暁の食事処第7話 |
命のやり取りをして、金を稼がなければいけないようだ」
私のその言葉に霧野さんは神妙な表情で
「それはつまり武官になるということでですか?」
「いや、基本的には村や街に迷惑をかける猪や熊で懸賞金
がかかっているものを狩ることにする.........」
ここまでならばさほどの決心はいらない迷惑をかける生き物を
駆除するこれは転生前の世界でも珍しくない
しかし
「もし、たちよった村が山賊に襲われていたり、もしくは危害を
くわえるような状況にあったら......
私は山賊と命のやり取りをするだろう」
紅蓮は村や街を襲っている山賊には大抵、懸賞金がかかっていると
考えた、しかし紅蓮はもちろん人をあやめたことはない
猪などの生き物は何度か師匠と狩った経験がある
しかし、人の命を奪うことはどんな大義名分があろうと
責任から逃れることはできないのだ
「しかしまあ、人の命を奪い金を稼ぐ、あまり誉められたことではないな」
これがまだ人々を助けるためだけならまだいい、しかし紅蓮は人々を助けたい
という気持ちはありながらも結局は金を稼ぐという目的があっての
ことだ
「まったく、偽善もいいところだな........」
と苦笑しながら呟く
私の言葉を目を伏せながら黙っていた霧野さんが私を見据え口を開いた
「紅蓮さん、僕はあなたがそれでいいなら何もいいません
でもこれは覚えていてください、あなたのやろうとしていること
すべてが悪いというわけではないことを」
あまり自分を追い込むなということだろうかと解釈し
「わかりました、そう覚えておきます」
と返した
「それだけで十分ですよ、では数年間修行したあとはなにを?」
私はその問いにあまり時間は使わなかった
「そうだな、各地を回りながら屋体を開こうとおもう」
この時代の食事や食べ物に興味深いもそうだがなにより
自分の腕がどこまで通用するか知りたくもあった
それを聞くと霧野さんはとても嬉しそうに
「それはいいですね、神からもあなたの料理の評判は聞いていますよ
あなたの料理はいままでの食事で一番おいしく、なによりも
心の中が温かくなったそうですよ」
一番というのは過大評価だが、心が温かくなるか........
いつも料理を教えてくれた師匠が言っていたが
一つ一つの料理に魂と思いを込めろと言っていた
師匠いわく、たったそれだけでもおいしい料理がさらにおいしくなり
人の心を癒すことができるらしい
だから私はいつも料理に魂とその場面にあった思いを込めていた
「まあ食べてくれた人が満足ならそれに越したことはないだろう」
と私が言うと
「それもそうですね」となっとくするようにうなずいたあと
「大体の道筋が決まったところで、あなたに必要な物や道具
をあげましょう、まず先程話したとうり一年分のお金そして
地図とこの世界にあった服装をあげましょう、今のままの格好では
目立ちますから」
確かに今の格好は灰色のブレザーに下は学ランである
このままでは注目を浴びてしまうそれはもちろんさけたい
「そして、屋体を開こうとしているので着物も用意しましょう」
「パチンッ」
と霧野さんが指を鳴らすとテーブルの上にお金の入った麻袋と
上と下の旅人風の服装が3着、下着も3着と黒一色の着物が2着
と地図が置かれた
着物まで出してくれるとはあの神といい本当に気遣いしてくれて
とても感謝しているしかし肝心のあれがないと思っていると
「おっと、そうでしたあなたがいきるためと身を守るための
武器がいりましたね、あなたが転生前に使っていた日本刀
2本でいいですよね」
私が、拾ってくれた師匠に教えてもらったのは剣術しかも
珍しい二刀流である、流派は絶剣流といい江戸時代から始まり
かつては国取りまでと言われたらしい
「本来なら私が成人した時、師匠の愛刀を2本授けられるはずだったが
それに関しては残念だ」
師匠の愛刀は自分が修行な時に使っていた剣とは比べ物にならないほど
の切れ味と丈夫さだった
霧野さんも残念そうな顔をし
「それは残念でしたね」
というそのあと元気付けるように
「しかし安心してください、あなたに用意する剣はそれに負けず劣らず
ですよ! さあ試し振りもしたくなるでしょうから小屋の外で
渡しますよ」
と外に出るように促す、
私と霧野さんがが外に出ると私の目の前に2筋の光が現れる
私は霧野さんを見ると彼はうなずいた
私は左右の手で一本ずつ掴む、するとぼやけていた光は輪郭がはっきりし
柄の方から姿を現しやがて二本の刀を形成した
右手に持った刀は柄が真紅で鞘は白 左手に持った刀は柄が青で鞘は黒だ
私は二本の刀を鞘から抜き鞘を地面に置く 右手の刀の刃は白銀のような色をしており
太陽の光に反射して輝きくオーラに包まれていた
左手の刀の刃は漆黒の色をしており白銀の刀とは対極ですべてをのみこむようなオーラがある
私は霧野さんからはなれ演舞を初める
「ビュオッ、ヒュン シュ」
空気を切る音がする
私の演舞を見た霧野さんは「ほう......」と感心していた
しばらくして演舞をやめて刀を見る
いい重さだ、丈夫さと切れ味も確かに師匠の刀に負けてない
「どうでしたか?」と
気になったように聞いてきた
「最高ですよ、ありがとうございます」
と頭を下げ刀を鞘に戻し手に持つ
「いえいえ、満足してくれたので良かったです、それより
その刀の名前を決めてください」
私は二本の刀を見て
「右手の刀は白銀のオーラに狼の牙のような鋭さから 白牙(はくが)
左手の刀は漆黒のオーラに渦にのみ込まれそうだから 黒渦(こくう)
どうですか?」
「いいと思いますよ、あっ........大事なことを忘れていました」
「しまった」とゆうような声を出す
「この世界では姓と名意外に字と真名というものがあります
ですので姓は満(まん) 名は月(げつ) 真名は紅蓮で 字は.......
優真でどうでしょう、あなたは根はとても優しいし真っすぐなので」
読み方は多少変わるし字というのも入るが自分が優しいかどうかは
別として悪くないのでいい、それにこの世界では字と真名はほぼ
全員にあるようだ自分にないことで怪しまれるのも癪だった
「それでかまわない」
「ありがとうございます、ちなみに真名は家族や親しい人間だったり
信用している人間にしか教えませんうっかり真名を呼ぶと
争いになりますから気おつけてください」
これはしっかり覚えておこう
「さて、ひととおりの説明は終わります、ほかに聞きたいことはありますか?」
私は少し考え
「なら、原作開始の予兆を教えてくれないか」
これは知っておきたかった
「はい、まあ簡単にいえば咯陽の街で占い師が天の御使いが来ると
予言します、その噂が広がったら原作開始が近いと思って下さい」
「わかったいろいろすまない」
「これも仕事ですから、もうないなら森の入口まで転送させます
よろしいですか?」
とくにないので
「ああ、頼む」
「では神もいいましたが楽しんで下さい私も期待しています 、ではいってらっしゃい」
「パチン」
と彼が指を鳴らした瞬間私は森の入口にいた、側にリュックのようなものがあった
用意してもらった物はそれに入っていた
「さて、いくかと」
刀を腰差し、リュックから地図を出し、リュックを担ぎ地図を広げ
あるきだした
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