真・恋姫†無双 時空を超えた刺客 破滅の未来と絡繰人間 |
未来から脅威の存在・『絡繰人間』と『血光軍』について伝えるべくやってきた璃々の情報提供により、現在の一刀達は新たなる闘いの為に立ち上がることを決意
その為にはまず
強くならなければならない
四節 ?強化型白装束と
暗黒の追加情報?
于吉「そういえば」
璃々(未来)「……………はい?」
左慈が出現させた『闇行』により『次元の狭間』にやってきた皆
その時に于吉が第一声をあげた
于吉「璃々さんは随分とお詳しいですね…………
やはり未来の軍師の方々から色々と聞いてきたのですか?」
于吉のこの何となくの発言が、新たで最も聞きたくない情報を聞き出してしまった
璃々(未来)「…………………」
璃々は途端に黙り込んでしまう
一刀「………??璃々ちゃん?どうかしたの?」
一刀は璃々に声をかける
璃々(未来)「…………これは、ご主人様にもお話をしていなかった事なのですが…………」
一刀「……………??」
璃々は覚悟を決めたように生唾を飲み込む
璃々(未来)「この場には、私のいる12年後の大陸にいない人がいるのです…………」
冥琳「存在しない者…………?」
冥琳は璃々の言葉に首を傾げる
璃々(未来)「簡単に言ってしまえば、ここにいる皆さんの数人は…………命を…………うぅぅ……」
璃々は泣きながらその場に蹲る
凪「な、なに!!?」
音々音「それは、つまり…………」
一刀「…………未来では………死んでしまっていると……………?」
一刀は声を振り絞って璃々に聞く
璃々は泣きながら頷く
璃々(未来)「全員では………ありませんが…………」
雪蓮「……………教えてもらえる?」
正直、この場にいる全員が聞きたいが聞きたくないという葛藤に追い込まれている
だが、聞かなければならない
何故か分からないが、直感がそう訴えた
璃々(未来)「……………まず、蜀は………」
蒲公英「…………ゴク」
月「…………………」
璃々はその場からユラリと立ち上がり、俯きながら口を開く
璃々(未来)「…………朱里さん、翠さん、星さん、桔梗お母さん、猪々子さん、斗詩さん、麗羽さん、白蓮さん、音々音さんの9人です」
蒲公英「お、お姉様!!?」
雛里「あわわ………朱里ちゃんっ!!?」
璃々(未来)「呉は……………祭さん、小蓮さん、穏さん、思春さん、七乃さん、華雄さんの7人です……」
蓮華「し、思春っ!!?」
明命「さ、祭様っ!!?」
璃々(未来)「そして魏は…………桂花さん、風さん、沙和さん、流琉さん、真桜さん、華佗さんの6人です………」
季衣「る、流琉っ!!?」
稟「ふ、風までっ!!?」
卑弥呼「なんと………ダーリンまでか………?」
左慈「………………合計22人の武将、軍師達が殺られてるってんのか…………?」
死んでいる事を知らされた者達は呆然と立ち尽くす
璃々(未来)「特に真桜さんに至っては最初の犠牲者です
身体や残骸は今でも行方不明………
いえ、真桜さんだけじゃなく今挙げた皆さん全員……………」
真桜「そ、そんな………嘘やん…………」
一刀「…………っ!!!管理者は?左慈や卑弥呼達はっ!!?
こいつらは管理者だ!!!絡繰人間に殺される程、ヤワじゃないだろう!!?」
一刀は璃々の肩を掴み、大きく揺する
璃々(未来)「は、はわわわ??!!?
さ、左慈さん達はぁ??、絡繰人間について調べると大陸から一度離れてから今現在まで行方不明ですぅ????!!!」
一刀「な、何だってっ!!?」
一刀は璃々の発言に絶句し、揺するのを止める
璃々は目を回しながら続ける
璃々(未来)「あぁ??、あぅあぅぅぅ???……………
絡繰人間達に成都を襲撃されてぇ、左慈さんが『ちょっと気になる事があるから調べてくる、数時間で戻る』と言ってから戻ってきていないのですぅ???………」
華琳「管理者達とも連絡が取れない……………?」
華琳は眉を顰めて呟く
雪蓮「今までにない事態じゃないの………」
一刀「…………管理者は過去、未来全てが管轄下じゃないのか?」
一刀の疑問に于吉は首を横に振る
于吉「生憎ですが、我々が管理しているのはこの時代の空間です
過去には遡れますが、未来に行くにはそれ相応の位と力が必要なのです
卑弥呼も未来を見透かす力があるだけで、実際に行くことは出来ないのです」
風「うぅ〜む、これは困りましたね?」
流石の風も唸り声を上げる
貂蝉「これは、かなりマズイわねん」
あの貂蝉も思わず腕を組み、考え込む
華琳「……………今まで以上の鍛錬を積む必要があるわ」
左慈「いや、最早その程度の問題じゃねぇ………
卑弥呼、貂蝉、于吉…………」
左慈は残りの管理者を呼びつけ、皆から距離をおいて話し合いを始める
一刀「……………思春や星まで…………」
一刀へのショックはかなり大きい
本来なら立ち直れない程の衝撃の筈
だが、一刀は
一刀「…………大丈夫だ、犠牲となった21人皆の仇は俺がとる………」
右手に作った握り拳に力を入れ、怒りを露わにしていた
その怒りは紅蓮色に激しく、だが藍色に冷静だった
気が付けば、握り拳からは大量の血が滴っていた
亜莎「か、一刀様っ!!?て、手が…………!!!」
それに気づいた亜莎は慌てて大きな袖口から包帯と水筒を取り出した
そして、すかさず一刀の右手の治療を始める
一刀「っ!!!ご、ごめんね、亜莎………」
亜莎「いえ、これくらい何でもないです………」
一刀「(…………前々から思ってたけど、亜莎の袖の中ってどうなってんだ?
ド○えも○の不思議なポケット?)」
改めて思う一刀であった
と、そこへ
左慈「……………」
話し合いを終えた左慈達が戻ってきた
左慈「……………この先の方針が決まった、よーーく聞けよ」
左慈は一歩前に出て腕を組む
左慈「未来の璃々を話を聞く限り、頭ん中で練っていた鍛錬じゃ奴らと戦うには厳しい事が分かった
そこで、方針を2点程変更する」
小蓮「方針?」
左慈の言葉に小蓮は首を傾げる
左慈「あぁ、そうだ
まず、敵の数と強さからいって武将と北郷、俺達管理者だけでは人手不足だ
認めたかねぇが、この場で一番強い北郷でも苦戦する程だ
そこで、今回の鍛錬では軍師の奴らにも参加してもらう
拒否は認めねぇ、強制だ」
冥琳「…………我ら軍師もか?」
冥琳は眉を顰める
一刀「左慈………それは無理だろ
軍師の皆は武将と比べて知力は上だが、あまり言いたくはないけど肉体的力は限りなく低い」
左慈「んな事、百も承知してる
別に俺は肉弾戦をやれって言ってる訳じゃねぇ…………
軍師共には『気の扱い』の鍛錬をしてもらう
軍師だけじゃなく、非戦力外者全員だ」
つまり、軍師の他に月や詠、美羽や天和達など者達だ
愛紗「なる程…………気の扱いさえ学べば遠距離の攻撃が可能となり、我々やご主人様の援護に廻る事が出来ると」
于吉「えぇ、気は体力を酷使する事はありませんし、何より手数が倍程とは言いませんが膨れ上がります」
華佗「確かに理にかなっているな」
華佗は笑顔で頷く
卑弥呼「勿論、ダーリンにも参加して戴くぞ」
華佗「あぁ、勿論だ
未来で自分が死んでいるとなると黙っていられないからな」
華琳「それで、変更点の2つ目は?」
華琳は左慈に質問を投げかける
左慈「元々、鍛錬は俺達全員が見るつもりだったが、気の扱いの初心者である非戦力外の者も参加するとなると鍛錬に支障をきたす
そこで、2つに分ける事にした」
貂蝉「私と于吉ちゃんがぁ、軍師の皆を見ることにしたわん♪」
于吉「手とり足とり教えていきますので、お願いします♪」
于吉はニコリと笑う
左慈「于吉と貂蝉の鍛錬はそこまで鬼じゃねぇ
ビビンなくていいぞ?」
左慈はフッと鼻で笑い、足すことの苦笑い
卑弥呼「そして、武将の者達は儂と左慈で行う
因みに亜莎殿は前回響窃の時に学んでいるので、武将の方へ参加してもらう」
亜莎「は、はいっ!!!」
于吉「予め伝えておきますが、左慈は通称『戦いの鬼』と云われており、かなり厳しいのでご注意を」
于吉は笑顔のまま話すが
蒲公英「うぇ???………」
小蓮「嫌な予感しかしない………」
一部の者達は既に顔が引き攣っていた
左慈「泣き言は一切許さねぇ
別にいいんだぜ?この大陸が滅ぶだけなんだからな」
左慈は凄みのある笑顔でニヤッと笑う
殆ど脅迫観念に近い
一刀「………上等だ、何が何でも喰らいついてやる」
一刀はやる気マンマンで言うが
左慈「あっ、北郷………てめぇは別の場所で鍛錬だからな」
左慈は突然切り替し、一刀の顔を見る
一刀「………………はぃ?」
一刀は思わず間抜けな声を上げる
左慈「お前は他の奴らより上の分類だ
だからお前は俺とマンツーマンでやる」
一刀「つまり、左慈は武将の皆と俺………2つを掛け持ちするってことか?」
左慈「そう言うこった」
左慈は腕組みを解除し、ポケットに手を突っ込む
左慈「取り敢えず、てめぇは先に行っとけ」
ズズズズズズズズズッ!!!
左慈は一刀の背後に『闇行』を作り出し、一刀を押し込んだ
一刀「うぇっ!!?ちょっ!!?おいっ!!!」
一刀は闇の中へと消えていった
左慈「………………さてと、早速始めるか
于吉、貂蝉…………そっちは任せたぞ」
于吉「了解です♪」
貂蝉「まっかせてん♪」
2人は喜々とした表情でグーサインをする
于吉「では、参りましょうか?」
ズズズズズズズズズッ!!!
于吉は片手を突き出し、『闇行』を出現させた
朱里「は、はいっ!!!」
雛里「ひゃいっ!!!」
冥琳「はっ!!!」
稟「はっ!!!」
貂蝉「どぅふふふふふふ♪♪♪」
貂蝉はクネクネしながら最後尾について『闇行』の中へと消えていった
左慈「キモい笑い方しながら消えていくんじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!」
ゴオッッ!!
左慈は素早く振り向き大声を上げながら貂蝉へと『気力破』を放った
ドォォォォォンッ!!!
貂蝉「ぬっふぅぁぁぁぁんっ!!?
何すんのよん!!?左慈ちゅわぁぁぁん!!!」
黒煙を上げながら怒る貂蝉を尻目に左慈は強制的に『闇行』を閉じた
………………
……………………………
左慈「ったく、あんの有害物質が………
メチルエチルケトンパーオキサイドや硫化水素より有毒な野郎だぜ!!!ぺっ!!!」
左慈はイライラしながらその場で唾を吐く
愛紗「………………激しいな」
卑弥呼「平常運転じゃ、ガッハッハッハッ!!!」
卑弥呼は豪快を笑いだす
左慈「……………さてと、お前等の鍛錬を始めるか………」
左慈はドスが効いた低い声で振り返る
亜莎「………………ゴクッ」
左慈「てめぇ等の最初の課題はこれだ」パチンッ!!!
左慈が指をパチンと鳴らすと
ボンッ!!!
白煙と共に現れたのは
雪蓮「……………白装束?」
左慈や于吉が扱う傀儡、白装束だった
左慈「お前等の最初の課題はこの白装束を倒す事だ」
左慈は白装束の右肩に手を乗せる
華琳「………こいつを?」
華雄「ふん、簡単ではないか………」
華雄は得物を担ぎ、鼻で笑う
左慈「甘くみてると痛い目に遭うぞ?」
左慈がそう言い、顎で合図を送る
白装束「………………」コクッ
白装束は無言で頷き、華雄に接近した瞬間
華雄「??」
フォンッ!!!
ドカッ!!!
華雄「っ!!?くっ!!!」
霞「っ!!?華雄っ!!?」
目にも止まらぬ速さで掌打を繰り出し華雄を数m吹き飛ばした
華雄「ぐあぁっ!!?」
ドサッ!!!
華雄は激しく地面に身体を打ち付けられる
左慈「どうだ?言い忘れてたが、この白装束は只の白装束じゃねぇ………
北郷と未来の璃々の戦闘情報を元に『絡繰人間』の強さに改造して創り出した『強化型白装束』だ
こいつを倒すには生半可の強さじゃ勝てやしねぇ」
星「事実上、絡繰人間と戦闘するという事と同じという事か………」
左慈「そういうこった
何事も実践練習に限る………こいつを何事もなく、一撃も喰らわないで倒せられれば俺達が掲げる目標は達成だ
因みに先走らないように言っておくが、この『強化型白装束』は絡繰人間と同じ能力を扱えるようにもしてある
『体気吸収』も『死人に近い気を発する身体』も、『制限解除』も再現してある
俺と于吉が創り出した中々の傑作品だ」
左慈や于吉の技術能力もかなりのレベルのようだ
蒲公英「うぇ?ご主人様でも苦戦したのに勝てっこないよ??」
蒲公英は萎えて溜息をつく
左慈「別に最初はボロボロになろうが、勝ちゃいいんだ
どんな手を使っても勝ちゃいい
でも、そんな事が出来んのは今の内だ
だからこそ、色々な手を使ってどういったら勝てるか実践練習するって事だ」
蓮華「確かにそれなら身になりそうね」
蓮華は頷きながら微笑む
華雄「いつつ………だが、こいつの力は並大抵ではないぞ………」
華雄は直撃された丹田辺りを擦りながら戻ってくる
左慈「だろうな…………何せ実際の絡繰人間より二段階位強化した奴だからな
恐らく北郷が戦った時の奴より強ぇぞ?」
翠「ってことは、かなりヤバくないか?」
左慈「だがその分、強くなれるのは俺が保障してやる
華々しく散って来いっ!!!」パチンッ!!!
左慈は今度は両手で指を鳴らす
すると
ボンッ!!!
一斉に人数分の『強化型白装束』が現れた
華琳「っ!!!」
桃香「わわわっ!!?」
雪蓮「あらあら?」
左慈「もう一回言うが、泣き言は一切許さねぇ………
大陸を守りてぇんだったら、それ相応の根性と誇りを見せやがれっ!!!!!!」
左慈はニヤリと笑いながら叫ぶのであった……………
その頃、未来の『血光軍』の根城『龍天城(りゅうてんじょう)』の『龍禅の間』では
斬魔「話が逸れましたので戻しましょうか」
斬魔が話の方向修正を行なっていた
風刻「………して、どうなさるおつもりで?」
風刻の質問に氷柱は
氷柱「決まってんじゃない!!!新たな刺客を投入するのよ!!!」
闇霊「そんな事など判りきっている………誰を送るかと聞いているのだ」
闇霊は腕を組み、やれやれといった表情で呆れていた
斬魔「それについては決定しています」
龍天「ほぉ?では、誰を送るのだ?」
龍天は斬魔に聞き返す
斬魔「ふふふ………8301号、『8号』と『9号』と『10号』を転送する準備をしなさい…………」
斬魔は不気味に微笑み、絡繰人間8301号に指令を出す
絡繰人間8301号「8号・9号・10号ですね?了解致しました」
絡繰人間8301号は回れ右をして素早く『龍禅の間』から退出して行った
炎掌「8、9、10…………って確か?」
炎掌は顎に手を添えて考え込む
斬魔「えぇ、あの3人なら奴らの精神まで砕いて下さるでしょう……」
斬魔は楽しそうに嗤う
雷昇「…………流石は斬魔様…エゲツねぇぜ!!!ケケケっ!!!」
雷昇は含み笑いをして斬魔を見る
斬魔「そもそも絡繰人間の元となった『初期初型』に任せたのが間違いだったのですよ
『初期初型』は情報調達の為に送り込んだ………悪く言えば『捨て駒』と同じ
ですが、今回送り込む『量産型』は一味違います」
風刻「…………確かに『初期初型』にそこまでの高みは求めていませんね」
氷柱「絡繰人間で一番弱いもんね!!!」
氷柱も嗤いながら言う
そこへ
絡繰人間8301号「失礼します!!!
用意が完了致しました!!!」
斬魔「うむ、結構…………今日の議題は以上です
各々は戻って頂いて結構です」
斬魔がそう言うと龍天と斬魔以外の者達が素早く立ち上がり、右手で拳を作り左胸に右手を置き龍天を見て高らかに言った
炎掌&雷昇&氷柱&風刻&闇霊&絡繰人間8301号「「「「「「我等、龍天様の名の元にっ!!!!!!!!!」」」」」」
龍天「……………頼むぞ、我が家族達よ………」
炎掌&雷昇&氷柱&風刻&闇霊&絡繰人間8301号「「「「「「はっ!!!!!!!!!」」」」」」
『龍天五獄隊』は『龍禅の間』を後にした
残っていた絡繰人間8301号は斬魔の元まで駆け寄り
絡繰人間8301号「斬魔様、それと至急お耳に入れたい事が………」
斬魔「何かありましたか?」
絡繰人間8301号は言い難そうに
絡繰人間8301号「その…………また『主任』が………」
斬魔「おや、またですか?ひと月に1回の周期でしたのに………これで3回目ですね…………
………分かりました、貴方は先に『時空転送装置室』に行っていなさい」
斬魔は疲れた表情で言った
絡繰人間8301号「はっ!!!」
絡繰人間8301号は回れ右をして即座に出て行った
斬魔「やれやれ………これはもっと『強力なやつ』でいくしかないようですね…………」
龍天「……………また『あ奴』か?」
龍天も思わず聞き返す
斬魔「えぇ、本当に困ったものです
ですが、まだ『主任』には頑張ってもらわなければなりません」
龍天「『我々にはない技術』を持っているからな」
龍天と斬魔は真顔で頷き合っていた
2人のみとなった『龍禅の間』には緊張が走る空気と変わった
斬魔「そういえば、『あの調査』は続いていますか?」
斬魔は怪しい質問をする
龍天「………………勿論だ、やめる訳にはいかぬ……」
龍天は重苦しく応える
斬魔「貴方の目的である『あの調査』をして、はや6年………
今のところの現状は如何です?」
斬魔は疑問を投げかける
龍天「進展が無いといえば無いが、有るといえば有る」
龍天はどっちつかずの返答をする
斬魔「つまり、どういう事です?」
龍天「1つの可能性、示唆を導き出した…………一種の暗号文とでも云える代物をな」
龍天の目つきは鋭くなる
斬魔「それはどういった暗号文なのです?」
龍天「『私が持ち出した書分』の解析結果はこう書かれていた」
龍天は一度、目を閉じて話し出した
龍天「『無の主の復活………それは無との融合………
さすれば闇が全てを覆い隠す…………
それは森羅万象、全ての世界を冥界へと導くだろう………』」
龍天は言い終わると目をゆっくりと開ける
斬魔「………………謎が謎を呼ぶといった文書ですか………
まだ、時間が掛かりそうですね………」
斬魔が珍しく眉間に皺を寄せる
龍天「例え何百年掛かろうとも、私は絶対に諦めはしない………
『あ奴』への復讐をこれで返してやるのだ…………!!!」
斬魔「えぇ、私も北郷一刀への復讐を掲げてここまできたのですから……
必ず奴を………この手で葬ってやる!!!」
斬魔と龍天の憎悪は『龍禅の間』全体に満ち溢れていた
斬魔「………………平常運転で、壮絶ですね………
はぁ??……やれやれ……」
その後、『龍禅の間』を出た斬魔は頭を掻き毟りながらある部屋にいた
そこの入り口には『絡繰人間製造技術室・本部』と書かれている
だが今現在の部屋の中では
男A「くっ!!!速く椅子に縛り付けろっ!!!」
男B「『主任』っ!!!暴れるのは止めて下さいっ!!!落ち着いて下さいっ!!!」
主任M「やかぁしいっ!!!えぇ加減離さんかいっ!!!」
フォンッ!!!
バキッ!!!
数人の男型の絡繰人間が一人の女性を取り押さえようと格闘していた
男C「ごはっ!!?しゅ、『主任』っ!!!いい加減我々の言うことを聞いてくださいっ!!!
貴女を傷つけてはいけないのですっ!!!」
主任M「そんなん知らんがなっ!!!ウチはお前等の言うことなんぞ聞いてたまるかいなっ!!!
えぇいっ!!!ええ加減、離さんかーーーーーーーいっ!!!」
フォンッ!!!
フォンッ!!!
バキッ!!!
ドカッ!!!
男A&B&C「ごふぇあっ!!?」
『主任』といわれる薄紫色の髪をして、白衣を着た女性の華麗なるフックやアッパーは見事に決まり、男達を膝から崩れさせる
斬魔「ふぅ??………頭が痛いですね」
斬魔は思わず溜息をついて、頭に手を添える
主任M「っ!!!斬魔っ!!!」
『主任』の女性は斬魔の存在に気づき、斬魔に喰いかかる
斬魔「少しは頭を冷やしたらどうですか?」
斬魔が右手を突き出すと
主任M「っ!!!ぐっ!!?」
女性は突如、身体が動かなくなり抵抗が出来なくなる
斬魔「今の内ですよ?速く椅子に固定しなさい」
斬魔は倒れていた男達に指令を出す
男A&B&C「はっ!!!」
男達はすぐさま立ち上がり、女性を椅子に縛りつける
主任M「くっ!!!斬魔っ!!!何時までウチを此処に牢獄するつもりやっ!!?
アンタ等に頼まれたブツは全部造り終えたやんやっ!!!
ええ加減ウチを開放しいっ!!!」
女性の叫び声は部屋全体に響き渡る
斬魔「生憎ですが、まだ出来ませんね…………
何故なら追加の注文をお願いしたいので………」
斬魔は懐から巻物を取り出した
巻物の直径は約20pも特大の物である
その中には絡繰人間の製造について色々な案が書かれている
主任M「な、何やとっ!!?ふざけんなっ!!!
前回も前々回もそう言って先延ばしにしたやないかっ!!!
ホンマにウチを開放する気あんのかいなっ!!?」
斬魔「落ち着いて下さい、これで最後ですよ………約束しますから♪」
斬魔はニコリと笑顔で応える
主任M「アンタの約束なんか信じられるかいなっ!!!」
斬魔「貴女が信じようが信じまいが、追加注文を終えるまでどっちみち開放は出来ませんよ?」
斬魔は含み笑いをしつつ煽る
主任M「………………最後に確認させてくれや」
女性は一度、顔を俯かせて斬魔を見る
主任M「………………『隊長』や皆、ウチの娘は無事なんやろな?」
斬魔「えぇ、勿論ですとも……………」
斬魔は一度、言葉を飲み込み爆弾発言を放った
斬魔「『李典』さん………………」
……終……
説明 | ||
脅威の人型生物兵器、絡繰人間で大陸を瞬く間に滅亡に追いやった『血光軍』 最低でもその主体となる七人の武将絡繰人間を倒さなければならない……… 一刀達は気持新たなに鍛錬を行うべく『闇行』により『次元の狭間』へと消えていくのだった……… |
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コメント | ||
睦月様、今後の話に深く関わってきますので……………(hoi) まさかの主任の正体が、あいつとは…何が有ったんだよ…(睦月) |
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