恋姫英雄譚 Neptune Spear
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プロローグ:Neptune Spiear

 

 

 

後漢末期………。

 

永く続いた漢王朝は斜陽の時を迎えようとしていた。

 

黄巾の乱を端緒に露わとなる漢王室の衰退。その最たる要因は帝の傍で暗躍する宦官達の専横。その宦官と対立し、地位や名声にしか興味を示さない外戚一派にある。

 

中でも張譲率いる十常侍は漢室の政権を握り思いのままとしていた。自らの欲を満たすことしか頭にない十常侍達による圧政は民心は配慮されず、外戚一派も民を蔑ろにして徐々に蝕んでいく。

 

そんな中、漢の西に位置する西涼よりこの腐敗を正すべく一つの軍勢が両陣営討伐の為に動き出した。

 

率いるのは天水を治めていた西涼の勇こと董卓 仲穎。

董卓は家臣である‘‘神槍”の異名を持つ張遼 文遠と‘‘西の大斧”こと華雄。

更には‘‘鬼神”として名高い呂布 奉先達を率いて混乱の坩堝と化した宮都洛陽に乗り込み、帝を利用する反逆者討伐を開始した。

 

 

そして董卓3武将の中にはまた別として1人の男の姿があった………。

 

 

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「「ぎゃあっ??」」

 

壁に叩きつけられて床に落ちる腹を斬られた宦官。

そしてその光景に怯え逃げ惑う連中に、中の1人が躓いて床を這いずり回っていた。

 

「た……助けよ………金も地位も好きなだけ…ぎゃっ??」

 

命乞いをする宦官の腹に一筋の刃が突き刺さる。そしてそれを突き刺した張本人は刃を抜き取るとこびり付いた返り血を振り払い、構え直す。

 

「……貴様等のような連中がいるから……民は苦しいままなんだよ」

 

まるで汚物を見下すかのように睨み付けながら口を漏らす男。その背後から得物を片手に3人の女性が歩み寄って来た。

 

「ふぅ?…やぁ?っと追い付いたで??相変わらずやな??」

 

関西弁を喋る袴に下駄、豊満な胸をサラシで巻いた飛龍偃月刀を担ぐ女性は張遼 文遠。

 

「だが流石だ。あの大軍をたった1人で突破するのだからな」

 

銀髪に素肌の露出が多いチャイナ服を身に纏った大斧の金剛爆斧を構える女性は華雄。

 

「………リアン……やっぱり強い……」

 

赤い髪に虫の触角みたいなアホ毛に加えて赤い瞳に褐色の肌をし、手に方典画戟を持った少女が呂布 奉先。

 

3人に追い付かれた男は振り向かずに剣………ミリタリーマチェットのブラックウイング‘‘忍者”を鞘に戻しながら張遼に話しかける。

 

 

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「霞………作戦は?」

「うちと嵐が東側に回り込んで宦官のボケ共を吹っ飛ばしにいくで」

「……恋は……西の外戚にいく」

「そして俺は3人が引きつけている間に帝を救い出し………張譲達を始末するだな?」

「せや。詠も今回は策はいらんって言うてたから手加減一切無用やで」

「董卓様を利用しようとした十常侍と外戚共に情けは掛けなくていいから私もやり易い」

「月を困らせた奴等………恋が殺す……」

 

3人の反応に軽く笑う男は背中に預けていた黒い筒…………5.56mm弾のHK416カスタム‘‘Bin L?din Gun”に持ち替えて初弾を装填すると脇に抱え込んだ。

 

「任務続行??‘‘ジェロニモ”へ向かう??」

 

そう叫ぶアメリカ軍兵士………。

 

リアン・スチュアート大尉が駆け出す。

 

 

 

 

これは運命に翻弄されながらも迎え入れてくれた大事な家族の為に戦う‘‘天界の戦士”の物語である……………。

説明
外史の後漢末期に迷い込んだ元DEVGRUオペレーターのリアン・スチュアート。
彼はそこで新しい家族と出会い、民が安らかに暮らせる平穏な世界を作る為に己の力を使う。
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