魔法少女リリカルなのは -The Destiny Nomad- RE:
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Trace.01 「落ちてきた魔術師 - Start -」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事の始まりは小さな次元震からだった。

 

時空を管理し、平和の為に日々活動する組織『時空管理局』。

その管理局に属する戦艦『アースラ』と『オルドル』。

その二隻が管理外世界『地球』の調査及び警備に当たり、既に数ヶ月が経過しようとしていた。

既に地球では『ジュエルシード事件』や『闇の書暴走事件』等の大規模な事件が相次ぎ、かつては警戒レベルが無に等しかった地球は一気に危険な管理外世界にへと格上げされていた。

 

更にその世界の二つの事件。

それを年端の行かない少年少女たちが解決に導いたとなれば、警戒を解くわけにも行かない。

 

地球で魔法の力に目覚めた少女『高町なのは』

 

そして、そのなのは出現の少し後に影で活躍し、漸く表舞台に姿を見せた少年『岡本零人』。

 

二つの事件を通し、すれ違い、分かり合い、そして知り合った者たち。

 

 

だが。この総ては元はあるべき物語ではない。

神のイタズラによって変えられた世界。

多くの者達が干渉し合い、成形された果てのない可能性を秘めた世界なのだ。

 

 

だから。異界からの来訪者は、必然ともいえるのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

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「・・・イマイチ、パッとしない名前だな」

 

「・・・・・・。」

 

士郎の名前を聞き、零人は問答無用に毒舌を吐く。

言われた本人は余りに無責任な言葉に顔をしかめ、初見である零人に対し悪い印象だけがついた。誰だって初見で馬鹿にされたりするのは気持ちのいい事ではないだろう。

 

『すみません。ウチのマスターは口だけは達者ですから』

 

「口だけってどういう事だよ」

 

『言葉通りです。口だけは一人前ですが、実際戦闘となれば終始圧されてしまったらハメ攻撃でやられるわ。怪我が治ってないのに出て行ってみすみす敵の餌にされるわ・・・』

 

「う、うっせーな!!」

 

 

「・・・・・・。」

 

相棒のデバイスとは仲が良いのだろう。

零人とデバイスとの会話でそんなどうでもよさそうな事だけが分かった士郎。

しかし、本当にそれはどうでもいい事だ。士郎はそれよりも彼に尋ねたい事があった。

 

「・・・あのさ、岡本。一つ訊いてもいいか」

 

「あ。何だ」

 

「ココってなんていう街だ」

 

 

「・・・・・・。」

 

「・・・・・・?」

 

 

間が空く。

ここが何処なのか。どういう場所なのか。それを全く知らないと言う士郎の質問は別に不思議な事ではない。

仮にも彼は突如ココに落ちてきたのだ。右も左も分からないのは当然の事。

なのに、零人はそれを訊かれると急に無口になり士郎の目を見る。

おそらく、彼が嘘を言っているのではという一応の警戒なのだろう。

しかし士郎の言葉に嘘はない。言えない理由があるが純粋に問いを投げただけだ。

 

「・・・。」

 

やがて一拍置いて軽く息を吐くと零人はある程度の警戒を解き、彼の問いかけに答えた。

 

「海鳴って街だ。ココはその山岳部」

 

「海鳴・・・」

 

零人の答えに士郎は口に手を当てる。

一体彼は何を考えているのだろうか。

不思議と警戒を解く事を許さない自身の本能に疑問を持ちつつ零人は士郎から目を話さないように一定の距離を保ちつつ立っていた。

 

 

 

 

 

『・・・! マスター』

 

「ん?」

 

『索敵レンジ内に接近する反応。高町嬢です』

 

「なのは?ああ・・・そういえばさっき二人に連絡したからな」

 

(高町・・・なのは?!)

 

 

その時だ。零人達の居る場所に突如突風が巻き起こる。

勢いも強く、そのいきなりな風に二人は思わず腕で顔を覆い視界に悪影響が無いように守る。

 

「うわっ・・・?!」

 

「っ・・・この風は・・・!」

 

彼らの周囲が段々と黒く覆われていき、深夜の暗闇から深淵の闇の様に暗い世界にへと変わっていく。

一体なにが起こっているのかと戸惑う士郎だが、零人はその原因を知っていたか頭上にへと目をやった。そこにその風と影の答えがあったからだ。

 

「やっぱ・・・毎度毎度なんでそんなに風強いかな、テメェは!!」

 

「仕方あるまい。生まれつきの嵯峨と言うやつだ」

 

「えっ・・・ええっ!?」

 

士郎も頭上からの声に反応して空を見上げる。

頭上の世界を見た瞬間、彼は驚き声を上げた

 

其処に銀色のドラゴンが飛んでいたのだからだ。

 

 

「ど・・・ドラゴン?!」

 

「あー・・・つか、クシャル。なんでテメーが元のサイズで居るんだ。つかなのは何処だよ!?」

 

「落ち着け零人。詳しい事はウチの馬鹿主に聞いてくれ」

 

「・・・まさか・・・・・・」

 

クシャルと呼ばれたドラゴンがゆっくりとしかし先ほどよりも強い風を巻き起こし地面にへとその巨体と足を付かせる。

二足歩行のドラゴンは両足を地に着けると、自身の巨体を屈ませて背を二人が見えるようにする。

其処には・・・

 

 

 

「うんっ・・・むにゃ、むにゃぁ・・・」

 

白い服を着た栗色の髪の女の子。

一本の杖を抱き枕代わりに・・・なるのかどうかは分からないが、確かにそうして寝ていた。

愛くるしい寝顔と寝息。見ているだけでも自分たちも眠気に誘われて眠ってしまうそうだ。

 

「・・・・・・。」

 

「・・・・・・。」

 

その姿を見て唖然とする二人。

それが一分ほど経過する。

 

 

「・・・・・・。」

 

零人は無言でドラゴンの背に向かい歩き出し、難の戸惑いもなくドラゴンの背に乗る。

そして、その背の上で熟睡している少女の前にまで寄る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして鼻フックをするのだ。

 

 

 

「ふごっ!?ふごごごごご!?」

 

「・・・・・・。」

 

無言のまま今度は頬を掴んでタコの口のようにする。

しかもかなり手に力を入れてだ。

 

「ふぇいとふん!ふぇいとふん!ふぃふぁふぃっふぇ!?」(訳:零人くん!零人くん!痛いって!?)

 

「何言ってんのか聞こえねぇなぁ。真っ先に土下座の謝罪をしてくれなきゃ聞く気どころかやめる事すら考えねぇぜ」

 

「ふぉふぇふぅふぁふぁい!ふおふぇふぁ!?!?」(訳:ごめんなさい!だからぁ!?!?)

 

途中から空気不足で咳き込む少女。

そんなに話すのに困るのなら念話を使えよ。と魔導師では常識な事を思い出させる零人。

無言無表情だが、怒っているのは事実だ。

 

《 ゴメン!ゴメンってば零人くん!!お願いだから両手離して!? 》

 

《 ソルナとランとクリスと、俺たち全員分の翠屋でのスイーツ代金を二週間タダにしてやったら許してやる 》

 

《 それヴィータちゃんのお願いだよね?! 》

 

《 このまま窒息させてやろうか? 》

 

《 ごめんなさい。手配いたします 》

 

 

 

 

 

「ったく・・・俺とリョウが頑張ってるって時に一人だけ使い魔に任せて居眠りかよ」

 

「ううっ・・・仕方ないの、朝から眠たかったんだから・・・」

 

「魔法と魔術の勉強つって完徹するお前が悪いっての」

 

「そうだけどさぁ・・・」

 

『マスターは色んな意味で((未熟|馬鹿))ですからね』

 

「・・・レイジングハート。今、変なルビが振られて・・・」

 

『いえ。気のせいです』

 

鼻と頬をつかまれていた少女は両方が自由になると零人に対し弁解するが、それを零人はため息一つを吐くと呆れた様子で言い返す。

どうにも説得力に欠ける物だったようだ。

更には自身のデバイスにも非難される始末、少女は頭をがっくりと落とすのだった。

 

 

「ところで、そこのチビは誰だ。見たところ魔導師のようだが」

 

「あ。本当だ」

 

「忘れられてたのかよ・・・」

 

「ま。しゃーないだろ。そういうアレなんだからよ」

 

「アレって何だよ、アレって」

 

「・・・さっきの言葉」

 

「・・・・・・。」

 

無個性。つまり、存在感が薄いという事だ。

皮肉だが認めるしかない。自身の存在感が日常でどれだけ一般的なのか、ある意味では有難いが別の意味だと悲しい個性だ。

 

「ま。詳しい事は後にして、今はココから離れるぞ。ココにずっといる理由もねぇからな」

 

「・・・。」

 

「うん」

 

「了解した。二人共乗れ。ついでだから送ってやる」

 

「送るって何処に?」

 

 

 

「・・・俺んち」

 

「・・・は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時を同じくして。海鳴の街、街道では・・・

 

 

「ゴメン、リョウ・・・」

 

「謝るなら歩け。ったく・・・」

 

金色の髪のロングヘアー、まだ幼い歳ながら顔立ちは良く見るからに外国の人という雰囲気だ。しかし、少女は外人というよりもこの世界ではない別の世界の異邦人と言ったほうが正しいだろう。

その隣をブラウンのボサボサの髪で、やや目つきの悪い少年が一人本当にダルそうな表情で歩いていた。

少女の名はフェイト。少年の名は霊太と言う。

 

 

「で。何処で無くした?」

 

「入った時にはポケットの中に入っていたから、多分・・・」

 

「フードコートか・・・面倒な事になっちまったなぁ、あそこは変な奴等がたむろってる場所だ。特にこの時間、嫌に人数が多い」

 

「・・・・・・。」

 

「そんな気ぃ落とすなよ!俺だってそうしたいんだからよ!?」

 

「ごめん・・・」

 

「・・・・・・・・・。」

 

頭を掻きつつも言う霊太の言葉に何も言い返せないフェイト。どうしてこうなっているのかと言うと、実はフェイトが自身のデバイスをモール内のフードコートで落としてしまったのだというのだ。

それに気づいたのがモールを後にした時なのでまだ同じ場所に落ちている可能性があるが、先ほど霊太が言ったとおりこの時間には不良などがたまり場としており、彼らはそのモールを自身の根城だと言い張っている。

そんな時間に行くというのはどうにも得策云々よりも行きたくないと言う方が本音のようだ。

ちなみに、デバイスとは念話で連絡を取り合えるがその場合は光を発してしまうのでかえって誰かに見つかられてしまう。なので、フェイトが落としたであろう階に着くまでは念話は控えている。

 

「ライとアルフは」

 

「アルフは多分もう寝てる・・・ライは今オルドルだから呼べば来れると思うけど・・・」

 

「人気の多い場所だからなぁ・・・出来るだけ人気の無い場所でコッチに転移してもらうか」

 

「うん」

 

「じゃ行くか」

 

「えっ・・・けど、先に連絡とておかないと・・・」

 

「歩きながらでも出来るだろ」

 

「・・・けど、それじゃあ他の人にぶつかっちゃうし・・・」

 

「分かってる。だから・・・」

 

次の瞬間。フェイトは不意を打たれた。

霊太が何の気配も無いかのように彼女の手を掴んだのだ。

不意を突かれた彼女は反応が遅れてしまい、手をつかまれたというのには数秒の間を置いた後に気づく。

 

「・・・へ?」

 

「こうすりゃ大丈夫だろ?」

 

「えっ・・・りょっ・・・手ッ!?」

 

気づいた瞬間フェイトの耳と頬は紅色に染まり、思考が混乱状態に陥る。

平然と触られた手の感触が神経を伝い、それを瞬時に脳が理解すると今がどういう状況なのかを理解した。無意識ではあるが恥ずかしいという事だけは確かだ。

異性の手は冷たくも堅く暖かい。子供の手のはずなのに大人の手のようだ。

そして、かなり傷ついてもいた。

 

「ん?手首掴んだら犯罪人みたいだし、悪いがこれで我慢してくれや」

 

「が、我慢とかじゃなくて・・・そのッ!」

 

無意識すぎる少年に呆れたくとも呆れられない。

興奮に似た感情が彼女の奥底から沸きあがり、熱となって身体を火照らせていたからだ。

まだその感情を知らないフェイトは火照る身体と感情に戸惑い、言葉を上手く喋れず行動は殆ど彼に任せるような形になってしまう。

この感情は一体なにか。彼女がそれを知るのはまだ先の事である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・なんか妙にムカつく波動を感じたの」

 

「なに変な事言ってんだお前は」

 

「そうか?俺は別に変な気配は感じないが・・・」

 

 

その頃。どこそのニュー○イプみたいな事を呟くなのはと、彼女の発言に呆れる零人。そしてなのはの言葉を真に受けて答える士郎は今、クシャルの背に乗り海鳴の街上空を移動している。

巨大なドラゴンの背に乗り、夜の都市を飛ぶなどファンタジー要素が混ざった話でなければ無い事だが、それが事実となった現実に未だ慣れない士郎は右に左にと目を泳がせていた。

 

「・・・どうしたよ。さっきから目ぇ泳いでるぜ」

 

「いや・・・流石にドラゴン一体が飛んでるんだし、街の方は大丈夫かなってさ・・・」

 

「心配すんなよ。認識阻害の術はかけてるし、それなりに高度は取ってる。それに着地地点は俺の家から少し離れたビルの屋上。早々に気づきゃしねぇって」

 

「・・・・・・。」

 

それならいいが、と言いかけるが士郎は「それ以前に」の事を思い浮かべる。

 

「・・・別にドラゴンに乗って行かなくてもいいんじゃないか?」

 

「・・・。」

 

「・・・・・・。」

 

確かな、と零人は頷く。別にクシャルに乗らなくても飛行したり転移したりがある筈だ。

なのにどうしてドラゴンに乗ったのだろうか。

零人は頭を掻きつつどうしてそう言ったのかの言い訳を言った。

 

「・・・まぁ気分かな?」

 

「・・・・・・。」

 

しかし。

 

「・・・なのは。お前絶対ココで寝たかったんだろ」

 

「うぐっ・・・」

 

『図星ですか・・・』

 

『高町嬢。少しは苦労を身に付けてください』

 

「つけてる・・・付けてるから反動で・・・」

 

「変な言い訳はしない方がいいぞ、なのは」

 

「・・・・・・。」

 

図星だったなのはは言い返すことも出来ず、「ぐぬっ・・・」と呟き口を締める。

若干泣き顔ではあるが零人は何時もの事だ、と彼女の顔を見もせずに正面を向き続けるその姿は子供ながら情けないと思える態度だ。

なのは自身も自負しているがそれでも少しは慰めの一つも欲しいのだろう。

小動物のように潤んだ目で零人の背を見続けていた。

 

「・・・言っとくが、体調管理は自分ですることだ。何時までも兄貴と姉貴に迷惑かけるほうが悪いぞ」

 

「うっ・・・」

 

『以前、美由紀驤がこぼしていましたからね』

 

「うそっ!?お姉ちゃんが!?」

 

『ええ。「なのはは元気は良いけど、エンジンかかるまで時間がかかるから苦労するわ」と』

 

「流石お姉ちゃん・・・」

 

「いやそれ以前に姉貴に生活管理されてるほうが駄目だろ」

 

的確なツッコミを入れられたなのはは脳天に弓矢が突き刺さった感覚で、手を付き前のめりに倒れる。相当痛い言葉だったのだろう。

なのはは精神的に攻撃を受けて唸っていた。

様子からして当分立ち直る事は難しいだろう。彼女のメンタルは意外な所、脆いのだ。

 

「う、薄々気にしていたのに・・・」

 

『後付感ありますよ、マスター』

 

「いや、それだけ姉さんが気にしているって事なんだろ?」

 

「気にするほど自立できていないとも取れます」

 

「・・・あのさ・・・レイジングハートってどっちの味方?」

 

『基本はマスターですが、場合によっては敵になります』

 

「それどっちつかずって事だよね!?」

 

『そうとも言います』

 

まさか自分のパートナーデバイスがどっちつかずだったという事に驚いたなのはは、完全に絶望感によって気力を失ってしまった。それもマッハで。

 

「・・・は・・・ははははははははは・・・・・・」

 

「なのはー魂だけ召されるなら気ぃつけろよー地獄の女閻魔様は一度判決出したら絶対に変えられないっつー能力持つチビ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・零人。もし死んだらあいつは地獄な」

 

(・・・なんで思い出したかのように言ってんだ・・・つかこの人アイツに会った事あったか?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・怖い女だからなぁ」

 

『感じて急遽路線変更しましたね』

 

「・・・俺、アイツと一度も会ってないよな」

 

『会ってませんね。ええ』

 

 

「・・・・・・。」

 

会っていない。唐突に零人が呟いた言葉に士郎は胸を痛めつけられる感覚を感じた。

いま自分の居る世界は自分という存在が彼女達に知られていない世界。

士郎という人間と出会わず、零人という人間と出会った世界だ。その世界に居ると言う事は振る舞いを少しは考えなければいけない。

分かってはいた事だが、実際に考えればキツイ事だ。

自分が知ってても知らないフリをしなければならない。一つ一つの事に細心の注意を払い行動する。

そんな事を当たり前のようにやらなければいけないのか。

自問自答の中で士郎は思い呟く。

 

そんな事は自分らしくない、と。

 

 

「・・・・・・考え過ぎか」

 

 

変に考えすぎるのは自分らしくない。

深すぎず浅すぎず。いつも、そうしていた筈だと思い出した彼は一拍置くと、一人深夜の街並みを眺めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それが功をそうしたのだろうか。

士郎は何かの気配を感じ取る。

 

「・・・ッ!!」

 

『マスター、未確認のエネルギー反応を感知』

 

「あん?」

 

「未確認?識別できないって事?」

 

『識別・・・該当データ無し』

 

「えっ、無しって・・・零人くんッ!」

 

 

その時だ。

三人と一体、彼らの肌に異様な殺気の気配が感じられた。

正体が分からない零人となのはは焦りを見せていたが士郎は違った。

覚えのある気配だからだ。いや、一番知っている。常に感じていた気配

その気配に高揚したのか、無意識に士郎の口は開く。

 

「不味い・・・こいつは!」

 

「えっ・・・衛宮くん!?」

 

「おい!今すぐコイツから降りろ!!」

 

「何・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「上から来るッ!!」

 

「上・・・ッ!?」

 

士郎の言葉と気配の中心。零人となのはが気づいた時には、既に遅かったのだろう。

二人は白く光る月の輝く空を見上げ、そして目を見開いた。

驚愕と動揺に二人は咄嗟の言葉を失う。

 

 

 

 

 

 

 

白い白馬。それが自分たち目掛けて接近していたのだ。

説明
第一話です。
ストーリー自体の大本は同じだと思いますがかなり変更しています。
初っ端からイキナリの登場ですから(笑)
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BLAZBLUE シリアスとカオスのごっちゃ混ぜ Fate/ 魔法少女リリカルなのは 

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