英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 |
〜オーロックス峡谷〜
「エリゼさん……お疲れ様でした。」
「アルフィン殿下……―――先程は殿下達に対して大変失礼な物言いをしてしまい、申し訳ございませんでした。」
アルフィンに労われたエリゼはその場で頭を深く下げた。
「わたくし達に謝罪する必要はありませんわ。エリゼさんの仰っていた事は事実なのですから。」
「ああ。君の言う通り”アルノール家”がリウイ陛下達のようなあらゆる意味で”強い皇族”だったら、父にとって友人であった男爵閣下――――シュバルツァー家の事を庇えた上、”百日戦役”や内戦もそうだが、”通商会議”で宰相殿が行ったクロスベルがエレボニアに対して更に怒りを抱かせるような出来事も起こらなかったかもしれないしね……君がリフィア殿下を始めとしたメンフィル皇家の加護を求めた理由を知り、どれだけ自分達が皇族として情けなかったかを改めて思い知ったよ……」
「殿下…………」
「「「「………………」」」」
アルフィンの言葉に頷いた後疲れた表情で語ったオリヴァルト皇子の話を聞いたラウラは辛そうな表情をし、ユーシスやマキアス、クレア大尉とアンゼリカはそれぞれ複雑そうな表情で黙ってオリヴァルト皇子を見つめていた。
「さすがにリウイ陛下達のようにとはいかないだろうけど、私達”アルノール家”は”マーシルン家”を見本に”強い皇族”を目指すつもりだ。――――ありがとう。君のお蔭で私達”アルノール家”が皇族としてやり直し、エレボニアを生まれ変わらせる為にはまず何を目指すべきなのかが見えて来たよ。」
「……恐縮です。」
オリヴァルト皇子の感謝の言葉をエリゼは謙遜した様子で受け取り
「まあ、オリビエたちがリウイお兄ちゃん達みたいになれるとはとても思えないけどね。」
「エ、エヴリーヌお姉様……」
「うふふ、わかっていてもここは黙っておかないとKYって呼ばれちゃうわよ、エヴリーヌお姉様♪」
「そういうお主もさり気なく本音が出ているぞ……」
エヴリーヌが呟いた言葉を聞いたその場にいる多くの者達が冷や汗をかいている中、プリネは疲れた表情をし、からかいの表情をしているレンにリフィアが呆れた表情で指摘した。
「フフ……―――それよりエリゼさん。もしよろしければわたくしも貴女の友人になってもよろしいでしょうか?」
「え……」
「ア、アルフィン義姉様?一体何を……」
アルフィンの提案を聞いたエリゼは呆け、エリスは戸惑いの表情でアルフィンを見つめた。
「前々からエリスの双子のお姉さんのエリゼさんとも仲良くしたいと思っていましたし、それに本来の運命でしたらエリゼさんとわたくしは友人同士だったのですから、わたくし、エリゼさんとも絶対仲良くできると思うのですわ♪」
「…………―――フフ、私でよろしければ喜んで。改めてよろしくお願いします、アルフィン義姉様。私の事は今後エリス同様呼び捨てにして頂いて構いませんよ。」
アルフィンの提案を聞いたエリゼは目を丸くした後苦笑しながら頷き
「ええ、よろしくね、エリゼ♪」
アルフィンはエリゼの両手を握ってウインクをした。
「あの……エリゼお姉様。どうしてお二人を牢屋から出してバリアハートの城館の客室に移送して軟禁したのでしょうか?」
その時セレーネは不思議そうな表情でエリゼを見つめて尋ね
「それは…………」
「――――信じていたのじゃよ、エリゼはお主達を。」
エリゼが答えを濁している中、リフィアがエリゼの代わりに答えた。
「え…………信じていたって、どういう事ですか?」
「うふふ、エリゼお姉さんはメンフィルに拘束されて処刑の判決が下された二人の状況をリィンお兄さんや”Z組”が何とかしてくれると思っていたのよ。――それで”Z組”にとって身内である二人の待遇を普通の犯罪者とは比べ物にならないくらいの好待遇にしてあげたのよ。」
アリサの疑問にレンは小悪魔な笑みを浮かべて答え
「姉様……」
「エリゼ………何から何まで本当にありがとう。」
レンの説明を聞いたエリスは微笑み、目を丸くしていたリィンはエリゼを見つめて感謝の言葉を述べた。
「……私は兄様の妹として当然の事をしたまでです。」
「ハハ、妹扱いして欲しくないと言っておきながら自分で妹って言っていたら意味ないじゃないか。」
「……ぁ…………」
エリゼの答えを聞いたリィンは苦笑しながらエリゼを抱きしめてエリゼの頭を撫で、その様子を見ていた周囲の人物達は冷や汗をかいた。
「全く君はこんな時でも相変わらずだな……」
「いい加減周りを考えて行動しろ。」
「フフ、まあリィンだから仕方ないだろう。」
マキアスとユーシスは呆れた表情で呟き、ラウラは苦笑し
「さすがは妹とも結婚する超シスコン兄だね。」
「アハハ、リィンだしね〜。」
ジト目のフィーの言葉に続くようにミリアムは無邪気な笑顔を浮かべて頷いた。
「うふふ、エリスは混ざらなくていいのかしら?内心混ざりたいのでしょう?」
「ア、アルフィン義姉様!」
からかいの表情をしているアルフィンにウインクをされたエリスは慌てた様子で声を上げた。
「ハハ、”結社”の人形兵器をも従えた”守護の剣聖”も愛しの兄の前では形無しか。」
「フフ、微笑ましいですね。」
トヴァルとクレア大尉はリィンとエリゼを微笑ましそうに見守っていた。
「ハッハッハッハ!リィン君は本当にレディーとの縁に恵まれているね♪君のその運をわけて欲しいくらいだよ♪」
「フフッ、それじゃあシェラザードさんに今の言葉、伝えてもいいですか?」
「まあ、どんな反応をするかわかりきっていますけどね……」
「間違いなく鞭でぶつだろうね。」
声を上げて笑ったオリヴァルト皇子の言葉を聞いたプリネは微笑みながら問いかけ、ツーヤは苦笑し、エヴリーヌは呆れた表情で呟き
「ゴメンなさい。それだけはマジで勘弁してください。」
「やれやれ……少しはまともになったかと思っていたが、根本的な所は全く変わっていないな。」
疲れた表情でプリネに謝罪するオリヴァルト皇子を見たレーヴェは呆れた表情で溜息を吐いた。
「―――二人とも、見事な一騎打ちじゃったぞ。」
「リフィア。」
「……殿下、お約束通りエリゼも俺達”紅き翼”の協力者にするお許しを頂けるのですよね?」
「うむ。それと余達もお主達に手を貸してやろう!」
「へっ…………」
「て、手を貸すって……も、もしかして……!」
「リフィア殿下もオレ達”紅き翼”の協力者になって、オレ達と共に決戦の地に向かうのだろうか?」
リフィアの口から出た予想外の言葉にマキアスは呆け、ある事を察したエリオットは信じられない表情をし、ガイウスは目を丸くして自身の推測を口にした。
「うむ!リィンが自らを犠牲にしてまでエリゼを”紅き翼”に加えようとしたのだから、余達もお主に力を貸すのが”筋”というものじゃ!」
そしてリフィアはその場にいる全員が予想していた答えにして普通ならありえない答えを口にした。
説明 | ||
第619話 | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
1687 | 1533 | 3 |
コメント | ||
本郷 刃様 確かにどのゲームでもよくある葛藤ww(sorano) 女性として見てほしい、けれど妹としても見てほしい、義妹キャラでよくある葛藤w(本郷 刃) |
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他エウシュリーキャラも登場 幻燐の姫将軍 空を仰ぎて雲高くキャラ特別出演 閃の軌跡U | ||
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