恋姫英雄譚 Neptune Spiear
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董卓軍に参加することとなった。

 

この出来事は瞬く間に天水に広がったが軍内部では賛否両論だった。武官や軍師達は‘‘天界の戦士”とされる俺に興味を示してくれたが、文官を中心とした保守派連中からは猛反発を受けた。

 

いちど忠誠を誓ったからには期待には応えるつもりだが、詠から‘‘ああいう連中だからきにしないで”と言われているので放っておくことにした。

 

 

「なかなか集まりよったみたいやな」

 

「そうなのか?」

 

「えぇ、だけど使い物になるかどうかは話は別よ」

 

 

そこには3,000人はいるだろうか、人々が整然と並んでいた。

 

なんで俺達がここにいるかと言うと、詠が実施したテストの結果を公表して俺を新しく設立する第6師団の師団長にする為だということだ。

 

もちろん新参者の俺がなると問題になりかねないので最初は断ったのだが、もともと創設予定であったが指揮する将が足りてないことと月のまるで捨てられそうになっている仔犬のような眼で頼まれ、そんな眼で見られたらこちらが折らざるを得ない。

 

そこでいろいろと条件を出して、最初の段階である志願兵募集を実施したのだがまさか3,000人も集まるとは思わなかった。

ただこれは平均くらいのようであり、董卓軍は兵の質もかなり重要視しているから合格者は下手をしたら10分の1にまで減る可能性があるらしい。

 

 

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「これは流石の俺も驚いた……まさかこんなに集まるだなんて……」

 

「せやけどホンマにリアンは人を惹きつける才能があるな♪実をいうとウチの師団でも転属願いが何件かでとるんやで♪」

 

「私の第4師団もそうだ」

 

「それだけじゃなくてもいま空白になってる第1、第2師団からも転属願いが来てるし、私の第5師団も同じ状況よ」

 

 

彼女達がそういうと後方を見る。そこには第1から第5師団から転属願いを提出して転属を志願してきた董卓軍将兵が整列しており、100人ほどだが全員がいい面構えをしている。

 

なお、董卓軍は総兵力約5,000人と少なく、1から5まである師団に1,000ずつ割り当てている。

第1と第2師団が現在師団長が空白で第3師団が霞。

第4師団が嵐。

第5師団が親衛隊の役割を担った詠。なお、詠は当面の間であるが第1、第2師団の代理師団長をしている。

 

 

「あとはここから篩を掛けて能力を選抜する。昨日の軍議でも話したが、試験項目は基礎体力に騎馬術、基本武術に身体検査、そして最後に日数を掛けて3人1組で面接を行なっていくぞ」

 

「学力はいいの?」

 

「この時代だ。学問どころか本を読むこと自体が難しいんだ。だったら学力は除外視して信用できるかどうかで判断した方が賢明な判断だ」

 

「しかし……董卓様にお仕えするのであれば出来る限り厳選するに越したこ「あ?、堅苦しいな。もっと肩の力を抜かなきゃすぐに疲れちまうぜ♪」…お前は軽すぎるのだ」

 

 

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嵐が話していると容姿は尖ったショートの黒髪に鋭いツリ目をしているが、基本笑みを消さないので怖さはそれほど無い印象の青年と長いロングヘアを纏めて逆に少しタレ目をしている小柄であるがいいスタイルを誇っている女性がいた。

 

 

彼の名前は韓馥 文節で真名は迅。当初は第2師団長補佐をしていた武将だ。

 

そしてもう1人は彼の幼馴染である張? 儁乂で真名は雷。董卓軍にて‘‘白鳥”と謂れている武将で嵐の元副官だ。

2人は俺が師団長になる為に詠がわざわざ指名して俺の補佐をするとのことだ。

 

しかも2人の連携はまさに神業らしく、癖のある2人だが‘‘天水の迅雷”と呼ばれているほどの勇将だ。

 

 

「迅、あなたは確かに少し軽々しいわ。少しは緊張感を持ってあたりなさい」

 

「はぁ?……雷も固いったらありゃしれえなぁ……もっと明るく楽しくやらなきゃ安牌なんて来ねえぜ。ほら♪笑った笑った♪」

 

「はぁ……全然きいてない」

 

「まぁそう言うな……迅のいうことにも一理ある。少しは力を抜かなければ戦いに支障をきたすし、気を抜く時には抜かなければな」

 

「さっすがリアン??分かってるぜ??」

 

「但し雷のいうことにも一理はある。お前も少しは真面目にしないと手痛いしっぺ返しを受けることなるぞ」

「うげっ……わ…分かってるって……」

 

 

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迅と雷の性格は見ての通り真逆だ。迅が野生の勘で戦いに挑む外向的直感性タイプだとすれば雷は表情や感情を露わにしないで計算された戦いをする内向的計算性となる。

 

しかし幼馴染であることで互いの考えは手にとるように分かり、互いの短所をカバーしあえるいいパートナーだと思う。

 

 

「将軍??受験者の支度が完了しました??」

 

「試験会場についてはどうか?」

 

「はっ??異常無く実行できるとのことです??」

 

「了解だ。これより試験を開始する。受験者の誘導を任せるぞ」

 

「御意??」

 

 

伝令が返事するとすぐに振り返って受験者達がいる広場へ駆け出した。

 

 

「じゃあ月。俺達は試験準備に入る」

 

「はい、宜しくお願いしますね。リアンさん」

 

「霞と嵐も頼んだ。もちろん詠もだ」

 

「よっしゃ??任せときやリアン??すんごい志願兵を選んだるさかいな??」

 

「わが大斧の前にひれ伏させて見せよう??」

 

「あんたねぇ……吹っ飛ばしちゃダメでしょ??」

 

 

俺がそう指示すると霞達は担当エリアにすぐさま向かい、俺自身も迅と雷の2人を引き連れて面接会場へと足を運んだ。

 

暫くしてから試験は開始されたがやはり数が数なので数箇所に分散させ、更に3人一組で試験に挑ませる。これならある程度は負担を軽減させられるが、それでも実に何日かは掛かる見込みだ。

 

しかもその間はどうしても敵が出現しても対処できる将の数が少なくなってしまうという不安箇所が発生し、霞達と交代で警邏に就くこととなっている。

 

どれだけの兵士が集まるかなんて分かるものではない。適応する者もいれば適応しない志願兵も出てくるが、職を求めてやってきた彼等をむざむざ帰らす訳にもいかない。

 

俺は面接資料に目を通しながら最初の面接組を待つのであった……………。

 

 

 

 

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ようやく着いたで………。

 

今まで長安におって天水になんざ戻って来る気なんて更々ないつもりやったけど、少し前から気になりよる噂があったんや。

 

なんでも天水に‘‘天界の戦士”ちゅう奴が来よって、董卓の嬢ちゃんに降って兵を集めとるらしい。

 

董卓に戻るんははなっから無いけど天界の戦士っちゅうんがどんだけ強いんか、んで儂の主に相応しいか否か試させて貰うっちゅうこっちゃ。

 

 

「おーおー……えらい雑魚共が集まっとるやないか……」

 

「次の方、参加希望ですか?」

 

「せや」

 

「でしたら名前を伺います」

 

「その筆を貸しぃ。自分で書くさかいな」

 

 

それだけ言うと受付係の兄ちゃんから筆を借りて、竹簡の名簿に儂の名前を書く。

 

 

 

 

 

………張麗 公越。これが儂の名前や………。

 

説明
董卓軍の正式な将軍となったリアン。人集めに2人の人物が現れる。
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