真・恋姫無双〜孫呉空
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序章 6話 牛魔王

 

 

 

 

 

 

 

 

皆は牛魔王を知っているだろうか?

 

遥か昔、平天大聖、または大力王と称され、白沢とは違う意味で妖怪の長、王をしていた妖怪を

 

その妖怪の力はどの妖怪、人間を寄せ付けず、どの様なものでもひとたまりもなく破壊され、その鍛えられし筋肉は鋼よりも固い物となって身を守る盾だったと言われていた

 

この力を持ってその妖怪、牛魔王はあの時まで自分が最強だと、この地上には自分を超える者はいないと思っていた

 

しかし、世界は移り変わった

 

そう、斉天大聖こと美猴王、後の世で言う孫空が生まれたからである

 

美猴王は生まれた時の力も計り知れない物だった。そして、すぐに仙人の元で力をつけた。そのおかげで、牛魔王すらもゆうに超えた力を手にしてしまった

 

それから美猴王は世界を回り全ての強者達と戦い殺しまわった

 

その中には牛魔王が外れる訳も無かった

 

そして、美猴王は世界の強者たちを悉く打ち倒し最後に戦ったのが牛魔王だった

 

牛魔王も今まで最強の座に居た者、そう易々と負けはしなかった。美猴王との戦いは三日三晩続いた

 

他の強者たちはもって一時間そこそこなのにである

 

だが、やはりとも言えるが牛魔王の力及ばず先に倒れたのだった

 

倒れた牛魔王の体は三日間の戦いにより美猴王の攻撃でボロボロになっており、起き上がる事が出来なくなっていた

 

それを目にした美猴王はこれで終わりか言いたそうな顔で牛魔王に近づいて行き止めの一撃を放った

 

牛魔王は止めを刺される時、この様に思った

 

何だその顔は・・・・・俺を馬鹿にした様な、期待外れの様な目は!!俺は最強の男だぞ!!その様な目で俺を見るな!!

 

牛魔王は自分の弱さと美猴王の落胆したような目から悔しさ、憎悪激しく湧き溢れた

 

そして、止めを刺した美猴王がその場から離れた時、一つの影が現れた

 

 

 

 

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突如現れた影がもうすぐ死を迎える牛魔王に問いかけた」

 

左慈「おい、そこの牛。お前は力を求めるか?」

 

牛魔王「・・・・だれ・・・だ?」

 

左慈「俺の質問に答えろ。力が欲しいか?」

 

牛魔王「ちか・・・・ら?・・・ああ、欲しい・・・・あいつ・・・・美猴王に負けないほどの力が・・・・」

 

左慈「そうか。なら、俺と一つになれ」

 

牛魔王「??一つ?」

 

左慈「ああ、俺と融合とでもいうのか?まあ、いい。取りあえず俺と一つになる事によりお前は今の力に仙人の、自然の力が手に入る。解るか?条件で言えばあのサルと同じ場所に立つことになる」

 

牛魔王「!!・・・・わかった。強くなれるなら、頼む」

 

牛魔王はそう言って目を瞑った

 

それを確認した左慈は牛魔王の傍に立ち、術を唱え始めた

 

次第に左慈と牛魔王の体が重なっていき、何時しかその体は一つの物になっていた

 

左慈「ふふ、これであいつを・・・ビキッ!!ぐお・・・」

 

左慈は計画通り強靭で知られる牛魔王の体と一つになったのを確認して今後の事を考えていると突然頭の中から激痛が走った後、突然その顔が別の人格に変わったように豹変したのであった

 

??「如何やら上手く一つになっているみたいだな、左慈?」

 

左慈「グッ・・・・何故、意識がのこって・・・・ぐああああ!!・・・・何故まだ意識がある牛魔王!!」

 

今回の事は左慈がこの世界に居る、今までとは明らかに違う規格外とも言える北郷一刀と渡り合うために必要となる強靭な体を手に入れるために牛魔王を唆しその体だけを手に入れる計画であった

 

しかし、計画通りにはいかなかった

 

牛魔王「ん?おかしなことを言うな。お前は一つになると言ったのだろう?だからこの体には俺とお前の二つの意識があるのだろう?」

 

左慈「グウ・・・・なら・・・・この痛みは何だ・・・・なぜお前にはそれが無い!」

 

牛魔王「いや、一応俺もお前と同じ痛みがあるぞ。ただ、我慢できん痛みじゃないだけだ」

 

左慈「チッ・・・・それで、何故まだ意識が残っている!お前は俺の中で消えるはずだ!」

 

牛魔王「ふむ、やはりそうだったか。一つになって、お前の考えがこちらにも伝わってくる。だから、始めお主の名も呼べたが・・・・・しかし、左慈お前俺を甘く見ていたな?此れでもおれはこの世界で最強を誇っていたのだぞ。そして、さっきまで自分でも驚くほどの執念と増悪に包まれていた。これほど強い意志があればそう簡単に消えたりはせん。それよりもお前の方が消えそうではないか?」

 

牛魔王は笑みを浮かべながら内に居る左慈を見つめた

 

この世界の牛魔王もまた一線を超えた存在であった。左慈が思うほどこの世界は甘くなく、力が全ての世界、如何に管理者であっても決して動かせない理が存在していたのだった

 

左慈「クソッ・・・・俺はこんな所で躓いてなど・・・・」

 

牛魔王「ほう・・・・そう言う事か。なら話は変わってくる。左慈、俺と完全に一つになれ。俺もお前が殺したがっているヤツを完膚なきまでにやりたいからな」

 

左慈「何?・・・・・・・グッ・・・・・そう言う事か。良いだろう、俺もそっちの方が都合がよさそうだ」

 

左慈も牛魔王が言ったように牛魔王の考えが読み取れる

 

そして牛魔王の考えを知り協力体制を取ることを決めると、二人の意識も徐々に重なり合い始め、ついに

 

「これで完成だ」

 

そこには美猴王と戦っていた巨大な体では無く、普通の人間のサイズをした青年が居た

 

青年の特徴は頭から背中にかけて鬣の様な物が生えており、額と両腕に刺青が入っていた。全身の筋肉も無駄無く発達して正に戦闘のための体であった。そして一番の特徴が目であった。右目が紫色に対して左目が金色の目をしていたのであった

 

「さて、まずはこの体になれる事からだな。この溢れるような力を制御しなければ始まらないからな・・・・フフフフフ、ハッハッハッハッハ首を洗って待っているよ、我が宿敵よ!!」

 

 

 

 

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時は移り変わり、牛魔王達の様な力を持った妖怪達は美猴王のせいで居なくなったことで、妖怪たちが覇権を争う事から、人間同士の覇を争う時代になった

 

次代が移り変わって行く中、元牛魔王と元左慈、二つの存在が合わさった人物は、名前を変えながら人間の中に紛れて生活をして、時には左慈として管理者と連絡を取っていた

 

未だに管理者として連絡を取っていたのには訳があった

 

それは、管理者が管理しているある物を探し出すためであった

 

しかしそれは少し前の話である。そのある物を探し出すことに成功し、それを盗み出すことに成功した

 

それから完全に管理者の仕事を抜け、他の管理者たちと連絡を完全に遮断した

 

そしてとある城の中のある部屋

 

牛魔王と左慈が合わさって生まれた男はその盗んだ物(龍の彫刻が付いた金色の物で後の世に玉璽と呼ばれる)を見つめながら

 

「フフ、これを俺が持っている限り誰もアイツの封印を解くことが出来ない・・・・・しかし、作ったのがあいつ等のせいか、ここまで力がついた俺でも破壊することが出来ないか。破壊さえできれば今後何も不安も無く進めることが出来たんだがな」

 

今後の計画を考えていると

 

光「おい、伍子胥今大丈夫か?」

 

光、つまり闔閭が部屋に入ってきたのである

 

何故此処に闔閭が居るか、それは簡単な理由であった

 

それは、この牛魔王と左慈が合わさって生まれた男が今現在、伍子胥と言う名で闔閭の下で働いているからであった

 

そして、この伍子胥は紅と並ぶ呉の将として知れ渡っていた

 

伍子胥「どうかしたか、闔閭?」

 

光「ああ、今後の事について相談をしにな」

 

伍子胥「・・・そうか。確か次は楚に向かうんだったか?」

 

光「ああ、それで相談をしに来た」

 

光が話をしようとすると

 

紅「ああ、ここに居たの光」

 

紅は、二人の間に出来た子供と手を繋ぎながらやってきた

 

光「あれ、紅も来たのか」

 

紅「ええ、ある程度調査が終わったから報告にね」

 

光「いつもすまない。それじゃあ報告を頼む。調度伍子胥も居る事だしな」

 

紅「わかったわ。楚の現状での国力、兵力それに地形調べられるものは調べつくしたわ。それと、商人たちを楚へ向かわないような流言も流したから物価の高騰も近々起きるはずよ」

 

光「そうか。では、いよいよだな。ん?おお、夫差も一緒か」

 

紅「ええ、この頃忙しかったので余り構ってやれなかったから。今日ぐらいは一緒にいてあげようと思ってね」

 

夫差「うん!夫差、今日はお母さんと一緒―――!!」

 

夫差は紅と手を繋いでいない方の腕を上に突き上げ元気にそう言った

 

光「はは、夫差は元気だな。しかし、そろそろ夫差にも真名を上げないとな」

 

紅「この子も、もうすぐ四歳。そろそろ付けないとこの子も不便になるでしょうし・・・私もこの子と同じ頃に真名を貰いましたから」

 

光「同じ頃に?」

 

紅「ええ、あの時の事は、はっきり覚えているわ。まだ小さく、泣きじゃくっていた私を優しくしてくれたお父さんが、まだ真名を持っていなかった私に真名をくれたの」

 

紅は懐かしい日々を思い出したのか少し目元に涙を浮かべてそう言った

 

伍子胥「そう言えば孫武の父は確か彼の美猴王と言うのは本当か?」

 

紅「ええ、間違いないわ」

 

紅ははっきりと答えると、伍子胥は紅が今頭の中で浮かべている内容を読み取り

 

伍子胥「あの伝説のな・・・・・(やはり間違いないな。これで後は計画通りに進めて、奴の元に行って封印石を破壊するだけだな)」

 

光「それでだ、伍子胥。楚に付いてなのだが・・・・・・・・・・」

 

それから、光と伍子胥は話に入って行き、紅は夫差と遊びに出かけたのだった

 

 

 

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時が経ち、ついに呉は楚に攻め入る時となった

 

光「それじゃあ、伍子胥、呉を頼んだぞ」

 

紅「伍子胥さん、よろしくお願いします。夫差も伍子胥さんに迷惑をかけないようにね」

 

夫差「うん!」

 

伍子胥「ああ、任せろ。さっさと済ませて、子供の元に帰ってきてやれ」

 

光「解っている。紅、行こうか」

 

紅「ええ。全軍進軍!!」

 

紅の掛け声とともに呉の軍勢は楚に向かい進軍を始めた

 

伍子胥「さて、夫差。城に戻ろう」

 

夫差「・・・・うん」

 

伍子胥「寂しいか?」

 

夫差「うん」

 

伍子胥「そうか・・・なら、これをやる」

 

そう言って伍子胥は夫差に大熊猫のぬいぐるみを与えた

 

夫差「わ〜〜、ありがとう!へへ〜〜〜」

 

夫差は大熊猫のぬいぐるみを抱きしめて笑顔ではしゃぎ始めたのだった

 

伍子胥「(これで、このガキが逃げた時追うことが出来る)さて、俺は次の仕事に取り掛かるか」

 

そう言い残して、伍子胥は自分の部屋に向かっていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき??

 

今回はちょっと短めでした

 

次の話で孫呉空編の序章は終わりだと思います

 

そして項羽伝を再開しようと思います

 

では、またて次回

 

説明
左慈が大変なことに?
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コメント
これでもまだ左慈と牛魔王の融合体が一刀に勝てると思えないww(スネーク)
アストラナガンXD さん、今後も牛魔王と美猴王は義兄弟の契りは結びません。たぶん・・・・ただ他の者は・・・・・・・(あか)
未奈兎 さん、それは次回をお楽しみに(あか)
西遊記において斉天大聖(美猴王)と平天大聖(牛魔王)は義兄弟の契りを交わしています。他にも覆海大聖、混天大聖、移山大聖、通風大聖、駆神大聖 等の妖仙達とも義兄弟の契りを交わしています。(アストラナガンXD)
牛魔王、ねぇ、一刀の要らん怒りに触れる気がしてならない(未奈兎)
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真・恋姫無双 孫武 闔閭 左慈 

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