恋姫英雄譚 NeptuneSpear
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Mission14: Departure For The Front

 

俺がこの世界に来て2ヶ月が経過した。

 

あれから様々な分野に幅広く知識を注入していき、天水の経済発展に尽力していく。しかしその間にも漢室の中央は荒れに荒れていき、特に洛陽や長安では宦官や外戚の圧政により民が苦しんでいる。

 

国の命運を決める存在が何とも小さな事で争っているか………。

 

だが、だからといってそれが盗賊になって別の民を苦しめてもいい理由にもならない。

だから俺は賊に成り下がった連中には容赦しない。戦争屋である俺が月達に救われて、彼女達が突き進む道を切り拓く存在になる。

 

そして俺は月達に呼ばれて第6師団本部より急いで軍議室に向かった。

 

 

「すまない、遅れた」

 

「大丈夫ですよリアンさん」

 

「寧ろ呼んで早いくらいよ」

 

「そういってくれて助かる。で、なにがあった?」

 

「長安との国境よりまた賊が入り込んで来たのです」

 

「またか?……確か4日前に嵐の第4師団が鎮圧したばかりじゃないのか?」

 

「せやねん。んであの辺りにおった賊共を駆逐した筈やねんけどな……」

 

 

俺は右腕ポケットよりメモを取り出して賊の出現回数を記録する。一週間での出現回数は3回、1ヶ月で実に10回以上もの出現になる。

このままでは幾ら董卓軍が精鋭揃いであってもやがては疲労が溜まって損害が増えるばかりだ。

 

しかも嵐達は天水に帰還中に別の賊が出現したことにより進路を急いで南に向かわせたので、恐らくは被害が大きくなっているだろう。

 

 

「へぅ……それで急いで討伐に向かわないといけないんですが……」

 

「流石にこれ以上は天水から軍を出すわけにはいかないのよ。だからリアン」

 

「なんだ?」

 

「あんたの第6師団に出陣を命じるわ」

 

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詠の口から発せられたのは出陣命令。確かに第6師団の戦闘力は実戦レベルに達していて兵も張世平が支援を申し出たお陰で騎兵隊として編成されたが、やはり数が500弱と少ない。

いくら賊が相手であったとしても数に頼まれたら厄介になってしまうのは明々白々。

特にこの時代ならば人海対人海の戦いだ。個々の戦闘力も必要だが味方同士の連携や兵力もまた大事だ。

 

 

「ちょっ??詠っち??まだリアン等の第6師団はまだ早いんちゃうんか??」

 

「仕方ないでしょ?あんたの第3師団だって羌族の討伐から帰って来たばかりだし、第5師団は天水から動けない。第1師団と第2師団も涼州連合に増援で出払ってるから動けるのはリアン達しかいないのよ」

 

「せやけどな……「霞」リアン?」

 

「心配は無用だ。第6師団は既に実戦に出撃できる程の訓練を積んだ。数は少ないが確かな戦術と確かな連携があれば数など覆せる」

 

「…………」

 

「心配するな霞。確かに初陣の師団だが、賊程度に董卓軍が負けることもない。敵首領の首を手土産にして凱旋してやる」

 

「まぁ………リアンがそう言うんやったら大丈夫やろうけど……」

 

「なら、決まりだ」

 

 

霞の頭を撫でながら説得すると渋々だが納得してくれた。そして月達に振り返ると月は頬に両手を当てて顔を赤くし、詠も眼鏡を抑えながら呆れていた。

 

 

「な……なにをしてるんだ2人共?」

 

「へ………へぅ……」

 

「あんたねぇ………しまいには背中を刺されるわよ?」

 

「?」

 

「まぁいいわ………それでいけるの?」

 

「なんども聞くな。命令さえしてくれたらすぐにでも出陣できる」

 

「分かったわ。だったらリアン達第6師団はすぐに長安との国境に急行し、民に被害が出る前に賊を駆逐せよ??」

 

「了解だ」

 

 

それだけいうと俺は踵を返して出陣準備をする為に第6師団本営に戻った。

 

 

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それから約2時間後、第6師団本営前には完全武装で騎乗した第6師団の500が待機していた。

董卓軍の標準装備に胸当の左側にDEVGRUのトレードマークであるライオン。俺は第6師団創設の際に武装は戦略的優位性を優先させている。

天水は鉱物資源が非常に豊富で、それに影響されていい武器が出来上がることが多い。

 

俺は刀鍛冶の中から選び抜いた職人を専属の鍛冶屋とし、第6師団所属隊員専用の武器を手にさせた。

 

標準装備を九環刀と九環槍とし、遠距離武器も扱い易いように小型化された弩。一番の違いがあるとすれば各員に俺が持つサバイバルナイフをモデルとした小刀と鍛冶屋に造り方を教えて完成した倭刀を持たせている。

 

一般董卓軍兵士が柳葉刀や槍を標準化しているので、はたから見たらまさに‘‘董卓軍最精鋭師団”と思えるだろうな。

 

俺は絶影に騎乗し、右手にHK416を持つと同じく騎乗して待機していた霰、迅、雷の下にゆっくりと進めた。

 

 

「3人共、準備はいいな?」

 

「儂は構わへんで。んで久々の戦や……存分に暴れ回ったる」

 

「俺達も準備完了だ。安牌な戦いにしたいもんだぜ。なぁ雷?」

 

「くれぐれも油断しないでね迅」

 

「ふっ………これより我が第6師団は長安付近の賊討伐に出陣する。各員の武勇に期待する」

 

『応っ??』

 

「全軍??進撃??」

 

 

そういうと絶影を走らせ、後を追うように霰達も続く。

 

この世界に飛ばされて実に2ヶ月と少し。久々の戦いに腕をならしながら戦地へと向かった……………。

 

 

 

説明
初陣の獅子達。天水より出陣する。
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