真・恋姫無双 覇王伝 第十話
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〜鞘華視点〜

(その一)

あ〜、疲れた

黄巾の乱が終結したのは、素直に嬉しい

だけど、政務は減ってくれない

忙しく政務をこなしていた私は、昼食の為一休みで部屋から出た

昼食を終え、もう少し休みたいので風通しのいい城壁の上に上がった

そこで

「ほう〜、そんな事が

 貴殿も苦労なさってるのですな〜」

「にゃ〜」

星が居た

いや、居てもいいんだけど何してるの?

猫と話してる?まさか〜

と、その様子を呆然と見ていたら猫が私に気が付いて逃げ出した

「おや、鞘華殿

 無粋ですな〜、猫殿が驚いて逃げてしまったではありませぬか」

「『無粋ですな〜』じゃなくて、星は何してたの?」

私の質問に星は

「見ての通り、猫殿と話しておりました」

私がまさかと思い、否定した事をしてたんだ

「猫殿は結構博識でしてな

 有益な話を聞かせてくれるのです」

「猫が博識かどうかも突っ込みたいけど、それ以前に猫と話せるの?」

すると星は胸を張り

「当然ですぞ!

 私程になれば猫と話す事など朝飯前です」

「本当ですか!!」

うわっ!びっくりした

私と星の間に突如、黒く長い髪の少女が現れた

この娘、どこから現れたの?

「本当にお猫様とお話できるのですか?!」

「あ、ああ」

その娘は星に詰め寄り、星もその迫力に少し押されている

「ならば、お願いです

 私にお猫様の言葉を教えて下さい!」

星に詰め寄っている娘は相当な猫好きなのは分かるが、取り敢えずは

「貴女、気づいてないかもしれないけど・・・

 不審者、確保」

彼女の襟首を掴んでそう言った

「はううっ!捕まってしまいました!」

彼女を尋問する為、近くの兵に一君達を呼びに行ってもらい、彼女を謁見の間へ連れて行く

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(その二)

〜一刀視点〜

「しかし、騎馬隊の設立は急務よ!」

「財政を考えれば今は控えるべきよ!」

廊下を歩きながら、俺の後ろでは静里と氷雨が激論を交わしている

どちらの意見も一理あるし、どちらも同門の同期だから譲らないんだよな〜

「まったく頑固なんだから

 胸だけじゃなくて、頭も柔らかさが無いわね!」

静里、人の気にしてる事を絡めて言うのは良くないぞ

「何ですって〜!

 胸も考えも中途半端な静里に言われたくないわよ!」

氷雨も言い返すなよ〜

「一刀さんから言ってやってください!

 騎馬隊の設立は必要だって!」

「いいえ、財政安定の為には時期尚早だと言ってやってください!」

「う〜ん・・」

歩きながら考えていたら、廊下の交わるところで横から走って来た兵とぶつかってしまった

向こうは勢いが有ったので、俺が押し倒されたようになってしまった

「いてて・・・」

「ほっ北郷様!申し訳ございません!

 何卒、お許しを!」

兵は慌てて俺の上から退き、土下座をする

「いいよ、気にしなくて」

うん?

「そうよ、いつもは頼もしい君主と一兵士の組み合わせ・・・」

「その君主が受けで、兵士が攻め」

先程まで喧嘩していた静里と氷雨が、良く聞こえないがブツブツと何か言ってる

「腐腐腐」

なんか笑い声から腐った気配(?)が・・・

「「これよ!これだわ!

  早速創作に掛からないと!」」

何やら興奮しているが・・・

「そう云えば北郷様

 鞘華様が不審者を捕えたので皆様謁見の間に集まって欲しいとの事です」

俺とぶつかった兵の報告を聞いて

「二人共、行こう」

「「そんな〜 創作意欲がこれ以上なく湧いたのに〜」

恨めしそうな声を出す二人と共に、謁見の間に向かう事にした

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(その三)

謁見の間で不審者を捕えた時の詳しい経緯を聞いた

良く分からん娘だな

「一刀様、間者だとしたら素直に話しますかな?」

星がそう言ってきたので

「そうだな・・・

 よし!君は猫好きなんだな?

 ならば嘘を付いたらこの趙雲を通じて建業中の猫全てに君を見たら逃げる様に通達してもらう

 更に猫の情報交換網で国中の猫に同様の通達をして貰う

 つまり、嘘を付いたら君は国中の猫から逃げ惑われる事になる!」

「そんな・・・、何て恐ろしい罰を!」

無茶苦茶な事を言った自覚はあるが、効果はあったな

いいのか?これで・・・

 

話を聞いてみれば単純だった

この呉に住んでいるが、前の太守許貢に仕える気にはならなかった

で、今度の太守の俺はどんな人物か見に来たらしい

しかし、猫の事を話すまで鞘姉が接近に気付かなかった程の隠形の使い手

諜報等には最適だろう

「俺に仕える気にはならない?」

「いえ、是非御仕えさせてください

 私は姓は周、名は泰、字は幼平、真名は明命です」

新しく仲間が加わった

 

星に続いて明命も加わったので、歓迎の宴会を行う事にした

その席には客将扱いの孫権と甘寧も招待した

孫家との険悪な関係を緩和したいと云う下心も有った

渋々出席した二人だったが、まさかあんな事が起こるとは・・・

 

「ちょっと一刀、聞いてるの!」

宴会が始まって間もなく、俺は孫権に怒鳴られていた

この時初めて知った 彼女の酒癖の悪さを

ちなみに甘寧は既に孫権に酔い潰されている

「巨尻、巨尻って〜、私だって好きで大きくなった訳じゃないんだからね

 それに言われるほど大きくないわよ!」

酔っぱらいに論理は通用しないので生返事をしていると

「分かって無いわね〜!

 それなら、ちゃんと見て見なさい!」

そう言って立ち上がり、服の裾を捲り上げようとする

おおっ!

「待ちなさ〜い!」

鞘姉が飛びついて止める

余計な事を・・・じゃなくて

「なによ〜」

「男の前でお尻を出す娘が何処にいるのよ〜!」

鞘姉の説得(?)に孫権は諦めたのか

「分かったわよ!

 でも、私はお尻だけじゃなくて胸も結構あるのよ!」

どう反応していいのか分からないので生返事をしたら

「信じてないわね〜!

 その目でよく見なさい!」

と服を脱ごうとした

「辞めなさい〜!」

鞘姉が羽交い絞めにして止める

またしても余計な事・・なんて思ってませんよ だから鞘姉も殺気を出さないで下さい

 

「あ〜、そうだ!

 巴ちゃん、ちょっと」

鞘姉が巴を呼び、何やら耳打ちする

「え〜、そんな事して良いの?」

「このままだと、一君が孫権に誘惑されるわよ!」

何か言っているが聞き取れない

程無く巴が離れて行った

俺が巴から目を離して間もなく後ろから肩を叩かれた

振り向くと、巴によって俺の口に酒瓶(?)の口をを押し付けられた

不意の事でパニックになるがそんな事はお構いなしに酒はどんどん口に入って来る

「この中で男は一君だけだからね

 一君を酔い潰させればその後で孫権が脱いでも問題は無いわ」

そんな言葉を聞きながら、俺の意識は暗転した

 

翌朝目を覚ますと、全員雑魚寝をしていた

ただ、孫権が半裸の姿で俺の腕枕で寝て居た

何が有ったんだ?

チリーン

恐怖を感じさせる鈴の音が聞こえた

「(多分)何もしてないぞ〜!」

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〜あとがき〜

 

拠点第二弾です

今回は三話とも繋がっています

 

明命が仲間に加わりました

呉に一刀が来た為、一刀陣営に・・・

星が猫と話しているのは原作のエピソードからです

明命にしては垂涎のスキルでしょうね 本当に出来るのなら

 

静里と氷雨 この二人は妹(弟子)が腐なので可能性は有るかと

どっちが先かは不明ですが

 

蓮華の酒癖の悪さの話は前々作でも書きました

その変化版です

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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コメント
睦月様>腐は感染するのかもしれません。(ZSAN)
mokiti1976-2010様>mokiti1976-2010様の外史でもそうですね。(ZSAN)
nao様>その可能性は考えてませんでした。でもあり得ますね。(ZSAN)
アストラガンXD様>その可能性は大です。(ZSAN)
腐のオンパレードだぁ〜(睦月)
何処へ行っても水鏡女学院は腐の発信基地なのか…。(mokiti1976-2010)
きっと水鏡塾は先生が腐ってるんだろうな〜勉強と一緒にそっちもおしえてるんだよ〜きっとw(nao)
水鏡塾は腐の温床ですか?(アストラナガンXD)
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真・恋姫無双 北郷一刀 北郷鞘華 

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