がんばれ新人くん |
「がんばれ新人くん」
作:某犬犬
ゲーム開発現場にて
新人A「よし、終ったぁ。」
ディレクターD「Aちゃん、今ちょっと、いい?」
新人A「はい、何でしょう?」
D「ここ何だけどさ。敵が飛び出て来るよね。」
新人A「はい。」
D「これ…そうだな、『デレデレン』って感んじに出来ない?」
新人A「『デレデレン』……、ですか?」
D「うん、そう。急ぎだから明日までに作って。」
新人A「はぁ。」
D「頼んだよ。」
新人A「はい。」
翌日
D「Aちゃん、昨日頼んどいたの出来た?」
新人A「はい……、一応……。」
D「おぉうどれどれ、見せて見せて。」
新人A「はい。こんな感じになったんですが……。」
D「……、何これ『デレデレン』じゃ無いじゃない。」
新人A「はぁ?」
D「これじゃ『ギャギューン』じゃない。」
新人A「はぁ……。」
D「駄目だよ、これじゃ。もう一回作り直して。」
新人A「はい……。」
次の日
D「Aちゃん、出来た?」
新人A「はい。」
D「……、ちょっとちょっとどうしたの。これじゃ『バビン』じゃない。」
新人A「『バビン』……、ですか?」
D「そうでしょ、どう見ても『バビン』でしょ。」
新人A「はぁ……。」
D「Aちゃんさぁ、ボク『デレデレン』でお願いって言ったよね?」
新人A「はい。」
D「そしたらAちゃん出来ますって言ったよね?」
新人A「はい。」
D「昨日も一昨日も。」
新人A「はい。」
D「でもこれ全然できてないじゃない。『ギャギューン』だったり『バビン』だったり。」
新人A「……。」
D「やる気あるの?」
新人A「あります。」
D「あります、ってこれ全然やる気無いじゃない。」
新人A「はい……。」
D「何、もしかしてあれ?ボクに嫌がらせしてんの?」
新人A「いえ、違います違います!」
D「違うよね?じゃ、どうして言われた通りに出来無いの?」
新人A「はぁ……。」
D「はぁ、じゃ無いでしょ!ねぇ?」
新人A「はい……。」
D「これさ、明日までに出来ないとスケジュール押してるし、まずいんだよねぇ。」
新人A「はい。」
D「明日までに出来る?」
新人A「はい。」
D「もし出来ないようなら、Aちゃんこのプロジェクトから外れてもらう事になるよ?」
新人A「それだけは、勘弁して下さい。」
D「Aちゃんいつも一所懸命がんばってるからさぁ、ボクもそんな事したくないのよ。分る?」
新人A「はい。」
D「じゃぁ頼むよ?ねぇ?本当にこれが最後だからね?」
新人A「はい。」
D「出来る?」
新人A「はい。」
D「頼んだよ。」
新人A「はい。」
喫煙室で
新人A「はぁ……。」
先輩B「A君、Dさんにだいぶしぼられてたね?」
新人A「そうなんです。正直『デレデレン』とか言われても、何のことだかさっぱりで。」
先輩B「あぁ、あれねぇ、『デレデレン』って誘導弾のことよ。」
新人A「あっ!そうなんですか?!」
先輩B「そそ。で『ギャギューン』は弾幕で『バビン』は溜め撃ちって意味だから。そら違うわなw」
新人A「そう言うことだったんですかぁ……。え?それって業界用語か何かなんですか?」
先輩B「ううん。Dさんだけの独自用語w。他所じゃ通じないw」
新人A「どうりで、わけ分かんないわけですね。」
先輩B「私もね、入社したばっかの頃はD用語に散々悩まされたもんよ。」
新人A「そうでしょうねぇ……。」
先輩B「まぁ、そういう訳けだから。頑張って。」
新人A「はい!有り難う御座いました。」
その後
D「どう?出来た?」
新人A「はい!出来ました。」
D「どれどれ……。お!おぅおぅおぅ〜。これよ、これ。」
新人A「いいですか?」
D「なぁんだ、やれば出来るじゃな〜い。もう、出来るなら最初から本気出してよw」
新人A「すいませんw」
D「じゃぁ、この調子で『ボンボン』行こうか。」
新人A「『ボンボン』ですね!理解りました!」
帰宅後、TVを見ながら
新人A「何だか今日はビールがうまいや。」
終わり
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