英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 戦争回避成功ルート |
〜カレイジャス・ブリーフィングルーム〜
「あら?」
「パント卿!?それにルイーズ様もどうしてこちらに……!」
パントたちの登場にシグルーンは目を丸くし、エリゼは驚きの表情で声を上げた。
「やあエリゼ。大切な家族を無事救出できてよかったね。」
「オリヴァルト殿下達もユーゲント陛下達の救出が無事成功して何よりです。遅ればせながら祝福の言葉を送らせて頂きますわ。――――おめでとうございます。」
パントとルイーズはそれぞれ祝福の言葉をリィン達に送り
「レン姫………どうしてリグレ侯爵閣下ご夫妻もご一緒なのでしょうか?」
「もしかして今までずっと外に待機していたの?」
セレーネとフィーはそれぞれレンを見つめて尋ねた。
「違うわよ。一端転移魔術で”モルテニア”に戻って二人を連れてまた転移魔術でこっちに来たのよ。――――そんな事よりも先程ユーシスお兄さんとアルフィン皇女が持ち掛けた取引、後はリィンお兄さんが嘆願した戦争回避条約の猶予期間の変更についてパパ――――リウイ・マーシルン大使から回答を貰えたからまずは最初にそれを答えるわね。」
レンの話を聞いたリィン達はそれぞれ血相を変えてレンを見つめた。
「まずユーシスお兄さんとアルフィン皇女がそれぞれ今この場でその誓約書にサインをする事や”救済条約”の一部の放棄の件等でそれぞれが要求した対価についてだけど……両方とも受理するとの事よ。」
「!ありがとうございます……!メンフィル帝国の寛大な心に感謝致します……!」
「本当にありがとうございます……!」
「ちなみにどれ程の領地を返還して頂けるのでしょうか?」
レンの答えにユーシスとアルフィン皇女がそれぞれ明るい表情で感謝の言葉を述べている中、クレア大尉は真剣な表情で尋ねた。
「”戦争回避条約”で贈与されるはずであったサザーランドの領地全て並びに今まで”貴族連合”に加担しなかったクロイツェン州の中立貴族が納める領地を返還するとの事よ。なおレン達メンフィルの調べではクロイツェン州の中立貴族が納めている領地は全部で4箇所だけど……言っておくけど、どこも辺境の地よ。」
「”貴族連合”に加担しなかったクロイツェン州の中立貴族が納める領地って事は……!」
「……レグラムはエレボニアの領地であり続けられるとの事だな。」
レンの話を聞いて何かに気付いたアリサとガイウスはそれぞれ明るい表情をし
「アルフィン殿下、本当にありがとうございます。このご恩は一生忘れません。」
「ありがとうございます……!この恩は殿下達をお守りし、内戦を一日でも早く終結させる事で返させて頂きます……!」
「フフ、恩なら既に返し切れない程受け取っていますわ。ですが心強いお言葉、ありがたく受け取っておきますわ。」
アルゼイド子爵とラウラに感謝されたアルフィン皇女は微笑みながら答えた。
「それでリィン君が嘆願した件――――”戦争回避条約”によって設けられる猶予期間の引き伸ばしの件はどうなったんだい?」
「その件については私から説明をさせて頂きます、オリヴァルト殿下。」
「……わかりました。説明の方をよろしくお願いします、リグレ侯爵閣下。」
「フフ、私に対して畏まる必要はありませんので以後私の事は”パント”とお呼びください。爵位や当主の座は既に息子に譲っており、平時の私は気ままに趣味の魔術研究に没頭しているだけの世捨て人ですから。」
「うふふ、戦時になれば智将として頼られる上、メンフィル帝国政府の元”宰相”で今でも時折政治家としての教えを請いに訊ねる人が絶たない人が世捨て人だなんて謙遜しすぎよねぇ?」
「フフ、そうですわね。」
オリヴァルト皇子に指摘したパントの話を聞いたレンの指摘にシグルーンは苦笑しながら同意し
「ええっ!?メンフィル帝国政府の元”宰相”!?」
「政治的立場で言えばリウイ陛下達に次ぐとんでもない大物じゃないか!?」
レンの話を聞いたエリオットとマキアスは信じられない表情で声を上げた。
「エレボニアで言ったら”鉄血宰相”と同じ存在だね。」
「アハハ、オジサンとのギャップがありすぎて、とても元宰相には見えないよね〜。」
「ミ、ミリアムちゃん!パント卿に失礼ですよ!?」
フィーは目を丸くしてパントを見つめ、無邪気な笑みを浮かべるミリアムの言葉を聞いたクレア大尉は慌て
「ちなみにパント卿は戦時になれば”総参謀”として、リウイ陛下達に様々な軍略を提案し、メンフィル軍を勝利に導き続けて来た事でメンフィル一の智将として称えられている方です。……兄様もパント卿の事を耳にした事はありませんか?」
「ああ。知略に長けているだけでなく、剣術も修め、更に魔術に関してはペテレーネ神官長に次ぐ実力を持っているとの話も聞いた事がある。」
説明を捕捉したエリゼに視線を向けられたリィンは静かな表情で答えた。
「ええっ!?感じる霊力(マナ)からして相当な術者である事は察していましたが、剣術も修められているのですか!?」
「ハハ、そちらの”光の剣匠”と称えられている御仁程ではないよ。私の専門は魔術だからね。」
リィンの説明にエマが驚いている中パントは苦笑しながら答え
「そして私はパント様をお守りする為に、戦場では常にパント様の傍で弓矢でお守りしていますわ。」
「こ、侯爵夫人が夫を守る為に自ら戦場に立っているのですか……」
「ホント、色々な意味で”規格外”ね、メンフィルって。」
「侯爵夫人程の高貴な方もそうですが、侯爵が戦場に立つ事なんて、普通は考えられませんものね……」
ルイーズの説明を聞いたセドリック皇太子は信じられない表情をし、サラ教官は疲れた表情で呟き、アリサは苦笑しながら答えた。
「剣術と魔術、両方とも修めている上”総参謀”……色々な意味でルーファスさんと似ている人だな。」
「………………(兄上……)」
静かな表情で呟いたガイウスの言葉を聞いたユーシスは辛そうな表情をした。
「―――話を戻そう。”D∴G教団”の存在はメンフィル帝国にとっても他人事ではないからね。―――その為”戦争回避条約”の猶予期間を伸ばす事をリウイ陛下は先程決められた。」
「ほ、本当ですか!?」
「それでどのくらい伸ばして貰えるのでしょうか……?」
パントの話を聞いたトワは明るい表情をし、セレーネは期待が籠った表情でパントを見つめた。
「”本来の猶予期間”―――――”クロスベル帝国建国後、メンフィルがクロスベルと共にエレボニアに侵攻するまで”だったが……”クロスベル帝国建国から14日間”まで伸ばすとの事だ。」
「という事は猶予期間が2週間も伸びたのか……!」
「クロスベル帝国建国もすぐではないでしょうし、貴族連合がメンフィルの襲撃によって大損害を受けた今の状況ならば2週間も伸ばして貰えればほぼ確実に内戦を終結させられるでしょうね。」
「はい……!フフ、エレボニアはまたリィンさんに助けられましたね。」
パントの答えを聞いたトヴァルは驚き、シャロンの言葉にクレア大尉は明るい表情で頷いた後苦笑し
「……うむ。アルフィンが嫁ぐ男性がお主で本当によかった……猶予期間を伸ばすように進言してくれた事……心から感謝する。」
「本当にありがとうございます……」
「そ、そんな!?俺は大した事はしていないですよ!だから頭を上げてください!」
ユーゲント三世とプリシラ皇妃に頭を下げて感謝されたリィンは慌てた様子で答え
「フッ、さすがは私の未来の義理の弟だね♪」
「あ、兄上。」
「もう、お兄様ったら……」
からかいの表情でリィンを見つめるオリヴァルト皇子にセドリック皇太子は冷や汗をかき、アルフィン皇女は苦笑していた。
「更に私とパント様もシグルーン中将と共に”Z組”に協力し、ヨアヒム・ギュンターを討ち取れとの事です。」
「ええっ!?そ、それじゃあパント卿達も僕達に力を貸してくれるんですか!?」
「……そんなとんでもない人物まで僕達に協力させるようにしてくれるなんて、メンフィルはよっぽど”D∴G教団”を滅ぼしたいんだろうね。」
「……まあ、数年前に世界各地で起こったあの大事件を考えれば当然の反応よ。」
ルイーズの話を聞いたエリオットは驚き、重々しい様子を纏って答えたジョルジュにセリーヌは目を細めて答えた。
「―――そう言う訳だから、二人も”Z組”に協力する事になったからそっちの”戦力”として数えていいわよ。それと当然だけど二人もシグルーンお姉さん同様”監視役”も務めている事に加えて、協力する期間もシグルーンお姉さんと同じだからね。――――さてと。早速”妥協案”を実行してもらうからユーシスお兄さんとアルフィン皇女はそれぞれの誓約書に、ユーゲント皇帝は”戦争回避条約”と”救済条約”にサインをして。」
その後ユーゲント三世達はそれぞれの書類にサインをした。
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第35話 | ||
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