真・恋姫無双 覇王伝 第九話
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〜一刀視点〜

黄巾党の討伐命令を達成して建業への帰路に就く

「予想以上に早く終わったな」

「そうですね、兵糧も余裕を持って出撃したとはいえ半分以上残っていますから」

「消費が少なかったのは良い事では」

そんな会話を静里や凪としながら行軍していると

「報告します

 南西の方角に1万程の黄巾党の1軍を発見!」

この報せを聞いて

「直ぐに向かうぞ!」

この号令の元、黄巾党殲滅へ向かう

 

〜???視点〜

「ほう、約1万と云った所か

 野盗に毛が生えた程度の相手とはいえ、この数なら不足は有るまい

 私の武で殲滅してやろう!」

私は愛槍を握りしめ、黄巾党の1軍に躍りかかる

「はい、はい、はい〜!」

個々の実力は予想通り低い

実際、討ち果たした敵の数は数えるのも馬鹿馬鹿しい

だが問題は数だ

足元に倒れた死体が邪魔で動きが制限されるうえに、私の体力も無限では無い

動きが制限される状況下で私の体力が尽きるのが先か、向こうの戦意が尽きるのが先か

五分五分の綱引きの中、戦いは休みなく進む

そんな時

「うぎゃ〜」

敵の後方から叫び声が聞こえて来る

そして、敵は大混乱に陥っている

何が有った?

確かめたいが、足場が悪い上に体力も消耗している

成り行きに任せるしかないか

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〜一刀視点〜

「報告します

 黄巾党の1軍と単身で戦っている者がおります!」

「なんだと?!」

1万の軍勢と単身で戦うなど自殺行為だ

いくら武の心得が有って、黄巾党が野盗に毛が生えた程度の実力でも、だ

「急ぐぞ!」

 

俺達は向かって来た勢いそのままに、黄巾党の後方から突撃した

単身で戦っていた相手に気を取られていた黄巾党は不意の突撃で壊滅した

 

「君が黄巾党と単身で戦っていた人物か」

黄巾党を討ち果たした後、単身で戦っていた人物と対面した

白を基調とした服を纏い、凛々しい感じの女性だった

「いかにも

 私は姓は趙、名は雲、字は子龍

 御助勢、感謝いたします

 宜しければ、貴殿の名をお聞かせ願いますかな?」

また、大物だな 女性なのはもう驚かないぞ

「呉郡太守 北郷一刀」

「何と!貴殿が『天の御遣い』とうたわれし北郷殿か!?」

随分と有名になってないか?それは置いておくとして

「趙雲殿、貴殿が見事な実力なのは理解するが無謀にも程が無いか?」

訊かなければなら無い事を訊いた

「無謀、と云う程の敵でもありませぬ

 事実、倒せたかどうか 五分五分であったと判断しておりますが」

趙雲は余裕綽々と云った感じで答えるが

「趙雲殿の行いは『匹夫の勇』と云うのだ!」

趙雲が驚いた表情をしているが、構わずに続ける

「それ程の武の才を『匹夫の勇』で散らせる為に武を治めた訳では無いだろう

 教えた人物もそのような事を望んではいないだろう

 その実力を天下の為に振るうべきではないか!?」

声を荒げてしまった俺に趙雲は

「ならば北郷殿は私に天下の為の戦いの機会を与えて下さいますかな?」

「俺はこの後来るであろう乱世を終焉に導く

 その為に多くの血を流させる

 だがその血を決して無駄にはしない

 偽善と呼ばれてもその後100年の平和の礎として見せる!」

趙雲の目を見て答えると

「我が真名は星

 北郷殿の家臣の末席にお加えくださるよう、お願いいたします」

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星を仲間に加え、建業に向かおうとした時

「一刀さん、鞘華さん達が此方に!」

静里が慌てて報告して来た

 

「一君、会えて良かった〜」

鞘姉、巴、氷雨が千の兵と共に合流して来た

「実は一君が出撃して2日後に七乃から報せが来たのよ

 黄巾党の本隊、つまり張角達の居場所が判明したってね」

「あいつらは本拠地を持たずに放浪してるから今を逃すとまたどこに行くか分からないからね

 既に諸侯も向っているようだよ

 孫堅さんも美羽の命令で出撃したよ」

「ですから、私達も向かうべきかと

 それなら一刀さんが建業に戻るのを待つより、直接行ったほうが良いかと

 鞘華さん、着いて行くと行くと聞かなかった巴さん、いざという時の軍師に私

 この編成で報せに来ました」

三人の説明を聞いて

「よし、黄巾の乱を終わらせる!」

 

情報の砦に着いてみると、既に到着した諸侯が居た

俺が気になるのは孫堅、劉備、そして曹操

孫堅を孫家で考えると三国志の三英傑が集合か

「北郷様 曹操が配下の者と面会を求めてやってきました」

「ここへ通してくれ」

 

「私は陳留刺史の曹操

 貴男が呉郡太守の北郷かしら?」

金髪、ツインテールのクルクル巻髪の小柄な少女がやって来た

その後ろに黒髪の長身の女性、片目を髪で隠した女性、猫耳パーカーを被った少女が居る

「間違いない」

俺が答えると

「ふん、『天の御遣い』なんて虚名の割には大した人物には見えないわね」

初対面の相手によく言えるな 

「私としては、貴男の後ろにいる家臣達に興味があるわ

 貴方達、私の下にいらっしゃい

 その実力を私の下で存分に発揮しなさい

 そうすれば閨でも可愛がってあげるわ」

曹操って百合なのか〜

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〜鞘華視点〜

曹操の話を黙って聞いていたが、もう限界

特に巴ちゃんが ね

昔から一君の悪口を言う人には今みたいな黒いオーラを出して睨んでいたわよね

曹操も気付きなさいよ

巴ちゃん曰く

「一兄の悪口を言う奴は歩く公害に等しい

 だから人権を認めない」

だもんね それは兎も角

「曹操、私達の答えは『断る』よ

 これは私達の総意だから、諦めなさい」

私の返答に曹操は

「あら、有能な人物は有能な君主に仕えるべきよ

 その男のどこが私より勝っているのかしら?」

「身長!」

巴ちゃんの即答で場が凍り付いた

 

「身長は関係ないでしょ!」

「だって上に立つ人がちんちくりんじゃ威厳も何もないんじゃないの?」

巴ちゃん、毒舌モード全開ね

一君の敵には容赦しないのよね

すると黒髪の女性が

「何を言うか、曹操様はあの御姿だからこそ良いのだ!」

「ならば巴さんの言った威厳の話はどうなんですか?」

凪が封殺した

今度は猫耳パーカーの少女が

「曹操様は能力の事を言ってるのよ!

 男なんかが曹操様より優れてる訳無いでしょ!」

「人の能力は性別では決まりません

 客観的事実で判断できない人物を側近に置いておく

 それだけで優秀な君主かどうかは疑問符が付きます」

静里に論破された

次に片目を髪で隠した女性が

「人の身体的特徴を莫迦にするのは良いのか?」

「最初から見下した態度を取るような無礼者には良いんじゃない」

私が止めを刺した

 

私達にボロクソに言われた曹操は怒り心頭と云った感じで帰って行った

 

黄巾党は兵糧不足、士気低下、統率崩壊、全ての悪条件が揃い、諸侯連合に壊滅させられた

張角は曹操によって討ち取られたと報せが入った

こうして黄巾の乱は終結した

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〜あとがき〜

 

星の加入については原作でも孫呉の陣営を見てますから

その地に一刀が居るなら・・・こうなってもおかしくはないでしょう

 

華琳達が舌戦(?)で完敗させられました

華琳達との確執は深くなるでしょう

くだらない事ほど溝は深くなりますから

 

黄巾の乱は終結です

毎度のことながら三姉妹のファンの方には申し訳ありません

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
黄巾党討伐の帰還の途中で
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コメント
nao様>言われてみると桂花に近いですね。鞘華に限らず、一刀陣営の女性を全員狙うでしょう。(ZSAN)
mokiti1976-2010様>美羽の親友、華琳の天敵になりそうな気がします。(ZSAN)
睦月様>華琳にあれだけ言う人は始めてでしょう。(ZSAN)
アストラナガンXD様>無印っぽい所が今作は多くなっています(左慈とか)。(ZSAN)
華琳は一刀が魏におらんと男見下したまんまだからな〜^^;また鞘華を手にいれようとするのかな?(nao)
巴は相手が誰であろうともブレませんね。さすが!(mokiti1976-2010)
巴言うねぇ〜…あれだけはっきり…言うと清々しいな(睦月)
華琳様や星の性格がやや無印の「恋姫無双」に近いですね。(アストラナガンXD)
タグ
真・恋姫無双 北郷一刀 北郷鞘華  華琳  

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