英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 戦争回避成功ルート
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〜セントアーク市・宿酒場”トバ”・客室〜

 

 

「ええ。三つ目はリベール王国に自作自演で”ハーメルの悲劇”を引き起こして”百日戦役”を起こした賠償として、謝罪金並びに賠償金、そして領地の一部を贈与してください。」

「な―――――」

「何だと!?謝罪金や賠償金はわかるが、何で領地の一部までリベールに贈与する必要があるんだ!?」

エイドスの口から出た予想外の条件にオリヴァルト皇子が絶句している中、トヴァルは厳しい表情でエイドスを睨んだが

「―――領地欲しさに自作自演で自国の領民を虐殺し、挙句の果てには戦争を起こしてリベールに住まう多くの民達の命を奪ったのですから、その”対価”として自らの領地を差し出すべきだと私は思っています。つまりは”因果応報”という事です。」

「それは………」

「エイドス………」

「………………」

エイドスの正論を聞くと複雑そうな表情で黙り込み、フィーナは辛そうな表情でエイドスを見つめ、アドルは重々しい様子を纏って黙り込み

「で、でも……エレボニア帝国はメンフィル帝国との戦争を回避する為に調印した契約書――――”戦争回避条約”によって、半分以上の領地が削り取られるんだよ?それなのに、まだ領地を減らすなんてことをするのは可哀想だと思うのだけど……」

ミントは不安そうな表情でエイドスに指摘した。

 

「それとこれとは別問題です。――――本来なら”百日戦役”終結後にリベールに賠償すべきでしたのに、そんな当然の事すらも怠ったエレボニアの”自業自得”です。」

「ハハ……さすがは”白面”をも言い負かせたエステル君の先祖だけあって、正論かつとんでもなく厳しい意見だね……」

「何でそこであたしが出て来るのよ。」

「今は黙っておこうよ、エステル……」

エイドスの言葉を聞いて疲れた表情で呟いたオリヴァルト皇子をジト目で睨むエステルをヨシュアは呆れた表情で指摘した。

 

「……わかった。”ハーメルの悲劇”公表後、必ずリベールに謝罪金並びに賠償金を支払うし、エレボニアの領地の一部を贈与する事を父―――現エレボニア皇帝ユーゲント・ライゼ・アルノールの息子、オリヴァルト・ライゼ・アルノールの名において確約する。ちなみにどのくらいの領地をリベールに贈与すればいいのだろうか?」

「それは貴方方で考えてください。―――最も、差し出した領地が例えば辺境ばかりだったのならば、ただでさえ”ハーメルの悲劇”によって落ちた各国のエレボニアに対する評価が更に落ちる事も考えられますが。」

「エイドスの言う通りリベールに対する賠償が大した事が無かったら、下手をしたら”百日戦役”を起こした事をエレボニアは反省していないように見られるかもしれないね……」

「そうですね……それどころかまた”ハーメルの悲劇”のような事を引き起こして、失った多くの領地の分を取り戻す為に今度は自分達の国に戦争を仕掛けられるのではないかと警戒される事もあるでしょうね。」

オリヴァルト皇子の質問に答えたエイドスの話を聞いたアドルとエレナはそれぞれ重々しい様子を纏って答え

「…………忠告、感謝する。それで他にも条件はあるのだろうか?」

オリヴァルト皇子は静かな表情で会釈をした後エイドスを見つめて問いかけた。

 

「ええ。これが最後の条件になるのですが……最後の条件は他国の領土を手に入れる為の暗躍を2度としない事です。なお期間は永遠で、当然その中には”ハーメルの悲劇”のような自作自演の暗躍も入っていますよ。」

「へ……それって、どういう事??」

エイドスが出した条件の意味がわからなかったエステルは不思議そうな表情で首を傾げたが

「―――衰退が確定しているエレボニア帝国は2度と暗躍によって領土を広げられないって事だよ。」

「あ…………」

ヨシュアの説明を聞くと複雑そうな表情でオリヴァルト皇子を見つめた。

 

「今は信じてもらえないだろうが、私達皇族は”ハーメルの悲劇”を今でも後悔し、ハーメルの民達にもいつか償いをしたいと思っている。それに私自身2度とあのような悲劇を繰り返す事を許さないし、私個人としても暗躍をして他国の領土を手に入れるというやり方も許せない。」

「……ちなみにもしその条件を破ったらどうなるんだ?」

オリヴァルト皇子が決意の表情で語った後、トヴァルは真剣な表情でエイドスを見つめて問いかけた。

「その時は…………―――私―――”空の女神”を崇めている宗教団体の裏組織―――”星杯騎士団”、でしたか。その暗躍をした愚か者達を”外法”扱いし、”星杯騎士団”の皆さんに”狩って”もらいます。」

「ええっ!?ケ、ケビンさん達に!?」

「ちょっと、エイドス!?さすがにそれはやり過ぎじゃないの!?そりゃ、あたしも個人的に暗躍をして領土を手に入れるなんてやり方は許せないけど……」

エイドスの話を聞いたミントは驚き、エステルは信じられない表情で声を上げた後真剣な表情でエイドスを見つめて指摘した。

 

「女神である私自身を味方にし、更に私が現代を去った後に衰退した自国の領土を広げる為にまた同じ事を繰り返す等虫が良すぎる話の上、都合の悪い時だけ私を利用したという事にもなるでしょう?”女神”である私の出した条件を守らず、私を利用した愚か者は”外法”としか思えないのですが?」

「それは………………」

(……確かにその通りですわね。”神”との契約を破る等、”神格者”が”神核”を授けてもらった神の意志に逆らった際の末路同様万死に値しますわ。)

エイドスの正論を聞いたエステルは複雑そうな表情で黙り込み、フェミリンスは静かな表情でエイドスの正論に同意していた。

「エイドスさん。もし、後でエレボニアが暗躍で他国の領地を手に入れた事が判明した場合はどうするのですか?」

「エレボニア帝国による暗躍で他国の領土を手に入れた事が判明した際は直ちにその国に返還すると共に賠償をし、暗躍をした者達を七耀教会に引き渡し、その者達を七耀教会に”狩って”もらいます。当然例外は認めませんので、その暗躍をした者達が貴族や皇族でも七耀教会に引き渡してもらい、”狩って”もらいます。」

「ハハ……最後の最後にある意味とんでもない条件を出されたね……”情報局”にとっては真っ青な条件だろうね。」

「確かに今までの暗躍で手に入れた領地の件にあいつらが必ず関わっていたそうですからね……」

エレナの質問に答えたエイドスの話を聞いて疲れた表情で呟いたオリヴァルト皇子の言葉を聞いたトヴァルは複雑そうな表情をしていた。

 

「―――わかった。先程出した4つの条件を全て実行する事を私――――オリヴァルト・ライゼ・アルノールが現皇帝ユーゲント・ライゼ・アルノールの代わりに確約する事を宣言する。だからその代わり……」

「ええ、わかっています。私は自分の”目的”を果たしても、”ハーメルの悲劇”を公表するまでは現在のゼムリア大陸に留まるつもりです。その時は”空の女神として”リベール同様エレボニアの事もフォローする発言を公言致しましょう。」

こうして………目的を果たす事ができたオリヴァルト皇子はエステル達に別れを告げ、内戦終結に向けての活動を再開した…………

 

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ルートは違えど結局はエレボニアはエイドスの天罰という名の当然の事をしなければならないのは仕方ない事ですね。むしろこっちのルートではユーゲント三世の退位を口にしていないだけマシでしょうね

説明
外伝〜”放蕩皇子”の嘆願〜後篇

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