No.522 がまぐちおばば |
説明 | ||
玉の輿を狙って結婚後、贅沢三昧の生活を過ごした女性は端から愛などないため、旦那が先立った後には悲しみや後悔なんて欠片もない。そんな彼女らには突如呪いがかかるという。ある朝起きると顔はがま口になり、どんなに若い女でも皺だらけの老婆の姿に。歯が全て抜け、その代わりに自らの手中に収めた大事な旦那の財産が泡銭の如くボロボロと口から溢れ出ては消える。その豹変ぶりに驚き誰もが離れ外出もできず、ひっそりと孤独に死を迎える者も。居場所がなくなった女たちは人里離れた地に独自の村を作り、改心したかのように農業に精を出すが、それもあらゆる薬の元になると考えられる植物「マンドラゴラ」を収穫すると、元の姿に戻れるという伝説を信じての事。戻れぬまま死んでいく者が多いが、皮肉にも数が減る事は一向にないという。どんなに醜くなってもこぼれ落ちる金と同じ色の長靴だけは、彼女たちのプライドなのだ。 | ||
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