孫権伝ー3 |
孫権伝第3話
『張公、張子布』
孫権さんに認められて早四日。文官筆頭である張昭さんが賊討伐の遠征でまだ不在という事もあり、簡単な文官仕事を手伝ってもらって実力を見たいと言う孫権さんの要求に素直に従い、彼女と二人で仕事をする事になった俺は現在手持無沙汰だ。
一刀「えっと・・・終わったよ?」
孫権「仕事・・・早いのね。」
ええ、そりゃあもう・・・しごき倒されましたから。初めは曹操様、次に荀ケ様、さらに程c様と郭嘉様、それはもう頭が上がりませんとも。あの四人文官としては本当に化け物だと思ったわ。
一刀「さすがにそれは太守の仕事だからなぁ・・・俺は手伝えないよ。」
孫権「優秀だな?」
一刀「・・・曹操って知ってる?」
孫権「ん?名前だけなら・・・最近陳留の刺史になって頭角を現してるとは聞いている。」
一刀「その人がね・・・厳しい人でね・・・本当にね・・・(涙)」
孫権「そ、そこまでか・・・ん?という事はお前は曹操に仕えて・・・?」
一刀「あ、いや、つまりだな・・・かつてそうだった。けど、そう・・・“今回は”仕えていないんだ。」
孫権「・・・ああ、なるほどな。つまりこの前言っていたことに繋がる訳か。」
一刀「ああ、そう言う事。」
そう言いながら俺は席を立つと俺の提案で用意された容器を傾けてそこからお茶を器に移す。
一刀「お茶ドゾ〜。(^ω^)つ日」
孫権「ドモドモ〜。日と(^ω^)」
二人「「ズズ〜。ん、んまい。」」
孫権「そう言えば・・・」
この子の順応性は評価に値する・・・
一刀「なに?」
孫権「貴方の武に関しては選定基準がちょっと難しいわよね。」
一刀「ああ、そうだね。」
そう、あの後すぐに俺は甘寧に再戦を申し込まれたのだ。勿論勝ったことには勝った。だが甘寧自身納得はしていない様子だった。それもそのはず。徹底して攻撃は受けず、相手が隙を見せた時にのみ攻勢に転じて、駄目ならまたちょこまか逃げるように回避に専念するもんだからね。俺でも頭来るような戦い方をしてると自覚している。
一刀「俺の戦闘スタイル・・・構えは回避からの一撃離脱。とにかく攻撃を受けずに少ない手数でどれだけ相手を無力化できるかを重点に置いてる。どちらかと言えば治安維持に向いているんだよ。」
孫権「そう・・・なら子布にはそっち方面で仕事を任せるように言っておこう。」
一刀「ん。それだと経験があるから助かる。」
そのまま孫権さんの執事的な立ち位置で俺は仕事の補佐をしていた。午前中の仕事が終わり、さてお昼だと言う時にどうやら張昭さんが帰って来たようだった。
??「蓮華様、張子布ただいま戻りました。」
そこには小さめな水色ウェーブの髪の美少女が・・・ん?この子・・・俺より年上か!
張昭「誰が子供婆だ!」
一刀「誰もそんな事は申しておりません!?」
孫権「まったく・・・で?賊の討伐は滞りなく終わったのか?子布。」
張昭「は。ところで・・・そちらの男は?身の回りの世話は侍女がおりますでしょうに。男に任せるなど・・・」
孫権「いや、この男h「心外でございます。張子布殿。」か、一刀?」
張昭「ほう?」
一刀「そこらの侍女より仲謀様の身の回りの世話をこなす自信はございます。」
張昭「だが男だろう?女の身の回りの世話など・・・あのお堅い仲謀様が許す筈がない。私とて大反対だ。」
一刀「ふむ、でしたら・・・そちらのお茶をどうぞ。」
俺は張昭さんのすぐ傍の容器に指を指し示す。あれには二日で孫権さんの味覚を把握し、彼女に合わせたお茶が入れてあるのだ。温かくても常温でも冷やしてもうまい、俺特製のお茶である。
張昭「・・・仲謀様、いただいても?」
孫権「え?あ、ああ。」
そう言って張昭さんはそのまま備え付けの湯飲みにお茶を入れそのまま口にすると、すぐに驚愕の表情に変わった。
張昭「これは・・・確かに・・・仲謀様の好みの味だ。何時の間に・・・」
一刀「この二日、仲謀様のお仕事を拝見しながら朝昼晩とお食事を共にさせていただきました。仕事の合間の休憩にお茶やお茶菓子をご一緒したのも含めると計10回もですからね。把握するのは別段苦労はしなかったですよ。さ、どうです?」
張昭「・・・ああ、こればかりはな。だが・・・やはり男の時点で論外だ。」
孫権「そ、そこまでだ!どうしてこんな話になってる!子布、この男は私個人で雇った文官だ。勿論武官としても能力はあると思われる。まずは文官の適性を見てやってくれないか?」
張昭「個人的に?では我が君には?」
孫権「それはまだだ。今は不安要素を与えたくない。」
張昭「・・・まあ、まずは能力を見てみましょう。ではお預かりしても?」
孫権「ああ。よろしく頼む。治安維持についてならそれなりに出来るそうだ。」
張昭「は。分かりました。」
そうして俺は張昭さんに別の部屋に連れて行かれた。
張昭「さてと・・・まずはこれに目を通して貰おうか?」
そうして渡されたのは、街の治安についての書簡。
一刀「ふ〜ん?確かに問題点はこの二日で頭の中で洗い出しは済んでるし、ある程度はなんとか出来る・・・だがなぁ?警邏隊の人員が足りない上に俺の存在が知られてなさすぎる。この内容を現実のものにするには少しばかり融通を効かせてもらいたい。」
張昭「聞きましょう?」
一刀「一つ、警邏隊の人員補充。これは現在の三倍は必要になる。一つ、俺の警邏隊隊長の任命、北郷隊の設立許可。一つ、最初に上げた人員確保に必要な金は国庫ではなく民からうまく徴収してほしい事。これが俺の要求だ。」
張昭「・・・一つ目は許可しましょう。二つ目もなんとか・・・三つ目は貴方がなんとかしなさい。これが答えだ。」
一刀「だよなぁ。じゃ、そう言う事で。」
こうして俺は張昭さんの部屋を後にした。
一刀「さてと・・・どうするかな。」
俺はコツコツと廊下を進み、そして城の出入口に差し掛かる。一人の兵がかなり急いで城へ駆けこんできた。
一刀「ん?どうしたんだ?」
柴桑兵A「え?あ・・・その、すぐ近くの邑が賊に襲われたと報告がありまして。」
一刀「なに?場所は?「東の最初の邑です」・・・分かった。君は急いで仲謀様ないしは子布様に報告を。それと・・・北郷がその邑に先行した事も伝えておいてくれ。」
柴桑兵A「は、はい!」
俺はそのまま城の外に走り出した。街の喧騒を潜り抜け、街の外へと飛び出す。すぐにアタッシュケースのサイドポケットから取り説を取り出すと、その紙には何も書かれていなかったが、開いた途端文字が浮かんできた。
一刀「どう言う仕組みだよ・・・何々?多次元空間アタッシュケース?物量、質量問わずどんな物でも取り出せるチートアイテム。使用制限は北郷一刀の知識に依存する。あいまいな知識でも再現可能。ただし一日に一度、ワンアイテムのみ。このワンアイテムは本体の稼働に必要な燃料、弾薬もワンセットと数える。か。チートすぎるだろう。俺、結構いろんな知識持って来ちまったぞ?」
そう言いながらも俺の口角は上がっていた。あいまいな物でもいい?じゃ、ガン○ムとか有りな訳?
一刀「ん?追記?アニメ的な物を出そう等考えるな。出せるが他者の信用にかかわる。出すなら誰にも知られないようにしろ。・・・へ、出してもいいのか。ま、いいさ。」
そう言って俺は一日一回こっきりという事と燃料、弾薬という単語を頭で反芻させていた。詰まる所・・・こう言うのもありって事だろう?
グォン!ブロロロロロロ!!!
一刀「・・・カカッ!こいつぁいいや!おっとメット、メット。フルフェイスのUVカット式。これで顔は割れねぇ。Yeah haaa!!」
どうしよう、これ癖になる。風になるって・・・気持ちいい!!
こうして俺は張昭さんの与えられた仕事をほっぽり出して賊討伐に乗り出した。
あとがき
一刀「いきなりとんでもない物出すなぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
あべべべべべべべべべべべべべべ!?!?!?!?!?
一刀「何あれ!?ブロロロロロロロってバイク!?バイクですか!?!?」
は、はい。FFのクラウドのあのバイクにござい・・・
一刀「そうか・・・それほど死にたいか。」
や、やめ・・・にゃあああああああああああああ!!!!
一刀「・・・ふぅ。さて、次回は『艦これ〜岩川基地第00××鎮守府〜第三話』だ。よろしくな。」
ちゃ、ちゃんとチートすぎないように考えてるので・・・次回に期待してほしいです・・・(ガク
説明 | ||
孫権伝の第三話になります。 正直な話チートを回避しようとしたらチートアイテムが出てきてしまいました。どうしてこうなった? 制限とかは次回にでも詳しく説明加える予定です。 非難は甘んじて受ける。 ではどうぞ。 あ、今回は張昭こと雷火さんが登場ですよ〜(超ついで感) |
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コメント | ||
あかさん<そこは次回に期待・・・しないでください。 一刀「期待させないの!?」 まあ、次回に説明が入るのでね。(ユウヤ) あのバイクかっこいいですよね〜〜〜〜もしかしてウンディネ出てくるの!?(あか) |
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