【F-ZERO】The legend must revive!! Vol.2【ファルコン伝説】
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★ファルコンハウスへようこそ 〜MEMORIAL〜 より F-ZEROファルコン伝説後日談★

 

「The legend must revive!!」Vol.2

 

 その日以来、俺は何度となく、この場所に来た。

 高機動小隊の方は大きな事件が無く、活躍する機会が相変わらず無かったからだ。まぁ、警察がヒマな事は良い事だと…思うんだが。

 俺は毎日のようにここを走行し、コースを身体で覚えていった。コーナーを限界まで削り、数少ないチャンスを物にしようと必死だった。

 クランクも大抵着いて来て、俺の走りを見つめていた。

 

 そして、その課題が下されてから一週間くらい経過しただろうか……?

 

クランク「やった!!」

 

 …俺は、その通信を受けるまで、何が起こったのか理解が出来なかった。

 走行に伴う緊張感のあまりトランス状態になっていた俺は、周囲の事がよく見えていなかった。

クランク「リュウ!!ファルコンのゴーストに勝てたんだよ!?」

 クランクからその通信を受けるまで……俺は、その事実に気付かなかった。コースを抜けたと同時に走る、全身の力が抜ける気怠さしか頭になかった。

 ファルコンのゴーストに勝ったからと言って、派手なファンファーレがある訳でなく、観客の拍手がある訳でもない。

 その勝利は意外な程、静かに、俺の元に訪れたのだ。

 

 俺は極めて他人事のように、その事実を受け止めた。

 何故なら、このレースに勝つ事は、次へのステップに過ぎない事が何となく分かっていたからだ。

 

 …一体、何が起こるんだ…?

 周囲を見回してみると……パドックに新しいワープゲートが出現していた。

リュウ「クランク!!」

クランク「分かってるって!!」

 俺はクランクを後ろの座席(もといスペース)に乗せ、フルスロットルでそのワープゲートに向かう!!

 そして…!!

 

 飛び込んだ先に待っていたものは……

 

 

 ……あれ??ここは……

 予想していなかった場所に飛ばされ、一瞬、俺の思考回路は固まってしまった。

 

ハルカ「あら、今日はここから帰って来たの?早いわね」

 階段の上から、ハルカがこちらを覗いている。

 階段の上からって……こ、ここは…!?

リュウ「…ファルコンハウスの地下……じゃないか?」

クランク「じゃないか?≠カゃなくて……それ以外考えられないよ」

 あまりの事に、クランクも思考回路が固まってしまったらしい…二人してぽかーんとした表情をコックピットの中で浮かべ、ハルカがそれを不思議そうに見ている。

 

 何で、ここに戻ってしまったのか…ファルコンは何の為に、自分のゴーストに勝てと言ったのか…それが俺には理解出来なかった。この格納庫に導く為に、こんな面倒くさい手順を何故踏ませたのか……?

 俺が困っていると、クランクが“何か”に気付いたらしい。

 俺に風防(キャノピー)を開けさせ、その“何か”に近づく。

 

クランク「前は、こんなボタン無かったよな…?」

 クランクが立った場所は、壁際…いや、ドアとおぼしき場所。何故こんな回った言い方をするかと言うと、俺はそのドアが開いているのを見た事が無かったからだ。

 

 クランクはその急に現れたと言うボタンを押してみるが、そのドアはピクリとも動かない。

クランク「リュウ…このボタン、リュウの事しか認識しないかも知れないね」

 そうクランクに促され、俺はマシンを降り、そのドアの前に立つ。

 ハルカが上から静かに見守る中、俺はそのボタンに軽く手を触れる……

 

 ガタン!

 

 独特の動作音と共に、重そうな扉がゆっくりと開く。

 その奥の部屋は暗闇に満ちていたが、俺が足を踏み入れると同時に明かりが灯る。

 そこには、格納庫と言うには…あまりに広い空間が広がっていた。

 そして…

リュウ「これは…!?」

 俺は驚きのあまり、後に続ける言葉が見つからなかった。

 

クランク「ファルコンフライヤー!?」

ハルカ「見て、ブルーファルコンもあるわ!!」

 

 後から入って来た二人が、次々と驚きの声を上げる。

 …そう、そこには…

 真新しいファルコンフライヤーと、ブルーファルコンが、静かに佇んでいたのだ。

 

 シーンと静まり返ったその中で、突如、どこからともなくキャプテン・ファルコンの声が響き渡る。

“リュウ…このマシンを君に託す”

 その声は、まるで神の掲示のように、厳かに俺の耳に響いてくる。

 

 …このマシンを、俺に……

 

 これは、ただのF-ZEROマシンなんかではない。俺にとっても世界にとっても、深い意味のある特別なマシンだ……そのボディに触れようとする手が、僅かに震えているのが俺自身も分かる。

 

“やがて訪れるかも知れない、闘争の時代を迎える時の為に……”

リュウ「…闘争の時代??」

 響いていた声に、俺は思わず尋ねる。その台詞の意味を……

 

“光ある所に、必ず闇がある……

 今はダークマターリアクターの破壊により、そのどちらも破壊された形になっている。

 だが、破壊は再生を招き、再生はすなわち光と影を生み出す。

 今までの時代も、ずっとその繰り返しであった。

 生命がこの宇宙にある限り、その輪廻を断ち切る事は出来ないのだ。

 そして時が満ち、影が強大な力を現したその時…

 君がそれに対抗する光になる為に、私はこのマシンを託す”

 

 俺は黙って、その話を聞くより他になかった。

 

 …マシンを託す…

 

 改めて聞くと、その言葉は非常に重く、俺の肩にのしかかる。

リュウ「影に対抗する光になる為に…か」

 俺は誰に言うとなく、ポツリと呟く。吐く息ですら、異様に重く感じる。

 それ位、この格納庫の空気は威厳に満ちていたのだ。

 

クランク「あ、そうだ…リュウ、ちょっと待っててよ」

 その言葉に同調したのかしないのか、クランクはこう言い終わらないうちに、格納庫から飛び出して行ってしまった。

 

 隣の格納庫…今、ドラゴンバードが収納されている場所…から、クランクの声が聞こえてくる。

 ルーシーがどうとか言っているんだが、何を話しているのか、この位置からは分からない。

 気がつけばハルカもその場所を離れており……俺も向こうに行こうと思えば行けたのだが、この場所から、何故か離れ難く、ずっとここで待っていた。

 足が棒のようになって、動く事を忘れていたんだ……

 

 〜数十分後〜

 

 明らかに機械の整備をしましたと言わんばかりに汚れたクランクが、何やら丸い物体を手に戻ってくる。

リュウ「これは…リアクターマイトじゃないか!?」

 あの最終決戦以来、ドラゴンバードには二つのリアクターマイトが搭載されていた。そのうち一つを、どうやら外してきたようだ。

 

クランク「ちょっと勝手が分からなくてね…ルーシーに聞きながらやってたら、遅くなっちゃったケド…」

リュウ「でも、これは……」

クランク「リュウの…いや、ブルーファルコンのだろ?

 キャプテン・ファルコンがブラッド・ファルコンから取り戻したものだからね。

 それに…さっきのおっちゃんの話からすると、これはリュウが持っておいた方がいいよ。

 どうせマシンを乗り換えるなら、最初からリアクターマイトを搭載した方が慣れるのも早いだろうしね。

 

 そう言って、クランクは俺の手の中にリアクターマイトを乗せる。リアクターマイトをくれた彼の笑顔は……どこか寂しげだった。

 彼には、何となく分かっていたんだと思う。この後、俺がどうなるか…どうなってしまうのかが。

 

 だから俺も、ジャケットを脱いでクランクに手渡す。

クランク「リュウ…??」

リュウ「今度は俺が、一作業する事になるだろうからな…お前みたいに、汚れると困るから。

 それと、ポケットの中にマグレットが入ってる。ドラゴンバードをここに起きっ放しにする訳にはいかないだろ?お前も運転は出来る筈だから、銀河警察まで乗って行ってくれるか?

 そして、そのマグレットはジョディに返しておいてくれ」

クランク「リュウ……」

 

 クランクは何かを言いかけたが、その後の言葉を飲み込んだようだった。

 言ってどうにかなるもんじゃない…いや、言っちゃいけないような気が、したんだろう。

 俺だって……

 でも、今が…その時期なんだ…

 旅立ちの、時。

 

 そんなクランクの脇に、今度はハルカが何かを言いたそうに立っている。

 そのハルカの胸の中には……

ハルカ「今までゴーストとのレースの事で頭がいっぱいで、これ、忘れてたでしょ?」

 言いたい事を押し殺すような笑顔を作って、俺の前に“これ”を差し出した。

 そう言えば…いや、忘れていた訳じゃないんだ…

 ここを開通するきっかけになった、ファルコンのメット…ここに置きっ放しで、取りに来る事なんかなくて…それは忘れていたからじゃなくて、それを身につけるのは、あのファルコンに勝ってからだと、自分の中で決めていたからだ…

 それに、放置してても、多分、ハルカ辺りが、預かってくれると思ってた。

 

 俺は無言で、そのメットを受け取る。

 前にも増して、そのメットが重く感じられるのは気のせいだろうか??

 俺とハルカは見つめ合い、お互いをしっかりと抱き合う…俺達の間には、言葉なんか必要なかった。

 

 俺は必ず、ここに戻ってくる。

 堂々と、ファルコンを名乗れるようになった時……

 

 クランクとハルカは黙って格納庫を後にし……二人が出て行った後、誰に命じられるわけでもなく扉が閉まる。

 

 異様に重たく感じられる、扉…

 世界と俺とを、遮断するような扉…

 そう…

 ……俺はもう、高機動小隊のリュウ・スザクとしては、戻れないんだ……

 

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 【それから後、あの扉が二度と開く事は無かった。

 当然、そこからリュウが現れる事も無かった。

 ワープゲートの使用形跡により、この格納庫からアルカトランドに飛んだ事は分かったのだが、以後の彼の消息は途絶えてしまう。

 高機動小隊の面々は、そんな出来事の跡も訓練は続けていたものの、レース再開のメドは立たずにいた。

 しかし、破壊された“光”と“影”が、再び始動する頃だと言う事は……当然、クランクが知る由もなかった。】

 

クランク「…早いね…あれから、もう2年にもなるよ…」

 俺は、ルーシーとジャックと一緒に、いつものようにファルコンハウスのカウンターでコーヒーを飲んでた。

 彼はパソコンの中に留めてある日記を見て、あの日の事を思い出したんだ。

 

 あーぁ、この日記読んでるだけでリアルに思い出すよ……あの後は本当、大変だった…

 ジャックとルーシーは、リュウが黙って行ってしまった事に腹を立てて、あのドアを開けろってうるさく言ってさ。

 でも、あの格納庫はファルコンのメット無しじゃ、何も機能しないらしくて…とにっかく頑張ってはみたものの、流石の俺も諦め……

 このドア開くよりも、アルカトランドに飛んだ形跡があるよ〜って言った方が早いと思ったら、勝手にマシン出して行っちゃって…

 リュウは見つからないわ、ジョディに怒られるわで散々だったんだよね。

 俺はリアクターマイトを渡した時には覚悟していたよ、このドアが二度と開かないと言う事を。

 けれど……本当に、リュウに会えなくなるとは…正直思ってなかったんだ。それも、こんな長い時間、ね……覚悟が足りないと言われたら、それを素直に認めるしかないと言うか……

 

 それにしても……

ルーシー「…ハルカさんは、心配にならないんですか?リュウさんの事……」

 

 …そう、意外にも、肝心のハルカさんの様子は落ち着いてたんだよね。好きな人がいなくなったんだから、一番荒れてもおかしくなかったのに。

 ひょっとしたら、俺達の見ている時だけ、普通にしているのかも知れないケドさ…気丈なんだよ、ね。

 

 あの日からたった数日で、彼女は店の方を始めて……

 バートのおっちゃんは……彼女に店を譲って隠居したって事にしておいて(本当の事をお客さんに話す訳にいかないし…いや、話しても信じないよなぁ誰も……)

 元々筋が良かったのかな…俺が考えていたより、ずっと店の方は軌道に乗ってる。

 …少なくても、リュウが運営するよりは、ずーーーーーっと良かったかな…っと。いやだって、リュウの料理は…………思い出すのやめよう;;;

 

 一人でぐだぐだ考えて、頭を抱えている俺を見ながら、ハルカさんは笑顔で対応する。

 …俺がリュウの事で頭を抱えていると思ったらしい(いや、間違いじゃないんだが……)

ハルカ「彼なら大丈夫よ。

 彼は決してくじけない人よ。自分の信じる道に向かって、真っ直ぐに進んで行く事の出来る強い心がある人。

 彼はいづれ、目的を達成して…ここに戻ってくるわ」

 ルーシーも、その言葉を静かに受け止めている。

 不安げなルーシーの瞳とは逆に、ハルカさんの瞳は凛とした輝きがある。言葉のあやとかじゃなくて、確信に満ちた心があるに違いない。絆って、言うのかな…?

 

ハルカ「150年もかけて…私を迎えに来たように…ね」

ルーシー「そう…ですよね。ごめんなさい、変な事を聞いて」

 そうは言っても、ルーシーはそう簡単に笑顔を取り戻す事が出来ない。

 何故なら、彼女の曇った表情は、宛も無い不安から来ている…訳じゃ、なかったからだ。

 

 そのルーシーの暗さに、ハルカさんも何か気付いたみたいだ。

ハルカ「…何か、あったの?」

 その問いに、俺とルーシー、ジャックの三人は言葉に詰まり、顔を見合わせてしまう。

 ここ数週間の間に起こった出来事を彼女に話すのは、至極簡単だった…けれど…それを躊躇する理由があった。

 ハルカさんの表情を、今のルーシーのように、不安に満ちた表情に変えてしまうのでは…その不安が、あったからだ。それは、俺達が望んでいる事ではない。

 

 ハルカさんは俺達の出方を待っているが…どう出て良いのか、俺には分からなかった。

 

ジャック「…話してやろうぜ…」

 重い沈黙の後、一番最初に、ジャックがそう切り出した。

ルーシー「ジャックさん……」

ジャック「リュウに関わる事なら、尚更知らせた方がいいんじゃねぇか?この様子じゃ、そう遠くない将来に悟られるだろうし。

 それなら、今、きちんと説明した方がいいだろう?」

 

 そうかも知れない。

 ハルカさんの「何かあったの?」と言う問いに即答出来なかった以上、俺達の身に起こっている事をきちんと話した方がいいかも知れない。

 この状態で何もないと言っても、嘘にしか聞こえないだろう、余計不安にさせてしまうだろう、なら…

 それしか、ないのかも知れない。

 

 ジャックは一呼吸置いた後、いつになく真剣な趣でハルカさんの方を向く。

 …ふざけて話せるような事じゃ、ないから…

 

ジャック「心して聞いてくれよ……?

 実はな…

 ゾーダが復活したらしいんだ」

 

 その言葉に、流石のハルカさんも一瞬動揺した様子だった。

 けれども、すぐに普段のハルカさんに戻り、ジャックの話に耳を傾けている。

 

ジャック「奴の復活の原因はよく分からねぇ。だが、奴がアルカトランドに降り立ち、リアクターマイトを探しているって事だけは確かなんだ。

 今の所、ダークミリオンらしき影は見えねぇし、奴がアルカトランドから違う惑星に行ったって情報も無い。どうも何者かが、奴の行動を妨害しているらしい」

ハルカ「それが、リュウだと言うの…?」

クランク「可能性は高いと思うよ。けれども、断言出来ないんだ。いつも俺達が行った時には全てが終わった後。戦闘の形跡はあっても、姿形が見えなくて…」

ルーシー「でも、それがゾーダだと言う証拠はあるんです。ゾーダが直後、私達に通信を取ってきたんです。

 “地獄の淵から蘇り、リアクターマイトの力で完全に復活する”って…」

 

 流石のハルカさんも、態度は普段と変わらない様子だったケド、言葉を失った様子だった。

 …話した事が本当に良かったのか、俺は判断に迷ったんだケド……

 そんな俺の心を見透かしたように、彼女は俺達を前に笑顔で答えてくれたんだ。

 

ハルカ「彼は大丈夫よ。ゾーダなんかに負けないわ」

 ……本当に、彼女は気丈だった。

 話を振った俺達の方がたじろいじゃったよ……

 

 フッ……

 そんな彼女の様子を見て、ジャックはジャックで、カッコつけたように鼻で笑っている。

ジャック「自分の信じる道に向かって、真っ直ぐに進んで行く事の出来る強い心があるのは、お互い様なんだろうな。

 あんたら二人が、何でここまで強く魅かれ合うのかが分かった気がするよ」

クランク「そだね。

 少なくても、ジャックになびかない理由は、よぉっく分かったよw」

ジャック「あぁ、そうだ……って、何言うんだよコラ!!」

 

 ジャックが俺に殴りかかろうとして、その場の雰囲気が和みかけた時、それをまた壊すかのように、俺のマグレットがけたたましく鳴り響いた。

 …何の用なのか、一々取り出さなくても分かってる。

 俺達はハルカさんへの挨拶もそこそこに、店を後にする。

 

ハルカ「ルーシーさん」

ルーシー「…何ですか?ハルカさん」

ハルカ「女性は笑顔が一番魅力的なのよ。いない彼を心配するより、彼が帰って来た時に、満面の笑みで迎えてあげられるようにしなくっちゃね」

ルーシー「…ハルカさん…」

 

 そんな会話が、俺の耳にも入ってくる。

 そうだね……確かに、女性は笑顔が一番だよね。

 

 …その笑顔をくすませない為にも…ゾーダの好きにさせる訳にはいかない。

 

 

 俺は、リュウから…預かったと言うか、貰ったと言うか、借りたと言うか成り行きと言うか…とにかく、リュウが乗っていたドラゴンバードを駆っていた。

 最もリュウは、制御装置を切って走ると言う荒技をやっていたけれど、一回真似してやってみたら、真っ直ぐ走らなくて…仕事にもレースにもならないから、俺は普段は制御装置を入れて走っている。

 

 だから、リアクターマイトを積んでいても、それ真の力は発揮出来ないようになっているんだ。

 それが何だか、悔しいと言うか何と言うか……酷く引っ掛かるんだケド。

 

 マグレットの通信は、やはりと言うか何と言うか…ジョディからだった。

 アルカトランドに未確認の走行物体を発見、直ちに現場に急行し、その物体の正体を突き止めよ。

 相手は誰だかは、言われなくたって分かる。

 

 今日こそゾーダの奴を見つけ出してやる…!!

 

 

ジャック「ぅわ!!酷い吹雪だぜ…!!前が見えねぇ!!」

 ワープゲートを通じて行き着いたアルカトランドは、近年にない異常気象で、いつも以上に吹雪いていた。視界は限りなくゼロ。搭載したレーダーを頼りに進むしかない。

ルーシー「私達以外のマシンの反応は…ありませんね」

クランク「手分けして探すかい?」

ジャック「ああ、そうだな…何かあったら、お互いに連絡を取り合おうぜ」

 

 そんな短い通信の後、俺達はバラバラになってゾーダのマシンを探す。

 レーダーにもそれらしい影は無いし…ええい、闇雲に走っても時間の無駄だ。

 えーっと、考えられるのは…

 俺はゾーダが考えそうな作戦を思い浮かべてみる。

 ……どこかで待ち伏せしている?いや、それにしてもレーダーに影がないケド……

 

 待てよ…??

 嫌な予感がする。

 

 ひょっとして、妨害電波を発して姿を消してるのか…!?

 

 俺は慌てて接続してあるパソコンを起動させ、その妨害電波の出所を探…

???「そんな手間のかかる事をしなくたって、出てきてやるよ!!」

 !?

 ……聞き覚えのある声が、俺の耳に入ってくる…

 と同時に、俺のマシンの右側に、見慣れたマシン…しかし、久しく見ていないマシンが、ピタリと着いてくる…あれは…!!

 

クランク「ゾーダ!!」

ゾーダ「あれぇ?リュウじゃねぇのかよ!?奴ぁどこ行った?ん??」

クランク「知るもんか。知ってたって、お前には言わねぇよ」

 相変わらず妙にテンションの高いゾーダを無視して、俺はジャックとルーシーの通信を呼び出そうとしたが……

 

 通じない!?

 

 気がつけば、マグレットのパルスも追えなくなり、レーダーからはジャック達のマシンも消えていた。

 当然のように、隣にいるゾーダのマシンもレーダーには映っていない。

 くそっ、はめられた!!

 

?to be continued?

説明
何を血迷ったのか、今から約10年前に発行した同人誌「ファルコンハウスへようこそ 〜MEMORIAL〜」(2005.8.12発行)の中から、小説「The legend must revive!!」をお送りします。

推奨閲覧時期 アニメのファル伝 全51話 視聴後 (じゃないと意味が通じません)

Vol.1→http://www.tinami.com/view/772454
Vol.2→いまここ
Vol.3→http://www.tinami.com/view/772461
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