真・恋姫無双 覇王伝 第七話 |
〜一刀視点〜
左慈の襲撃と云う予想外の出来事で俺達の護衛部隊は半壊した
練度の低さは致命的だよな・・・
護衛して貰っている立場ながら、そう思わずにいられない
この兵達では美羽や七乃を守り切る事は出来ない
兵達も無駄に死ぬ事になる
何か方策を考えないと
先の事はさて置き、俺達の護衛は孫策が孫家の部隊の一部を率いて引き継いでくれた
帰還の途中で、日が落ち野営する事になった
その準備を兵達がしている最中
「ちょっと、話しが有るんだけど」
と孫策に声を掛けられた
野営の準備中の為、陣幕もまだ用意されていないので、焚火の前に向かい合わせで座る
「え〜と、貴方達
その配置は何なの?」
孫策の最初の言葉はこれだった
無理もない
俺の右に鞘姉が、左に静里が座っている 巴は
「出遅れた〜!」
と喚いた後、それなら と俺におぶさるような状態になっている
「答えようが無い」
俺の返答に孫策は複雑な表情をしている
それにしても、巴がおぶさるような状態なのに何も背中に柔らかな感触は無いんだよな
以前、建業で静里をおぶった時は有ったのに
正面に座っている孫策の胸が目に入り
(巴も孫策のせめて半分でもあれば良いのに・・)
なにが良いのかはさて置き、そんな事を考えていたら
「一兄〜、何を考えてるの!」
「巴、絞まってる、絞まってる!」
「絞めてんの!失礼な事を考えてるスケベ兄貴の首をね〜!」
心を読むな〜
「孫策、話を始めて」
鞘姉も放置しないでくれ〜
「失礼な事を考えていたなら、罰は必要ですね」
静里も助けてくれないのか〜
〜鞘華視点〜
「貴方達、直接建業に向かうの?」
「いえ、一旦村に戻って皆に説明してからね」
孫策の問いに私が答える
一君は巴ちゃんに首を絞められ答えられないからね
巴ちゃんには甘いのよね
「それは、良いけど許貢の奴はどうするつもり?
あいつちょっと前、黄巾党に負けたけど逃げ切ったわよ
すんなり太守の座を渡すかしら?」
孫策の懸念は尤もだ だが
「こっちに印綬も、命令書もあるからね
ごねても許貢には”穏便に”引き取ってもらうわ」
この私の真意に気づいたのか、孫策は
「成る程ね、極楽・お気楽じゃないって訳ね」
〜一刀視点〜
鞘姉と孫策の話が一区切りついた所で、巴の首絞めから逃れられた
あ〜、空気がおいしい
「所で一刀に提案なんだけど、直ぐに私や孫権を娶る気は無い?」
孫策がとんでもない事を言ってきた
だが、表情は笑っている
「私達は仮とは云え本拠地を手に入れられる
それも呉の地を
旧臣達の説得が面倒だけどそれだけだしね
一刀にしても私や孫権を抱けるんだから、悪くない取引じゃ無い?」
「断るよ」
「ふ〜ん、まあ良いわ
それなら、倒して従えさせる
意見を通すなら、力を示す
それが孫家の流儀だからね」
厄介な人に見込まれたようだ
村に着く直前に孫策達と別れた
村で村長をはじめ、皆に今回の事を説明すると皆、快く送り出してくれた
凪達三羽烏と、元義勇軍の人達も同行することになった
村の防備が弱くなるが、警戒を厳重にすることで対処する事にした
翌日、建業にやって来た俺達はそのまま城に向かう
城の入り口の所で、巨尻さん・・もとい孫権さんと鉢合わせした
「お前は!」
「や、久しぶり」
軽い挨拶をした後、
「寿春に行って、孫堅さんと孫策さんに会ったよ」
「母様と姉様に?!
二人共元気にしてた?」
孫権さんが話に飛びついてくる
「今日は用が有って来たから、歩きながら話そう」
そう言って、話しながら城内を進んで謁見の間の目の前まで来た
「って、貴男達 なんで当たり前のように城に入って来てるの?!」
ここで気付くか よっぽど家族の事が気に掛かってたんだろうな
孫権さんは無視して、謁見の間に入る
「何だ お前等は?!」
狼狽えてる許貢に対して
「朝廷、並びに揚州州牧袁術より、この呉郡の太守を命じられた北郷一刀だ
貴男には速やかに退城して貰おう」
抑揚の無い声で宣言すると
「ふざけるな!
孫権、甘寧、こいつ等を叩き出せ!」
「此方には正式な印綬も命令書も有る
従わないなら、謀反と見なす!」
強い口調で宣言する俺に孫権達は動けない
「ええ〜い
黙れ、黙れ、黙れ〜
呉郡の太守はこの許貢だ〜!」
そう言って、斬りかかって来た
だが、俺は指一本動かす必要が無かった
「一刀様、ご無事ですか?」
凪が素早く、許貢を突きで吹っ飛ばしていた
許貢の顔は完全につぶれて、判別不能になっていた
ちなみに凪は手甲「白虎」を付けている
俺も鞘姉もあまり使わないし、凪の手甲が壊れていたので譲り渡した
凪は遠慮していたが、
「俺の最初の弟子なんだから」
と言って押し切った
その後、すごく喜んでいた凪は素直に可愛かった
俺達は建業の、いや呉郡の改革に取り掛かった
まず、許貢の息のかかった高官を解任した
その空いた役職に党錮の禁で洛陽を追放されていた清流派の人達を迎え入れた
これは寿春でも行っている
俺達と云う味方が外に出来たので、七乃が動き出したのだ
寿春の軍の練度を上げる方策も俺達と行うべく、話の詰めを急いでいる
財源を賄う方策は巴が発案した「塩の増産」を行う事にした
具体的には塩田を造る
真桜にその実行を頼む
そして、値崩れしない様に魯粛さんに取引を専任する
「骨を折った甲斐が有ったようですね
これから、期待してます」
軍は三羽烏に調練を頼んだ
兼任の真桜は
「一刀はんの鬼〜!」
と騒いでいたが凪が
「一刀様の期待を裏切るな!」
と睨みを効かせていたので大丈夫だろう
呉郡の改革を進めているある日、
「北郷様、諸葛謹と申す者が謁見を願い出ております」
諸葛亮の兄、いや姉かもしれないが・・会ってみる価値はあるな
そしてやって来たのは小柄な女性だった
「早速のお目通り感謝いたします
私は・・・」
諸葛謹が挨拶を述べている最中
「一刀さん、御相談したい事が・・・って氷雨?」
「静里?貴女 北郷様に仕えていたの?」
二人に話を聞くと、水鏡女学院の同窓だと云う事だった
「で、氷雨 朱里や雛里はどうしてるの?」
静里の質問に
「あの娘達も私と一緒に学院を出たわよ
でも、此処に来る前に会った劉備さんに仕える事になったわ」
もしかすると、その朱里、雛里が諸葛亮と鳳統なのか
「氷雨はその劉備さんに仕えなかったの?」
「う〜ん、言ってる事は立派なんだけど、甘さが過ぎるって感じがしてね〜」
此処まで言って、彼女の顔色が変わる
「それに、側近まで巨乳の陣営になんて・・・」
何やら黒い気配を出しながら、呟いている
正直、怖いぞ
「一刀さん、気にしないで下さい
彼女は巨乳に対して、呪いとも言える様な憎しみを持っているんです
で、劉備さんとその側近に巨乳が居たのが仕官しなかった理由の一つだと、そういう事です」
それでいいのだろうか?
「静里には分かんないわよ!
同期では一番小さくて、私より小さいと確実に言えるのは朱里と雛里だけ
妹とその親友の胸を見なければ自尊心を保てない、そんな私の気持ちなんて
巨乳なんて滅びればいいのよ〜〜〜!」
諸葛謹の魂の叫び(?)の最中に
「一兄、塩田の報告に来たよ〜」
巴が入って来た
巴を見るなり、諸葛謹は
「貴女は、同士よ!
私の真名は氷雨 よろしくね」
こうして、陣営に氷雨が加わった
そして、美羽から黄巾党討伐の依頼と云う名の指令が届けられた
〜あとがき〜
今回でやっと、一刀が名実共に呉郡の太守になりました
氷雨は桃香の巨乳だけが気に入らなくて、仕えなかった訳ではありません
甘すぎる理想に賛同できなかった、が第一にあり、(愛紗も含めた)巨乳がダメ押しになった
そういう訳です
更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです
説明 | ||
呉郡へ向かう一刀達 | ||
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コメント | ||
許貢だけに、強行手段になりそうでしたね。(弥生流) nao様>無いですよ〜。あったら静里が入塾出来ません。(ZSAN) mokiti1976-2010様>それについては今後という事で。(ZSAN) 流星ハリマエ様>事実そうですから。(ZSAN) 睦月様>氷雨にとってはダメ押しに充分だったのでしょう。(ZSAN) アストラナガンXD様>本人が劣等感持っちゃってますから。(ZSAN) Jack Tiam様>静里も水鏡女学院出身ですが凪や鞘華と同じ位ですので呪いは有りません。雪蓮については毎度の事です。(ZSAN) 水鏡塾は入塾規定に貧乳である事ってのがあるの?w(nao) とりあえずは無事に太守になられたようですが…許貢一派がこれで終わるのだろうか?もしかして一刀への毒矢フラグ…?(mokiti1976-2010) 慰めというけれど傷の舐めあいにしか見えない(黄昏☆ハリマエ) 巨乳が、いる陣営だからって…おいおい(睦月) 大きいなら大きいなりの小さいなら小さいなりの良さが有って、そもそも授乳ができれば良いのだからサイズを気にする事も無いんじゃ・・・まぁ気にするのも解らなくもないけど。(男の場合、一定のサイズが無いと駄目なんだけどね。)(アストラナガンXD) 水鏡塾出身者は貧乳になる呪いでもかかってんのか?劉備と諸葛亮の本来の年齢差(親子ほど)を考えれば仕方のないことかもしれないが。それにしても、毎度雪蓮は滅茶苦茶だな。これが正史の反動だと思うとぞっとしますよね。男性の強権ではなく、女性の強権。男性の心情は考慮されないのが、恋姫世界のメジャーなんでしょうかね?(Jack Tlam) |
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