恋姫英雄譚 Neptune Spear |
Mission28:Operation‘‘Valkyrie’’
長安郊外に到達したが一足遅かった。長安は既に奴等の手の内にあるようであり、李?と郭の牙門旗が靡いていた。
状況から察するに帝も奴等に確保されてしまっているだろうが、これにより俺達は迂闊に攻撃出来なくなってしまった。
仕方がないので今いる場所に制圧軍の駐屯地を設けて合流した馬騰軍に曹操軍、皇甫嵩軍の3軍も加わり、状況を確認していた。
「全く……あなたと縁があるみたいね?」
「こんなに早く再開するなんて誰も思わんだろうさ」
曹操の小言を軽く対応する。簡易テントの中には合流した曹操に皇甫嵩、馬騰に娘の馬超が集まり、長安周辺の地図を挟んで軍議をする。
長安はまさに‘‘城塞”だ。
面積84キロ平方メートル。市街地に入るには東西南の合計9箇所の門をくぐるしかなく、更に帝がいるとさり宮城に入るには第1の城壁を抜け、皇城の先にある第2の城壁を突破しなければならない。
しかも長安を警備していた兵員の数は皇甫嵩によると実に10万。宮中騎兵隊を始め守備隊は確実に掌握されているだろう。
対して強行軍である俺達の兵力は3万弱。実質上で3倍もの兵力差がある状態で戦わなければならない。
「偵察隊からの報告によれば李?・郭軍は城門前全ての橋を封鎖し、城壁にも多数の守城兵器を増築している」
「そうね……城壁には藉車も確認できたし、連弩も要所要所に設置されてるわね」
「おまけに城門すべてに塞門刀車が回されてるし、警備も厳重。下手をすれば帝を利用したがっていた輩も反乱軍に与した可能性があるわ」
「厄介だねぇ……辺章の奴を倒した直後だっつうのに………」
「すまないな馬騰、馬超」
「いいってことよ。こっちもあんた等に借りもあるしな」
別に借りって程でもなんだがな……。
「話を戻す。対城塞戦闘において愚策ではあるがここは正面突破しかない。曹操軍が衝車を用意してくれたとのことだな?」
「えぇ、だけど火急だったから数も1台しかないわ。もしこれが破壊されたら………分かるわね?」
「あぁ、市街地に繋がる城門で1回、皇城に繋がる城門で1回。宮城に繋がる城門で1回の合計3回。1台しかないのならこれの死守は必然だが敵も予想しているだろうな………」
俺が奴等なら間違い無く衝車をいちばん警戒するだろう。投石機に弩砲、跳ね橋もあげて孤立させ、破壊する。これだけで鎮圧側の敗退は必然となる。
「本当に厄介ね…………それで、天界の戦士様はどう対処するのかしら?」
「全くの手詰まりって訳ではないが……」
「どうしたのかしら?」
「この作戦は我が軍、曹操軍、馬騰軍、皇甫嵩軍の4軍が連携して支え合わなきゃ失敗する作戦だ」
そういいながら俺は地図の東側を指差す。
「主力部隊が正面から攻撃を開始している間に俺が東側の通化門から通じる水路から興慶宮に向かう。
そこから?城内部に潜入して陽動爆破で破壊。
敵が混乱している間に本隊は正面突破して市街地に突入する」
「陽動爆破って………そんなことが出来るのかしら?」
「可能にする装備を持ってる。それは問題ない………突破を確認したら宮城へ続く跳ね橋を内部から降ろして進路を確保。宮城に突入して帝を奪還。李?・郭軍を鎮圧する」
敵が防備を固めているには内側から混乱を誘い、注意を分散。その後に俺が引き続き単独で潜入して友軍部隊の進路を内部から開放していき、最終的には李?と郭を倒して帝を救い出す。
連携が大事というのはこれがまさに理由だ。もし一箇所でも崩れたら勘付かれてしまう可能性があり、最悪の場合は帝が殺害されてしまう可能性もある。
「いい作戦だけど危険も大きいわ………」
「だがこれしか手段はない……正面突破という愚策を敢えて実施するからには多少の危険は冒さなければならない。それは曹操……あんたも分かってるだろ?」
「俺はリアンに賛成だな。危険を敢えて冒す肝のデカさは気に入ったぜ」
「長安の一画を破壊するのは賛同し難いですけど、背に腹は変えられないですし、帝を救い出せるなら安いものです」
「はぁ………仕方がないわね……あなたの賭けに乗ってあげるとするわ」
「感謝する………」
全員の賛同を得たことで俺の作戦が可決され、準備に取り掛かった。
はっきりいえば危険性は高いがそこは元DEVGRUオペレーターの真価を発揮させる時だ。単独ならば見つかる可能性がいちばん低く、注意が正面に集中しているなら勝機がある。
董卓軍の顔に泥を塗った恥さらしの李?と郭を始末する。今回の作戦名は………。
……………オペレーション‘‘ワルキューレ”。
説明 | ||
占領された長安を奪還する為、乾坤一擲の作戦が始まろうとしていた。 | ||
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