恋姫英雄譚 Neptune Spear
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Mission15:Lion To Put a Battlefield

 

 

 

第6師団の初任務でもある長安との国境付近に出没した賊の討伐。その日の内に馬を走らせて目的地に到着し、夜営をして一晩を過ごした。

 

そして今朝方に偵察へ出ていた兵士からの報告で6里先にある集落へと向かっている目標の賊が発見され、今は丘の上にて双眼鏡で様子を伺っていた。

 

 

「あれが目標か?」

 

「間違いないぜ。数はザッと800って処だな?」

 

「数だけなら向こうが有利ですね」

 

「なぁに、所詮は賊や。儂に敵う奴なんざおらへんやろうて」

 

 

それぞれ騎乗しながら同じように様子を伺う霰、迅、雷。その手にはそれぞれ自身の得物である斬馬刀"斬破・断巌刀"、大薙刀、龍頭大?刀が握られ、後ろに控えている将兵も九環刀や九環槍、弓や弩を手にして待機していた。

 

賊は今まで順調みたいなのかかなり余裕の笑みを浮かべているようだが、こちらの士気はその余裕を簡単に覆せる程に高い。

 

その士気の高さに軽く笑みを浮かべながらHK416に初弾を装填し、EoTech EXPS3に電源を入れて臨戦態勢を整える。

 

 

「よし、まずは3班に分かれる。俺が100人を率いて敵の正面から一当て仕掛けて、この先の渓谷に誘き寄せる。その隙に霰が200人を率いて敵の背後に回り込んで退路を遮断。後に迅と雷が100人ずつ率いて左右から奇襲を仕掛けてから包囲殲滅。後は各員の判断に任せる。質問は?」

 

「いいと思うぜ。敵に罠だと考える連中がいるなんて思えないし、こっちの損害も抑えられそうだしな」

 

「儂も問題なしや。始めから好きにしたいとこやけど、まぁ最初は我慢したるわぃ。せやけど後は好きにさせてもらうで」

 

「私も異論はありません。迅、あなたは油断しないでね?」

 

 

3人の異論もないということで兵をすぐに分ける。

俺の部隊には牽制も兼ねて弩兵を多く配備させ、封鎖を担当する霰には九環槍を装備した槍兵。迅と雷は奇襲を担当するので一般兵が回される。

 

 

「よし、では四半刻後に作戦開始だ。各員の奮戦に期待する」

 

 

霰達に敬礼すると敵に存在を気付かれないように静かかつ迅速に稜線伝いに移動。迅と雷も部隊を率いて奇襲ポイントに向かい、霰も少し離れた場所に身を潜めて何時でも動けるように準備する。

 

 

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30分の時間が経過し、俺達はすぐに行動を開始した。まずは茂みから弩兵による牽制射撃である程度の数を減らす。

 

一当てしたらすぐに馬に飛び乗って敵を諦めさせず、尚且つ勢いをつかせないで渓谷におびき寄せ、渓谷の出口付近に身を隠しながら防衛戦を張った。

 

 

「敵を近付けさせるな??弾幕を絶やさず釘付けにしてやれ??」

 

 

俺はサプレッサーを装着したHK416をセミオートで賊にヘッドショットを決めていき、弩兵も連携で常に弓矢が飛来するように仕掛ける。

賊はたった100人の俺達に近付けず足止めされている中、賊の後方が騒がしくなった。

 

 

「うおっしゃ??突撃や??阿呆共の尻を蹴り上げたれやぁああ??」

 

 

背後に忍んでいた霰達が一気に機動力をフルに活用して退路を封鎖し、突撃を開始する。いきなり背後から騎馬隊が現れたことにより賊は慌て始める。

数は多いことで少し落ち着きを見せ始めた処に再び慌てさせてやる。

 

 

「よし??行くぜ??一気にぶつかって吹き飛ばしてやろうぜ??」

 

「総員突撃??足並みを揃えて敵を狩り立てなさい??」

 

 

左右の崖から一気に逆落としにて奇襲を仕掛ける迅と雷。前からは絶え間ない弾幕で背後からは封鎖と突撃。しかも左右からも奇襲により群れることしか出来ない烏合の衆の賊は次々と討ち取られていき、中には武器を棄てて降伏する賊も現れるが、捕虜にする気なんか全くない。

 

捕虜になる最低条件は‘‘正規兵”であること。

 

賊は単なる犯罪者でしかなく、一般人や国の所有物に被害を出した瞬間にジュネーブ協定は一切適応されなく、戦争犯罪者としての扱いが実行される。

 

それは即ち‘‘処刑”だ。

 

戦う、守る、逃げる、降る、死ぬ。戦場における5つの道において賊に残されている道は‘‘死”しか残されてはいない。

残酷ではあるが賊連中はそれ程のことをしてきているのだ。俺も情けを一切掛けないで命乞いをしてきた賊の頭を至近距離で撃ち抜いた。

 

 

「よし??そのまま敵を蹂躙しろ??容赦するな??全て仕留めろ??」

 

『応っ??』

 

 

部下達も敵に斬り込む為に弩から倭刀に切り替え、混乱している賊に突撃していき、俺も腰に身に付けているサバイバルマチェット‘‘忍者”を手にし、絶影と一気に突撃していった。

 

 

 

 

それから4半刻後に賊は完全に殲滅された。

 

800人もいた賊は全員が排除され、渓谷には濃い血の臭いが充満していた。

対して完璧なまでの作戦で圧勝した俺達の被害は軽傷者30名、重傷者11名、戦死者3名。軍馬8頭というこの時代では微々たる損害だった。

戦後処理で亡くなった死者の亡骸を手厚く埋葬してやり、全て終えると俺達は華々しい初勝利と共に天水に凱旋した……………。

説明
第6師団の初陣。リアン達は策を持って血に飢えた害獣を駆逐する。
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