英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 戦争回避成功ルート |
〜カレイジャス・ブリーフィングルーム〜
「え……………………」
「!!」
「リ、”リベール王国自らの申し出”って……!」
「まさかアリシア女王陛下達は”戦争回避条約”の件も知っているのかい?」
レンの答えを聞いたアルフィン皇女は呆け、ユーゲント三世は目を見開き、マキアスは信じられない表情をし、オリヴァルト皇子は真剣な表情で尋ねた。
「ええ。シルヴァンお兄様達がリベールに”ハーケン門”のメンフィル軍の通行の許可を取りに行った際にアリシア女王自らが通過の許可を出す代わりにその条約を追加するように要求したそうよ?」
「何ですって!?」
「アリシア女王陛下が……」
「……何故女王陛下はそのような要求をしたのですか?自国が混乱に陥る事は目に見えているでしょうに……」
レンの説明を聞いたサラ教官は声を上げ、セドリック皇太子は呆け、アルゼイド子爵は驚きの表情で尋ねた。
「うふふ、それを答える前に”Z組”のお兄さん達に聞きたいんだけど……確かレグラムでエステル達とも会っているわよね?」
「え、ええ……」
「その時に正体を隠して彼女達と共に行動をしている”空の女神(エイドス)”とも会ったけどね。」
レンの問いかけにアリサは戸惑いの表情で頷き、セリーヌは説明を続けた。
「ふえええええ〜っ!?」
「空の女神(エイドス)だって!?」
セリーヌの言葉を聞いたトワとジョルジュは驚きの表情で声を上げ
「ええっ!?エ、空の女神(エイドス)が兄様達と……!?兄様、それは本当なのですか!?」
「ハハ……信じられない事に本当の話だ。」
「一体どういう人物だったのですか?」
驚いているエリスに尋ねられたリィンは苦笑し、アルフィン皇女は信じられない表情で尋ねた。
するとその瞬間エイドスの顔や今までの行動、言動を思い出したリィン達はそれぞれ冷や汗をかいて表情を引き攣らせ
「え、え〜と…………」
「……恐らく話をしても、正直信じられないと思います。」
「だよなぁ?あの”性格”だなんて言っても絶対に信じられないと思うぜ……」
「その……聞いてしまえば、間違いなく今まで抱いていた”空の女神”のイメージが破壊されるので、できれば聞くべきではないかと思います。」
(うふふ、”空の女神”と呼ばれる事を心から嫌がり、”ただの新妻”を名乗っている方ですものね♪)
(シャ、シャロン!)
(天然で滅茶苦茶で自由奔放な性格って言っても実物を見ない限り信じられないだろうね。)
(フィ、フィーちゃん!)
エリオットは困った表情をし、ユーシスとトヴァル、マキアスは疲れた表情をし、からかいの表情になったシャロンとジト目になって小声で呟いたフィーの言葉を聞いたアリサとエマは慌て
「ハ、ハア……?」
リィン達の様子を見たアルフィン皇女は戸惑った。
「まさかゼムリア大陸が再び混迷に満ちている時に、”空の女神”が降臨するなんて……」
「もしかして女神様は再び混迷に満ちたゼムリア大陸を何とかする為に、降臨されたのかもしれませんね……」
「……うむ。そして”ハーメルの悲劇”を知れば女神は間違いなく、エレボニアを許さないだろうな。」
「父上……」
エイドスの存在を知ったレーグニッツ知事は信じられない表情をし、プリシラ皇妃は複雑そうな表情で呟き、重々しい様子を纏って呟いたユーゲント三世をセドリック皇太子は心配そうな表情で見つめていた。
「……その話は本当なのかい?」
「は、はい。信じられない事ですが。ちなみに別れ際にエイドスさんはエマには凄まじい効果を持っていると思われるアーツを、ラウラに凄まじい”力”を秘めた魔剣を授けてくれました。」
「何……!?ラウラ、その話は本当なのか?」
オリヴァルト皇子の問いかけに答えたリィンの話を聞いたアルゼイド子爵は驚きの表情でラウラに尋ねた。
「―――はい。先程離宮の際に私が使っていた魔剣――――”スウァフルラーメ”。エイドス殿より賜りし魔剣です。」
そしてラウラは”スウァフルラーメ”をその場にいる全員に見えるようにデスクに置いた。
「!これは…………」
「ふえええっ!?よ、よくわからないけどその剣、凄い力を秘めているって事がわたしでもわかるよ……!?」
「わ、わたくしもですわ……エリスは?」
「はい、私もその剣から凄まじい魔力を感じます。」
「一体どんな材質でできているんだ……?リィン君達が持っている武具―――”匠王”によって創られた武具すらも霞む程で並ぶとしたら、リィン君の”太刀”ぐらいだと思う……」
改めて見た事によって魔剣から感じる凄まじい霊圧を感じたアルゼイド子爵や初めて見るトワ達が驚いている中、ジョルジュは興味深そうに魔剣を見つめていた。
「うふふ、よかったじゃない。空の女神から魔剣を貰えるなんて剣士として光栄でしょう?」
「え、ええ。確かにそうなのですが…………」
レンの指摘を聞いたラウラは困った表情をし
「エイドス本人は在庫処分ができて大助かりだって、言ってたけどね〜。」
「ミ、ミリアムちゃん!」
「よりにもよってその言葉を皆さんの前で言ってはいけませんよ……」
「いい加減空気を読むという事を覚えろ。」
ミリアムが呟いた言葉を聞いたクレア大尉は慌て、セレーネは疲れた表情で指摘し、ユーシスは呆れた表情で指摘した。
「え、えっと……?」
「ざ、”在庫処分”ですか……?」
「これほどの魔剣をそんなぞんざいな扱いをするとは……空の女神(エイドス)とは一体どういう人物なのか、気になってきましたわ。」
「わ、私も思いました……」
ミリアムの言葉を聞いたアルフィン皇女とエリスは冷や汗をかいて表情を引き攣らせ、シグルーンとエリゼは目を丸くし
(クスクス、どうやらエステルの性格を遥かに強化した性格のようね♪)
(ハハ……エステル君の先祖だけあって、さすがだな……)
ある程度エイドスの性格を察したレンはからかいの表情になり、オリヴァルト皇子は苦笑した。
「それで……話を戻すがこのゼムリアに降り立った空の女神(エイドス)とリベールが第12項の件を要求したのとどう関係があるのだい?」
「シルヴァンお兄様から聞いた話なんだけど、空の女神(エイドス)がこのゼムリアの地に降り立った事を知ったアリシア女王自身がクローディア姫達やシルヴァンお兄様達の前でこう言ったそうよ。―――――『ハーメルの民達の無念を切り捨てたエレボニアは勿論ですが、私達リベールも”空の女神”御自身がこのゼムリア大陸に降臨した今こそ”空の女神”にエレボニアとリベールが犯した罪を告白し、償う時だと思うのです。』、とね。」
「それは………………」
「……アリシア女王陛下は国内に混乱が起きる事を承知の上で、”ハーメル”の民達の無念を晴らそうとされているのですか…………」
「………アリシア女王は”ハーメルの悲劇”を秘匿した事すらも、責任に思っているのか……それに比べて国の立場を守る為に”ハーメルの悲劇”を闇に葬る事を決めた私は何と愚かな皇だ……」
「陛下………御自分ばかりを責めないで下さい。」
「「「………………」」」
オリヴァルト皇子の問いかけに答えたレンの説明を聞いたセドリック皇太子は複雑そうな表情をし、アルゼイド子爵は重々しい様子を纏い、辛そうな表情で肩を落としているユーゲント三世をプリシラ皇妃は慰め、レーグニッツ知事とクレア大尉、アルフィン皇女は辛そうな表情で黙り込んだ。
(案外本人がその話を聞かされても、『ただの新妻』にそんな事を言われても困るって言いそうだけど。)
(さ、さすがにそれはないと思いますよ、フィーちゃん……?)
(………そうかしら?あのふざけた女神だと本当にそう答えそうで洒落になっていないわ。)
重苦しい空気になっている中ジト目になったフィーの小声を聞いたエマは冷や汗をかき、セリーヌは疲れた表情をし
(”実物”を知っている身とすれば、色々と複雑ね……)
(だよなぁ?頑なに”空の女神”扱いされる事を嫌がる自称”ただの新妻”だぞ?)
サラ教官とトヴァルはそれぞれ疲れた表情で小声で会話をしていた。
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第22話 | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
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コメント | ||
本郷 刃様 まあ色々な意味で残念ですからね、あの自称”ただの新妻”はw(sorano) エイドス本人が軽いせいで残念感が半端じゃないですけどね〜(本郷 刃) |
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