恋姫英雄譚 Neptune Spear
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Mission25:Targeted warrior

 

 

 

 

無事に西涼での騒乱を鎮圧し、西涼連合や曹操軍、そして皇甫嵩率いる漢軍に俺達第6師団の存在を認識させられた。

本来ならばあまり公にはしたくなかったが、今の時勢ではそんなことも言ってられないし、何よりも髑髏蛙隊のPRも成し得たからよかっただろう。

 

帰り際に皇甫嵩から正式に官位授与を進言しておくという言葉と曹操から再び勧誘を受けてから天水へと向かうが流石に道中で夜になっていた。

 

仕方がないので今いる場所で夜営することとなり、俺も丘に登って夜空を眺めていた。

 

 

「随分と星が綺麗だな……まぁビルが無いから星もよく見えるということか……」

 

 

そう眺めながらフロンティアスピリットを吸いながら煙を吐き出す。夜空とは地上の僅かな光で見える星が少なくなり、都会で星空が見えない理由はまさにそれだ。

 

一応は野外での作戦で夜空は見たこともあるが、こんなじっくりと眺めたことなど一度もなかった。

 

そんな夜空を見ていたら何だか眠たくなってきたので近くにあった大岩にもたれ掛かり、少し眠ろうとした矢先、いきなり気配が強くなった。

 

それに合わせて近くの茂みから小枝が踏み折られる男に草が不自然に擦れ合う音。それが四方八方から聞こえて来ているのだ。

 

数は察するに20人弱であり、俺に向かって慎重に気付かれないように歩み寄って来ていた。

寝ているふりをしながら目を少しだけ開けると、月明かりからその表情は殺気に満ちているのがうかがえる。

 

 

「殺れ」

 

 

短く吐き捨てるように言うと一斉に剣を抜き放ったが俺はHK416を右手に持ちながら前に転がる。

 

 

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「??」

 

気が付かれていたことに驚いている敵兵の頭に5.56mm弾を撃ち込み、続けて側にいた敵兵に対して回し蹴りを見舞って蹴り飛ばし、先ほどの大岩に叩きつけた。

 

 

「寝込みを襲うから手ごたえがあると思ったんだがな……」

 

「……………」

 

 

続けて四人が四方から一斉に襲い掛かっていくが、俺は1人目をストックで殴り倒すとそのまま反対側にいた敵兵の攻撃をかわして腹にフラッシュハイダーで突いた。

 

それでもまだ2人が残っており、俺の背中目掛けて剣を振り下ろしていく。

 

 

「甘いぞ」

 

 

俺はしゃがんで膝を軸にして勢いよく足払いにてそのまま2人の男を地面に倒して至近距離から射殺。

 

 

「ぐぁっ??」

 

「がはっ??」

 

 

濁音交じりの短い悲鳴が聞こえたが霞は気にすることなく残りの男達の方を見た。

 

 

「お前達みたいな奴等に俺が負けると思っていたのか………ん?」

 

 

数では勝っている男達だが、一瞬にして七人が倒されてしまったことに動揺が広がっていた。

それで逃げ出してくれるのならよかったのだが、それでも逃げようとする者はいなかった。

 

 

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俺は奴等を殲滅することにしたが、気になったのがその装備だ。それは俺も知っているものだ。

 

 

「貴様等の装備……鉄長刀……董卓軍兵士か?」

 

 

奴等が手にしている武器……それは我等董卓軍にて1番普及している標準装備であり、第1から第5師団、更には警邏隊や髑髏蛙にても使用されている。

 

一応は鉄環手刀の種類に入り、他勢力でも使われているが董卓軍のものは柄と鞘が黒一色で何よりも鍔が取り付けられている。

 

これは他勢力と見分けがつくようにされている処置であり、これは董卓軍所属を表していた。

 

 

「貴様等の所属は?なんの任務を受けて味方を攻撃している?」

 

「………」

 

「もう一度きく……所属と任務は?」

 

 

2度確認するが何も答えない。寧ろ代わりといって9人が同時に仕掛けて来た。流石にHK416では反応し辛いと判断して右手にMk25、左手にコンバットナイフを構えて反撃する。

 

まずは刺突を仕掛けて来た敵兵の左膝を撃ち抜いて倒し、続けて別の敵兵の頭に9mmバラベラム弾を2発撃ち抜いた。

そして振りかざして来た敵兵の声帯を切断して身体を回転しながら心臓に1突き。

 

そのまま敵の身体を盾にして攻撃を受け止め、Mk25を盾にしつつ2名を仕留める。

突き刺したままのナイフを手放し、Mk25に新しいマガジンを装填して左手に持ち直し、右手でHK416を構えながらフルオートにて敵を薙ぎはらう。

 

 

「甘い??」

 

 

背後から振りかざそうとしてきた敵兵の手首に右足で受け止め、鉄長刀を吹き飛ばすと喉に蹴りを見舞った。

敵が怯んだ隙に今度はMk3A2攻勢手榴弾を取り出し、ピンを抜くと敵の足下に投げ付けた。

 

それから数秒後に起爆して敵兵を爆風で吹き飛ばす。

 

銃撃にナイフ術、体術、そして手榴弾の爆発により完全に怯んだようであり、トドメとして1人を射殺すると残りは逃げ出した。

 

 

「クリア」

 

 

2人の生存者と残りの死体を無力化したのを確認したとほぼ同時に霰と燕が部下を数人ほど引き連れて駆け寄って来た。

 

 

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「リアン??」

 

「リアンさん??」

 

「よう、騒がせてすまないな」

 

「別に構わんけど何があったんや?」

 

「夜空を眺めてたら奇襲を受けてな……しかも……」

 

「しかもって………これは…我が軍の兵士じゃないですか??」

 

「どういうこっちゃ………なんで味方がリアンを?」

 

「俺が知るか……そこの2人はまだ生きてる。膝を撃ち抜いたからもう歩けないだろうがな……燕、頼めるか?」

 

「は……はい??」

 

 

燕に指示を出すと彼女は部下を連れて襲撃者2名を連行していく。そして死体を調べていた霰に話しかけて俺も改めて装備を見てみる。

 

 

「どうだ?」

 

「……あかんな……どれも鎧の所属が消されとる。用意周到みたいやな……」

 

「手掛りなしか……仕方ない。霰」

 

「なんや?」

 

「これから夜明けまで警備を強化する。合言葉の確認を徹底させて答えられなかったら敵味方問わずその場で取り押さえろ」

 

「あいよ」

 

 

霰に指示すると味方の陣地に戻る。まさか味方に狙われるなんて思わなかったがどうだっていい。

 

みんなには手掛りなしと口にしたが実を言えば差し向けた奴には心当たりがある。天水に帰ったら月達に報告して、あの気に食わない2人を徹底的に問いただなきゃならないな……………。

 

説明
叛乱鎮圧の夜、1人になったリアンに魔の手が伸びる。
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