恋姫無双 袁術ルート 第八話 黄巾の乱
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第八話 黄巾の乱

 

 

祭が終わり、数日がたった。優勝賞品のお酒は優勝者がいなかったことにより没収。祭さんは涙を流しながらあきらめた。雪蓮たちは引越しの準備をするために、一度建業に戻った。雪蓮はここに残る、なんて言ってたけど冥琳がそれを許すはずもなく、引きずられながら帰って行った。

 

天和たちは、俺を付き人にするためにいろんな誘惑攻撃を仕掛けてきたが、なんとか一命を取り留めることができ、煩悩の撃退に成功した。(少しもったいなかったけど・・・・)

俺をあきらめた三姉妹は、代わりに天の言葉を教えろと言ってきた。

人和いわく、天の御使いから頂いた言葉ならみんなに畏敬の目で見られるかららしい。

とりあえず、適当な言葉を教えて、代わりに俺は彼女らのサインをもらった。彼女たちはサインなんて書いたことなかったらしいが、サインの意味を教えたら使えるかもって人和が何かひらめいたらしい。

サインには『数え☆役漫☆しすたあず!なんばあ壱』と書かれていた。はじめにサインをもらった証しとして番号を付けてもらった。

 

彼女たちと数日を過ごして、こちらもいよいよお別れの時が来た。

 

「これでお別れだな。」

「ふん、私たちの誘いを断ったのを後悔するがいいわ!」

「ちぃ姉さん、素直に別れるのがつらいって言えばいいのに・・・・」

「そ、そんなんじゃないわよ!!」

「あは♪ちぃちゃん可愛い〜?」

「もう、みんなして!」

 

ははは・・・・

 

「じゃあ、一刀さん、いろいろありがとうございました。」

「ああ、元気でな!どうせだったら次に会う時までに大陸を制覇しておけよ。」

「大陸制覇か〜・・・・・うん分かった。必ず私たちの歌で大陸を取ってみせる。」

「ははは、その意気だ。じゃあ、さようなら。」

「うん、またね〜。」

「次に会うときは、私たちの歌でメロメロにしちゃうんだから!」

「一刀さんもお元気で。」

 

そうやって彼女たちと別れたのだ。

 

 

一方、南陽の街はというと・・・・・・・まだ祭りの熱が冷めていなかった。

 

あの祭りで、天和たち、猛虎仮面、雪蓮と冥琳、そして俺たちの戦いがあまりにも絶賛され、伝説と化していたのだ。

中でも、猛虎仮面の人気はものすごく、猛虎仮面ゴッコで戯れる子供たちはもちろん、猛虎仮面饅頭、猛虎仮面煎餅といろんなグッズが販売され、大ブレイクをしているらしい。・・・・・・正直、すごく恥ずかしい。

 

さて、俺たちも建業に移る準備をしますか・・・・・

 

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それから、また数日がたち、雪蓮たちが戻ってきた。客将として正式に美羽の傘下に入るための契約を結んだのだ。

 

「美羽ちゃん、言っとくけどね、建業はあなたの土地じゃないのよ。もし、暴政なんてしたら承知しないんだから。」

「もちろんじゃ!お主らが統治していた時よりももっといい街にしてみせるぞい!」

「どうだかな〜・・・・」

「ふん、妾には一刀がいるのだから大丈夫なのじゃ!」

「ふ、ふんだ!羨ましくもないんだから!」

「雪蓮、顔が引きつっているぞ・・・・・」

 

・・・・・・・はぁ

 

そして、南陽の街は雪蓮たちに任せて、俺たちは建業へと引っ越しをしたのだ。

 

ここを離れる時、街の人たちには、行かないでください!などと泣きながら止められたこともあったが、そう簡単にはいかない。泣く泣く了承してくれた。

 

俺たちは建業についた。

 

「ほう、ここが建業か〜!賑やかな所じゃの!」

「美羽。あまり、はしゃぐんじゃない。もしかしたら俺たちは歓迎されてないかもしれないのだから。」

「な、何じゃと!」

 

当然のことだ。ここの人たちにとって君主とは雪蓮であって、俺たちではない。俺たちは建前上とはいえ、ここを征服してしまっているのだからあまりいい感情を持たれないだろう・・・・・・・・・ま、少しずつ信頼を寄せていくしかないか。

 

そうやって覚悟を決めたはずなのだが・・・・・・

 

「・・・・・・・・なんで?」

 

そこには『袁術さま、天の御使いさま。大歓迎!』の垂れ幕が貼ってあった。

 

「「「「「「「「わーーーーーーーーーーーーー!!!!」」」」」」」」

「よくぞ、いらっしゃいました!袁術さま!御使いさま!」

「おお!あれが天の御使いさまか・・・・何と神々しい服を着ていらっしゃるのだ!」

「お〜!袁術さまじゃ!ありがたやありがたや!」

「きゅあああああ!!御使いさま!こっちを見てください!」

「袁術さま、バンザイ!御使いさま、バンザイ!」

 

なぜか、歓迎されていた。

 

「ん?どうしたのかや?一刀。」

「・・・・・・・いや、美羽は不思議に思わないのか?」

「何をじゃ?」

「だって、俺たちこんなに歓迎されているんだぜ?」

「お主は何を言っておるのじゃ?妾達が来たのじゃ。歓迎するのは当り前じゃろ?・・・・・しかし、こんなに歓迎されると・・・さすがの妾も・・・・・ちょっと恥ずかしいぞい。///」

 

・・・・・・・・その程度で済ますお前の頭がうらやましいよ。

 

とりあえず、俺たちは城の中に入った。城の中に居る武官、文官はもちろん、召使いの人たちまで俺たちを歓迎した。

 

・・・・・・・なぜだ?俺は文官の一人に聞いてみた。

 

文官の人が言うには、あのとき南陽で行われた祭りに多くのここの人間が見に行っており、雪蓮との激闘に感動し、涙を流した人たちが多くいたそうだ。俺たちの戦いは伝説となり、噂は噂を呼び、またたくまに建業全体に広がったというわけだ。

 

・・・・・・・・なるほどな・・・・・

 

 

 

 

 

余談だが、数百年後、この祭りは神格化され国の行事として永遠に語り継がれていくのである。

 

 

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建業について数日、俺たちはさっそく国政を始めた。

 

しかし、さすがは建業。土地も人材も南陽にいた頃とはケタが違う。もちろん、最初は混乱があったが、さすが冥琳たちの文官。あそこでは一年近くかかったというのにこっちでは半年ほどで安定し始めた。

 

国は充実し、軍も強化し、民たちには祝福される。・・・・・・・そして、俺たちは大陸の中でも屈指の強国になっていた。正直うまくいきすぎているかもしれないけど・・・・・

 

もちろん、美羽が調子に乗っているのは言うまでもない。

 

そのころの美羽は

 

「う〜む。最近、一刀が遊んでくれんのだ。どうしてなのだ?七乃。」

「はい、最近一刀さんは国政に忙しいそうなんです〜。」

「なんと、妾より、仕事の方が大事とは許せんのじゃ。」

「まあ、今は大切な時期ですからね〜。最近盗賊も多くなってきましたし・・・・」

「そんなの雪蓮たちに倒させればよかろう。」

「孫策さんたちにも頑張ってもらっているんですよ。それでも追い付かないくらいなのですから。」

「・・・・・むう・・・・・」

 

美羽は焦っていた。最近一刀が自分にかまってくれない。国政で忙しいのはわかるけどたまには休日を取るはずだ。なのにその休日でさえ仕事関係の行動をとってしまっている。

 

(・・・・・むう、あの祭りの時、勇気を出して告白したというのに・・・一刀の奴〜!)

 

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そのころの呉、南陽では・・・・・・

 

「しかし、北郷の行った政策は見事というしかないな。素晴らしく、効率がいい。」

 

冥琳は一刀の行った政策に驚嘆している。わざわざ税収などしなくても税金が入ってくる。民たちの知識が広がり、文官候補が増えてくる。その上、あの教育方法なら忠誠心の高い兵士や文官を育てられる。本当に見事なものだ。

 

「ねえねえ、冥琳!やっぱり、一刀をもらっちゃおうよ!」

「お前は何を言っておるのだ。そんなことできるわけないだろう。大体あの袁術が奴を手放すお思うか?」

「そこなのよね〜。美羽ちゃんは一刀にべったりだからね〜。」

「それにいつか、我々は袁術から独立するのだから、時期が来たら奴とは戦わなければならんのだぞ。」

 

そうだ。我々には孫堅さまの夢を実現させなければならないのだ。その道の邪魔になるのなら・・・・・・いくら北郷でも・・・・・・

 

「そう!そこなのよ!」

「・・・・・・はあ?」

「私たちが美羽ちゃんから独立するのは、この大陸を一つにするためなんでしょ?」

「当り前だ。さすがに忘れていなかったか・・・・・」

「当然よ。でもさ、それって美羽ちゃんのところに居ても出来ることなんじゃないかな?うんうん、むしろかなり確実性が増すわ。」

「本気で言っているのか?我々は立場的に袁術より下なのだぞ!それでは袁術に天下を取らせるものではないか!」

「だったら、立場を対等、もしくはそれ以上になればいいじゃない。」

「・・・・はぁ、それが出来ないから、袁術なんかの客将に甘んじているのではないか。」

「なれるわよ。美羽ちゃんがあそこまで大きな勢力になったのはどうしてだと思う?」

「北郷がいたからだろう・・・・」

「そうなの。民たちもそのことを理解しているわ!」

「・・・・・・・・・・結局何が言いたいのだ?」

 

冥琳は嫌な予感しかしなかった。昔からこいつは思い切った行動に出るからな・・

 

「孫呉から一刀にお嫁さんを出しましょう。」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・案の定だった。

 

「そうね〜・・・・・小蓮じゃ少し幼すぎるわね・・・・・やっぱりここは蓮華ね♪」 

「・・・・・・雪蓮、だから先に言った通り、袁術が北郷を手放すわけが・・・・」

「だから、一刀の意思でこっちに来てもらうのよ。」

「・・・・・・・・可能なのか?」

「モチ!♪」

「それが可能ならば、袁術と我々の立場は逆転するな・・・・・・北郷がほとんど国政をしているのはほとんどの人間が知っている。立場上はあちらが上でも実質的には我らが優位に立つ・・・・・・ということか。」

「そう言うこと♪」

 

雪蓮の作戦にしてはなかなか的を獲ている。雪蓮の言う通りだ。国の基盤は民。その民たちが君主と崇めている人間に、孫呉の人間が嫁げば立場は同等、もしくはそれ以上になる。・・・・・・・・・・だが・・・・

 

「どうやって、蓮華さまを呼ぶつもりだ?下手に軍を増長させたら謀反の疑いをかけられるぞ。それにあの蓮華さまが納得するかどうか・・・・」

「大丈夫よ♪私や冥琳を惚れさせた男なんだから・・・・・本当だったら私がお嫁に行きたいんだけど・・・・・・・許さないわよね?」

「当り前だ。」

 

(はぁ、まったく)

 

「ま、これはまだ時期じゃないから作戦の一つとして考えておいて。」

「そうだな。考えておこう。」

 

 

一刀side

 

「うお!な、何だ今のは!」

「どうしたんですか?一刀さん。」

「い、いや、何でない・・・・・少し悪寒がしただけだよ。」

「お体には気御付けてくださいね。」

「ああ、分かっているよ。ありがとう。」

 

なぜかこのとき、俺は嫌な予感がした。

 

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数か月がたった。国は安定してきたが、各地で悪行を繰り返している賊はこの頃頻繁に現れるようになった。俺たちはこの賊のことで雪蓮たちと合同会議を始めた。

 

「最近、各所で暴れまわっている賊は皆共通して黄色い布を巻いているそうだ。」

「黄色い布?」

「うむ、何の意図か分からぬが・・・・」

 

俺は、歴史を知っている。どうやら黄巾党の時代がやってきたようだ。・・・・でも自分の世界のことはあまり話さない方がいいだろう。むやみに話して混乱させたら元も子もない。

 

「だったら、その賊たちのことを黄巾党って呼ぼうよ。名前がないのも不便だし・・・」

 

名前くらいなら問題ないだろう。

 

「黄巾党か・・・・・確かに敵に名前がないのは不便だな。その名前をもらっておこう。」

「しかし、朝廷は何をしているんだ?」

「それだけ今の朝廷は力がないってことだ。賊の反乱を止めることも出来ぬとは・・・」

 

冥林は悪態をつきながら言った。

 

「ま、自分たちの身は自分たちで守れってことなんじゃないかな?」

「全く持ってその通りだな。」

 

会議はいつも通りに進んだ。・・・・・・・・言うまでもないが雪蓮と美羽は会議中にも遊んでいた。

 

 

黄巾党の勢力は徐々に拡大していった。今では総勢20万を超えるのではないか、とまで噂されていた。そしてついに、というかやっと朝廷から討伐命令が届いたのだ。あまりにも遅すぎる命令だった。それだけ今の朝廷は力がないということだ。

雪蓮たちのも協力してもらい、討伐を繰り返しているものの埒があかない。彼らは本拠地を持たず常に移動を繰り返している。だから位置の特定ができず、毎日小物相手に応戦しているのだ。

 

「しかし、こう連戦続きだとさすがの兵も疲れが出てくるな。」

「それは、こちらも同じだ。圧倒的に数が違う。」

「ねえ冥琳?やっぱり敵を捕まえて尋問とかしているんだよね?何の情報もないの?」

「うむ、前に小部隊の隊長らしき人物を捕まえたのだが、何も吐かんのだ。あれほどの拷問にかけたというのに・・・・・」

 

何だか恐ろしいこと言っているよ、この人・・・・・

 

「皆捕まえても何も吐かなかったが、一つだけ気になる事を言った奴がいる。」

「気になる事?」

「そうだ。敵の本拠地を吐かせようとしたら『天和ちゃんたちは俺たちが守る!』とか言ったのだ。」

「・・・・・・・・え?」

「北郷もやはり気づいたか?」

「あ、・・・・・う、うん。本当にその人『天和』って言ったの?」

「うむ、しかしその事を吐かせようにもそれ以来口を開けんのだ。」

「その人に会ってみたいな・・・・・」

「危険だぞ。繋がれているとはいえ、相手は餓えた野獣のような奴だ。」

「・・・・・それでも、もし本当に俺の知っている天和たちなら聞かなくちゃいけない。」

「分かった。案内しよう。」

 

そうして俺は捕虜が捕まっている地下牢に案内された。

 

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地下牢はとても暗く、じめじめしていて少し肌寒かった。こんなところに閉じ込められたら三日もしないで発狂するだろう。そうして俺は捕まえた捕虜の尋問を始めた。

 

「君に聞きたいことがある。もし教えてくれたら悪いようにはしない。」

「けっ!俺たちは仲間を売るような事は絶対にしねぇ!」

「聞きたいのは本拠地のことじゃない。以前君が言った天和ちゃんって子を聞きたいんだ。」

「なっ!てめえ!天和ちゃんたちの名を軽々しく口にするんじゃね〜!」

 

はぁ、これじゃ埒があかない。・・・・・・・それにしてもこの男の言っている天和とはやはりあの天和たちなのだろうか・・・・・・・黄巾党の首謀者は張角、張領、張宝の三人だったはず・・・・・・・・・そうえば、天和たちの名前は真名だったんだ!もしかして名前は張角って言うんじゃ・・・・・・・

 

「もしかして、天和って子は張角って言うんじゃあ・・・・・」

「な!何でてめえがその事を!」

 

・・・・・・・・分かりやすいな。だが聞きたいのはそんなことじゃない。

 

「落ち着け。俺は天和って子と友達なんだ。もし君の言っている天和って言うのが俺の知っている天和だったら・・・・・・・・・心配なんだよ。」

「け!その手は喰わねえぞ!天和ちゃんたちは有名なんだ。知っている人間が一人や二人いたってなんの不思議もねえ!」

「・・・・・・・彼女たちは歌手なんじゃないかな?」

「だ、だからどうした!?」

 

男は明らかに焦っていた。自分たちの敬愛する者が徐々に暴かれるのを恐れて・・・・・・男はすでに怜静ではなかった。

 

(・・・・・・間違いないな・・・・)

 

俺は確信した。張角は天和だ。しかし、彼女たちがこんな非道なことをするはずがない。冥琳もそれが分かっているからこの男の言葉を鵜呑みにできなかったんだ。

 

(・・・・・どういうことだ?・・・・・・何で彼女たちが?)

 

俺も怜静ではなかったが事実を知るために無理やり頭を冷やした。

 

「俺は彼女たちのファンなんだよ。そういう意味では俺たちは仲間だ。・・・・・・だから教えてほしい。どうして彼女たちがこんな事をしているのかを・・・・」

「けっ!仲間だと!?だったら証拠を見せてみろよ!」

 

(証拠か〜・・・・・・・・何か・・・・・・そうだ!)

 

俺は数か月前に天和たちにサインをもらったんだった。それを見せれば・・・・

俺は部下たちに頼んで持ってきてもらった。

 

「これは証明になるよな?」

 

俺は男に天和たちのサインを見せると男はものすごく驚いた。

 

「ば、バカな!なんばあ壱だと!・・・・・・・・・まさか・・・・あなた様は!?」

 

・・・・・・・・え?

 

俺は愕然とした。この男はすべてを教えてくれた。史実を知っている俺は・・・・・呆れた。

 

(うわ、くっだらね〜!何千年後まで残る群雄割拠の始まりが、まさかアイドルの発言から生まれたなんて)

 

その男が言うには、番号は先着10人までしか与えられず、番号を持つ者は多くのものから尊敬と畏敬の対象にされるらしい。黄巾党の中にも数字を持つ者は数人しかいないらしく、彼らは黄巾党の中でもかなりの位を持っており、幹部にまでなっているそうだ。

 

つまり数字、しかも壱に近い人間ほど位が高いというわけだ。そういう意味では俺は黄巾の仲間になったらおそらく将軍職につくだろう。

 

(・・・・・・・・どこのエ●パーダだ?)

 

男は俺に憧れを持ったようだ。俺の質問には何でも答えてくれた。・・・・・・だが、聞けば聞くほど力が抜けて行った。

 

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俺は、この情報を雪蓮たちにも教えた。首謀者が天和たちだということ、敵の本拠地が割れたこと、彼女たちの意思ではないこと、等など。

 

「・・・・・・・・・どう思う?冥琳。」

「・・・・・・・・・どうって・・・・・呆れてものが言えんな。」

 

・・・・・・・・・だよね〜。

 

「しかし、本拠地は間違いないだろう。各諸侯にも動きかあった。皆、そこを目指しているのだろうな。」

「雪蓮たちの方でもやっぱりいくつかの情報をつかんだんだね。」

「自慢するほどでもない。兵糧の位置や経路を辿っていっただけの話さ。」

 

(・・・・・・そんなこと気付かなかった。さすが冥林だな。)

 

「で、どうするのだ?北郷。このままではあ奴らを巻き込むぞ。」

「う〜ん、どうしよう・・・・・冥琳はどうしたらいいと思う?」

「どうって・・・・・討伐するしかなかろう。」

「え!で、でもさあいつらは何にも悪くないんだぜ!ただ歌っているだけなのに・・・・・そんなのあんまりだよ。」

 

あんまりすぎる。この騒動の責任を取らせるといえばそれまでなのだが、あまりにも残酷だ。

 

「北郷よ。綺麗事では民たちは救えぬ。」

 

冥琳は冷たくいった。でも彼女の方が正しいのは頭では分かっているんだ。・・・・・それでも俺は・・・・・

 

会議はほどなく終了し、俺たちは解散した。そうして俺は美羽のところに戻って行った。

 

「ただいま、美羽。」

「うむ、お帰りじゃ。」

「おかえりなさい、一刀さん。会議はどうでしたか?」

「・・・・・いや・・・・・何というか。」

 

俺は今回の会議で分かったことを二人に話した。

 

「なんと!あ奴らが首謀者じゃったのか!」

「でも、かわいそうですね〜。それじゃあ何の責任もないに殺されてしまうかもしれませんね。」

 

七乃さんの言う通りだ。なんとか彼女たちを助けるすべはないのだろうか・・・・・

俺は藁のもすがる思いだった。

 

「一刀は何を悩んでおるのじゃ?」

「だって、なんとかして彼らの暴走を止めなくちゃ被害は拡大するし、天和たちも処罰の対象になっちまうんだぞ。」

「そんなの簡単じゃろ。奴らを屈伏させればよいのじゃ!一刀は奴らと顔見知りなのじゃから簡単じゃろ。」

 

・・・・・・・・・・確かにそうだ。説得という選択肢も残っていたんだ。・・・・・もしかしたら・・・・いけるか?

 

俺はさっそく、雪蓮たちに報告に行った。

 

 

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「・・・・・・・ボツ。」

「・・・・・いや、なんで?」

「そんなの無理に決まっているでしょう。確かに方法としてはあるかもしれないけど、そこに至るまでどれだけの危険があると思うの?」

「・・・・う!」

 

確かにそうだ。彼女たちの居場所が分かっても説得までの道はかなり険しい。

 

「彼女たちの居る所は要塞と言える場所なのよ。近づいただけで不審者扱いで殺されるのがオチ。仮に彼女たちに会う事が出来て、説得に成功したとしても彼らがそれを認めると思う?脅された、と思いこんで暴れだすに決まっているわ。うんうん、それだけならまだマシよ。統制が利かなくなってさらに厄介な存在になるかもしれない。」

 

・・・・・・・・・雪蓮の言うことはもっともだ。だがしかし俺も何の策も持たずに提案したわけじゃない。

 

「彼女たちに会うことは可能だ。いや、それどころか彼らを武力をもたないで屈服させることができるかもしれない!」

 

あたりはシーンと静まり返った。他の文官たちはついに俺が狂ったのだろうと影口を叩いている奴らもいた。でも俺は真剣だ。その事を雪蓮、冥琳、隠(仲良くなって真名を教えてくれた。)、祭さんは悟ってくれた。

 

「確かに理想的な提案だが、もちろん策はあるのだろうな?北郷よ。」

「もちろんだよ。」

 

彼女たちを救いつつ、戦わずして勝つ。その策を・・・・・・この英雄たちに納得させてみせる。

 

こうして俺の論戦が始まった。

 

 

 

 

つづく・・・・・

 

 

 

 

 

説明
こんばんわ、ファンネルです。

学校が忙しく、なかなか投稿できませんでしたが八話目です。

今回はフラグ設定のために少し短めです。そしてあとがきはありません。

では、ゆっくりしていってね。
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コメント
ボツってどこのマシリト?(たすく@蒼き新星)
神格化tってすごーi!(劉趙)
陸遜の真名は隠ではなく穏ですよ(金糸雀)
色紙がひとつの戦争をおわらせるかな?(motomaru)
奴を手放すお思うか→奴を手放すと思うか(XOP)
皆さん、コメントありがとうございます(ファンネル)
はたして一刀はみんなを説得できるかな。(ブックマン)
さーどうする一刀・・ここで彼女たちを救えなければ、ハ−レムENDは見れないぞwww(brid)
Poussiereさん、これは「おこなった」では?(XOP)
サインの効果場面で策がわかるような・・・わからないようなwww さて・・・・どうなるかな?愉しみです^^w(Poussiere)
誤字報告 4p目 「しかし、北郷の行った政策は見事というしかないな。素晴らしく、効率がいい。」 行ったになってますね^^; 正しくは言ったですね。(Poussiere)
冥琳(周瑜 知97)VS一刀(天の御使い 知90台は有ると思う ) 愉しみ。逆に説得に行って勧誘されて寝返れば良いのに・・・・。一刀がなんばあ壱を利用して黄巾の大将軍(官の軍事最高責任者、決して馬鹿の頭に付く意味ではない)になって実力を振るえば凄い事になると思う(クォーツ)
だがエ○パーダは1〜10ではなく0〜9(鬼火)
天才軍師達に論争で勝てるのか!?次回が楽しみだ!(YOROZU)
サイン効果スゲェwww(フィル)
ま、まさかここで印籠宜しく「なんぱあ壱」を活用か!? ( ̄□ ̄;)!!(cheat)
祭るが終わり→祭が:わざわざ税収など→「徴税」又は「徴収」:的を獲ている→「当を得る」(道理にかなう)か「的を射る」(要点をつかむ):張領→張梁:藁のも→藁にも:あと、「ファン」では黄巾党員に解らないでしょう。 (XOP)
北郷はプリメーラか(のぼり銚子)
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