艦隊 真・恋姫無双 55話目(居酒屋 後編)
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【 鳳翔側の結果 の件 】

 

? 洛陽 居酒屋 鳳翔 店内 にて ?

 

次は、鳳翔の下に駆け寄る青葉!

 

青葉「───お待ちどうさまでしたぁ!! さて、鳳翔さんの彫られた彫刻は………! ど、どこですかね───ッ!?!?」

 

鳳翔「こ、これです!!」

 

………………………?

 

鳳翔が示す……彫り物を見物しに集まる仲間たち!

 

青葉「……………これ……ですか?」

 

頭に『???』が浮かぶ青葉。

 

天津風「……………酸素魚雷?」

 

垂直に思った事を答えた天津風。

 

鳳翔「ね、鼠(ネズミ)です!! 鼠なんでぇすぅううう!!」

 

あまりの言いように……涙目で答えを語る鳳翔。 

 

しかし……彫り主が正体を答えても……異論百出……!

 

ーーー

 

青葉「(鼠に見えます? てっきり……メザシの出来損ないかと……)」

 

武蔵「(そうか? 私は──駆逐艦イ級の出来損ないではと……)」

 

ーーー

 

秋蘭「華琳さま、天の国の鼠とは……このような異形な姿を……」

 

華琳「それにしては、仲間たちの反応が冷え切っているわね。 もしかすると……鳳翔独自の芸術かしら……」

 

ーーー

 

鳳翔「(??? )」

 

青葉「どう考えても……曹孟徳さまに軍配が上がりますよ。 そう、思うでしょう? 天津風さん! ………天津風さん?」

 

ーーー

 

床下に手を付いて泣く鳳翔。

 

司会として中立な立場上、勝利宣言を上げようとする青葉。

 

しかし、これに待ったを掛けたのは……意外にも天津風だった!

 

ーーー

 

天津風「クンクン……コレ面白い試みじゃない! 青葉、その判定ちょっとまて貰えない? これは、実際に試してみないと……ね、鳳翔さん?」

 

鳳翔「もういいです。 もう、私の負けを認めて……構いませんよ………」

 

華琳「ちょっと待ちなさい! 貴女だって、私に勝つために何か仕掛けたんでしょう? それなのに──勝手に敗北宣言されても困るのよ! どんな仕掛けか見せて貰わないと、私が納得出来ないわ!!」

 

鳳翔「………分かりました。 それでは、店外で実際に試さて貰います。 猫は鼠を狩りますので、これを置けば……猫が鼠と間違えて………」

 

ーーー

 

浮き沈みが激しい鳳翔。 

 

華琳に言われて……渋々店外で実際に試そうとする。 

 

店内は飲食する場所だから、動物の立ち入りは厳禁である。

 

でも、やっぱりと云うか………不定的な意見が………

 

ーーー

 

北上「どう考えたって……無理しょ?」

 

大井「北上さんに賛同しまぁ〜す!!」

 

ーーー

 

鳳翔「( ???)Ф」

 

吹雪「……やって見ないと分かりません! 準備しますから、鳳翔さん!!」

 

ーーー

 

話が進まないと見て、手助けする吹雪。

 

観客が、しらけそうになるため、何とか盛り上げようと頑張る青葉!

 

青葉「おぉおおとぉ──判定は場外に持ち込まれた! 果たして、猫がどのような反応を示すかぁ、非常に興味を持たれますッッッ!!」

 

吹雪「お店の裏のゴミ置き場に、猫がよく来るんですよ。 そこに行けば……猫はすぐにでも───」

 

吹雪は、引き戸を開き……案内をする。

 

その彫り物の『隠された秘密』を教えるために………

 

 

◆◇◆

 

【 突然の来訪者 の件 】

 

? 洛陽 居酒屋 鳳翔 店外 にて ?

 

『居酒屋 鳳翔』の裏に───三人の人影あり。

 

ーーー

 

明命「うふふっ、お猫さま! お猫さま〜! 今日も撫で撫でさせて下さいね〜! …………うわっ〜! 此処のお猫さまの毛並みは、フカフカしてまぁ〜す! きっと、ここの御飯が美味しいんでしょうね!!」

 

猫「ニャアァ〜ン?」

 

明命「一刀さまの仰る通り……ここの女将さんは、優しい人柄なんですね〜。 一刀さまに信用されて………少し羨ましいな………」

 

風「明命ちゃん〜知ってますぅ? 天の国には、猫の革を使って作成する楽器があるそうですよ〜。 もしかすると、毛並みが良いのは……ソレを作る為に……」

 

明命「そ、そんなぁ────ッ!?」

 

稟「何を言ってるんです! 一刀殿は、天の国に『存在』する事を述べただけ! 具体的な作成方法も、その楽器の演奏の仕方も分からないと、応えていましたよ! それでは、作っても邪魔になる無駄な行為ですッ!!」

 

風「風は、猫に関する天の知識を、軽く紹介しただけですよ〜? お兄さんと明命ちゃんの距離を離れさせる為にぃ、離間の策を画策したんじゃないデースー!」

 

明命「ちょっ、風さん!! 口調が可笑しいですよ! 変な事、言わないで───ハッ!」

 

稟、風「「 えっ──!? 」」

 

ーーー

 

明命が声を上げ、稟と風は思わず振り向く!

 

そこには────!

 

青葉「え〜と、どちらさまで……?」

 

勝負の判定をする為にやって来た、青葉たちが佇んで居た!

 

★☆☆

 

明命「えーと、えーと、私たちは………!」アワアワッ!

 

稟「じ、実は…………」

 

風「HI! 金剛さんの『お茶会仲間』ですよー! ヨロシクオネガイシマース! そろそろTea Timeの時間だから、お店に寄ろうかと……」

 

稟「風ぅ───ッ!?」

 

明命「えぇ────ッ?」

 

ーーー

 

風の突然の言い訳に、驚く残り二人! 

 

実際に来た理由は、『洛陽内で、毛並みが綺麗なお猫さまが沢山いる』と云う噂を聞いて、三人が訪れたのが……此処だった。

 

何となく、聞いた事がある名前だと思って居たが、美猫の多さに夢中になり、すっかり忘れていたのだ。

 

しかし、他に思い付く言い訳も無い。

 

やむを得ず、風の話に乗る事になった。

 

ーーー

 

青葉「あぁ! その喋り方、流暢に英語を使用されるんですから、金剛さんのお友達で間違いなさそうですね!!」

 

鳳翔「……そうですか。 申し訳ないですね、せっかくお越しく下さったのに店内が既に満員で……。 私、居酒屋の女将、鳳翔と申します。 どうぞ、ご贔屓に………」

 

稟「こ、これは──御丁寧に。 孫策に客将と仕えます郭嘉、字を奉孝と申します。 連れに成り代わり、厚く御礼申し上げさせて頂く所存。 此方も不審な真似をしてしまい……申し訳ありありません!」

 

───スッ!

 

華琳「どうしたの? 猫は居た……あらっ……貴女たちは?」

 

稟「(か、華琳さまッ!?)───あ、あぁ、鼻血がぁ………」

 

突然に現れた───前の世界の主君! 

 

やはりと云うか当然と云うか、鼻血を流す稟……! 

 

それを見て、手早く吹雪に介抱するように指示を出す鳳翔!

 

鳳翔「まぁ、大変ッ! 吹雪ちゃん、この方を奥座敷に急いでお連れして!」

 

吹雪「はいっ! どうぞ……此方へ!!」

 

稟「す、すいません!」

 

風「じゃあ……稟ちゃんの付き添いで入りますね〜!」

 

吹雪に連れられ……稟と風は……店内に入店した。 

 

どこまで───風の策謀だったか───分からないが。

 

ーーー

 

青葉「とんだハプニングが入りましたね! あ、あれ……貴女は?」

 

そこには、鳳翔を睨む明命の姿!

 

明命「今居た者たちより……聞きました! あ、貴女は──こ、こんな可愛いお猫さまたちを、天の国の楽器にする為に養っているのですかぁ!? もし、そうならば───お猫さまに成り代わり成敗致しますッ!!!」キラッ!

 

鳳翔「えぇえええ───ッ!? も、もしかして、三味線の事……誤解、誤解です!!」

 

明命が背中に持つ『魂切り』を鞘から、少し抜き威嚇する!

 

鳳翔は驚きの声を上げるのだった!!

 

ーーー

ーーー

ーー★

 

明命「─────申し訳ありませんでしたぁあああッッッ!!」

 

鳳翔「いえいえ。 御理解していただければ……何よりですよ」

 

土下座して謝る明命。 

 

一刀が前の世で蓮華に行っていた『天の国式最上最高の謝罪姿勢』で謝る!

 

鳳翔は、それを笑いながら受け流し、明命を立ち上がらせて、埃を叩いて許した。 被害は誰にも及ばず、争いも無しで済んだから。

 

ーーー

 

華琳「………鳳翔……貴女……何を行ったの?」

 

鳳翔「……ただ、簡単に理由を説明しただけですよ? 道理を通せば、分かってくれると思いましたから。 それよりも、この彫刻を早く置かないとッ!」

 

華琳が鳳翔に説明を促す……どうしても納得出来ないことがあった故だ。

 

しかし、鳳翔は笑いながら説明して、彫り物を置きに動いた。

 

『別に対した事はしていない』……と言わんばかりに………

 

ーーー

 

華琳「………秋蘭、先ほどの者と対峙する鳳翔の仕草………見えた?」

 

秋蘭「私には……普通に説得しているようにしか……」

 

華琳「………私には、鳳翔から一筋の光が現れて、あの者の胸を射抜いたをみたわ。 そうしたら、険悪の態度が取れて……素直に話を聞いていた。 あれは……何なのかしら? 鳳翔も秋蘭と同じ、弓を得物にするから……」

 

秋蘭は、話を聞いて驚く。

 

自分の主が、そんな非常識な事を言い出すとはと……。 しかし、思い当たる話があった故、華琳に話を始める。

 

ーーー

 

秋蘭「華琳さま……これは推測にしか……過ぎませんが……」

 

華琳「いいわ、説明なさい!」

 

秋蘭「…………もしかすると『不射之射(ふしゃのしゃ)』を行ったのかもしれません。 あくまで推測ですし、信じがたい事ですが。 素手で何の素振りも無いのに、華琳さまの仰るような事は……これしか考えられません!」

 

華琳「《弓の名人は、弓矢を持ち、百発百中を誇る『射之射』を行う。 しかし、真の名人は、弓と云う道具や名前さえ忘れ、素手の状態で射抜くと念じれば、必ず当てる『不射之射』を体現す》……鳳翔は、これを実践したと!?」

 

秋蘭「はい、それしか思い付きません!」 

 

華琳「荘子の云う『不射之射』……まさか、この目で見る事になるなんて……ね」

 

秋蘭「それしか、説明のしようがありません。 あの娘の殺気は本物、しかもかなりの遣い手! それが……借りて来た猫のように、大人しくなるのですから……何かの小細工とは、ワケが違います!」

 

華琳「……………」

 

秋蘭「それにしても……あの若さで、その域に達するとは! 弓に関して、どの国の将に遅れを取らぬと自負する私ですが……! 申し訳ありません! 残念ながら、鳳翔だけ……私には、足元にも及びないかとッ!!」

 

華琳「…………まだ、真の実力を隠しているなんて! もし、敵に回られた時は、鳳翔が一番………大きな壁になるわね!!」

 

猫を探す鳳翔を見て、更なる警戒心を強める二人であった。

 

 

◆◇◆

 

【 猫騒動 の件 】

 

? 居酒屋 鳳翔 店外 空き地 にて ?

 

舞台は、店内から店外に移動。

 

『居酒屋 鳳翔』は、新しい店ゆえ中心街から、かなり離れている。 都城より距離があるため不便ではあるが、逆に土地は広く取る事が出来た。

 

それに、予備の土地も確保してあり、今は空き地同然。 

 

いつかは、個人的に有機栽培をしたいと考えている鳳翔だったが、店が忙しくて、畑仕事ができない。 計画だけはしてある。

 

そこに、観客と華琳たちが集まっている。

 

店は、北上と大井……補給が済んだ菊月、如月が見てくれている。

 

他にも、流琉が調理を担当していたが……

 

ーーー

 

風「おぉー! 久しぶりでーすね!」

 

稟「な、懐かしい……です……」

 

流琉「えっ? あ、あれ? 風さん? 稟さんも───!?」

 

稟「ぶふぅ────!!」

 

流琉「キャアァアアア─────!」

 

風「はぁい───稟ちゃん、トントンしますよー?」

 

ーーー

 

如月「きゃあ! 私の髪に血がぁあああッ!」

 

大井「北上さん! 早く雑巾を持ってきてぇ!!」

 

北上「………やれやれ、仕事を増やしてくれるよぉ……」

 

菊月「うぅっ……なんなのさ、一体……!!」

 

ーーー

 

流琉が、稟と風の再会を果たす!

 

しかし……稟から急に鼻血が吹き出し、店側では対応に追われるハプニングが発生! せっかく静かになった店が、また騒がしくなった!

 

感涙ではなく、感鼻血?を稟が流し始めたのが、原因である。

 

★☆☆

 

明命「え〜と、事情は分かりましたけど……それが鼠なんですか。 鼠と云うより……」

 

吹雪「駄目ですよ! それ以上、突っ込んじゃだめなんですッ! 鳳翔さんのライフが、もうぅ空なんですからッッッ!!」

 

鳳翔「ρ(σ_σ、)」

 

明命「───じゃ、私がお猫さまを何匹か……お連れしますね! さっきの騒ぎで、逃げてしまったので……。 ではっ!」

 

鳳翔「周幼平さん……お願いします! お手数を掛けますが………」

 

明命「真名は……明命と言います。 先程、恥ずかしい事をしてしまいましたので。 どうか、お詫びと止めて頂きましたお礼と云う事で、お預かり下さい。 一刀さまには、どうか内緒に………」

 

鳳翔「分かりました。 私の事も鳳翔と……お呼び下さい!」

 

明命「──はい!」ニコリ!

 

ーーー

 

『雨降って地固まる』の格言の通り、明命と鳳翔は仲良くなり、明命が事情を聞き猫を連れに立ち去り、鳳翔たちは準備を行う。

 

ーーー

 

華琳「鳳翔……例の彫り物は……?」

 

鳳翔「…………既に置いてあります………」

 

青葉「さてぇえええっ───猫たちの反応はどうなるか……非常に気になるところですぅ!!」

 

天津風「…………かなり……面白い結果になるわね」

 

青葉「えっ!? それは………?」

 

ーーー

 

鳳翔が示す場所に、皿に乗っている鼠?の彫り物。

 

華琳と鳳翔、司会役の青葉、解説役の天津風、後ろにはーーー大勢の観客。

 

気のせいか、若干増えた気もする。

 

ーーー

 

麗羽「おーっほっほっほっ! 華琳さんが、無様に負ける様が見れると聞きまして、応援に伺いましたわよ!?」

 

猪々子「やっぱ──勝負は、負け戦からの逆転劇が面白いだよ! だからぁ斗詩〜金貸してくれよぉー! 何倍にしても返すからさぁ〜!!」

 

斗詩「そう言って……何回貸したと思っているの? 文ちゃん、全然返してくれないんだから!!」

 

ーーー

 

星「主より、紹介された『居酒屋』とやらに行けば、何やら面白い事が起こっているではないか。 これは、是非に見物しないと、酒とメンマに悪いな!」

 

ーーー

 

…………そんな人たちも集まり、待つ事四半刻(約30分)………

 

明命「─────! ────!」

 

──────!

 

鳳翔「あぁ……明命さんが………!?」

 

華琳「な、何なの!? あの砂煙!?」

 

………

…………

………………

────ドドドッッッ!!

 

明命「待って下さぁいいい! お猫さま方ぁあああッ!!」

 

お店は、十字路の一角にあり、空き地は周辺に点在している。

 

その店の横にある空き地に、左右から十数匹の猫の集団が、例の鼠?に襲いかかった!!

 

(=?ω?=)? ──フゴッ!  (*?×?*)カー!

 

 ニャ───! ( =@ω@=)

 

 

『───────!?』

 

予想外の騒ぎに、大騒ぎ!

 

ーーー

 

青葉「な、何なんですかぁ! まさか、アレに───そんな魅力があったんですか!? ど、どう見たって鼠じゃ───!?」

 

天津風「あ、あれは──やだやだぁ! 吹き流しは違うの! アンタたちの遊び道具じゃないんだからぁ!!」

 

ーーー

 

華琳「こ、これは──どういう───きゃあ!!」

 

秋蘭「わ、分かりません! お、大人しく捕まれぇ! 『にゃー!』 むっ! 姉者の酔った動きと同じ! こいつ……出来るッ!!!」

 

ーーー

 

星「ほほぅ、洛陽は真面目な人間ばかりで、つまらぬと思っていたが……なかなかどうしてぇ! こんな騒ぎを起こすのも、これまた一興!!」

 

ーーー

 

麗羽「こ、こらぁ! わたくしの髪は、アナタたちの遊び道具では! お止めなさい! お止めなさいっ!!! 猪々子さん、斗詩さん! 早く、この不届き者を捕らえなさい!!!」

 

猪々子「えぇ〜、可愛いじゃないですか! おっ、コイツ……なかなか丸くなってて……美味しそう! ────わぁ、冗談だよ! 冗談ッ!!」

 

斗詩「えぇ───い! あ、あれぇ? あっ! 反対方向の髪に! 麗羽さま……そのままでぇ! う、動いちゃ駄目ですよぉ!!!」

 

ーーー

 

吹雪「わぁあああ───ッ! 猫がこんなに! 凄いじゃないですか! 鳳翔さん!!」

 

鳳翔「…………まさか、こんなになるとは………思いませんでした」

 

吹雪「───!?」

 

ーーー

 

客「 ( ▼Д・) このままでは──拙い! ……むっ! 確かアソコに『キウイフルーツ』が植生していた筈! アレを使えば───!!」

 

《キウイフルーツは、マタタビ科。 新芽で猫が酔う事があるそうで………》

 

ーーー

 

かなりの間───騒動が続いた。

 

後に────『洛陽の猫騒動』と騒がれたそうだ。

 

 

 

◆◇◆

 

【 結果発表 の件 】

 

? 洛陽 居酒屋 鳳翔 店内 にて ?

 

 

ーーーーー

ーーーー

ーーーーー

 

猫騒動が終わり……鳳翔さんより説明。

 

あの鼠の彫り物の材質は───『鰹節』

 

それに、滋養に効く『木天蓼酒(マタタビ酒)』を完成後に、振りかけたそうだ。 

 

ーーー

 

明命「これは、私の考えですが………」

 

多分、鰹節とマタタビ酒の相性が良く、香りが広範囲に拡散して、野良猫たちが集まってきた結果ではないかと……明命の弁。

 

ーーー

 

明命「そ、それにしても───! あ、あの伝説の……お猫さまが一直線で食らいつくと伝わる……『ねこまんま』の元が……今、ここに───!!」

 

明命は、非常に興奮状態。

 

何故かと言えば、やはり……一刀より聞いた話に寄る。

 

★ーー★ーー★ーー★

 

───『天の国』には、お猫さまが大好きな『ねこまんま』がある。

 

作り方は、非常に簡単で、お猫さまも人も食べれる……財布に優しい調理。 

 

………栄養の偏りが怖いけど。

 

しかし、その元になる『鰹節』が──手に入らない。

 

材料の確保、作り方の工程、必要な知識───高校生で知っていたら、余程の勉強家か、興味がある子だけだろうな───と。

 

★ーー★ーー★ーー★

 

その、幻の品が……此処に確保してある。

 

日本料理には欠かせない物だから………。

 

明命「お、お願いします! お金は幾らでも! 鰹節と同じ重さの金でも良いですから───ッ!!」

 

何気に──胡椒と同じ扱いになってしまう鰹節。

 

鳳翔は、今回お礼にと───鰹節を一個、贈ったそうだ。

 

ーーー

 

鳳翔『まさか、あんな大騒ぎになるとは………』と反省の弁。

 

またもや一刀よりの知識。

 

彫り物対決で、ある知恵者が使った頓知だという。

 

ただ……見た目が………え〜と、あれだから……少し小細工をと、お店で漬けてある『木天蓼酒』を少し振り掛けたそうだ。

 

青葉「それではぁ──採決を取りますぅううう!!」

 

結果は───曹孟徳の勝利。

 

華琳の作品が完成度が高かった事。

 

今回の猫騒動で、観客が疲れ切った事もあり……このような結果になった。

 

ーーー

 

華琳「だけど───僅差じゃない! 納得いかない! 納得いかないわ!」

 

ーーー

 

鳳翔「勝負は勝負です。 ですが……彫り物自体では………完璧に敗北です………」

 

吹雪「あぁ〜鳳翔さん! 落ち込んじゃ駄目ですよ!?」

 

那珂「はいはぁい〜! 那珂ちゃんを見て元気だしてぇ!」

 

ーーー

 

華琳「次よ! 次!! 次こそ───勝負を決めるわ!!」

 

ーーー

 

こうして、勝負は……夜へと持ち越されて行った…………

 

ーーーー

 

? 洛陽 居酒屋 鳳翔 店内 地下 にて ?

 

霧島「いい加減に出してぇえええ───ッ!!」ドンドンドン!

 

 

 

ーーーーーー

ーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んで頂き……本当にありがとうございます!

 

まさか、こんなに長くなると思わなくて……

 

次回で、この話は終了します。

 

 

下の話は、那珂ちゃんが『居酒屋 鳳翔』に戻るところから始まる『もしもの話』……注意)那珂ちゃん解体された方には、少しキツいかも………。

 

何気に……作ってしまいました。

 

 

◆◇◆

 

【 那珂ちゃんの想い の件 】

 

? 洛陽 居酒屋 鳳翔 店外 にて ?

 

しかし、居酒屋に近付いて那珂が───急変した!

 

ーーー

 

カンカン! キーコ、キーコ! カンカン!

 

那珂「──────ハッ!?」

 

コキコキッ……カーンカーン! カンカン!!

 

那珂「あ、あぁあああ……! やだぁ! やだぁあああ……この音! 耐えられない───ッ!」 

 

菊月「───お、おいっ!?」

 

如月「な、那珂ちゃん!?」

 

ーーー

 

那珂が店に近付くと──『音』が聞こえる! 

 

あの忌々しい『解体』の音色!

 

一つ聞くと……笑顔が消えた。

 

二つ聞くと……身体が小刻みに震え、口から不定の声が漏れる。

 

三つ聞くと……顔が青ざめ──叫び声を上げ、逃げ出したッ!!

 

ーーー

 

那珂「い、嫌ぁ───ッ! か、解体される! 要らない艦娘じゃないもん! 那珂ちゃんは……那珂ちゃんは────!!」ダッ!!

 

菊月「───ま、待てぇ! どこに行くんだ!?」

 

如月「那珂ちゃん! 待ってぇ───ッ!!」

 

逃げ出す那珂を追い掛けて、駆逐艦二隻は駆けて行く!!

 

ーーー

ーーー

 

吹雪「───お帰りなさ……い? あ、あれっ? 今、那珂さん達が帰ってきたと思ったのに……おかしいなぁ? 今の居酒屋の事情を説明しておかないと、慌てると思ったのに。 きっと、観客の声と間違えたんだね、うん!」

 

吹雪は、外を素早く確認すると……また中に戻る。 

 

吹雪「………おっかしいな……確かに那珂さんの声だったと思ったのに………」

 

給仕の仕事が、残っていたからだった。

 

ーーー

ーーー

 

? 洛陽 城門付近 にて ?

 

那珂「な、那珂ちゃんは負けないもん! 目指すはトップアイドル! 下積み仕事や苦労を耐えるのも、立派なアイドルになる条件ですッ! きゃは☆」

 

如月「でも……本当に大丈夫?」

 

那珂「………那珂ちゃんスマイルー!」ニッ!

 

如月「菊月……これで何度目かしら? 那珂ちゃんが……音に反応して逃げるのも……」

 

菊月「………私が知る限りでは……五回目だ。 幾らアイドルに『苦労』が必要だと言ってもな? 自分の身体の事だ……偶には労ってくれ(いたわってくれ)。 でなければ……取り返しの付かない事になるぞ?」

 

那珂「…………ありがと……」

 

★☆☆

 

いつの頃からか分からないが……那珂は夢を見る。

 

とある世界の──『那珂』たちが受けた想いを。

 

ーーーーー

 

那珂「う、うぅ〜ん! やだよぉ〜! やだぁよぉおおお〜!!」

 

ーー★

 

《マタ、デテキタヨ……『解体』シナキャ……》

 

ーーー★★

 

《○○ガ、デルジカンナノニ……マタ『那珂チャン』ダヨ……》

 

ーー★★★

 

《ーーーーザンネン》 

 

《ハズレダーーー》

 

ーー★★★★

 

別の世界より聞こえてくる……自分と違う『那珂』に対する恨み、妬み。 

 

そして……アイドルにさえ……なる事を許されなかった、哀しき呟き!

 

★★★

 

那珂『那珂チャン……必要ナイノ? キライ……ナノ?』

 

那珂「『普通ノ女ノ子』ニ戻ルケド……那珂チャンノ事……忘レナイデネ」

 

★★★

 

────『カン! カーンカーン!』 

 

────『カーンカーンカーン!!』

 

そしてーーー解体の音。

 

ーー★☆★

 

那珂「『がばっ!』──ハッ!? はぁ、はぁ、はぁ、はぁ──!!」

 

ーーーーー

 

そんな『那珂ちゃんたちの想い』を引き継ぎ──トップを目指す那珂ちゃんだが、あの音には────慣れなかった。

 

───────慣れたくなかったのだ!

 

那珂「こんなになっても、那珂ちゃんは絶対、路線変更しないんだから!! 他の那珂ちゃんたちの為にも───トップアイドルに成るんだからぁ!!!」

 

そう──何度目かの誓いをしつつ、『居酒屋 鳳翔』へと戻る。

 

重い足を引きずりながら………

 

ーーー

 

如月「那珂ちゃん………」

 

菊月「………私たちは、影ながら応援しよう。 他の誰かが知らなくても、私たちが…………」

 

如月「………そうね」

 

ーーー

 

二隻は、那珂の後を追い掛ける! 

 

那珂が、何時しか夢を叶えることを、願いながら!!

 

 

ーーー

ーー

ーーー

 

後の世───

 

男『あぁ……長い連休入っていたから《ナカチャンガハイッタ》ぜ……』

 

同僚『俺もだ……会社に出社するのがうっとしいな……』

 

《五月病》……別名《ナカチャン病》

 

五月病になる事を『那珂ちゃんが入る』と言い表すようになった。

 

語源は、度々……このような事を起こした那珂ちゃんに由来する。

 

トップアイドルに成れたかは、記録が古過ぎて……残っていない。

 

ただ、度々起こした……この行動により……名前が残った。

 

《───那珂ちゃんのことは、キライにならないでください!!》

 

……その想い……伝わったのかは……分からないまま。

 

 

 

説明
此方が後編。 5/10 ヒトハチサンマル……幾つか追加修正しました。
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コメント
雪風提督 コメントありがとうございます! 漢時代の調理方法を、鳳翔と華琳に見せながら検討中デス。 (いた)
お艦様、料理の隠れ要素の旨味を存分に引き出した料理をお願いしやす。(雪風)
hokuhin提督 コメントありがとうございます! 料理も芸術になのに何でかなw 次回で決着になります。 …………料理対決です!(いた)
鳳翔さん芸術関係は全く駄目なのかなw次の勝負で勝てると良いが・・・(hokuhin)
スネーク提督 コメントありがとうございます! 明命「塩辛い味でした。 ですが、一緒にお食事して、お猫さまたちも喜んで貰い、至福の時間も味わえれましたッ!」(いた)
( ▼ω・)鰹節か…俺の国には無い物だ。で、味は?(スネーク)
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