リリカルなのはZ 第十三話 ギリギリ魔法少女はやてとGOHO魔法少女アリシア
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 「お久しぶりね、はやてちゃん?それとも魔法少女はやてとも呼べばいいかしら?」

 

 「い、いややわー。そう言われてしまうと照れてまうやん、石田せんせ」

 

 海鳴市にある病院。

 その一室で八神はやては精密検査を受けるために病院へと訪れていた。

 ガンレオンの変化した修理機能。この場合は回復機能だが、使徒の攻撃を受けたその日のうちに、『傷だらけの獅子』のスフィアを使った回復魔法を受けたはやては万全の状態まで回復していたが、ハラオウン家で魔法的に異常なしと診断され、グランツ研究所の医務室でも大丈夫と太鼓判を押されたが、最後にちゃんとこちらの世界での診断を受けた方がいいと、五年前までお世話になっていた石田医師の電話をもらったはやて。

 使徒襲来を知らない人間などいない。文字通り世界を震撼させる事件がここ一カ月の間に二回。しかも、二回目の使徒襲来には自分は魔導師の姿で空を飛び使徒の迎撃にあたった。

 これはリンディやクロノといった管理局関係者の許可なく出撃した。

 魔法という物は秘匿にする物。

 それを世間の目にさらした。

 休暇中。緊急性。道徳的配慮からも自分達が出撃したのはやむを得ない。だが、それでも一般人の目にさらされることないように固有結界を張ればばれなかったのではないかと、守護騎士で参謀を務めているシャマルはリンディさん越しにお説教を受けていた。

 そもそもガンレオンや自衛隊。エヴァが倒れてからでもよかったのでは?と、上から言われているそうだ。

 だが、はやて達が足止めをしなければ自衛隊のコクボウガー。更にはエヴァは間に合わず、一つの街が消滅していたかもしれない。

 

 「なのはちゃんが退院したと入れ替わるように貴方が病院に来たのは驚いたわー。しかもそれがテレビであの怪物との戦いを映し出されていた時によ。知り合いの女の子が空を飛んで怪物と戦うなんて・・・。しかも、怪物の触手で殴り飛ばされた映像の直後よ」

 

 「・・・あ、あはは。石田センセ、怒ってる?」

 

 「怒っていないわよー、悲しいだけ。酷いわー、はやてちゃん。あなたが魔法少女で、あんなミニスカートで空飛ぶ魔法少女でも私は受け入れるのに〜」

 

 「あ、あんまり魔法少女って言わんといて・・・」

 

 中学生になって魔法少女と言われるのは恥ずかしいわ・・・。

 これが大人になるってことかいな?

 

 管理局を通して、今はミッドチルダにある聖王教会の騎士。

 騎士とはいっても事務処理や魔法で災害都市の救助に犯罪者の確保といった警察や救助隊みたいな事をしてお給料をもらって働かせてもらってからは魔法少女と言われるのに抵抗を感じてしまうはやてに石田医師の攻撃。もとい、口撃は止まらない。

 

 石田医師は笑いながらはやてを問い詰める。

 闇の書事件の事から今までの事を根掘り葉掘り、ほじくられ過ぎて穴だらけ。

 例えるなら自分の黒歴史を目の前で朗読されるような羞恥プレイ。

 耳まで赤くしたはやては両手で顔を押さえて「・・・ごめんなさい。ほんま、もう、堪忍して」と、何度も何度も念仏のように繰り返していた。

 心理カウンセラーの技術を転用して、相手の秘密を暴露させるという検察官や詐欺師も唸らせるような石田医師の話術にはやては地面に穴を掘って埋まりたい気分で一杯になっていた。

 

 「あんなに小さかったはやてちゃんが立派な露出壁のある魔法少女になるなんて私思わなかったわー。セカンド・インパクトの次に驚いたわ―」

 

 「いや、もう、ほんま、堪忍してつかあさい」

 

 ビクンビクンと打ち上げられたイカの様に震えるはやてに満足したのか石田医師は満足したように診断結果を打ち明ける。

 

 「身体の方は問題無しよ。心の方は、もう少し大人に・・・。いや、体の方も夢見る魔法少女か」

 

 「センセー!!」

 

 たまらず悲鳴を上げるはやて。

 いつまでたってもこの人の上にはいけそうにないと感じたはやてだった。

 

 「それにしても人生って分からないわね。魔法に怪物にロボット。魔法少女になる子供から・・・。大人から子供になる人間まで出てくるんですもの」

 

 「・・・石田センセ。だから・・・。って、大人から子供?」

 

 「ええ。はやてちゃんとは逆に変化した自分が相手にばれても元気に明るく楽しんでいる人がやってきてね・・・。はやてちゃんの次に話題のある人間じゃないかしら」

 

 聖王教会で働いているのは伊達ではなく、石田医師の何気ない一言から変化を読み取ったはやてはそれが何かと質問しようとした時だった。

 

 『ぎー』「あべし?!」

 『ぎー』「うばぁああああっ?!」

 『ぎー』「アイエェエエエエ?!あのロボット?!ナンデェエエエ!?」

 『ぎー』「たわば?!」

 

 診断室の向こう側が騒がしいのを聞きとったはやてと石田は扉を開けると金の髪を持った少女の前に重ねるように倒れ伏した病院服と普段着を着ている老若男女。

 そのてっぺんにはまるでガンダム・ザ・ガンダムのようなポーズの様にガッツポーズをする小さなガンレオン。チビレオンの姿があった。

 後で判明するのだが、積み上げられた彼等は病院にやってきた金髪の少女を尾行してきた工作員だと判明する。

 

 「んもう、こんなところにも工作員がいるなんて暇な人達だね。こんな事に労力駆けるなら使徒の迎撃に回せばいいのに」

 

 プリプリと怒った雰囲気を醸し出す、どう見ても小学生にしか見えない。金髪少女に思わずはやては声を投げかけた。

 

 「ふぇ、フェイトちゃん?」

 

 自分の幼馴染にそっくりな女の子。

 しかし、はやてが知っているフェイトはもう大人と言ってもいいくらいの身長に伸びた。

 しかも女性にしては高身長だが、ナイスバディに育っているといううらやまけしからん体を持つ女性だ。

 そんなフェイトの小さかった。

 それこそ小学生の時のフェイト。さらにそこから一回り小さくした風貌の少女がはやての声を聴いて振り返る。

 

 「(また|・・)同じこと言っているね。はやてちゃん♪」

 

 にゃっはーっ。と、猫が笑うような笑顔を見せてくれた少女。その名は・・・。

 

 「はじめまして。私はアリシアだよ。アリシア・テスタロッサ。(こっち|・・・)で実際に会うのは二回目かな?」

 

 少しだけ懐かしそうな表情を見せた少女。

 この世界に来て初めて『傷だらけの獅子』のスフィアを全開にした反動で二十一歳の体から十歳サイズに小さくなったアリシアは二度目になる自己紹介をはやてにするのであった。

 

 

 

 ランボルトとガンレオンを交換したのも幼女になったアリシアを一度調べるために送り出したものであり、アリシアがこの病院に来たのは本当に念のため。

 医療技術は確実にグランツ研究所。正確には並行世界の技術を持ち込んできたプレシアとリニスを乗せたアースラの方が上である。

 同じリアクターとして高志も一度調べたが何ら異常がない。体が小さくなっているというのに異常が無いのはおかしい。なにか見落としているのでは、もしかしたらこちらの世界の技術で見落としが見つかるかもしれないという考えからきていた。

 まあ、結果は異常無しだ。

 やはり、原因はマグナモードだろう。

 ガンレオンによるマグナモードが最大限に活用できるようにスフィアを体内に宿すアリシアを幼女にした可能性が大だ。

 もちろん、そんなことが言えるわけがない。

 だからと言って、黙っているわけにもいかなく・・・。

 

 「魔法の力でこうなりました」

 

 変身魔法があるんだ。ロリ化する魔法だってあるはずだ。

 

 「・・・魔法ってつくづく私達みたいな医者や学者を泣かせてくれるわね。アンチエイジングをするのもばかばかしくなるくらいに」

 

 「私のお母さん。もう●●歳以上だけど」

 

 「孫がいてもおかしくないお年・・・。・・・何でもない」

 

 背筋がぞっとしたはやては途中で言葉を切る。

 だが、はやては悪くない。

 今のプレシアの姿はどう見ても三十代かそれ未満に見えるほどの肌のツヤ・ハリの持ち主だ。

 それが『傷だらけの獅子』のスフィアで全盛期まで回復したという事が漏れれば、ガンレオンの事を抜きにしてもその力を求める人間がわんさと現れるだろう。

 

 「まあ、お母さんも適度にストレスを発散しているし・・・」

 

 高志に無茶難題を吹っ掛け、慌てふためく姿を見て、ストレスを発散する。

 可愛い娘を嫁に出す。というか、婿に取る前にある程度の知識や技術を学ばせている。いわば、花婿修行中だ。

 なんでアリシアを嫁にではなく、高志が婿かって?

 どう考えてもアリシアの方が将来有望だからだ。

 高志からガンレオンを取り上げたらど根性以外の利点が無くなる。

 基本脳筋な高志。

機械いじりは研究所の修理や改修。ガンレオン自体の改修やガンレオンを使っての撤収作業まで出来るようになったがパソコン操作やそれ関係になるととことん苦手である。

 プレシアの親馬鹿も治ったわけではない。むしろ悪化した。

 ランボルトを持ち込んだ時に、幼女姿のアリシアを直視した瞬間鼻から鼻血が出た。

 ぶかぶかのワンピースを似ている金髪幼女(実子)を見て、独占欲が再発。

 何気に世界を三度救った高志だが、救えば救うたびに借金としがらみが増えていくのも彼を可愛いアリシアの元から離れさせない為。それでもアリシア可愛い。やっぱりあげたくない。それなのにいちゃいちゃしやがって、ぶっちゃけムカつく。今日の業務を五割増しにしてやる。それでも全力で取り組み、中途半端に答えてしまうからプレシアはどんどん無茶ぶりをする。

 プレシアはその可愛い娘を可愛がり、義理の息子候補をいびり倒すたんびにリフレッシュするから肌のツヤも良くなる。

 

 結果、高志は理不尽な目に会う。

 これが現世『傷だらけの獅子』の因果なのかもしれない。

 

 「・・・まあ、門外漢な私でもあなた達の身柄を確保したいと思うから、この目の前にある人の山には納得するけど、それを作り上げたのがこの小さなロボット君なの?」

 

 「そうだよ〜。ちっこいガンレオンことチビレオンっていうの。宜しくね」

 

 『ぎー』

 

 アリシアと共にこちらに向かってペコリと頭を下げるチビレオン。

 まるで、小さな女の子がお人形で遊んでいるようにも見えた石田医師。

 

 「なんかお人形遊びしている女の子みたいね・・・。はやてちゃん、あなたはこうならないでね。魔法少女でお人形遊びなんて、中学生には似合わないわよ?」

 

 「私は二十一歳だよ。合法だよ、GOHO!」

 

 「・・・あ、あははは」

 

 未だに調整中ではあるが、『闇の書』の後継型のデバイス。『夜天の書』のサポートにリインフォース・ツヴァイという人の形をしたデバイスを作ってもらっているはやて。

 そのツヴァイのサイズはまさにお人形なのだ。

 彼女の事をどうやって紹介しようかと思い悩むはやてだった。

 

 

説明
第十三話 ギリギリ魔法少女はやてとGOHO魔法少女アリシア
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コメント
「中学生になって魔法少女と言われるのは」中学・高校生で美少女戦士と名乗りを上げる人もいるからダイジョーブ(kaji)
誤字報告です 「立派な露出壁」露出癖、「ワンピースを似ている」着ている?(kaji)
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