英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 |
〜トリスタ・郊外〜
「な――――――」
「ん?あの見覚えのある姿はもしかして……」
上空にいる竜を見たラウラが絶句し、オリヴァルト皇子が不思議そうな表情で呟いたその時竜はリィン達の近くに着地した!
「なああああああああっ!?」
「りゅ、”竜”……!?」
「これが”竜”……初めてみたわ。」
竜を見たマキアスは驚きのあまり声をあげ、アルフィンは信じられない表情をし、ゲルドは興味ありげな様子で竜を見つめ
「あら、あの竜は確か”福音計画”の時の……」
「はわわわわわっ!?ど、どうしてエレボニアに……!?」
「報告にあったリベールの異変時に現れた”空の女神”の”眷属”である”古代竜”――――”レグナート”です!」
竜を見て何かに気付いたクロチルダは目を丸くし、ティータは慌て、クレア大尉は驚きの表情で声を上げた。
「何ですって!?」
「という事はその竜が話にあったリベールの”古代竜”か……」
クレア大尉の話を聞いたサラ教官は信じられない表情をし、トヴァルは目を丸くして竜を見つめていた。
「フッ、まさかまた邂逅する時が来るとはな。」
「そう言えばレーヴェも”リベールの異変”の時にレグナートと会っていたわよね……」
「確かその竜を操っていたんだっけ?」
「エ、エヴリーヌさん!」
静かな笑みを浮かべているレーヴェをプリネは苦笑しながら見つめ、エヴリーヌの言葉を聞いたツーヤは慌てた。
(フフッ……そんな事もあったな……)
「!また声が……!」
「もしかして貴方の念話なのでしょうか?」
竜の念話を受け取ったエリスは驚き、エリゼは目を丸くして尋ねた。
(うむ。我が名は”レグナート”。”輝く環”の行方を見守りし女神の”眷属”だ。私は、おぬしらのような発声器官を持っていない。故に『念話』という形で語らせてもらっている。おぬしらはそのまま声に出して語りかけるがいい。)
「ハ、ハア……」
「”神狼”の方は普通にしゃべっていたのに、何で竜の方はしゃべらないのかしら……?」
竜―――レグナートの念話を聞いたリィンは戸惑い、サラ教官は不思議そうな表情をし
「フフッ、まさか私達が”空の女神”の”眷属”と邂逅する時が来るとはね。」
「ア、アハハ……”空の女神”であるエイドスさんと邂逅しているから、今更よ、姉さん……」
「というかアンタ、よくそんな呑気にしていられるわね?確か”リベールの異変”の時”結社”が”古代竜”を操っていたんでしょう?」
クロチルダとエマはそれぞれ苦笑し、セリーヌは呆れた表情でクロチルダを見つめた。
「私は”福音計画”に関わっていないわよ。あの計画は”教授”主体のもので、確か”古代竜”を操ったのはレオンでしょう?」
「え、えっと…………」
クロチルダの答えを聞いたエリオットは冷や汗をかいて仲間達と共にレーヴェを見つめた。
(ふむ……誤解を解いておくが。漆黒の機(はたらき)を私に付けて操ったのは、その銀の剣士ではない。『教授』と呼ばれていた得体の知れぬ力を持つ男であり、その銀の剣士は私が暴走してからは、被害が大きくなりすぎぬよう様々な手を尽くしたのだ。彼が暴走を押さえなければ私は街や村を破壊し尽くすまで止まらなかったに違いない。)
「まあ……そうだったのですか。」
「…………………」
レグナートの答えを聞いたシャロンは目を丸くして黙っているレーヴェを見つめ、リィン達はそれぞれ安堵の表情をしていた。
「フム……それで君は何故この場に現れたのだい?確か君はエステル君達を救った後自分の”使命”は終わったと言ってどこかへと飛び去ったが……」
その時オリヴァルト皇子が不思議そうな表情でレグナートに尋ねた。
(……私もそのつもりだったのだがな。女神自身に呼ばれて女神の翼となり、この場に現れたのだ。)
「へっ……」
「め、”女神”という事は……!」
「もしかして女神様もこの場にいらっしゃっているのですか!?」
レグナートの話を聞いたマキアスは呆け、エリオットは信じられない表情をし、アルフィンが驚きの表情で声を上げたその時
「はい♪―――よっと。事情を聞いた時”在庫処分”ができる絶好の機会だと思い、こうして昔の仲間にちょっとだけ”お願い”して飛んで来ました♪」
(全く……そんな事の為だけに私を呼びつけるとは。”星杯”の騎士達に命令して彼らが持つ”天の車”を使えばいいものを。何故わざわざ私を呼びつけるのだ……)
「あら……貴方がまだ雛だった頃から育てて来た貴方の”親”である私の”ささやかなお願い”に文句を言うなんて……貴方の幼い頃の話とか貴方にとって知られたら”色々と不味い話”をこの場にいる皆さんに教えて欲しいのかしら?」
(なっ!?―――私が悪かった!頼むからそれだけはやめてくれ!)
レグナートの背に乗っていたエイドスが跳躍してリィン達の前に着地して説明し、更に文句を言うレグナートに膨大な威圧を纏って微笑みながらレグナートを焦らせ、その様子を見守っていたリィン達は大量の冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。
「フッ、さすがに”空の女神”が相手では”古代竜”も形無しだな。」
「御愁傷様です、レグナートさん……」
「というか”空の女神”が”古代竜”を育てたなんて、七耀教会にとっては驚愕の事実だと思うのだけど……」
レーヴェは静かな笑みを浮かべ、ツーヤはレグナートに同情し、プリネは疲れた表情をし
「アハハ、そう言えばエイドスっていっぱい凄い武具や装飾品を持っていたよね〜。」
「それを材料にするって事だね。……”在庫処分”って所が微妙に嫌だけど。」
無邪気な笑顔を浮かべるミリアムに続くようにフィーはジト目で呟いた。
「え、えっと……あの人が女神様なんだよね?何だか想像していた女神様と違うような気がするんだけど……」
「……ええ、非常に残念ながらあれでも”空の女神”ですよ。というかエイドスさん、もしかしてケビンさん達に黙ってこっちに来たのですか?」
冷や汗をかいているティータに尋ねられたティオは疲れた表情で答えた後ジト目でエイドスに尋ね
「あ、大丈夫ですよ。ちゃんと少し出かけてくると言いましたから。」
(正確に言えば女神の両親たちに七耀教会の騎士達への伝言を伝え、両親達の制止の言葉も無視してこちらに来たのだがな。)
エイドスの答えの後に呆れた様子で答えたレグナートの話を聞いたその場にいる多くの者達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。
「それって黙って抜け出したんじゃ………」
「……どこかの誰かさんと一緒ね。」
「ぬぐっ………!何故そこで余を見るのじゃ!?」
「クスクス……一応自覚はなさっているのですね。」
「恐れながら意見をさせて頂きますが、見聞を広める事は結構ですがそろそろ殿下も少しはお立場を考えて行動して頂きたい所存です。」
「フフッ、相変わらずお茶目な女神だね♪」
「ア、アン………”お茶目”で済まされないと思うんだけど……」
冷や汗をかいたトワが呟いた後にジト目で見つめて来るエリゼにリフィアは焦り、その様子をシグルーンは微笑ましそうに見つめ、ゼルギウスは疲れた表情でリフィアを見つめ、口元に笑みを浮かべるアンゼリカの言葉を聞いたジョルジュは冷や汗をかいて指摘した。
「そ、そんな事よりも材料代わりになる武具や装飾品が必要なのですよね?今、出しますからちょっと待っててください。」
「露骨に逃げたな。」
「”エレボニア存亡会議”の時はまともに見えたが、どうやらこっちが”本性”みたいだな……ハア……こんなのが”空の女神”だなんて、世も末だな。」
「今頃七耀教会では大騒ぎになっているのでしょうね……」
「あの時エイドスと一緒にいた神父の人達も青ざめているかもしれないわね……」
「そりゃ女神が勝手に抜け出したんだから、騒がない方がおかしいだろ……まあ、アインやあのワジって”守護騎士”辺りは今の状況を面白がっているだろうがな。」
露骨に話を逸らしたエイドスにユーシスは呆れ、クロウは疲れた表情で呟き、苦笑しているセレーネとゲルドの言葉にトヴァルは疲れた表情で頷いた。
「フフッ……材料で思い出したが”空の女神”であるエイドスさんならゼムリアストーンをたくさん持っている可能性がある話を以前していたな。」
「そ、そう言えばそんな事もあったな。」
「”外の理”で創られた魔剣を持っているエイドスさんなら、ゼムリアストーンの大結晶も間違いなく持っているでしょうね……」
苦笑するガイウスの言葉を聞いたマキアスとエマは冷や汗をかいて呟いてエイドスを見つめ
「”ゼムリアストーン”……?あの、どうして私が”あんな石ころ”を大量に持っていると思ったのですか?」
異空間から様々な武具を取りだそうとしたエイドスは首を傾げてリィン達を見つめて尋ね、エイドスの発言を聞いたリィン達は大量の冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。
「ゼ、”ゼムリアストーン”が”石ころ”扱い……ですか………?」
「その”石ころ”を集める為にボク達、滅茶苦茶苦労したんだよ〜!?」
「いい加減貴様はもう少し遠回しな言い方はできんのか!?」
「ア、アンタね……!そりゃアンタやアンタの時代からしたら”ゼムリアストーン”ですらもありふれた鉱石で”石ころ”扱いかもしれないけど、今の時代ではとてつもない貴重品なのよ!?」
「ま、まあまあ……皆さんのお気持ちはわかりますが、今は落ち着いて下さい。」
我に返ったエリスは表情を引き攣らせ、ミリアムとユーシス、セリーヌはそれぞれ疲れた表情で指摘し、その様子を見たクレア大尉は苦笑しながら諌めた。
「はあ……そう言われても確かゼムリアストーンって七耀脈が結晶化したものでしょう?こうやって少し集中すれば…………―――はい、ゼムリアストーンのできあがりです♪ね?こんな簡単にできるんですから”石ころ”でしょう?」
一方エイドスは戸惑いの表情で答えた後片手を前に出してその場で集中し、僅か数秒でゼムリアストーンの大結晶を具現化させ、リィン達に微笑んだ。
「……………………」
「ゼ、ゼムリアストーンの大結晶をこの場で……しかも僅か数秒で具現化させるなんて……!」
「幾ら”空の女神”とはいえドチート過ぎだろ、オイ……」
「まあ、”ゼムリア大陸自身”に愛されていると言っても過言ではない”空の女神”だからこそできる”奇蹟”ね。」
「そうね。七耀脈に愛され、直接祝福を受ける事ができるあの女だからこそできる芸当よ……」
ゼムリアストーンの大結晶を見たリィンは口をパクパクさせ、エマは信じられない表情をし、クロウは疲れた表情をし、苦笑しているクロチルダの言葉にセリーヌは疲れた表情で頷いた。
(やれやれ、そのような非常識な真似ができるのはお前だけだと何度言えばわかるのだ?)
(七耀石の結晶を創りだす貴方も十分非常識だと思うのですが……)
「フフ、エイドスの”眷属”も非常識だと思っているようね。」
「あのゼムリア一フリーダムと言ってもおかしくないハチャメチャ女神の仲間だった人物達はさぞ苦労したでしょうね……」
「―――まさに”女神の奇蹟”と言った所か。」
「フフ、言われてみればそうね。」
呆れた様子でいるレグナートの念話を聞いたツーヤは心の中で指摘し、ゲルドは苦笑し、サラ教官は疲れた表情をし、ゼルギウスの言葉にシグルーンは頷き
「ハハ、さすがは”空の女神”だなぁ。俺もゼムリアストーンのレシピは開発したけど、鉱石としての純度は完全に向こうが上だよ。」
「あの。ゼムリアストーンのレシピを開発するウィルさんもエステルさんの職人版といってもおかしくない”人外”かつチートな存在なのですが。」
「ア、アハハ……」
「た、確かにウィル様はゼムリアストーンを始めとした現代では貴重な鉱石のレシピを開発したのですから、ウィル様の技術力は神がかっていると言ってもおかしくありませんね……」
「というか”神格者”になった時点で、”人間”を止めていますけどね……」
結晶を見つめて呟いたウィルにティオはジト目で指摘し、ティオの言葉に反論できないティータとシュリ、プリネはそれぞれ苦笑していた。一方ウィルのとんでもない発言を聞いたリィン達は再び大量の冷や汗をかいて表情を引き攣らせた!
エイドス、絶好の在庫処分の為にわざわざレグナートを呼びつけて自分の移動手段として使っていますwwそしてエイドスのゼムリアストーンの”石ころ”発言&ゼムリアストーンを数秒で創った上、ウィルのゼムリアストーンのレシピを既に開発しているという発言を読んで吹いたかと思いますwさすがは某金ぴかのように異空間にチート装備を溜め込んでいるエイドスとチート職人のウィルとしか言いようがないですねww
説明 | ||
第637話 | ||
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コメント | ||
本郷 刃様 ユイドラ工匠に敵う技術者はこの世にはいないぃぃww! K'様 某金ぴか王と違う方向でこの世の贅沢を味わいつくしたから仕方ありませんw M.N.F. 様 まあ存在自体がチートですからねw(sorano) 神に向かって『チート』とはこれいかに?(M.N.F.) 他人が貴重だと思っているものをぞんざいに扱うこの姿、大正の成金かあんたはw(K') ユイドラ工匠の工匠力は、世界一ぃぃぃっww!(本郷 刃) |
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