英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 |
〜オーロックス峡谷〜
「ひゃあああああっ!?」
「ひえええええええっ!?」
「何と凄まじい”風”だ……!」
「あの”英雄王”と”劫炎”の対決を思い出させるくらいの凄まじい一騎打ちだね……!」
「これがリィンとエリゼの”真の実力”か……フフ、私もまだまだ精進が足りないな。」
二人の戦いを見守っていたトワとエリオットは二人が出す余波を肌を感じて悲鳴を上げ、ガイウスとフィーは驚きの表情で呟き、ラウラは二人の強さに感心し
「こ、これは本当に”人”同士による戦いなのですか……!?」
「エリゼ君もそうだが、リィンも滅茶苦茶だ……!」
「”人間”が生身で近代兵器でも出せない威力を出すなんて、非常識過ぎるわよ……!」
アルフィンやマキアス、アリサは信じられない表情で声を上げた。
「”剣聖”や”風の剣聖”といい、八葉の剣士は全員がこんな非常識の塊ばかりなのか!?」
「ハハ、まあそう感じてしまうのも無理ないね。」
「そうですよねぇ?それにしても”あの力”を使わないでここまで戦えるなんて……こりゃ、下手したらあたしでもヤバイかもしれないわね。」
「それを言ったら俺なんか、絶対敵わないレベルだぜ……」
ユーシスの叫びを聞き、苦笑しているオリヴァルト皇子の意見に同意したサラ教官はリィンの強さを見て表情を引き攣らせ、トヴァルは疲れた表情で呟いた。
「アハハ〜、ユーシスの言っている事も案外当たっているかもしれないね〜。ボク達が今まで出会ってきた”八葉一刀流”の人達って、みんな”人外”としか思えない強さだもんね〜。」
「ミ、ミリアムちゃん……それはあくまで偶然ですよ……」
ミリアムの言葉にクレア大尉は冷や汗をかいて苦笑しながら指摘し
「……二人とも、そんなに驚くような強さなの?私が知っている人達の中にあのくらいの事はできる人もいたけど。」
「ゲ、ゲルドさん……?じょ、冗談ですよね……?」
「人間って、時々こうやって”魔王”や”竜”をも葬る程のとんでもない強さを手に入れるんだから、相変わらず人間に秘められてある”無限の可能性”は理解できないわ……」
首を傾げているゲルドの言葉にエマは表情を引き攣らせ、セリーヌは疲れた表情で溜息を吐いた。
「兄様……姉様…………女神様、こんな哀しい戦い、早く終わらせて下さい……!」
「頑張って下さい、お兄様!」
辛そうな表情で二人の戦いを見守っていたエリスは二人の戦いが早く終わるようにその場で強く祈り、セレーネはリィンに声援を送り
「ハハ……何だか”黒竜関”でのアンとログナー候の”親子喧嘩”を思い出すね。」
「フフ、さすがにあんなとんでもないレベルじゃないよ。」
ジョルジュの言葉を聞いたアンゼリカは静かな笑みを浮かべて答えた。
「お、驚いたわね……エリゼさんはわかっていたけど、まさかリィンさんがあそこまで強くなっているなんて……」
「というか何気に他の誰かが使っている技も使っているよね?」
「え、ええ……あたしの剣技まで使った事には驚きました……」
「しかも”飛燕剣”の上位技まで使っているぞ。」
「フッ、機会あれば俺も手合せ願いたいものだ。」
リィンの強さにプリネは目を丸くし、エヴリーヌの疑問にツーヤは驚きの表情で同意し、リフィアは信じられない表情をし、レーヴェは静かな笑みを浮かべ
「フフ、なるほど……確かにあの強さならアルフィン皇女を連れて”パンダグリュエル”から脱出できたのも納得できるわ。」
「いや、俺が戦った時はあんな”化物”じゃなかったし、”鬼”の力を使ってたぞ?ったく、たった3ヶ月ちょっとで完全に追い越されちまったのをこの目で見るとへこむぜ……」
苦笑するクロチルダの言葉に指摘したクロウは疲れた表情で溜息を吐いた。
「うふふ、”前哨戦”でこれだけ凄いんだから、”本番”である最終戦はどんな戦いを見せてくれるのでしょうね♪何せ条件は”様々な意味”でイーブン……いえ、下手したらエリゼお姉さんが上かもしれないわね♪」
「―――少なくても”武器”に関してはエリゼが上じゃろう。何せ”太刀”を作ったのはウィルじゃしな。」
小悪魔な笑みを浮かべるレンの意見にリフィアは静かな表情で答えた。
「―――どうやら間に合ったようですわね。」
「へ――――」
「!!」
聞き覚えのある声が聞こえたマキアスは呆け、サラ教官が血相を変えるとペガサスに騎乗したシグルーンがペガサスを地上へと着地させ、続くように馬に騎乗したゼルギウスも現れた。
「シ、シグルーン中将!?どうしてここに……」
「それに”聖魔皇女”の親衛隊の隊長もいるね。まさかとは思うけどエリゼの加勢に来たの?」
二人の登場にエリオットは驚き、フィーは警戒の表情で尋ねた。
「そのような無粋な真似はせん。我々にとって”仲間”であるエリゼにとって大切な戦いを見届けに来たのだ。」
「”仲間”…………」
「あ、あの。前から疑問に思っていたんですけど、どうしてお二人はそんなにもエリゼちゃんを特別視しているのでしょうか?」
ゼルギウスの答えを聞いたゲルドは呆け、トワは戸惑いの表情で尋ねた。
「そうですわね……エリゼは私やゼルギウスとは異なる形でリフィア殿下を支えている貴重な娘だというのが一番の理由ですわ。」
「……それは一体どういう意味でしょうか。」
シグルーンの答えの意味がわからなかったラウラは不思議そうな表情で尋ねた。
「―――私とシグルーンは一生殿下を支え続けるとそれぞれの剣に誓った。だが支えると言っても、私達が殿下にお仕えし、殿下を守護するという形でしか支える事ができない。対するエリゼは真の意味でリフィア殿下を支えている。」
「え……で、ですがエリゼさんはリフィア殿下の専属侍女長なのですから、”仕える”という意味で考えれば同じなのでは……」
ゼルギウスの話を聞いたアルフィンは戸惑いの表情で指摘した。
「確かにエリゼは余の専属侍女長じゃが、その前に一人の”友”じゃ。メンフィル皇女にしてメンフィル皇帝の跡継ぎである余と対等に付き合える貴重な存在じゃ。――――オリヴァルト皇子、ミュラー少佐がいるお主ならエリゼの重要性がわかるのではないか?」
「……なるほどね。”主”の間違いに気付いた際、”主”に逆らってでも”主”の間違いを正そうとする存在がリフィア殿下にとってエリゼ君なのだね。」
「あ………………」
リフィアに問いかけられたオリヴァルト皇子の答えを聞いたアルフィンはオリヴァルト皇子とミュラー少佐の主従関係を思い出していた。
「―――その通りですわ。そして私達は私達では決して支える事ができない部分を担っているエリゼの事を大切な”仲間”だと思っているのです。」
「そして此度の戦いはエリゼにとって一生の中で最も大切な戦い。その戦いをエリゼの仲間として見逃す訳にはいかなかったのだ。」
「その割には随分と遅れてきたのね?戦いも佳境に入っているわよ?」
「セ、セリーヌ。」
シグルーンの後に説明したゼルギウスの話を聞き、ある事が気になっていたセリーヌの疑問を聞いたエマは冷や汗をかいた。
「……私とシグルーンが見守りに来た戦いは今の戦いではない。”次”がエリゼにとって最も大切な戦いだ。」
「つ、”次がエリゼにとって最も大切な戦い”って……!」
「お、おいおい……あんな激戦を繰り広げておいて、まさか2連戦をするつもりなのか、あの嬢ちゃんは!?」
ゼルギウスの答えを聞いたアリサとトヴァルは信じられない表情をした。
「うふふ、良い事を教えてあげるわ。エリゼお姉さんはね、大好きなリィンお兄さんにとって大切な”C”との”約束”を状況を考えれば仕方ないとはいえ、自分が割り込んで滅茶苦茶にしてしまった事に罪悪感を抱いているみたいでね。その”償い”として、せめて自分が可能な限り、リィンお兄さんと”C”との”約束”を再現するつもりなのよ。その為に必要な”ゼムリアストーン製の太刀”もレン達が用意してあげたんだから♪」
「な―――――」
「何だと!?」
「ク、クロウ君とリィン君の”約束”って事は……!」
「しかも”ゼムリアストーン製の太刀”という事は……!」
「―――”騎神”同士による決着か。」
「まさか……エリゼも”騎神”を持っているって言うの!?」
レンの口から出た信じられない話にクロチルダは絶句し、クロウは驚き、トワは信じられない表情をし、驚きの表情をしているジョルジュの言葉に続くようにアンゼリカは重々しい様子を纏って呟いてエリゼを見つめ、サラ教官は真剣な表情でレンを見つめて問いかけたが
「”騎神”は持っていないわよ、”騎神”はね。」
レンは意味ありげな表情を浮かべて答えを誤魔化した。
レンちゃんは嘘は言っていません。事実、エリゼは”騎神は”持っていないのですからwそれと少し早いですがヴァリマールとヴァイスリッターのBP5の協力技がようやくひらめき、現在の所はその技が最有力候補です。ちなみにその技は”プロジェクトクロスゾーン”というゲームで出てくる男女共に剣を使うペアの必殺技です。あのゲームをしている人達ならヴァリマールとヴァイスリッターの協力技がどんなのか、ある程度予想できるかもしれませんね
説明 | ||
第613話 | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
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コメント | ||
匿名希望様 とりあえず鬼の力使われたら冗談抜きで勝てませんね 本郷 刃様 チートな種族が多い中人間には無限の可能性が秘められていますからね、ディル=リフィーナには(sorano) 神や魔王を討ち倒す人に秘められた可能性はディル=リフィーナにおいても畏れられていますからね、だからこそ神格者として傍におこうとする神もいますし(本郷 刃) 正直これだけの強さなら、サラじゃ勝てないんじゃないか? むしろ鬼の力なんて使われたら、圧倒されるかも……。防御に徹した戦いをすれば、逃げることはできるでしょうけど。(匿名希望) |
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