び全員揃い、共に協力し合う所を見たい事は事実です。」

クレア大尉は静かな表情で答えた後優しげな微笑みを浮かべた。

 

「―――決まりだな。それでどうするんだ?”英雄王”達に頼み込む為に今からリベールのロレント市に行くのか?」

「いえ、まずバリアハートにいるプリネさん達に事情を説明して、リウイ陛下かリフィア殿下と面会できるように頼み込むつもりです。」

トヴァルに問いかけられたリィンは答えた。

「それじゃまずはバリアハートね。」

「えへへ……そうと決まったら急いで学院のみんなを呼び寄せないと……!」

その後トリスタから出向したカレイジャスはバリアハートに向かった。

 

 

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終章ラストダンジョン突入前にしてようやく原作でも叶わなかった真の意味でZ組全員が揃う兆しが見えてきました。ですがそう簡単に揃っては面白くないでしょうし、クロウ達以外で原作閃キャラにして、他の陣営にいるかつ超強化された私が贔屓していると言ってもおかしくないキャラがまだパーティーインしていない事もお気づきでしょう?(ニヤリ)

説明
第607話
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コメント
完全ROM専様 ヒント出し過ぎたw 本郷 刃様 まあそれが二次創作の作者の楽しみですものね ふかやん様 一応考えてはおきます(sorano)
Z組のメンバーもある程度強化されてるんだからクロウやヴィータさんも強化させてほしいんですが…駄目ですか?(ふかやん)
贔屓? 上等ですよ、自分の動かしたいように動かすのが一番です(本郷 刃)
あ、エリゼですね。わかります(完全ROM専)
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