恋姫英雄譚 Neptune Spiear |
Mission05:Brainpower
実力を示す為に賈?の後を追う俺は暫く歩いて一つの部屋に辿り着く。壁に掛けられた看板には‘‘警邏隊長執務室”と書かれていた。
警邏とは要するに警備隊のことで、部屋の中には天水全体の地図や数え切れない程の量がある部隊からの報告書。
賈?は積み重ねられた竹簡を漁り始め、やがてプルプルと背伸びをしながら一番上にある竹簡を手にする。
その懸命さに可愛いと感じながらも隠し、賈?が渡した竹簡を見る。
「これは?」
「警邏隊からの報告書よ。最近になってから中央の腐敗は酷くなる一方で、それに合わさって天水にも賊がやって来るようになったのよ」
「つまりこれは賊に関する報告書……逮捕歴や関連する情報かなにかということか?」
「そう。だからあんたに試したい内容はこれを見て、どう感じてどうやればいいか立案して貰うってことよ」
なんとも無茶苦茶な………。
そう感じながらも俺は竹簡を広げる。内容はやはり漢文だったが俺は中国語の他にもドイツ語やフランス語、イタリア語にロシア語と合計で7ヶ国語を話せるから問題ない。
3つある1つを見てみると気になる箇所があった。
「………事件発生から通報、現場到着までの時間が掛かり過ぎないか?」
「なんでそう思うの?」
「これでもかなり速いだろうが、俺から見たら遅過ぎる。これじゃ例え通報があったとしても距離があったら時間がかかる上に最悪の場合には出遅れになる可能性もあるぞ」
「それ位は分かってるわ。現状では見回りの部隊を増やしてるのが精一杯なのよ」
「…………」
軽く溜息を吐きながら俺は壁に貼られた街の地図を手に取り、それを机に広げたて筆を手に取ると書き足していく。
「いいか?報告書をみる限りでは経路がバラバラで通報しようにも場所が分からない。これも問題の1つだ」
「仕方ないじゃない。増員しようにも人手が足りないんだから……」
「そこでだ………天水を合計で9箇所の区画に指定し、1つの区画に最低でも3つ、常駐警邏隊の詰所を空き家を利用して設置。民からの通報を円滑にして、民からの要望や交流をいいものにしていくんだ」
「あんた……話を聞いてなかったの?人手不足だっていったでしょ?」
「聞いてたさ。だがそれは軍部内部の交代制でしているからだ。俺のは兵役免除を条件に独立警邏隊への入隊で募集を掛けるんだ。待遇を軍と同じにして、給料もしっかり出せば必ず来る」
「………いい案だけど、資金もかなり掛かるわよ。それはどうするつもりなの?」
「孫子兵法にこんなのがあるだろ………‘‘故に智将は務めて敵に食はむ。敵の貨を取る者は利なり。是れを敵に勝ちて強を増すと謂う” 。
始めに掛かる資金はやむを得ないが後は出現した賊や越境してくる敵から奪還し、増強していく。
それでも不安が残るなら地方の豪族からの寄付、不正を働く富豪を摘発して財産を没取する。
国直営の警邏専門の傭兵部隊を創設して報酬を資金源にする。手段は幾らでもある」
俺は持っている知識を教えていく。分署や奪還、更には現代のPMC(Private Military Company/民間軍事企業)の概念。
俺がいた世界では至って普及しているが、この世界では非常に画期的だったようだ。
「もちろん他にも資金面や人材において考えはあるが始めはさっき言った区画から始めていって、ちょっとずつ進めていくんだ。そうすれば民の混乱は皆無になって、民を苦しめることはない」
「……………」
「合格か?」
「…………合格っていう次元じゃないわ」
そういいながら地図を丸めていく賈?。
「あんたが示した考え……使ってもいいかしら?」
「構わない」
「全く……あんたって何者なのよ?ボクが知らない知識を持ってたり実力もあったり………」
「別に特別なことじゃない。俺がいた世界の知識を流用しているだけだ」
「………まぁいいわ。じゃあ知識も問題ないわね。侍女に部屋まで案内させるから少し待ってて」
「了解だ」
賈?の言葉で俺は外に待っていた侍女に案内され、最初にいた部屋に向かう。
実力と知識を示したから問題は無いだろうし、一先ずは今後のことを考えてなにかしらの方法で金を作る必要がある。
生きていく為には如何なる時代であっても金が必要だ。
何処かに落ち着く必要がありそうだな……………。
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射撃の次に知力を確かめる為にリアンは知力を披露する。 | ||
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