孫権伝―6 |
孫権伝第6話
『北郷隊』
さて、あれから数日の時間が経過した。趙雲と程立、戯志才は路銀が心もとないと言う事で客将として雇ってもらえないかという事だった。俺自身もあの村を守るために策を巡らせた二人にそれを実行に移せた趙雲の実力も相当だと口添えし、晴れて三人は客将として受け入れられたのだった。
一刀「街の汚れは人の心の汚れ、それを放置しては街を街の人を守る俺達警邏隊の存在意義は無い。裏路地までしっかり清掃。綺麗な街で綺麗な心、思いやりと優しさを持って街を綺麗にするぞ!」
警邏隊全員「「「「「はい!北郷隊長!!」」」」」
そして俺は現在街の清掃活動の真っ最中だ。何だかんだで単騎で邑を救った俺はすぐに街の人に受け入れられて、警邏隊の一般募集にはとんでもない人数が押し寄せたのだった。
勿論そんな大人数をすぐに受け入れる事は出来ないだろう。なので資金の集まり具合から順次受け入れする事にした。柴桑を拠点にしてる商人や豪族に呼びかけながら資金援助を求めたりと俺はここ数日奔走した。
結果は商人には協力を取ることが出来た。豪族はやはりというか孫家に対して良い印象を持ってないようだった。一部は何かに怯えてるようだったが、おそらく袁家に怯えてるのだろう。下手に協力したらどうなるか分かった物じゃないと思ってるんだと思う。
一刀「この街を良くするためにやれることは全部やる。そして何れは・・・なんて先の事を考え過ぎても駄目だな。さ、お掃除お掃除。」
柴桑の街は正直悪くは無かった。裏路地にも人が死んでいる事が無いのでとても助かる。まあ、ガラが悪い連中が居る時があるんだが・・・それは実力者である趙雲や甘寧、俺がぶちのめして取り締まってる。
?「アニキ〜。こっちの掃除終わりましたぜ!」
一刀「おう、御苦労さん。それとアニキは止めろ((昴|すばる))。」
昴「あ、すんません。隊長。」
一刀「ま、公私を分けてくれればいいよ。お前には期待してるんだから。な?」
昴「は、はい!」
((韓暹|かんせん))、真名を昴。街のゴロツキをお仕置きしてる途中に出会った男だ。顔立ちは悪くない。俺でも結構可愛い系の顔立ちだと思ったのだが、性格がめちゃくちゃ悪かった。そうだな・・・見てて可哀そうになるぐらい怖くなかった。『あぁん?』とか『嘗めんなよごらぁ!!』と言ってるのに顔立ちが美少年なので威厳なんてあったもんじゃなかった。
当初、韓暹って何処かで聞いた事があるような無いような・・・と頭を悩ませたが、彼が曹操に追われてこっちに流れた事を聞いた時にピンと来た。こいつ・・・白波賊の頭領だ。え?何で知ってるかって?華琳を思って曹操の事を勉強したのさ。その時に見かけたことがあるだけだけどね・・・確か献帝と縁が有った筈だ。史実での話だがな。
ちなみに趙雲や甘寧がぶちのめした輩は今でも牢屋の中なのだが、何故か俺がぶちのめしたごろつきの6割は俺の事をアニキと慕ってついて来る感じなった。いや俺賊になる気はさらさらないんだけど?まあ、悪い奴らじゃないのはここ数日で分かったけどさ。
昴「で、どうしますか?これでこの区画は終わりですが・・・」
一刀「ん?ああ、そうだな・・・じゃ、これから部隊訓練に行くか。お前らはこれから民を守る軍の一員なんだからな。きついなんて言ってられないぞ?」
昴「はい!あに・・・じゃなくて隊長!!」
一刀「そうそう、それでいいんだ。よし行くぞ!」
北郷隊「「「「「はい!!」」」」」
こうして俺は街に分散している北郷隊に召集の為の伝令を放って調練場に集まるように指示すると、そのまま韓暹と二人で調練場に向かって歩き出した。ちなみに韓暹は北郷隊の副官で、俺の二人いる副官の一人だ。もう一人?もう一人は・・・
??「北郷しゃま〜!!」
一刀「ん?おお、((藍里|あいり))。今から調練場に向かう所だったんだ。」
諸葛瑾、真名を藍里。彼女が俺の部隊の副官だ。かの諸葛亮の姉だそうだ。たまたまごろつきに絡まれてたのを助けたのが縁でこうして俺を主と仰いで仕えてくれている。
何でも妹の才に追いつくために書物を読みあさるのではなく、自らの目で見て、肌で感じて学ぶようにするために旅に出たらしい。・・・肌で感じての部分に反応した諸君に覇王様の絶を投げ飛ばしてしんぜよう。
藍里「ご一緒します!」
そのまま俺の左隣にちょこんと並ぶと不思議な形が出来上がる。昴も昴で背が小さく、俺が頭が二つ三つ出てるので地面を含めると山の字の状態になるのだ。
昴「それで今日はどのような訓練を?」
一刀「ん?今日は捕縛術の訓練だ。相手を殺さず、自分も怪我をせず、且つ相手を無力化する。結構難しい技術だ。サシで出来るようになったら複数相手で出来るようになってもらう。一般兵はともかく・・・昴は絶対だぞ?」
昴「は、はい。分かりました!」
藍里「北郷様はどれほどの技術をお持ちなのですか?」
一刀「ん?そうだな・・・色々だぞ?浅く広くだがな。」
藍里「すごいでしゅ!私にもその知識をどうか御教授ください!!」
一刀「ん、時間が空いたらな。」
藍里「はい!」
そんな会話を交わしながら三人は調練場に向かって歩いて行った。
調練場につくと、北郷隊総勢1000人が整列を完了していた。
一刀「よし、今日は捕縛術訓練だ。これはそれなりの高等技術だが、お前らはごろつき上がり、一般の奴らより腕っ節は有るからな。厳しく行くから覚悟しろよ!」
北郷隊「「「「「ヤー!!!」」」」」
一刀「まずはそれぞれ隣の奴らと組め。・・・よし、これから韓暹と俺で実践する。見えない所はどんどん手を上げておけ、順次実践してやる。いいか?」
北郷隊「「「「「ヤー!!!」」」」」
一刀「よろしい。昴、まずは素手で殴って来い。本気で殴り倒す気で来ないと経験にならんからな?」
昴「はい!でぇぇぇぇぇい!!!」
一刀「ほ、よっと、よっこいせ!」
ズドン!
昴「が!?あだだだだだ!?」
俺はそのまま受け流し、腕を取り背中を相手に思い切りぶつけ勢いを殺すとそのまま足払いをして相手をうつ伏せに倒し、片手を後ろ手に取り関節を決め、すぐにもう片方の手を後ろに回し、腰に付けていた縄で手を縛り上げた。
一刀「このように、相手を瞬時に無力化すれば次の相手にまた向き合える。こうして集団戦でも対応できるようにお前達は研鑽をつむように。分かったか!」
北郷隊「「「「ヤー!!!!!!!」」」」」
一刀「よし、見えていた奴等は始めろ!見えてなかった者、挙手!」
そのまま俺は昴と共に北郷隊全員に捕縛術の実践をして行った。終わるころには昴は土まみれだったが、そんな事を気にするそぶりも無く、俺との鍛錬に集中していた。俺は俺で昴をいなしながら全体に聞こえるように鼓舞をする。
一刀「さっき見せたのはあくまで見本だ。故に他にもやりようはある。だが俺は他は教えん。お前達は此処から考えて自分たちで技を編み出し、習得し、実践する。考えろ、思考停止は死と思え。お前達は俺と共に民を守る事を誓った勇士である。ならば守るために思考しろ。どうすれば守れる?どうすれば倒せる?相手の力をどうすれば往なせる?どうすれば受け切れる?お前達はこの鍛錬でそれを習得しなければならない。これは無手だ。だが相手が剣を持つことも、槍を持つことも、弓で遠距離攻撃される事もあるだろう。もしかしたら短刀を投擲して来るかもしれん。周囲には民が居るかもしれん、周囲に人が居るのならそれも考慮に入れなければならない。視野を広く持て、思考を巡らせろ、お前達にはその責務がある。金の為に来たのならさっさとやめてしまえ。お前達の命は金の為では無く民の為に有る。技を磨け、力を付けろ、知識を増やせ、一兵卒で終わらせるような気概は要らん、生き延びて将になる気概を見せろ。俺達は孫仲謀の民を守る剣である。孫仲謀の民を守る盾である。そしてお前達は孫仲謀が守る民でもある。俺達が生き延びれば我等が主は笑ってくれるだろう。それは民の笑顔にも繋がるのだ。さあ、戦え、生き延びろ、その力を持って、全てを守れ!」
北郷隊「「「「「ヤー!!!!!!!!!」」」」」
一刀「昴、俺はお前に攻撃を仕掛けている。隙があればさっさと捕縛してみろ!」
昴「く・・・は!や!」
一刀「甘い!ほらほら!!組み伏せるだけが捕縛術じゃないぞ!!」
昴「ぐ!?あ!?」
一刀「ふっ!」
そのまま俺は昴の腹部に掌底を叩きこむとそのまま昴は両膝をついて倒れ込んでしまった。
一刀「ふぅ、さてと・・・」
周囲を見渡すと大分息が上がった兵が目立ってきた。
一刀「全体そこまで!!整列!!」
ザザ!!
俺の掛け声にすぐさま兵達は隊列を組む。息が上がってるのか全体から肩で息をする息使いが聞こえてくるが、それでも素晴らしい錬度だと思う。
一刀「今日は此処まで。明日も同じように集合。午前中は警邏しながら清掃活動だ。いいな?」
北郷隊「「「「「ヤー!!」」」」」
一刀「それでは解散!!」
北郷隊「「「「「お疲れ様でした!!!!」」」」」
こうして北郷隊の一日は過ぎて行った。
日常とは退屈するほど同じ光景が続く事を差すと俺は思う。だからこそその日常を害しようとする者が現れるとそれはすぐに感じ取れる物だ。
一刀「で?建業の文台様からの使者が来たって?」
昴「らしいですぜ?隊長は聞いてないんですか?」
一刀「何だかんだで俺は警邏隊の隊長止まりだからな。そう言う重要なのは将軍職から目を通して軍議を開くものさ。俺達は俺達の仕事をこなす。それが一番だ。」
昴「そう言うもんすかね?・・・俺はちょっとばかり嫌な予感がするんですよ・・・」
一刀「ん?」
昴「俺がこの街で悪さしてた理由は隊長は知ってるっしょ?」
一刀「まあな。此処で出会えなかったらお前はたぶん賊になり下がっていただろうさ。」
昴「そこは感謝してますぜ。アニキが言ってる人生の分岐点ってやつでしょうぜ?」
一刀「呼称が戻ってるぞ「あ、すんません」まあいいけどな。昴の言う通り重要な分岐点だったろうさ。それで?何が嫌な予感なんだ?」
昴「俺の住んでた村が襲われる前によく似てるんですよ。もしかしたらこれが日常が壊れる予感って奴なのかも・・・」
一刀「まあ・・・使者って時点で穏やかじゃないからな。さてと・・・今日の警邏はここまでにしよう。昴、諸々の処理は藍里と片付けてくれ。たぶん俺はお呼ばれすると思う。」
昴「がってん!!」
一刀「・・・合点ってきょうびきかねぇな。」
そのまま俺はは城に向かって、昴は警邏隊舎に向かって歩き出した。徐々に戦乱の歩みが近づいて来る。
あとがき
一刀「なんだろう・・・僅かながらのBL臭がしませんか?」
気のせいだよ。
一刀「そうか・・・そうだと良いんだが。」
そうですよ。あの軍師の姉が反応してないじゃない。
一刀「・・・あれも腐ってるの?」
まあ、腐ってはいないですがね。
一刀「それは判断基準に入らないって事じゃない!?」
そうとも言う・・・
一刀「やべぇ・・・俺の貞操やべぇ・・・」
さて、今日のゲストは・・・あれ?何処に居ますか〜?・・・アッカリ〜ン!!!
一刀「・・・居ないな。」
おかしいですね・・・呼んでくれてるはずなんですが?
一刀「誰が?」
貂蝉。
一刀「・・・駄目じゃね?」
仕方ない・・・では、ユッカリ〜ン!!!
紫「は〜い?」
一刀「仕込みだろう!?」
紫「違うわよ。呼ばれればどこでも隙間で現れる私、超可愛い。」
一刀「可愛くねえよBB・・・いえ、何でも無いのでその・・・踏切の標識を隙間から取り出さないでください。」
さて、紫さん。次回予告お願いします。
紫「分かったわ。次回『艦これ〜岩川基地第00××鎮守府〜 第6話』語られる7年前の戦闘の記録。その時何が起こったのか。何が現れたのか。次回に期待ね。wkwkして来るわね!」
一刀「それはちょっと古いん、JAOooooooooooooooooooo!!!!」
あ〜あ、余計なこと言うから・・・では皆さんまた次回!
紫「見ないと貴方の足元に間欠泉の吹き出し口との隙間を繋ぐわよ!」
説明 | ||
孫権伝第6話。 今回は北郷隊のお話。 諸葛瑾ちゃんは腐ってないよ?腐ってるのは伏龍鳳雛で十分です。 では本編どうぞ |
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黒鉄刃さん<左慈「よし、そのままひきつけろ・・・そうだ・・・」 一刀「何してんだ?左慈。」 左慈「変態野郎がついに俺以外にうほっ!ってしてるからな。そのすきにあいつの頭をこのヘカートUで撃ち抜く準備だ。」 一刀「・・・ま、死なねぇだろうな。」(ユウヤ) あかさん<だ、大丈夫でしょ!きっと!大丈夫・・・だといいなぁ。 一刀「自信を持って大丈夫だと言えよ!?」(ユウヤ) 変態メガネが悦びそうな人材入ったな・・・、左慈ーメガネが浮気するぞー喜べー!(黒鉄 刃) BL~~~~~~~~~!!!昴何時か絶対に開けてはいけない扉開くぞ!!!(あか) |
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