三都フランチェスカ学園物語 第8話 終了? 後編 |
何で僕は倒れているんだ?
そうだ…確かあの子の上から変な塊が落ちてきて、彼女を助けて…
何でこうなったっけ…
時を戻して輝が三階から飛び降りて少し経った時だった。アキラはC僚の校舎裏にあるバラ園中心部にあるベンチに座っていた。ちなみに逃げている途中で輝は元の人格に戻っていた。
「流石にあの一撃は効いたか」
輝はグリシーヌの戦斧で腹に直撃した箇所に手を当てていた。
「ここに来るまで誰も遭遇してないのがラッキーというべきか」
そう言って銃を取り出す輝。すると。
「!?」
何か物音を聴いた輝が瞬時に立ち上がった。輝は恐る恐る警戒しながら曲がり角を思いっきり走り出そうとした瞬間。
「キャッ!!」
「!?」
何かにぶつかった輝が尻餅をついて前を見ると、そこには輝と同じく尻餅をついている少女だった。
「!?!?」
輝は少女のスカートの中の白い下着を見て驚き、直ぐに少女の視線を逸らした。
「だ…大丈夫?」
直ぐに立ち上がって少女に手を前に出して輝が話しかけると少女は輝の側に落ちている銃を見て震えだした。
「乱暴しないで…ください!」
「えっ!?」
少女の突然の台詞に輝は驚いて手を引いた。
「その銃で私を脅して霰もない姿にして酷いことして、その後写真を撮ってその後…へぅ〜」
「いやいやいや!?しないから!エ○同人みたいな事しないから!!」
少女のとんでも発言に必死になって説得する輝。
「へっ?本当ですか?」
「本当だから!信じて!!」
「・・・・・・」
輝の言葉に黙り込む少女。
「わかりました…あなたを信じます」
「(ホッ…)よかった…」
少女の返事に輝はホッと胸をなで下ろし、少女を立たせた。
「この銃は言わば護身用、君は軍や組には属しているの?」
「いいえ、私は暴力とかはちょっと…」
「よかった…やっとまともな生徒に会えた」
そう言って輝は銃をガンポケットに入れた。
「もしかして先生達が話していた転入生って…」
「ええ…僕はその中の1人、2年の真々田 輝です」
「私は1年C組の木村 月です」
2人は互いに自己紹介して歩き出した。
「月ちゃんはどうしてあんな所に?」
「私は前の授業に使った道具を取りに…」
「そういえばこの鬼ごっこみたいな事をしている時は授業はどうするの?」
「殆どは自習になりますから…」「自習って…」
そう言って輝は頭を掻きながらため息をこぼした。
「月〜」
すると月の名前を呼ぶ少女が反対方向から見えてきた。
「詠ちゃ〜んこっちだよ〜」
「詠ちゃん?」
輝は月が呼んだ少女の名前を聞いて疑問を持った。
「私の友達です。あっ!私と同じく軍や組には属していませんよ」
「そう…よかった…」
だがこの後、またもや輝の安心という言葉にヒビが入るとは…
月の友人である詠は月の隣りにいるのが『男』である輝に気づいた。
「月ェ!!早くその男から離れて!!」
「えっ!?」
輝は詠の発言に驚きを隠せなかった。
「早く!犯されるよ!!」
『ズルッ』
詠の発言に肩に重りが乗っかったかのように肩を落とす輝。
「ねぇ…彼女はもしかして…」
「男性が苦手なんです…」
輝は小さい声で月に話し掛け、月はそれに返答した。
「そう…また縁があったらまた会いましょう。こんな茶番ではなくて…」
「はい」
返事をした月は詠のもとへ歩き出して輝はしばらく月の後ろ姿を見つめて、月とは違って反対方向に足を動かそうとした時だった。
校舎から2発の銃声が聞こえたのだ。
「「「!?」」」
3人が銃声がした方を見た瞬間、3階から謎の物体が壁を破壊して落ちてきたのだ。しかもその落下ポイントの影に月が立っていた。
「危ない!!!!」
輝は月に向かって全速力で走り、物体が落ちる間一髪で月を抱き締めて倒れ込み、物体は爆発した。
「輝ァ!」
その光景を見た実は廊下の端にある非常階段のドアを蹴破って階段を下って輝のもとへ走った。実が到着した時には、月の友人の詠が先に到着していた。
「大丈夫!月!?」
「うん…!?」
詠の問いに月が答えた途端月は輝の存在に気づいた。
「輝さん!輝さん!?しっかりしてください!!」
月は輝から離れて輝の体を揺すった。
「輝!おい!!大丈夫か!?」
「うっ…」
眉を微かに動かしてうめき声をあげる輝。
「輝様!実様!」
「大丈夫か!」
すると、戦っていた大和とカンナが彼等のもとへやって来た。
「あの子は大丈夫だけど、輝は身体を強く打っているかもしれない。保健室は…」
「アタイが保健室まで運んでやる!」
「自分はカンナさんと一緒に行きます!」
「俺は理事長か校長に報告してこんな馬鹿げた娯楽、即刻中止にするよう言ってくる!」
カンナは輝を担いで走り出し、追い掛ける形で走る大和。そして実は理事長室に向かった。
するとカンナ達の向かった方向に月が走り出した。
「月!?」
走り出した月に驚いて後を追い掛ける詠。
「理事長!!」
実はおもいっきり扉を開けると、そこには理事長の貂蝉と校長の卑弥呼がいた。
「実…さっき薔薇組の連絡を聞いて、これから放送で中止を呼び掛けるところだ」
「輝くんの容態は?」
「確か胴着を着た大和と同じくらいの身長の女が大和と一緒に保健室に」
「桐島か…まあ彼女なら問題ないな…」
貂蝉と卑弥呼は安堵な表情を見せると実が安心したが、直ぐに真剣な目をして口を開いた。
「理事長…俺は…」
一方、大和とカンナはもうすぐ保健室に到着した。
「先生!」
「あら?カンナ、あなたも怪我?」
「アタイじゃねえ!」
「藤枝先生!輝さんの手当てを!!」
「わかったわ!そこのベットに寝かせてちょうだい!」
あやめの言葉に従ってカンナは輝を降ろしてベットに寝かせた。あやめは輝の手当てを始め、大和とカンナは近くにあったパイプ椅子に座った。
「「失礼します!!」」
椅子に座り大和とカンナは安堵な息を零した時に息を切らせながら月と詠が保健室に入ってきた。
「あ、あの…真々田…輝さんは?」
「輝さんなら…」
大和が指差したベットからあやめが姿を現した。
「腹部に痣があるけど、骨などに異常はないから心配ないわ…」
「本当ですか!よしっ!!」
大和が立ち上がってガッツポーズをして月はホッと肩を落とした。
「失礼します」
次に理事長室を後にした実が保健室に入ってきた。
「その様子だと輝は大した事なさそうだな?」
「はい…安静にすれば大丈夫だそうです」
「そうか…」
すると実はカンナの前に立ち、一礼して頭を上げた。
「弟の事、本当にありがとう…感謝する。えっと…」
「三年二組、帝都花組の桐島カンナだ!」
「二年、漢女組。真々田実です」
お互いに自己紹介をしてカンナと握手する実。
「そういえば大和、何で彼女と一緒だったんだ?」
「あ〜実はカンナさんと図書室前で拳を交えている途中でいきなり大きな音がしたんで一時休戦して音がした場所に向かったんです。そしたら今度は爆発音がして来てみたら輝様がこの子を抱えて倒れていて…」
「なるほど…」
ヤマトの説明に納得した実に放送のスピーカーから電源が入った音がした。
『あ〜マイクテス、マイクティスゥ〜』
独特な口調の貂蝉理事長の放送が始まった。
「え〜今回の軍組得システムは…損害が前回と比べてぇ〜かなァーーり酷いためぇ〜、無効にするぅ〜」
「「当然だ『です』」」
貂蝉の言葉に保健室の実と大和がうんうんと頷いた。
「よって三時間目の授業で教師の皆さんは臨時の会議を行いますのでぇ〜生徒諸君わ三時間目を自習にしますぅ〜以上ォウ!」
理事長の放送を聞いて実がある疑問が生まれた。
「理事長のあの口調…癖なのか?」
「あの理事長の独特な癖みたいよ?」
「変な癖っすね(汗)」
「まあ〜慣れればおもしれえもんだよ」
貂蝉の口調に保健室内は談笑していた時だった。
「う…うぅ…」
ゆっくり目を開ける輝はそのまま体を起こした。
「ここは…」
「輝!?」
「気がつきました!」
目が覚めた輝に実と大和が側に来た。
「僕は…あっ!!あの子は!月ちゃんは!?」
血相を変えて月の安否を知りたがる輝に月がゆっくりと近づいた。
「輝さん…」
「月ちゃん…無事でよかった〜」
月の無事を確認してホッとする輝。
「輝君。具合はどう?」
「ええ…もう大丈夫です」月の無事を確認してホッとする輝。
「輝君。具合はどう?」
「ええ…もう大丈夫です」
あやめの問いに答える輝はベットから起き上がり上履きを履いた。
「さて…被害が大きいから学園を隅々まで見て回る事は出来ないみたいだし、教室に戻るか?」
「そうだね…他のみんなが気になるし」
「何か疲れました〜」(ぐぅ〜)
実と輝が話して大和が背筋を伸ばした瞬間、大きな腹の減る音が聞こえ一人を除いた全員が大和の方を見た。
「えっ…自分じゃないですよ!?」
「わりぃ!アタイだ!!」(ぐぅ〜)
手を上げてカンナが笑いながら言うと、カンナの腹からまた腹の音が響いてそれを聴いた全員が笑った。
『保健の藤枝先生、至急会議室に来るように』
卑弥呼校長の声が放送に流れあやめを呼び出した。
「あっ!会議があるの忘れてたわ!」
「それじゃあ俺達も出るか?」
こうして全員が保健室を出て、あやめ先生は会議室に向かって行った。
「んじゃ!アタイも戻るぜ!!」
そう言ってカンナが階段を昇ろうとしたが、止まって振り向き大和の方を見た。
「次は真剣に勝負だ!」
「はい!頑張ります!!」
大和の言葉に笑みを零してカンナは階段を上がっていった。それを見届けた一同は再び廊下を歩き、漢女組がある渡り廊下の前に到着した。
「それじゃあここで…」
「はい…」
男3人は月と詠の2人と別れて歩いていき、それを見届けた2人は自分達の教室に向けて歩き出した。
「月…本当に何もされてない?」
「詠ちゃん、私は何ともないから…」
輝に何かされたのかと落ち着かない様子で聞いてくる詠にクスクスと笑みを浮かべながら月が答える。
「なら…いいけど」
そんな月を見てホッとする詠だった。
『何だろう…あの人の事想うと…』
月は自分を守ってくれたあの人の事を考えた。
『真々田 輝さん…』
彼の名を心の中で呟くと心臓の鼓動が激しくなっていたのだった。
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PCが壊れてしまい、今はスマホで執筆しながらネカフェで更新しています(泣) | ||
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