真・恋姫†無双 時空を超えた刺客 破滅の未来と絡繰人間 |
雪蓮達呉軍VS絡繰人間8号・9号・10号の闘いは互角の勝負……………にはならなく、絡繰人間達がずっと劣勢に駆られていた
最早、雪蓮達は強くなり過ぎて全く相手にならないレベルとなっていた
だが、斬魔が放った不穏な影が
この状況を覆すこととなる…………
八節 ?新たなる『タイプ』?
絡繰人間10号「く……くぅ………くそぉぉぉぉっ!!!」
ゴオッッ!!
蓮華「はっ!!!」
シュンッ!!!
ドォンッ!!!
蓮華「はあぁぁぁぁぁっ!!!」
フォンッ!!!
ザシュッ!!
絡繰人間10号「がはぁあっ!!?」
蓮華はボロボロの絡繰人間10号が放った『気力破』を華麗に避け、胴体に横一文字に斬りつけた
蓮華「……………幕引きだ」
蓮華は冷酷に告げる
絡繰人間10号「がっ………ぐっ………くくく………っ!!?」
絡繰人間10号の躰は痙攣を起こし始め、体内に流れる電気が放流し始めていた
絡繰人間10号だけではない
祭「はぁっ!!!」
フォンッ!!!
ドカッ!!!
絡繰人間9号「んがあぁっ!!?」
祭の気が篭った強力な蹴りを右の脇腹に喰らった絡繰人間9号や
雪蓮「お?終いっ!!!」
フォンッ!!!
ザシュッ!!
絡繰人間8号「がっ………はっ……………!!?」
雪蓮の軽々とした一閃を頭から足の先まで喰らった絡繰人間8号も今しがた、戦闘不能となったところだ
戦闘の最中、『時限爆弾装置』の回路を断ち切っておいたので、最早自動修復する人型の機械でしかない為、爆発の危険性もない
3体の絡繰人間達はほぼ同時に倒れ込んでそのまま動かなくなった
小蓮「もう終わり?だらしないね」
小蓮は『月下美人』を片手に腰を当てて溜息をつく
亜莎「案外、どうとでもなりましたね」
亜莎もかなり意外そうに思った事を口にした
七乃「これも全て左慈さんとの鍛錬のお陰ですね?」
七乃も腕を組んで頷く
祭「じゃが、奴らは儂らを抹殺する為だけに造られた兵器………
何時、何をしてくるか……油断はできんぞ」
祭は真剣な表情で言う
雪蓮「祭の言う通りだわ、勝ったからと言って気を緩めちゃ駄目よ」
雪蓮は『南海覇王』を腰に仕舞う
と、そこへ
左慈「(………い……おい!!!)」
呉の面々の頭に突然、左慈の声が響き渡る
雪蓮「っ!!!左慈…………?」
左慈「(『読心術』で話しかけてんだ
そっちはどうなっちまったんだ?)」
雪蓮「全部片付いたわ、全く張り合いがなくて残念なのが正直な感想ね」
雪蓮は苦笑いで応える
左慈「(ほぉ??そりゃあご苦労なこった
全員無事で全部ぶっ倒したのか?)」
蓮華「あぁ、誰も負傷していない」
蓮華は凛とした声で返答する
左慈「(そりゃあ結構なこった
ひとまず、城に戻って報告を頼む…………長居は無用だからな…)」
左慈がそう言い切ったその時だった
ゴォォォォォォォォォッ!!!
身体が搖らぐ程の巨大な気が一瞬、突き抜けた
その気は明らかに絡繰人間の襲撃の際に発する気だ
雪蓮「っ!!!」
亜莎「この巨大な気は!!?」
左慈「(??おいっ!!!どうした!!?)」
左慈が呼び掛ける
雪蓮「左慈……仕事のおかわりが来ちゃったから、完食した後で報告するわ」
左慈「(何っ!!?おいっ!!)」
雪蓮は意識を絡繰人間が出現したであろう方角に向ける
それにより左慈の声が聞こえなくなった
雪蓮「皆………戦闘状態を立て直して」
蓮華「はい………」
全員は得物を再び構えて仁王立ちをしていた…………
その数分後の事であった
亜莎「…………………っ!!!来ましたっ!!!」
此方に向かって接近している一つの人影を見つけたのは
雪蓮「……………まさか連続的に襲撃してくる感じだったとはね
完全に一杯食わされたわ」
祭「ですが、もしこの3体が捨て駒だとしたら些かしこりが残りますな」
祭は襲撃の仕方が腑に落ちない様子だった
それは軍師兼武将の亜莎も同じだった
亜莎「そうですね……………
もし仮に捨て駒だったとしたら、本命の襲撃は今回の戦闘に想定して大量に送り込まれる筈です
にも関わらず1体だけとは………明らかに不自然です」
小蓮「う〜ん………取り敢えず油断は禁物だよね…………」
蓮華「そうこうしている間に来たぞ…………」
蓮華は眉間に皺を寄せて警戒を促す
果たして、今回の絡繰人間の正体とは…………?
その姿が明らかとなったのは更に数秒後の事であった
………………
……………………………
1体の絡繰人間であろう人影が着地して一歩ずつ歩み寄ってくる
雪蓮「……………………」
その姿を見た呉のメンバーの表情が凍りつく
亜莎「……………っ!!?あ、あれは…………っ!!?」
七乃「………ここまでとは……酷い」
蓮華「………………龍天……何ということを…………!!!」
蓮華は怒りで顔が真っ赤になっていた
それもそうであろう
その絡繰人間が着ている鎧は
我等が北郷一刀の牙紋旗の紋章である『十』だったのだから
??Z「………………8号、9号、10号……貴様等揃いも揃って何をしている……?」
十の鎧を着る絡繰人間は無表情で残骸となった3体の絡繰人間を見渡す
完全に破壊されている為、返事は出来ないのだが、話し続ける
??Z「大方、過去の者達だからと調子に乗って全力で戦っていなかったのだろう………?全く…………」
絡繰人間は呆れた表情をするが、すぐさま切り替えて怒声を発した
??Z「龍天様の面汚しがっ!!!己の愚かさを地獄で悔めっ!!!この愚か者共がっ!!!恥を知れっ!!!!!!」
亜莎「ひっ!!?」
亜莎は思わず声を漏らして驚く
雪蓮「あら?意外ね………
てっきり私達に矛先が向くのかと思ったわ」
雪蓮は皮肉混じりに言う
絡繰人間は顔を雪蓮に向けて話し出す
??Z「そんな訳がなかろう、孫策……
こ奴らは絡繰人間の面汚しだ………貴様等に当たったところで何も出やしない」
雪蓮「あら?分かってるじゃない」
蓮華「貴様は何号機だ…………?」
蓮華は怒りを押し殺して言う
??Z「私は『絡繰人間11号』………
見た目通り成都に所属し、北郷一刀を死守する十の兵を元として造られた絡繰人間だ」
十の鎧を着た絡繰人間・絡繰人間11号は平然と答える
亜莎「魏呉蜀と同様の型のようですね…………」
亜莎の漏らした声に絡繰人間11号は
絡繰人間11号「ふっふっふっ……残念ながら呂蒙………
私を先程までの『量産型』と一緒にすると後悔することになるぞ?」
絡繰人間11号は不気味にあざ笑う
雪蓮「強いて言うなら新しい型……という事かしら…………」
雪蓮は苦虫を噛み潰したような表情をする
絡繰人間11号「そういう事だ………
そろそろ戯言は終わりにしようか………」
絡繰人間11号は右肩をぐるぐると囘す
雪蓮「えぇ、私もそろそろ決着をつけたかったところよ
皆、手出しは無用よ…………」
雪蓮は一歩前に出て『南海覇王』を刺し向ける
絡繰人間11号「戦闘を開始する!!!」
ゴオッッ!!
雪蓮「はあぁぁぁぁぁっ!!!」
ゴオッッ!!
雪蓮と絡繰人間11号は同時に『龍走』を発動し、激しく衝突した
雪蓮「はぁっ!!!たぁっ!!!」
フォンッ!!!
フォンッ!!!
絡繰人間11号「ふんっ!!!ぬわっ!!!」
フォンッ!!!
ドカッ!!!
フォンッ!!!
バキッ!!!
絡繰人間11号は雪蓮が次々と放っていく斬撃や打撃を、間一髪のところで受け止めていく
小蓮「…………あいつ、只者じゃないね……」
祭「うむ………策殿の攻撃に対応できる者など、我々武将でも一握り程度…………」
蓮華「奴はその全てを受け止めている………」
亜莎「確かに先程までの『量産型』にしては性能が高すぎますね…………」
こいつは……絡繰人間11号は今までとは桁が違う…………
雪蓮との闘いで皆が悟っていた
それは直感かどうかは分からないが………
確実に蓮華達の心に深く刺さっていた
雪蓮は一度、絡繰人間11号から大きく離れる
雪蓮「へぇ…………?流石ね
確かにさっきの奴らよりも2周り以上も手強いわ」
雪蓮はニヤリと笑う
絡繰人間11号「まぁ………一応、今回の司令塔であるからな……」
絡繰人間11号は堂々たる態度を見せつける
雪蓮「だけど、明らかにあんたのほうが不利よね」
絡繰人間11号「それもそうだな………」
何せ雪蓮の後ろには七乃・蓮華・小蓮・祭・亜莎がいるのだが、絡繰人間11号の援軍はいない
限りなく不利だ
絡繰人間11号「だからこそ、私は今の不利の穴を埋めようではないか」
七乃「??」
絡繰人間11号はそう言うと両手を合わせて力を込める
すると、
バチバチバチッ!!!
両手から緑色の電撃が走り出した
すると今度は
ガタガタガタ…………
蓮華「っ!!?」
亜莎「は、破壊した絡繰人間達が………」
たった今破壊された絡繰人間がガタガタと音を立てて震え出した
すると頭と右胸辺りから
ガキンッ!!
激しい金属音を立てて1体の絡繰人間から2つの物体が飛び出し、合計6つの物体が絡繰人間11号に向かって引き寄せられるようにして浮遊しだした
絡繰人間11号「……………これが何か分かるか?」
絡繰人間11号はその中の2つを掴んで雪蓮達に見せつける
右手に持った物は掌サイズのちいさな板
左手にはこれまた掌サイズのハート型の物体が摘まれていた
雪蓮「…………さぁ?」
雪蓮は惚けて適当に答える
絡繰人間11号「右手の物は絡繰人間の全ての情報が詰まった『全情報収録板』だ
左手の物が絡繰人間の最後の砦、『時限爆弾装置』の核部分…………
この2つを取り除かれた絡繰人間は魂を抜かれた人間同然……最早、ただのガラクタだ」
絡繰人間11号は『全情報収録板』と『時限爆弾装置の核』を両手から離して再び浮遊させる
恐らく緑色の電撃により、静電気的な作用で浮遊させているのだろう
七乃「あれが噂に聞いた『全情報収録板』と『時限爆弾装置』ですか?……」
祭「じゃが、それが一体なんじゃというのじゃ?」
祭はご最もな事を聞く
絡繰人間11号「ふっふっふっ…………見ていれば分かる………」
絡繰人間11号はニヤリと嗤う
そして、次の瞬間
絡繰人間11号「ふっふっふっ…………」
小蓮「っ!!?」
七乃「へっ!!?」
絡繰人間11号の頭に全ての『全情報収録板』が、右胸辺りに全ての『時限爆弾装置の核』がまるで吸い込まれるようにして身体の中に取り込まれていった
絡繰人間11号「ふっふっふっ…………」
絡繰人間11号は不敵な笑みを浮かべる
そして
絡繰人間11号「はあぁぁぁぁぁ………………っ!!!」
絡繰人間11号の身体が蠢き出し、眩い光を発しだした
雪蓮「くっ!!!」
小蓮「ううっ!!?」
あまりの眩しさに雪蓮達は目を覆い隠す
…………
………………………
光が止んだと同時に雪蓮達は絡繰人間11号を見ると
雪蓮「……………………!!?」
七乃「…………はぃ?」
蓮華「なに…………………!!?」
全員が絶句する
??Z「…………さぁて、これで同等だな……」
なぜなら、鎧の色が黒中心となった鎧になっており、紋章は魏呉蜀十全ての紋章が付いており、中心となっている紋章は龍天の『龍』
邪悪さが滲み出ている正に悪の兵隊
??Z「最早、私は絡繰人間11号ではない………
私は新たなる絡繰人間、『絡繰人間12号』…………
『量産型』などではない新たなる型……最新式の『融合進化型』の絡繰人間だ」
蓮華「『融合進化型』?」
蓮華は眉を顰める
絡繰人間12号「他の絡繰人間の『全情報収録板』と『時限爆弾装置の核』を取り込む事により進化を成し遂げることができる型だ」
亜莎「…………………」
雪蓮「何でもいいけど、そんな原始的な感じで勝てると思ってるの?」
雪蓮は苦笑いで聞く
絡繰人間12号「試してみるか?」
絡繰人間12号の挑発に雪蓮は
雪蓮「勿論よっ!!!行くわよ、皆っ!!!」
掛け声をして援護の祭を残した全員で突っ込んだ
雪蓮「はあぁぁぁぁぁっ!!!」
フォンッ!!!
蓮華「はぁっ!!!」
フォンッ!!!
亜莎「でやぁっ!!!」
フォンッ!!!
七乃「てぃっ!!!」
フォンッ!!!
小蓮「せやぁっ!!!」
フォンッ!!!
5人は同時に攻撃を仕掛けた
本来、これを避けるのはほぼ不可能
避けられるとするならば一刀や管理者達程度であろう
だが
絡繰人間12号「ふっふっふっ………ふんっ!!!」
ガキンッ!!
ガキンッ!!
ガキンッ!!
ガキンッ!!
ガキンッ!!
小蓮「へっ!!?」
蓮華「なに!!?」
雪蓮「……………………!!?」
その場の全員が絶句してしまった
何故なら、5人の攻撃を絡繰人間12号は身体全身を使って受け止めたのだから
絡繰人間12号の身体は鎧を除いても半端じゃなく硬い
しかも、雪蓮達は気を込めた一撃を放っている
それでもかすり傷一つ出来ずに受け止められてしまった
蓮華「馬鹿なっ!!!こんな事が………」
絡繰人間12号「生憎だがな、孫権…………これは現実だ!!!」
絡繰人間12号が声を張り上げると
ギュォォッ!!
絡繰人間12号の身体の中心に気の塊が出来はじめる
祭「……………まずいっ!!!皆、離れるのじゃっ!!!
恐らく奴は『真爆源花』を放つつもりじゃっ!!!」
フォンッ!!!
祭は一度に5本の矢を放って叫ぶ
絡繰人間12号「小賢しい…………」
ガキンッ!!
全ての矢は虚しくも絡繰人間12号に直撃した瞬間、砕け散った
雪蓮「くっ!!!」
七乃「ひぃぃぃぃっ!!!」
蓮華「はっ!!!」
シュンッ!!!
雪蓮達が離れたその時
ドッカアアァァァァンッ!!!!
絡繰人間12号を中心に巨大な爆発が巻起こった
祭「くっ……策殿っ!!!蓮華様っ!!!」
祭は爆風に必死に耐えながら雪蓮達の名前を呼ぶ
すると周りから
雪蓮「はぁはぁ………危なかったわ」
蓮華「やはり、あらゆる技を知っているのね………」
七乃「情報通りですけど…………」
雪蓮達の少々疲れた声が聞こえてきた
だが、服を見ると所々焦げた箇所が見られる
祭「(少し遅れてしまったようじゃな……………)」
祭は思わず顰めっ面をする
すると立ち昇った煙の中から
絡繰人間12号「ほぉ?よく俺の『真爆源花』から生き延びたな……」
皮肉混じりの絡繰人間12号の声が聞こえてきた
雪蓮「これくらいでくたばる程、私達は弱くはないわ」
絡繰人間12号「そうか………そうでなくては面白くない………
俺も早くこの身体に慣れたいからな………」
小蓮「(何時から一人称が『俺』になったのよ……………)」
小蓮は微妙な変化に気が付いていた
絡繰人間12号「ふっふっふっ………これは、ほんの小手調べだぞ………?」
雪蓮「………この闘いは、負ける訳にはいかない…………!!!」
絡繰人間12号と雪蓮達は睨み合っているのだった……………
突如、現れた新型の絡繰人間・絡繰人間11号及び絡繰人間12号…………
果たして、雪蓮達に勝算はあるのだろうか……………?
……終……
説明 | ||
第二波の襲撃が開始され雪蓮達が食い止めにかかった!!! ……………まではよかったのだが、左慈達管理者との鍛錬により予想外に強くなり過ぎていた雪蓮達にとって3体の絡繰人間は最早、通過点でしかなかった 余裕の表情で闘っていたが、そこへ黒い影が迫りくる………!!! |
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コメント | ||
睦月様、個人的にはもっと展開を加速させる気でいます。(hoi) 凄い展開になって来たな…(睦月) |
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