リリカルなのはZ |
はやてが顔なじみの病院から変装して帰宅しようとすると多くのマスコミが自分の家の前にいた。
グランツ研究所だけならまだしも一般家庭でしかない彼女の家ではザフィーラが番犬の仕事を120%発揮していた。
使徒襲来以来、マスコミの取材がどしどしくる。
中には生体データをくれと言ってくる怪しげな研究者の群れ。
そう言う事を一切拒否している。
中には今話題のアイドルグループから重鎮の芸能人。世界的大スターまでこちらと接触してくる。
翌年にはここを引き払ってミッドチルダに引っ越す予定なのだが、それまでは自分の両親が残した遺産。大事な形見でもある。
だが、この様子じゃ、とてもじゃないがくつろげない。
忠告を受けていたのに無断出撃した始末書を提出しなければならない。家の前でたむろしている彼等に気づかれる前にフェイト・テスタロッサ・ハラオウンのマンションまで行こう。
自分の交友関係で彼女やその友人宅までマスコミはいるが、管理局の根回しが聴いているハラオウン家の住むマンションなら少しはましだろう。
(リンディさん。今頃、てんてこ舞いやろうな・・・。今度、ご飯を作ってお詫びしないと。っと、そう言えばあそこの姉さん達は今頃どうなっているんやろ?)
姉さん達とは、アミタ・フローリアン。キリエ・フローリアン。
今話題の所在も詳細も既に世間に提出済み。という世界で一番有名な姉妹だろう。
ただでさえ、最新のゲームに巨大ロボットを叩きだしている所の娘さんだ。
高校生で魔法少女?しかも二人共ナイスバディの美人だ。
世間はほっとかないだろう。
そう考えていたはやての考えは当たる。
ただし、彼女の斜め上どころかz軸の方向に。
今、話題の女子高生がいる。
一人は活発で熱血という文字が似合う美少女高校生。
もう一人はクールというかシニカルな美少女高校生。
そして、そんな二人を迎えに来た筋肉質な男性。
「おう、二人共お勤めご苦労さんっ」
にぃっ。と、笑顔を見せ親指を立てる男性に熱血少女のアミタを除き、その場にいた全員がこう思ったはずだ。
『暑苦しいっ!』と、
「はいっ。ただいま帰りましたっ。そちらもお疲れ様です!ランボルトの機動指導、もう終わっていたんですか?」
「問題無い。元々重機を扱えて、普通自動車の免許を持っている奴ならすぐに動かせるし、大丈夫だろ!」
「ばっちりですねっ」
アミタも似たような笑顔で返す。
ただ、アミタは少女なためか、暑苦しいと言うよりも可愛らしさの方が勝っている為か、爽やかなスマイルだった。
「うーん、そのヒートスマイルは甘いな。美少女な分、ヒートの所が緩くなっている。マイルドスマイルといったところか」
「くぅっ、そうですか。ですが、いつかきっとそのスマイルを会得してみせます」
「会得しないでよ、お姉ちゃん・・・」
美少女と言われたことよりも暑苦しい笑顔を見せることが出来なかった事を悔しがる女子高生。そんな姉に呆れた妹はごく自然な動作で迎えに来た男性。高志の腕に区でを絡ませる。
「もう、うちはただでさえお姉ちゃんとレヴィで暑苦しんだからほどほどにしてよねん」
「そうは言われてもなぁ・・・。『暑苦しい笑顔』が俺のアイデンティティなんだ。そう、どんな((借金|ぎゃっきょう))にも耐えられる精神を笑っていられるように。俺はヒートスマイルを辞めるつもりはないぜっ」
「ナイススマイルですっ!それでこそ『傷だらけの獅子』。ガンレオンの操者です!」
キリエとは逆の腕に自身の腕を絡めるアミタ。
それが普通と言わんばかりに高志も平然と受け止めているが、二人から女性特有の匂いでだらしなくなりそうな表情をヒートスマイルで無理矢理整える。
三人がこうも仲睦まじいように見えるがこれは姉妹の父親であるグランツとプレシアからの指令で、ハニートラップ対策である。
こうやってまるで恋人同士のように見せることで不逞の輩から三人を遠ざけるものだ。
正確には、レヴィにディアーチェ。シュテルの三人にも同じように接してもらうように言いつけているので遠目から見るとアリシアを含めて七股しているようにも見える。
高志が見る方に回ったら問答無用で殴りかかっていただろう。
だからこそ、周囲からの嫉妬視線も許せる。
元々美少女であるアミタとキリエ。しかも研究所所長の娘で容姿端麗・性格も熱血とシニカルで親しみがわく。
しかも姉のアミタは面倒がいいために彼女が通う学校では『お姉様』と呼ばれることもある。
そんなアミタを心から尊敬し、恋慕の想いを持つ女子生徒からは悲鳴が上がった。
「ひぃっ、お姉様、はやくその野獣からお離れになってください!汚されちゃいます!」
「・・・いや、一応、迎えに行く前には風呂に入ったぞ」
いわゆる百合という性癖の女子生徒は明らかに嫌悪の目でアミタの空いている腕の方を取り、高志から離そうとする。が、ハニートラップ対策のアミタ達の思惑を知る筈もなく、キーキー言う。
「ねえ、花ちゃん。彼と私達はこれから用事があるんだけど・・・」
「よ、用事?ま、まさかデートとか言うんじゃないですよね!?そ、そんなのは駄目ですっ。お姉様とそのような事をするにはこの男じゃもったいなすぎます!命の恩人とか、世界を救う英雄クラスじゃないと駄目です!」
ガンレオンの操者。使徒の撃退に成功。命の恩人に直結。
「なら、構わないですね!」
「う、うえええっ、あのロボットの操縦者って金髪のお姉さんじゃなかったですか?!」
「あ〜、パッと見、アリシアの方がいいよな。インタビューもアリシアの方が多かったし・・・」
「あはは〜、そりゃ、暑苦しい人よりも美人の方がいいに決まっているわよね〜。まあ、そう言う事だから、私達は行くわね」
アミタは花ちゃんと呼ばれた女の子の手を振りほどいて体全体で高志に抱きつき、キリエの方も高志がガンレオンの操者だと軽く説明しながら密着度を上げて、まるで見せつける様にその場を去っていく。
「・・・あお、覚えていなさいよっ。必ず、必ず、お前の手からお姉様を取り返して見せるんですからぁあああああ!!」
もう見ていられないのか、花ちゃんはそんな捨て台詞を言いながら校舎の中へと向かって行った。
ショートツインテールの女の子の背中を見送った高志は、アミタに良かったのか。と、尋ねる。
アミタは慕ってくれるのは嬉しいけど、自分達と一緒に暮らしている人を悪く言われるのは気に喰わなく、いい薬だと言った。
それよりも用事を済ませた方がいいと急かされた。
向かう場所は海鳴市スタジアム。
海鳴市の中で一番大きなドームであり、海鳴市にある小・中・高・大学の併合したマンモス学校設立決定を記念するコンサートが開催されるためのリハーサルがある。
そこで高志とアリシア。アミタにキリエ。ディアーチェ達が歌を歌う。
これは使徒が再来してもすぐに避難するための処置であり、マンモス学校の下には地下施設のNERVよりも小さいが居住性のあるシェルターを作られる予定だ。
その資金を集める為、そして、ガンレオンやグランツ研究所の名声を高めるための宣伝効果もある。
「明日、花ちゃんにも来てもらいましょうか?私達が仲良く歌を歌っていれば、きっと彼女とも和解できるはずです」
「それはやめておいた方がいいと思う」
「私も〜」
「どうしてですか?」
嫉妬のあまり刺されちゃうかもしれないからだよ。
それを口にしないキリエと高志。
この後、ディアーチェ達が通う女子高の方でも似たような光景が繰り広げられることになる。
百合率が高いなぁ、この世界。
と、のんきに考えていた高志だったが、同時にロリコンと女癖の悪さが世間一般に広がることになる。
一応、この『傷だらけの獅子』。彼女持ちである。
その彼女も今はロリ化しているから世間の噂を完全に払しょくできない。
まったく、女運最悪とはよく言ったものである。
高志は銃の特典を持って転生していますが、その半分は反転。逆転しているためバッドステータスになっています。
特典として、
『ガンレオン』
エヴァのある世界に飛ばされる前にはバリアジャケットとして展開可能。今の世界に飛ばされた時、何らかの変化があったのか40メートルクラスのロボットが展開される。
モビルトレースシステム。もしくはサイコフレーム搭載ガンダムの様に自分の体の様に操ることが可能。ただ、ダメージもそのままフィードバックする。
『前世の記憶所持』
そのまんま。
『前世で世話になった両親へお礼のメッセージ』
これを利用されて某『知りたがる山羊』さんに精神的に殺されかけた。ある意味、転生ペナルティー。
『人並みの容姿・男性』
転生してからは二代目ザ・ヒートを目指して筋トレとスマイルトレーニングを行っている為、二十一歳の体にしては筋肉質かつ肌黒い。
醤油味の顔をしたランドさん。髪色は黒。
『その世界では平均的な身体能力』
周りが才能の塊さん達だらけなので、気合と努力と根性で身体能力を底上げ。
盾の守護獣さんと殴り合いが出来るほど肉体を作り上げた。
ただ、魔力操作と教養は乏しいため、ミッドチルダなどの魔法世界ではプレシアやリニスといった魔法のスペシャリスト達の補助が無いと生きていけない程、魔法知識。そして、運が無い。
特典ペナルティー。
反転した特典。
『ガンレオンに合った理想の環境』
空中戦。
・・・ミノフスキークラフトをください。
ガンレオンはマグナモードじゃないと空を飛べない。
『平和な世界に転生』
死亡フラグ満載な世界。
『スフィアの因果に呑みこまれない』
神はそれを許さなかった。
『スフィアの反動も無し』
許さない。絶対に許さない。
『女運最高』
『女運最悪』に変化
女性に何かと縁があるが、その度にダメージフラグが確定。
軽く女性不審に陥りかけている。
前の世界で彼の癒しになったのはティーダ・ランスターの作る豆腐料理。エリオとアニメ・特撮鑑賞。ヴィヴィオの笑顔。
この三つが無かったら高志は精神的に死んでいたかホモになっていた。
説明 | ||
第十四話 暑苦しい笑顔 | ||
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誤字報告です 「高志の腕に区でを」腕を?(kaji) | ||
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