英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 戦争回避成功ルート
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〜バルヘイム宮跡〜

 

「まだあると言うのか!?今度は何だ!?」

「ハ、ハッ!オルディス襲撃の報を知ったオーレリア将軍閣下がオルディス奪還の為に兵達を率いてオルディスに向かったとの事ですが…………将軍閣下達はユーディット様の呼びかけによって、メンフィル軍に降伏し、武装解除をして投降したとの事です……!」

「何ですって!?あの”黄金の羅刹”が戦う事なく、降伏したって言うの!?」

「な――――ユーディットがだと!?それは真(まこと)なのか!?」

更なる驚愕の報告を聞いたクロチルダは信じられない表情で声をあげ、カイエン公爵は血相を変えて問いかけた。

 

「は、はい……しかもユーディット様は自らを”カイエン公爵家当主代理”と名乗り、その場で公爵閣下の爵位は既に”カイエン公爵家”によって剥奪されると共に当主を解任されている事や内戦終結後閣下の身柄をメンフィルに引き渡すと仰っていたとの事です……!」

「お、おのれ……!あの誇り高き帝国貴族の面汚しが……!今まで育て、可愛がってやったと言うのに、我が身可愛さに気高き誇りを捨てて薄汚い簒奪者共に媚を売るとは、どこまで恥知らずなのだ、あの親不孝者はっ!?」

兵士の話を聞いたカイエン公爵は怒りに震えた後怒鳴り

「う、嘘だ……あのオーレリア将軍閣下が……領邦軍の”英雄”である”黄金の羅刹”が降伏するなんて……!」

「ユーディット様は一体何を考えておられるのだ……!?」

周囲にいる領邦軍の兵士達は表情を青褪めさせて身体を震わせていた。

 

「……………………」

一方、冷静になって考え込んでいたヴィータは杖を掲げて転移魔術を発動した。

「ヴィータ!?どこへ行く気だ!?」

「――――カイエン公爵閣下。誠に心苦しいですが私達の関係はこれで”終わり”にさせて頂きます。閣下達のご武運を遠い地にて心から祈らせて頂きます。」

「な――――まさか私達と手を切るつもりか!?貴様ら”結社”の”幻焔計画”とやらに私達が必要ではなかったのか!?」

「ヴィータ!?まさか今の状況を放置する気なのか!?エレボニアの内戦は終結に向かうどころか、メンフィルが介入した事で余計にややこしくなっているんだぞ!?」

自分達と手を切って去ろうとしているクロチルダに驚いたカイエン公爵とクロウは血相を変えて問いかけた。

 

「……元より”結社”の”計画”の目的は”蒼”と”灰”の勝負の”舞台”を導く事。”蒼”と”灰”の勝敗以外は興味はないと最初に申し上げたはずです。このまま貴族連合に協力しても、計画の成就の達成は不可能だと思われますので私達はこれで失礼させて頂きます。それとクロウ、貴方の手で内戦を終わらせたいという気持ちはわからなくはないけど、悪いけどそれは諦めて……でないと”灰”との勝負すら叶わないわよ。」

「ヴィータ…………――――畜生……ッ!どうしてこうなったんだ……!」

クロチルダの話を聞いたクロウが複雑そうな表情をした後悔しそうな表情で唇を噛みしめて両手で操縦席を叩いた瞬間クロチルダの転移魔術によってクロチルダと共に転移で消えようとし

「待て!その為に”煌魔城”を具現化させ、”アレ”を復活させる必要があるのではないのか!?待て―――――ッ!!」

カイエン公爵は血相を変えてクロチルダを捕まえようとしたが、クロチルダはクロウを乗せたオルディーネと共に転移した!

 

「そ、そんな………”裏の協力者”の方々に加えて”蒼の騎士”までもが協力を打ち切るなんて……」

「お、俺達だけで正規軍とメンフィルに勝てるのか……!?」

「お、おのれ―――――ッ!どいつもこいつも……っ!」

「こ、公爵閣下……これからどういたしましょう……?」

クロチルダ達が去った事で領邦軍の兵士達がそれぞれ不安な思いを抱えている中、怒りによって身体を震わせているカイエン公爵に兵士は恐る恐る尋ね

「ええい、五月蠅い!今考える!!」

カイエン公爵は怒鳴った後考え込み始めた。

(フフッ………この調子ならば僕に頼る日がすぐにでも来そうだね……!)

その様子を陰から見守っていたヨアヒムは醜悪な笑みを浮かべていた。

 

 

〜エレボニア帝国西部・某所〜

 

クロチルダ達が貴族連合と決別して去ったその頃、西部で領邦軍の指揮を取っていたウォレス准将は部下から驚愕の報告――――メンフィル軍による帝都、カレル離宮襲撃、エリスやユーゲント三世達がメンフィルとオリヴァルト皇子達にそれぞれ奪還された事、そしてオルディスとバリアハートが制圧されてしまった事を聞いた。

「………まさか僅か半日で我らをここまで追い詰めるとはな……これがメンフィル帝国の”本気”か……フッ、”井の中の蛙”とはまさにこの事であろうな。今回の襲撃や陛下達が奪還された事が知られれば下手をすれば貴族連合から手を引く者達が現れるかもしれんな…………―――オーレリア将軍閣下とも今後の事について話し合わないとな。」

報告を聞き終えたウォレス准将は静かな笑みを浮かべた後、すぐに真剣な表情になった。

「そ、その………大変申し上げにくいのですが、現状オーレリア将軍閣下と接触する事は厳しいと思われます……」

「何?どういう事だ?まさか今回のメンフィルの襲撃によってオーレリア将軍閣下の身にも何かあったのか?」

「は、はい。実は――――」

そして兵士はウォレス准将にオーレリア将軍がメンフィル軍に投降した事やその経緯を説明した。

 

「………そうか。報告ご苦労。カイエン公と相談し、今後の方針が決まり次第すぐに指示を出す。お前は下がってよい。」

「ハッ!」

ウォレス准将の指示によって兵士はその場から去り

「……これも”風”の導きによるものというのか……?カイエン公が暴走して、愚かな事を仕出かさないとよいのだが……」

兵士が去った後ウォレス准将は重々しい様子を纏って呟いた。

 

 

〜帝都近郊〜

 

「お、戻って来たか。」

「リーダー、帝都の様子はどうだったの?」

クロチルダと共に転移魔術で現れたオルディーネに気付いたヴァルカンとスカーレットはそれぞれ声を掛けた。

「……落ち着いて聞けよ。実は――――」

そしてクロウはクロチルダと共にヴァルカン達に事情を説明した。

 

「何だと!?」

「嘘でしょう!?メンフィルは僅か半日で貴族連合をそこまで追い詰めたの!?」

「な、なななななななななっ!?ク、クロチルダ様……!先程カイエン公と手を切ったと仰いましたが、これからどうなさるのですか……!?これでは”幻焔計画”が……!」

事情を聞き終えたヴァルカンとスカーレットは信じられない表情で声をあげ、デュバリィは混乱した様子でクロチルダに尋ねた。

「………オルディーネの修理も必要だから、”灰”が”蒼”との勝負の準備を整えるまでの間クロスベルに滞在するつもりよ。もはや”蒼”と”灰”の勝負を見届ける事だけに妥協しないと、今回の計画の目的すらも果たせなくなってしまうわ。だから貴女もこれ以上貴族連合に手を貸す必要はないわよ。―――負け戦に付き合わせてしまって悪かったわね。今回の失態は幾らメンフィルでもさすがにそう簡単に戦争には踏み切らないと高を括っていた私の落ち度よ……こんな事ならエリスとリィン君を攫うべきではなかったわ………”怪盗紳士”に加えて”結社最強”と恐れられていた”劫炎”と”黒の工房”から出向していた”黒兎”までも失ったのは余りにも痛かったわ………盟主(マスター)への報告や今後のメンフィルの”結社”に対する動きを考えると憂鬱だわ………」

デュバリィに謝罪したクロチルダは疲れた表情で肩を落とし

「グググググッ……!メンフィルに私達の計画を滅茶苦茶にされた挙句戦力も減らされたというのに、一矢も報いる事無く泣き寝入りをするなんて屈辱ですが、クロチルダ様がそう決めたのであれば仕方ありませんわね……っ!申し訳ございません、マスター……ッ!」

クロチルダに謝罪されたデュバリィは悔しそうな表情で唇を噛みしめて両手の拳を強く握りしめて身体を震わせていた。

 

「そう言う訳だからオレとヴィータ達はしばらくの間クロスベルに厄介になるが、お前らはどうする?」

「―――俺はこのまま残るぜ。この内戦は俺にとってもやり甲斐があるし、元猟兵として望む所だしな。」

「私も残るわ。クロスベルに行く気なんてないし、それに”鉄血”がいなくなった今、どうでもいいしね。」

「…………そうか。お前ら二人とも、満足な”結果”で終わるといいな。」

ヴァルカンとスカーレットの答えを聞いたオルディーネの中にいるクロウは重々しい様子を纏って答え

「フフ、リーダーもね。」

「アンタが俺達のリーダーで本当によかったぜ。―――達者でな、リーダー。」

「ああ、お前達もな。――――また会える日が来るといいな。」

二人に見送られながらクロチルダの転移魔術によってクロチルダ達と共にその場から消えた。

 

「…………行ったな。」

「ええ…………フフ、それじゃあ行きましょうか。それぞれの”決着”を付ける為にも。」

「ああ……!」

そしてクロウ達を見送ったスカーレットとヴァルカンは歩き出した。―――――もうクロウと再会する事はないという思いを抱えながら…………

 

 

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と言う訳でまさかのクロチルダを始めとした結社が貴族連合から手を引くというとんでもない展開になりました!(大爆笑)そしてクロチルダ達にこう突っ込んだ人もいるかと思います……むしろエレボニアよりクロスベルの方が死亡フラグや負けフラグが滅茶苦茶あるぞ!……と。何せクロスベルに集まっているメンバー考えたら笑いが止まらないwwオルディーネとかアレですね。今度はクロウがいる状態でしかも生身でぶっ壊されるんじゃないですかwwギュランドロス達やセリカなら普通にやりそうだし、このシリーズで強化されたロイド達でも可能でしょうwwそれどころか相手がエウシュリー組の場合、下手したらクロウごと葬るという可能性も(冷や汗)

説明
外伝〜帝都の決別〜後篇
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コメント
K'様 コメが荒れるのなんてもう慣れましたよ、フッ……(遠い目) まあ実の所を言うと今の所クロウとヴィータを殺す予定はありませんが、ヴィータは仲間になって、クロウは仲間にならない展開を予定しています。ちなみにその時のヴィータは事情は異なりますが結局はリィンの毒牙にかかる予定です(遠い目)(sorano)
生き残るのは本編でやってますしクロウ死亡も有りといえば有りかも。またコメが荒れそうですが(K')
本郷 刃様 ヴィータはまた選択を間違えましたww ジン様 すみませんがそんな予定はないッス。この小説でもオルディーネはクロスベルで退場する予定です ふかやん様 案外こっちのルートの方がモブを除いたキャラ達の死は少ないかもしれません(sorano)
さて、ここではオーレリアやウォレス達は生存の見込みがありそうな感じですが…出来れば死んでほしくないですねぇ。(ふかやん)
取り敢えずオルディーネは破壊せずに残したままリィンとクロウの決着をつけてリィンとクロウの騎神のコンクラとそこにエリゼも加えた三位一体のトリニティクラフト(オリジナル)をやってほしい。(ジン)
本当の正解は素直に撤退することことですが、よりにもよってクロスベルを選択してしまうとはw(本郷 刃)
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