[榛名]散りゆく物が美しいのは自然の摂理
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榛名は夢を見ていた

もしかしたらという夢を・・・

 

 

 

「ん・・・」

 

秘書艦である榛名はいつの間にか眠っていたようだ

 

「ここは・・・執務室・・・?」

「仕事は!?」

 

榛名は意識を覚醒させ周りを見るが

 

「提督が見当たらない・・・?」

 

榛名はいつもいるはずの提督がおらず不安になり執務室を飛び出した

 

工廠、ドック、食堂と探していくが鎮守府全体の様子がなにやらおかしいことになっている

 

「どうして・・・誰もいないの?」

 

榛名はそれでも探していました、するとある花びらが榛名の目の前に舞ってきました

 

「桜?・・・もしかしたらっ!!」

 

心辺りがあったのか榛名は桜の花びらがある場所へと向かいました

だがしかし榛名は嫌な予感を感じていました

 

「提督はここにいるはずっ!」

 

榛名がたどり着いた場所は大きな桜の木のある丘でした

その木の後ろには提督が背を預け座り込んでいました

しかし榛名は提督の様子がおかしいことに気がつくのです

 

「てい・・・と・・・く?」

「榛名か・・・」

「いまそちらにっ・・・」

「くるなっ!!」

「っ!?」

 

榛名は提督のいる場所に向かおうとしたが提督に止められてしまう

 

「どうし・・・て」

「俺はみんなを守れなかった・・・金剛も、比叡も、霧島も・・・」

 

提督は俯きながら語り始めました

 

「俺は誰も沈めないために今まで努力してきた・・・」

「それは榛名も知って・・・!」

「だが・・・現実は上手く行かなかった」

「え・・・」

 

提督の言葉に榛名は固まってしまう

 

「鎮守府が奇襲を受けたんだ・・・第一艦隊が出撃している時に・・・」

「でもっ!そんな攻撃されたようには・・・」

「本当にそう見えたのか・・・?」

「どういう・・・」

「鎮守府を見てみるといい・・・」

 

榛名は振り向き鎮守府を見るとそこは・・・

 

「うそ・・・」

「それが現実だ・・・俺達は負けたんだ・・・」

 

榛名が見た光景・・・それは破壊され尽くした鎮守府だった

信じられるわけがない、なぜならあれだけ走り回った鎮守府が・・・瓦礫の山になっているのだから

 

「提督・・・」

 

榛名は提督のもとに駆け寄るが・・・

 

「っ!?ていとく・・・左腕が・・・」

「あぁ・・・持っていかれてしまったよ・・・」

 

提督のもとに榛名が近寄るとそこには・・・

左腕を失い血を流している提督の姿があった

 

「すまないな榛名・・・指輪も持っていかれてしまったよ・・・」

「喋ってはダメです!提督が生きていてくれればそれで・・・」

「俺の命ももうもたない・・・血を流しすぎたみたいだ・・・」

 

提督のその一言を聞き、榛名は頭が真っ白になった

 

「そんなっ!提督死んではだめです!!」

「わかってしまうんだよ・・・もうこの生命は燃え尽きると・・・」

「榛名を・・・わたしを置いていかないで」

 

榛名は涙が止まらなかった

提督は最後の力で榛名の頭に右手を乗せた

 

「泣くな榛名・・・」

「でもっ!こんな・・・」

「これが運命だったんだ・・・」

 

泣きじゃくる榛名の頭を撫でながら提督は言う

 

「榛名に会えて・・・ケッコンできて本当によかった・・・」

「てい・・・とく・・・」

「生きて・・・生き続けてくれ・・・はる・・・な」

 

その言葉を残し提督は息を引き取った

 

「ていとく・・・」

 

榛名は提督の亡骸を抱きしめながら泣いた

本来の綺麗な桜はピンク色だがその大きな桜の木の花びらは血の色に似た赤い色をしていた・・・

 

 

「・・・な」

 

どこからか声が聞こえる

 

「・・・え?」

「・・・る・・な」

 

それはとても暖かくて聞き覚えのある声

そして榛名の意識は遠ざかっていく

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気持ちのいい朝を迎え執務室に向かった提督だが秘書艦である榛名がなかなか来ないため珍しく寝坊でもしたかと思っていた

そんな提督のところに金剛が慌てて入ってきた

 

「テイトクゥー!!」

「おい金剛、ドアは静かに開けろと何度も・・・ってどうしたんだそんなに慌てて」

「榛名が・・・榛名がぁ・・・」

「!?榛名に一体何があった!!」

 

提督はただ事ではないと把握し金剛に事情を聞いた

 

「榛名が目を覚まさないんデース」

「目を覚まさない?」

「でもずっと魘されていて・・・すごく心配デス」

 

榛名が魘されており起こそうとしても起きないとのこと

 

「分かった、俺も付き添う」

「でも執務が・・・」

「嫁が危ないんだったら仕事なんかよりそっちを優先するに決まってるだろう!」

「ありがとうございマス」

 

提督は金剛とともに榛名の眠っている寝室へ向かった

部屋にはいると比叡と霧島が榛名を看ていた

 

「比叡!霧島!!」

「しれい・・・」

「司令、来て頂いてありがとうございます」

「榛名は?」

「ご覧の通り魘されています・・・」

「明石には?」

「手の施しようがないと・・・」

 

霧島に説明され提督は魘されてる榛名に近寄る

 

「ずっと魘されてるんですよ、提督、死なないでって」

 

比叡の言葉を聞き提督は榛名の手を握った

 

「榛名、俺はここにいるぞ!」

「てい・・・とく・・・しな・・・ないで・・・」

「俺は死なない!、絶対にお前を置いていかないから!!」

 

金剛たちは提督の後ろで見守っている

 

「頼む、目を覚ましてくれ!榛名!!」

 

提督の声が通じたのか榛名の顔色が良くなってきてそして・・・

 

「てい・・・とく?」

「榛名?」

 

榛名は無事目を覚ました

 

「ワタシたちで明石に知らせに行くデース!!」

「「はい!!」」

 

金剛、比叡、霧島は明石のところへ向かった

その際金剛がウィンクをした

 

「やれやれ・・・」

「あれ・・・私・・・」

「やっと目を覚ましたか」

「提督・・・ですよね?」

「あぁ、正真正銘お前とケッコンしてる提督だぞ?」

 

榛名はその言葉を聞くと涙を流した

 

「夢を見たんです、金剛お姉さま達や提督が死んでしまう夢を・・・」

「・・・」

「俺はどこで道を誤ったんだろうって」

「榛名・・・」

「でも夢で良かったです、あれが本当だったらと思うと・・・」

 

提督は優しく榛名を抱きしめた

 

「大丈夫だ、俺はここにいる」

「提督・・・」

「ちゃんとお前のそばにいるから」

「いなくなりませんよね?」

「あぁ、離れてくれって言われても離れないからな!!」

 

提督が目線を上げると明石を呼んだ金剛たちが戻ってきていたが微笑んでいた

明石も大丈夫と頷いていたので一安心だろう

その後榛名に今日は休んでいいと言ったのだが聞かずに仕事をするといったのはしかたのない事だろう

 

 

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色々あって午後になり

 

「榛名、少し休憩しよう」

「はい、お茶いれますね?」

「いやいい、ちょっと外を歩かないか?」

「榛名はいいですけど・・・」

「よし、それじゃあいこう」

 

提督は榛名の手を握り外に向かった、その時の榛名は頬が赤くなっていたのは言うまでもない

 

「綺麗に桜が咲いているな」

「そう・・・ですね」

「ちょっと丘の桜の木まで歩こうか」

「・・・はい」

 

二人は大きな桜の木のある丘に向かった

そして桜の木の下にたどり着いた時榛名はつぶやいた

 

「ここで・・・」

「ん?」

「ここで提督は亡くなったんです・・・左腕を無くして」

「夢の話か?」

「はい・・・」

「そうか・・・」

 

二人はそこで言葉を紡がなくなった

だが提督は話を切り出した

 

「昔の話をしよう」

「え・・・?」

「俺は一度とある艦を沈めたことがある」

 

提督の話を聞くために榛名は口を閉じた

 

「まだ榛名が着任する前の話だ」

「難関と呼ばれる沖ノ島海域を攻略していたとき、海域を突破すると同時にある知らせが届いた」

「轟沈したものが出たと」

「轟沈しないだろうという慢心が招いたことだった」

「艦隊が帰投したあと俺は皆を入渠させその後は出撃をさせなかった・・・いや、できなかった」

「1週間俺は塞ぎこんだ・・・でも榛名、お前が来たんだ」

 

榛名はその話を聞き提督を見た

 

「何か運命的なものを感じたんだ、この子がいれば大丈夫だ、もう一度立ち上がれるって」

「それで提督は立ち直れたんですね」

「あぁ、もう二度と轟沈させないとその時沈めてしまった艦に誓って」

 

提督は桜の木に手を当てながら言った

 

「だから俺はもう一度誓うよ」

 

提督は榛名の方に向き直った

 

「俺は榛名を置いていかない、ずっと隣にいる」

「私も誓います、ずっと提督のおそばにいます」

「指輪を渡した時を思い出したよ」

「私もです」

 

二人は微笑んでいた

そして二人で手をつなぎながら桜のほうに向き直り

 

「俺達のことをずっと見守っていてくれよ、必ずこの戦いを終わらせてみせるから」

「私も提督と一緒にこの戦いを終わらせますだから見守っていてくださいね」

 

二人の指輪が微かに光り桜はその花びらを踊らせた、まるでその願いをしっかりと聞いたと答えているように・・・

 

 

 

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二次創作 榛名 艦隊これくしょん 艦これ 

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