第1話 もぎたて!キュアピーチ母娘誕生!!
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 妖精の国スウィーツ王国

 

 ナノ研究所コンピュータルームでは、宇宙一高度な技術・研究でもって様々な製品開発を行っている。この国の首都はアラモードです。

 「ブー、ブー、ブー、ブー。」

 「何だ、この音は。」

 

 管理国家ラビリンス

 

 パラレルワールド一の汚職蔓延の悪政国家で、人民の寿命操作が国際社会で大問題になっております。完全な先軍政治で世界征服を企み、軍事力を強化しながら世界に住む人々の個人情報を絶えず狙っており、戦争をしたがる最悪な国です。首都はピョンピョンです。

 「ハハハハハハハハハ。ついに突き止めたぞ、インフィニティ。」

 「流石、メビウス様。」

 「やはり、スウィーツ王国にあるか。」

 「メビウス様、あの戦い以来スウィーツ王国へは直接行けないざーます。」

 「国交は全くないからな。だが、現実世界にある日本国なら、必ず行き来があるだろう。」

 「あの部隊復活目指してざーますか。」

 「日本国も国交はないが、総連がある。」

 「確かに日本国へは、ワープ通路があります。」

 「だが、アメリカとの同盟もあるから、大規模な侵攻はできん。ここは、怪物兵器を使う幹部を送り込むしかあるまい。クライン、該当者を呼べ」

 「ハッ。」

 

 スウィーツ王国 首都アラモード内ナノ研究所

 

 「所長、大変です。先ほどの警報音はラビリンスの仕業です。」

 「何、ラビリンスだと。」

 「あの金融恐慌から不幸のゲージが上がり続けております。」

 「それが原因になっているか?長老に知らせておく。」

 ショコラは、長老ティラミスへ向けて通話を始めた。

 「もしもし、長老。」

 「どうした、ショコラ。さっき、けたたましい音がしたぞい。」

 「大変です。インフィニティが反応してしまいました。」

 「どうやら、ラビリンスに突き止められたようじゃの。国王様に知らせてくれ。わしは、祠を開けピックルンを準備する。」

 「畏まりました。」

 通話を切った。

 

 アラモード近郊プリキュアの森

 

 ここではティラミスの他、シフォンとパフェがいます。

 「長老、どうかなさいましたか。」

 「君の旦那からの通話じゃよ。インフィニティが反応したらしいのじゃ。」

 「あのサイレン、そうなの。」

 「そうじゃ、祠を開けるぞい。」

 ティラミスは祠の扉を開けた。そして、祈祷を始めた。

 「フン、パラプリパラキュアパラパラプリ........。甦れ!!」

 蘇れでは、24年前に活躍した伝説のプリキュアになります。では、娘世代はどうなるのでしょうか。

 「プリキュア隊よ。渇ーーーーーーーーっ。」

 「ピカッ、ドッスーーーン。」

 「ウギャア。」

 「コロコロコロコロ。」

 長老は、雷に撃たれ祠手前の階段から転げ落ちた。

 「大丈夫ですか、長老。」

 「わしは大丈夫じゃ。ん.....。」

 「キィーーーーッ。」

 祠に保存していた7体の内、4体が祠から出て来た。その後、シフォン頭上を徘徊してる。

 「キィーキィーキィーキィーーーッ。」

 「キャッキャッフィリップーーーーゥ。」

 「キィーーーッ。」

 何と、4体共飛び立ってしまった。

 「こ、コラッ。」

 「申し訳ございません。」

 「罰としてこの子を連れて行くぞい。」

 「そんなあ。」

 「キュアキュアーー。」

 ティラミスは、シフォンを連れてワッフル城へ向かった。

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 アラモード内 ワッフル城

 

 「そうでっか。ご老隊は祈祷してまんなあ。」

 「プリキュア隊の再結成ですか。」

 「そうやねん。24年前の面々の他、娘世代の面々の起用もありえんなあ。」

 「もう、熟女ですから。世代交代ですね。そうじゃ。よし、伝説のプリキュアのいる国、日本国へ特使を派遣しよう。タルト!」

 「皇太子殿下自らですか。」

 「そや。」

 「何でっか、オトン。」

 「タルトよ、日本国へ行くんやで。」

 「アズキーナどうすんねん。」

 「アズキーナに何かあったら、いつでもリンクルンで呼ぶで。だから、安心して行きなはれ。」

 「へぇ。」

 「王様、国家指導者ティラミス長老がおこしです。」

 「よし、通せ。」

 「はっ。」

 「いやいやワッフルよ。」

 「ご老体、この子は。」

 「シフォン」

 「ショコラの娘か。何をやらかしたねん。」

 「ピックルン4体、飛び立ってしまった。だから、罰として日本へ飛び立ったピックルンを探しに行かせるのじゃ。」

 「コラッ。」

 「パパパパパパ(パパ許して)。」

 「タルトも一緒やから、心配することあらへん。」

 「さあ、ワープホールへ向かうんやで。」

 「気をつけて行くんどす。」

 「おー、マドレーヌも来ていたのか。」

 「重大な事態やから来たんどす。」

 「王妃様、私の娘も行きます。」

 「シフォンちゃんね。いたずらしたらだめどす。」

 「キュアキュア。」

 その間、タルトは荷物を準備して再び現れた。

 「タルトよ、これを持ってけ。」

 「3体のピックルンでっか。」

 「そうじゃ。これを24年前の伝説のプリキュアに渡すのじゃ。」

 「ヘエ。」

 「タルト殿下、ここに四ツ葉町界隈の地図を渡しておく。印の付いている場所が伝説のプリキュアがいる場所だ。名前は桃園あゆみ、蒼乃レミ、山吹尚子の3人だ。」

 「ヘエ。」

 「それと、リンクルンのGPSアプリを開いて見ることもできるから、迷ったら、それを使って探せば良い。こちらも、ちゃんと印してある。」

 「おおきに。」

 「それじゃ、タルトとシフォンよ。ワープホールへ向かうぞ。」

 「ヘエ。」

 「キュア。」

 こうして全員、クローバーへ通じるワープホールへ向かった。

 

 スウィーツ王国 ワッフル城内 ワープホール

 

 「気を付けて行くのですよ。」

 「ヘイ。」

 「シフォンよ、タグをはずすでないぞ。何かあればいつでもパフェが日本へ向かうからな。」

 「キュア」

 タルトとシフォンは、日本国へ通じるワープホールへ入った。

 

 

 現実世界 日本国 東京都板橋区赤塚公園内

 

 公園内では、移動販売車でドーナツを販売しているおじさんと地元の女子高生がいた。

 「うわーーーーーーーーん。」

 「オイ、四ツ葉高校のお嬢ちゃん、一体、何があったんでい。」

 「フラれちゃったよう。」

 「珍しいでい。男がフラれるのはよくあることだけど、女がフラれるのは珍しいことでい。相当イケメンかい。」

 「わーーーん、わーーーーん。」

 「オイオイ、あんまり泣かれるとオイラが疑われるんでい。」

 同じ四ツ葉高校女子高生のクラスメートが現れた。由美である。

 「いらっしゃい。」

 「いつものドーナツセット。」

 「350円でい。」

 「はい。」

 「丁度お預かり。毎度あり。」

 由美は、ラブが座っているテーブルへ向かった。 

 「由美ちゃん。」

 「ラブちゃん。」

 「何、この泣きじゃくっていた子がラブちゃんって言うのか。で、君が由美ちゃんなのか。」

 「そうよ。ラブ、泣きじゃくっているのは、私のこと言ってるでしょ。」

 「うん。」

 

 回想編 都立四ツ葉高校校庭 休憩時間

 

 「ごめん、ラブ。あたし、やっぱりいい。」

 「ツカッ、バッ。」

 「ストーーーップ。ずっと、先輩のことが好きだったんでしょ。」

 「そうだけど。」

 「先輩が遠方の大学へ進学したら、もう2度と会えないかもしれないんだよ。こう来るなら、今しかないでしょ。あっ。」

 「あの男(ひと)が先輩。」

 「うん、うう〜っ。うん。」

 「よし。ホラッ。」

 「あっ。」

 「バン。」

 「幸せゲットだよ。」

 「あーーっ。」

 

 現実へ戻ってドーナツカフェ

 

 「私、ずーーっと先輩のことが好きでした。大学へ進学してもお付き合いしてください。」

 「で、言ったんかい。」

 「こんなところで、言いふらすなんて。」

 

 再び回想編 四ツ葉高校校庭

 

 「わりい。俺、他に好きな女(ひと)いるんだ。」

 「エーーーッ。」

 「じゃあな。元気でやれよ。」

 「バッ。」

 ラブは、先輩と言ってる男子高生の体を回し始めた。

 「うわあ〜あ〜〜ぁ。」

 「グルグルグルグル。」

 「お願いします、先輩。そんなこと言わず、付き合ってあげてください。」

 「うわあ〜あ〜〜ぁ。」

 「ちょっ。」

 「ちょっと、ラブ。」

 「由美は、とっても良い子なんです。だから、付き合ってあげてください。」

 「分かったから、手を離せって。」

 「嫌です。由美の気持ちを少しは。」

 「バッ。」

 「やめて、ラブ。もう良いから。すみません、先輩。」

 「せんぱーーーい。」

 

 現実へ戻って ドーナツカフェ

 

 「つまり、ふられたのはこっちのお嬢ちゃんではなく、あっちのお嬢ちゃんの方かい。で、言うか。他人の恋愛にそこまで突っ込むんかい。」

 「ありがとう。」

 「フーーーッ。」

 「この子は、幼少の頃からのお友達で人のことになると、ほっとけないことがあるの。」

 「そうなんでい。」

 「ラブちゃん、あの後、麻生さんに思いっきり告白してみたの。そうしたら、交際に応じてくれたの。」

 「オイ、あの男子高生かい。」

 すると、由美の彼氏らしい男子高生が現れた。

 「そうよ。」

 「店に戻るでい。」

 カオルちゃん移動販売車の中へ入って行った。

 「やあ、由美ちゃん。」

 「先輩。」

 「せんぱ〜い。」

 「おっと、君は俺のいた部にはいねえだろ。由美ちゃんから聞いてるぜ。帰宅部だろ。」

 「そうだった。」

 「由美ちゃん、俺もドーナツ注文するぜ。」

 「一緒に食べるの。」

 「いや、持ち帰りだ。」

 麻生先輩こと麻生三郎は、移動販売車へ向かった。 

 「これは、カオルさん。」

 「カオルちゃんで良いでい。」

 「麻生三郎と申します。」

 「イケメンやな。」

 「ハイ.。」

 「何、三郎君、3年生かい。」

 「そうです。」

 「忙しいなあ。で、ご注文は何でい。」

 「お持ち帰りでチョコレートとフレンチクルーラー。」

 「250円でい。」

 「はい。」

 「丁度お預かり。毎度あり。」

 麻生三郎は、ラブたちの座るテーブルへ向かった。

 「由美ちゃん。」

 「麻生さん。」

 「先輩。」

 「おっと、君は俺の後輩じゃねえよ。」

 「ところで、お付き合いしてくれるってマジなの。」

 「そうよ。麻生さんはもうセンター試験突破しているのご存知よね。」

 「うん。」

 「2次試験はまだなんだけど、富山大学受験する予定なの。」

 「富山。」

 「富山と言えば、雄大な立山連峰の景色と富山湾の海の幸が浮かんでくるでい。」

 「カオルちゃん、もう1つ教えましょうか。」

 「何でい。」

 「富山にも四ツ葉町があるんだ。」

 「エエーーーーーーっ。」

 「先輩、富山にもクローバータウンストリートがマジあるの。」

 「ああ、そうだよ。」

 「由美ちゃんのためにもよりいい大学へ進学したいからね。それで、選んだんだ。もう数日で、2次試験が始まるから、富山へ行くぜ。」

 「何で。」

 「高速バスだよ。池袋から出てる。」

 「そうかあ。」

 「2次試験合格したら、予定通り富山へ引っ越すからな。」

 「で、麻生さんが富山へ引っ越した後も交際することになったんだ。」

 「うはあ〜、良かったじゃん。」

 「ラブに背中を押されなかったら、あたしたち、お互いの気持ちを知らないままだった。本当、ラブのおかげよ。ありがとう。」

 「エヘヘヘヘヘッ。」

 「でも、どうして、あたしたちのためにあんなに必死になってくれたの。」

 「だって、由美の笑顔がみたいから。」

 「ラブ。」

 「よく言ったでい。麻生君、頑張りな。」

 「はい。」

 「じゃ、俺は先に帰るからな。」

 「うん。」

 「せんぱ〜い、幸せゲットだよ。」

 「君は、俺の後輩じゃないって。」

 麻生君は去った。

 「ドーナツ食べようか。」

 「うん。」

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 一方、地下鉄車内では、帰宅の途へ向かう2人の女子高生がいた。

 

 「地上へ出たわね。今日は、高島平駅で下車よ、ブッキー。」

 「ミキタン、またラブちゃんドーナツカフェにいるね。由美ちゃんもいるのかしら。」

 ブッキーとは、白詰草女子学園高校へ通う女子高生で黄色いブレザーを着ている子で、本名は山吹祈里。もう1人ミキタンは、芸能学校で名高い鳥越高校へ通う女子高生で青いブレザーを着ている子で、本名は蒼乃美希。

 

 一方

 

 「ここが日本国の首都『東京』でっか。どれどれ。」

 「地図見てただけでは分かりまへんな。ここは、リンクルンでGPSやで。」

 タルトは、リンクルンで現在位置を確かめた。

 「ここが板橋区四ツ葉町(四葉2丁目)でっか。3ヶ所点滅してまっせ。ここが伝説のプリキュアが住む家でんな。ほな行くでぇ。」

 「キュアキュア。」

 

 赤塚公園

 

 「いただきまーーーーーす。」

 「おいしい。」

 「おいしいわね。」

 

 高島平駅

 

 美希と祈里が乗っている地下鉄が到着した。

 「キューーーーーーーキューーーーーキューーーーーキューーキューーーーウーーーーーッ。プシュッ、ピンポンピンポン。」

 「ピューーーピューーー。」

 「高島平、高島平。4番線は西高島平行き電車です。タタタタタターアーーー、タタタタタターアーーー。」

 「着いたわ。」

 「ラブちゃんたちどうしているかしら。」

 ミキタンとブッキーは階段を降りて改札を通過した。

 「ピッ.....ピッ。」

 高島平駅舎を出た2人は、赤塚公園へ向かった。

 

 一方、タルトとシフォンは、蒼乃レミが経営するヘアー&ネイルサロンへ近付いていた。

 

 「ここでんなあ。ほな、入りまっせ。」

 「いらっしゃいませ。キャーーーーーッ。イタチとウォンバット。」

 「何、大声出して。あら、動物だけの珍客。ちょっと奥まで来て。

 この方こそ伝説のプリキュアの1人、蒼乃レミだった。タルトとシフォンは、彼女の後を付いて行った。

 「動物だけの珍客が来るとは。スウィーツ王国しか考えられないわ。何があったの?」

 「ラビリンスが侵攻して来まっせ。」

 「何、倒したはずのメビウスでも復活するの。そう言えば、かすかに『甦れ』って聞こえたわ。あたしのこと。」

 「その通りやねん。これ渡しまっせ。」

 「これは。」

 「ピックルンでんねん。」

 「ピックルンってもしや。」

 レミは携帯電話を出した。すると......

 「キィーーーッ。バッ。」

 「これは。」

 「リンクルンやで。」

 「リンクルンって、かつてトランシーバーだったけど。今は携帯電話だよね。」

 「これも渡しまっせ。」

 「懐かしいね。ビーエヌオーガーターベルトキャリーケース。」

 「ケースの中、開けてみておくれやす。」

 レミはケースを開けた。

 「この鍵は。」

 「変身用外部メモリーや。」

 「そう、これでプリキュアに変身できるのね。」

 「その通りやねん。ほな、次行きまっせ。」

 「行くの。どっちへ。」

 「尚子はんの家へ。」

 「尚子。山吹動物病院ね。このチラシ持って行って。地図があるから。」

 「へい。おおきに。」

 タルトとシフォンは、蒼乃の店を出て山吹動物病院へ向かった。

 

 赤塚公園

 

 「ングングングング。おいしい。」

 「おいしいわ。」

 「いた。由美ちゃんもいるわね。」

 「ミキタン、ブッキー。」

 ラブは、再び泣き出してしまった。

 「フラれちゃった。エーーーーーーン。」

 「仕方ありません。私は告白に成功したのに対し、ラブちゃんがね。」

 「告白に失敗したの。」

 「相変わらず内気ね。溜め込んでしまうからよ。」

 「なるほど。そう言うことなんでい。これは世界の危機でい。」

 「エーーーーーン、エーーーーーーン、エーーーーーン。」

 「泣き暴れてしまったわ。」

 「こうなったら、機嫌取りね。さあ、食べなさい。」

 「ングング。」

 「ポチッとね。」

 ダンスのBGMが流れ始めた。ラブは踊り出した。

 

 一方、タルトとシフォンは

 

 「ここでんな。」

 「いらっしゃい。エッ、動物だけ。」

 「すんまへん。尚子はんでっか。」

 「ど、動物がしゃべったあーーー。」

 「どうした、尚子。」

 この方こそ、ブッキーパパこと山吹正獣医師である。

 「動物だけの来客よ。」

 「動物だけ入り込むなんて珍しい。どんなコミュニケーションで当院を知ったのか。」

 「レミはんや。」

 「何、レミから聞いたのか。それにしても、関西弁をしゃべるフェレットは珍しい。やはり、尚子に用向きがあるらしいな。」

 「ヘエ。」

 「分かったぞ。しゃべるフェレット君、奥の部屋で存分話をするがよい。受付は部下に任せておけ。

オーーーーイ。」

 「ハイ。」

 「受付を交代してくれ。」

 「畏まりました。」

 「尚子は、タルトとシフォンを奥へ案内した。正は診察室へ戻った。」

 

一方、赤塚公園ではラブが踊り続けています。

 

 「ダンスのセンスはイマイチだけど.......。」

 「踊ることは何より好きだものね、ラブちゃん。」

 「イェイ。フィニッシュ。」

 「体動かしたら元気が出て来た。ミキタン、ブッキー、ありがとう。」

 「ラブちゃん、元気になって良かった。カオルちゃん、ドーナツ追加注文。」

 「ヘイ、毎度あり。」

 

 一方、山吹動物病院では

 

 「分かったわ。さっき、『甦れ』って聞こえたの。長い不況の影響で不幸のゲージが上昇続けているらしいね。」

 「ヘエ。」

 「ところで、桃園家分かる。元は畳屋さんだったけど、現在は普通の民家よ。念のため、地図を渡しておくから、これを頼りに探してみて。」

 「ヘエ。これで失礼しまっせ。」

 「キュアキュア。」

 タルトとシフォンは、山吹動物病院を出ようとした。入口でブッキーパパが待ち構えていた。

 「フェレット君、ウォンバット君。」

 「ヘエ。わい、タルトって言うねん。」

 「タルト君か、覚えておこう。ところで、ウォンバット君は。」

 「シフォンって言うねん。祖先は宇宙人らしいねん。」

 「何、宇宙人。どうりでスウィーツ王国の製品は、精密ですごいと思ったぞ。桃園家へ行くのか。」

 「ヘイ。」

 「私と圭太郎君は、子供の頃から大親友だよ。まだ帰って来ないと思うが、会ったら、よろしくと言ってれ。」

 「ヘイ。ほな、さいなら。」

 タルトとシフォンは山吹動物病院を後にした。

 

 赤塚公園

 

 「それにしてもトリニティカッコイイなーーーぁ。リーダーのミユキさん、憧れるうーーーー。ねえ、私たちもダンスユニット組もうよ。トリニティみたいな3人で。」

 「えーーーーーっ。」

 「あたしたちも。それより....、ラブをフッた奴って誰なの。」

 「まだえぐるんかい。」

 「うっ、うぐーーーーっ。」

 「その件はまた今度。家へ帰るわ。」

 「ま、いーや。ブッキー、歌って(トリニティは歌わない。)踊れる獣医さん目指そうよ。ダンスしよ。」

 「私は無理だわ。人前で踊るとか....そう言うのは苦手なの。ゴメンなさい。」

 「そうかー。いいって、気が変わったらいつでも言って。」

 「ブッキーも家路へ向かった。」

 「誰もいなくなった。はぁーー。私も帰る。」

 「待て。元気をだすんでい、お嬢ちゃん。残り者にも福があるぜ。持って行くんでい。」

 「ト、トリニティのダンスショーチケット。嘘、マジ。」

 「料金が高くて(ラブの小遣いでは、貯めないと買えない。)買えなかったのに、何で、カオルちゃんが持っているの。」

 「明日の昼の部でい。」

 明日は土曜日であった。

 「さる筋からたまにいただけるんでい。」

 「どんな筋。」

 「それは秘密でい。シーーーッ。」

 「じゃあカオルちゃん、家へ帰るね。」

 「ヘイ、毎度あり。」

 ラブも家路へ向かった。

 

 公園を出て

 

 「とにかくすごい。やったぁーーー。」

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 四ツ葉町 桃園家

 

 タルトとシフォンは、この家に到着した。 

 「ピンポーーーン。」

 「ハーーーーイ。」

 しばらくして

 「あら、動物が2匹。これはもしや。入って。」

 まだラブが帰宅していない中、パートを終え、一足早く帰宅したラブの母、あゆみがいた。そして、タルトとシフォンをあゆみの部屋へ入れた。

 「さっき『甦れ』って聞こえたわ。もしかして、スウィーツ王国の使いなの。」

 「ヘイ。わいはタルト、この子はシフォンって言うねん。」

 「タルトにシフォンね。」

 「キュアキュア。」

 「携帯電話出してみるわ。」

 「分かってましたんで。」

 「先ほど、レミから聞いたわ。」

 「これ渡すで。」

 「キィーーーーッ。」

 「ボッ。」

 ピンクの携帯電話に変わった。

 「これ、リンクルンって言うねん。」

 「リンクルンね。懐かしいわ。当時はまだトランシーバーだったのよ。」

 「キュアキュア。」

 「あら、このケースも懐かしい。」

 「この中にキーメモリーがあるねん。これを差し込んでプリキュアに変身するねん。」

 「そうね。」

 「ただいま。」

 「ラブと言って、私の娘よ。」

 あゆみは玄関へ向かった。

 「お帰り、ラブ。今日も遅いね。」

 

 ダイニング

 

 「まず、うがいと手洗い。」

 「はい。」

 その間、椅子に置いてあるカバンの中をチェック入れ始めた。

 「これは、ダンスショーのチケット。」

 

 ラブが戻って来た。

 

 「ラブ。」

 「お母さん。」

 「これは何なの。」

 「ごめんなさい。」

 「1人で大勢集まる場所へ行ってはダメ。誰からもらったの。」

 「カ、カオルちゃん。」

 「強面のドーナツ屋さんね。ラブ、動物のお客さん来ているわよ。その間、相手にしてあげて。」

 「ど、動物。」

 あゆみは外へ出て赤塚公園へ向かった。

 

 赤塚公園

 

 「今日も終わりでい。後方付けするぜ。」

 「カオル。」

 「ジュ、ジュリアーノ。」

 「集金に来たわ。」

 「トホホホホホ。」

 「何言ってるの。メクルメク王国の財政は火の車よ。外貨勝ち取らなくてはならないの。今日の売り上げはこの位ね。この中から○?いただくわ。」

 「トホホホホホ。」

 「あのーぉ、すいません。」

 「今日はおしまいでい。」

 「娘にダンスショーのチケットを渡したでしょ。」

 「お、お母さんなの。」

 「そうよ。女子高生のお母さんよ。1人で出かけるのは危ないから注意しに来たのよ。」

 「すまん。」

 「女子高生のお母さんね。同じチケットもう1枚渡してあげて。」

 「ヘイ。お嬢ちゃんのお母さん、これを渡しておきます。席はバラバラです。どうか、ご勘弁願います。」

 「こ、これは招待券」

 「お母さん、それ、関係者の身内の方までしか手にできないチケットよ。最前列で観覧できますよ。娘さんを心配するのはご最もです。」

 「分かったわ。これで娘と一緒に行けます。以後、気をつけて。」

 「ヘイ。」

 あゆみは赤塚公園から去った。

 

 再び、桃園家では

 

 「こんばんは。」

 「キュアキュアフラフラ、フリップ〜、キュアキュア。プイプイプッ。」

 「あんさんがラブはんでっか。」

 「あなたがお母さんが飼おうとしている動物なの。関西弁喋ってる。それと、あの変なぬいぐるみは誰。」

 「ポトンポトン、ポトポト。」

 「フワアフワアーー。」

 「まあっ、順を追って説明するさかい。よう聞いておくれやっと。」

 「はい。」

 「わいは、スウィーツ王国からやって来たタルトって言うねん。」

 「そうなの。スウィーツ王国から来たの。」

 「あっちの赤ん坊がシフォンって言うねん。よろしゅう。」

 「どうも、桃園ラブです。」

 「ヘイ。スウィーツ王国は、地図にない妖精の国やねん。」

 「そんな変わった国があるの。」

 「ヘイ。」

 「キュアキュア。」

 「ところで、あんさん。パラレルワールドって知ってまっか。」

 「パラソルワールド。」

 「そう、そこは見渡す限り傘がぎょうさんあって.....ちゃうわい。パラソルやのうてパラレルやパラレル。」

 「へえーーーっ。」

 

 回想編

 

 「パラレルワールドっちゅうのは、並行世界って言いまっけどな。まあ、簡単にいえば、世界は1つやのうていろんな世界がぎょうさんあるちゅうことでんな。」

 「うははははっ、私がいっぱい。」

 

 現実に戻って

 

 「スウィーツ王国って、そこのあるの。」

 「ヘエ、ここからの続きはいずれ、話しまっせ。」

 「分かったわ。これから、ずーと私の部屋にいて。」

 「よろしいんでっか。」

 「そうよ。これからもよろしくね。」

 「おおきに。」

 「キュアキュアキューーアー。」

 「ただいま。」

 ラブは玄関へ向かった。

 「お帰り。」

 「ラブ、ダンスショー、一緒に行くわよ。さっき、パート休むことにしたから。」

 「土曜日なのに。」

 「電話したら、店長さんも理解してくれたから。」

 「ああ、一緒か。」

 「ラブ。」

 「ごめんなさい。」

 「さあ、夕食作り手伝って。」

 「はい。」

 

 ラビリンス 総統官邸内謁見の間

 

 「対日本戦、戦闘を指揮する幹部が揃ったな。」

 「ハッ。」

 「改めて自己紹介しろ。」

 「イースと申します。階級は中将です。」

 「サウラーと申します。階級は中将です。」

 「俺、ウェスターだ。よろしく頼むぜ。階級は少尉だ。」

 「バカモン!なんと言う言葉遣いだ。」

 「ウェスター無礼だぞ。」

 「へ。」

 「能無しとは聞いておるが、本当に礼儀知らずだ!誰だこんな男を昇格させた奴は。」

 「メビウス様、早速指令を。」

 「君たち3人は、日本国へ行っていただく。アジトも用意した。場所は東京都板橋区赤塚公園内南の森だ。このリモコンを渡す。」

 「ハッ。」

 「地面が光った部分、リモコンを当ててみろ。洋館風の建物が出現するから。では、行くがよい。」

 「ハッ。」

 

 桃園家

 

 夕食を終え、後片付けを終え、ラブは部屋へ戻った。

 「タルト、何してるの。」

 「スウィーツ王国へ通じる通路を作ってんねん。」

 「そんな紙だけでうまくいくの。」

 「ワープ移動やさかい、家に穴を開けるようなこと一切しまへん。」

 「それならいいんだけど、隠しておかないと行けないわ。ちょっと、ポスター剥がすわね。」

 ラブは、トリニティのポスターを剥がした。

 「タルト、持ってる紙を貼り付けてみて。」

 「ヘイ。」

 タルトは、ポスターを剥がした下の部分に紙を貼り付けた。すると.....

 「わっ、黒い穴になった。これでスウィーツ王国へ行けるの。」

 「その通りや。」

 「じゃあ、分からないようにするからポスター貼るわね。」

 ラブは再びポスターを貼った。

 「ただいま。」

 「お父さん帰って来た。シーよ。」

 「ヘイ。」

 「あなた、お帰り。夕食用意したわ。」

 「今日は食べてきた。」

 「あなた、連絡も入れないで。せっかく作ったのに。」

 「分かった。食べるよ。」

 圭太郎はダイニングへ向かった。そして、夕食を食べ始めた。

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 赤塚公園南の森

 

 「ボッ。」

 「出現したぞ。」

 「明かりが付いてるわ。」

 「さあ、寝るぜ。」

 「明朝、指令の手紙が来る予定。」

 「そうか。」

 ラビリンス3幹部は、館の中へ入った。そして、眠りに就いた。この建物が後に占いの館と呼ばれるようになります。

 

 再び、桃園家では、食事を終えた圭太郎は自分の部屋へ入り眠りに就いた。

 

 「ビリッ。」

 「もしかして。」

 ポスターを一部剥がしたら、大きな獣人が姿を現した。

 「ゲッ、大きいウォンバット。あれっ、首から下、人間のような体型してる。」

 「ラブ、何があったの。」

 「スルスルスル。」

 「もしかして、パフェ。」

 「あゆみさん、24年ぶりです。私はパフェ。シフォンのママよ。」

 「シフォンのママ。」

 「そう、もう大きくなって。ママになったの。」

 「そうです。」

 「もしかして、授乳。」

 「そうよ。」

 「ラブ、一緒に部屋を出て。」

 2人はあゆみの部屋で待機した。

 「シフォン、会いたかったわよ。」

 「マンマ、マンマ。」

 パフェは授乳を始めた。

 「パフェはん、わいどないしたらええねん。」

 「授乳が終わったら、あゆみさんたち呼んで来て。」

 「へい。」

 タルトはあゆみの部屋へ向かった。

 「スルスルスル。」

 「授乳、終わったで。」

 「そう。戻るわよ。」

 ラブとあゆみは、ラブの部屋へ再び向かった。

 「あゆみさん、この娘さんは。」

 「ラブって言うのよ。」

 「ラブちゃんね。タルトとシフォン、これからもお世話よろしくね。」

 「はい。」

 「時々授乳に来ますが、様々な事情により来れない場合もあるからね。これを渡しておくわ。」

 「これは。」

 「シフォンに与える人工乳『キュアビタン』の作り方を記載したメモよ。」

 「私も1枚。」

 「はい、あゆみさん。」

 「無くさないでね。これで私は失礼します。」

 パフェは、トリニティのポスターを一部捲ってワープホールへ入って行った。

 「さあ、寝るわよ。おやすみ。」

 「おやすみなさい。」

 

 翌朝、占いの館

 

 「ギイーーーーーッ。」

 「うわーーん、うわーーーん。」

 「誰かいるの。」

 すると、ラビリンス軍の女性部下兵士が姿を現した。

 「どうしたの。」

 「公園で遊んでて迷子になったの。」

 「誰かいるの。」

 「ハッ、イース様。迷子が入り込んだらしいのですが。」

 「お嬢ちゃん、お名前は。」

 「わたちはさー。」

 「そう、さーちゃんって言うの。」

 

 館内2階休憩室

 

 「あれが今日のお客様か。」

 「いや、幼すぎる。迷子だよ。」

 「そうか。」

 「ポチャポチャポチャポチャ。」

 「インフィニティのある国スウィーツ王国なぞ知らねえよな。24年前以来、瞬間移動を不可能されたままだからな。でも、スウィーツ王国の使者も来ているらしいと思うのだが。」

 「その使者が見つかるといいね。」

 

 館内1階占い室

 

 「お嬢ちゃん、どこへ行きたいの。」

 「噴水池のある場所。」

 「そこへ行けば、パパもママもいるのね。」

 「うん。」

 「私の携帯で調べてみるわ。」

 「うん。」

 

 2階休憩室

 

 「そうか、今日は日曜日。この大きな公園へ遊びに来る子供が多いか。」

 「だから、森の奥へ入って来れば、嫌でもここへ辿り着く。」

 「スーーーーッ。」

 「ううっ、よくこのようなものが飲めるな、この世界の奴らは。」

 「中将、砂糖入れ過ぎだぜ。」

 「そうか。」

 

 出入口

 

 「この子の両親のいる場所へ案内してあげて。」

 「ハッ、イース様。」

 部下兵士とさーちゃんは、公園内北にある噴水池へ向かい始めた。その後、イース様はポストを確かめた。

 「ん、これはメビウス様からの手紙。早急に届けないと。」

 イースは館内へ入って行った。

 

 2階休憩室

 

 「指令の手紙が来ているわ。」

 「どれどれ。」

 「私に襲撃命令が来たわ。」

 「俺のは。何、総連本部へ行ってチケットを取りに行き、板橋区役所駅前から板橋区立文化会館の間で売り捌けって。」

 「それは、僕も同じ内容だ。」

 「ならば、さっさと総連本部へ行くしかあるまい。」

 サウラーとウェスターは、総連本部へ向けて高島平駅へ向かった。残ったイースは。

 「チケットもあるわね。時間もあるからゆっくり館で過ごすわ。スイッチ・オーバー。」

 「ボッ。」

 イースは日本人になりすました。

 「名前は、そうね。『東せつな』はどうかしら。決まりね。

 

-6ページ-

 数時間後、桃園家では

 

 「行ってきまーーーす。」

 「ラブ、気を付けるのですよ。私も後を追うから。」

 「ハイ。」

 ラブは家を出た。あゆみは圭太郎の部屋へ向かった。そして....

 「あなた、今日はお留守よ。」

 「今日もお留守かよ。」

 「そうよ。化粧して準備するわ。」

 

 一方

 

 ラブは新高島平駅に到着した。

 「着いたわ。券売機で乗車券を買ってと。それにしてもミキタン、ブッキーうらやましいわ。Suica定期券で通学しているからね。私は、いちいち乗車券を買わないといけないからね。さあ、改札口へ行こうっと。」

 ラブは新高島平駅改札を通過しプラットホームへ向かった。

 

 一方、あゆみは

 

 タルトを籠に入れ、シフォンをおぶって家を出た。

 

 数十分後

 

 ラブは板橋区役所駅に到着した。そして、駅を出た。

 「板橋区立文化会館って、こっちね。たくさん人が向かってる。」

 

 しばらくして

 

 「チケットお持ちでない方はいませんか?」

 「いらっしゃいましたら、こちらへお申し出ください。まだ、チケットございます。」

 「ダフ屋にしては男前ね。さあ、行こ行こ。」

 

 一方

 

 あゆみも新高島平駅に到着した。

 「券売機で乗車券を買ってと。」

 購入後、例の如く改札を通過した。そして....

 「もう直ぐ電車が来るね。」

 「間もなく1番線に巣鴨、大手町、日比谷、目黒方面、東急線直通日吉行きが到着します。ホームドアから下がってお待ちください。」

 この地下鉄線はホームドアあり、黄色い線まで下がる必要はありません。ホームドア部分を整列して乗車します。

 「キューーーーーンキューーーーンキューーーーンキューーーーーーウーーーーーーーゥ。」

 「プシュ。ピンポンピンポン。ピューーッピューーッ。」

 「ホームの仕切りドアと連動して開いた。」

 「新高島平、新高島平。1番線は日吉行き電車です。タンタンタンターアータンタンタンターアー。」

 「プシュ、ピンポンピンポン。タタタタタタタンタタタタタタタン。」

 日吉行き地下鉄電車は出発した。

 

 一方

 

 ラブは板橋区立文化会館に到着した。

 「すごい並んでる。開場までまだ時間あるからね。」

 「フフフフフ。やりがいがあるわね。不幸のゲージ大幅に上げてみせるわ。」

 

 板橋区役所前駅

 

 あゆみも到着した。

 「文化会館方向、かなり人が向かっているね。」

 「おばさん、チケットあるけど買わない。」

 「あ〜ら、私は招待券よ。先を急ぎますから。」

 「なんだ、あのおばさん。」

 「もしかして、芸能事務所の役員かもしれない。」

 「そうには見えなかったが。フンガー。」

 「またフランケンシュタインのものまねか。」

 あゆみも到着した。開場時間が迫ってきた。

 

 数分後

 

 文化会館の扉が開き、改札が始まった。

 ラブ、あゆみ、せつなの3人も改札を受けた。そして、ラブは中央列の中央側15-17席、せつなは前列の右側3-28席、あゆみは最前列の中央1-22席にそれぞれ着席した。しばらくして。

 「本日はトリニティダンスショーへご来場いただき、誠にありがとうございます。間もなく開演時間です。」

 

 数秒後

 

 「お待たせしました。トリニティダンスショー開演します。」

 舞台の幕が上がった。

 「パチパチパチパチパチパチパチパチ。ヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒューーーッ。ミユキちゃーーーーん。ナナちゃーーーーーーん。レイカちゃーーーーーーん。」

 ダンスショーは始まった。まず、オープニングダンスを披露。続いて、3人の会談、各メンバーのソロダンス、世界の民族音楽によるダンスなど前半のプログラムは、順調に進行した。そして、休憩時間に入った。

 「トリニティのミユキさん、見られてうれしい。すごーい。熱い、熱いよ。気持ちがはずむ。体が勝手に動きだすわ。」

 「すごいショーね。ダイエットには絶大な効果があるね。」

 休憩時間も終わり、ラブとあゆみは席へ戻った。そして、後半のショーが始まった。

 「あれ、あの女がいない。」

 あゆみは観覧席を出た。荷物を持って。

 「タルト、シフォン出番よ。中央右側に座っていた女性がいないの。探してみて。」

 「ヘイ。」

 あゆみはタルトとシフォンを放った。そして、席へ戻った。

 後半のプログラムが進行する中、タルトとシフォンはせつならしき女を探し始めた。

 「あれ、リスはん。」

 「こんなところになぜ、フェレットがいるナッツ。」

 「わい、タルトって言うねん。」

 「僕はナッツ。トリニティの追っかけやってるナッツ。」

 「ナッツはんでっか。ところで、不審な女見かけまへんか。」

 「見たナッツ。舞台裏の方へ向かったナッツ。」

 「おおきに。後を追いまっせ。」

 その後、プログラムは順調に進んだ。

 

 一方、東せつなは

 

 「ここが舞台裏の出入口ね。ダンスユニットは地位がマイナーだから無防備ね。入るわ。」

 東せつなは舞台裏へ入って行った。

 「そろそろ、作戦開始ね。スイッチ・オーバー。」

 「ボッ。」

 「ここのスタッフを襲撃するわよ。」

 「うわっ、ちょっと。あなた誰。」

 「........。」

 「今日の出番の人。」

 「.......。」

 「聞いて無いな。名前は。」

 「ボカッ。」

 「ウッ。」

 「ドテッ。」

 「よし、ここならいつでも襲撃体勢取るわよ。」

 

 

 ステージでは最後の1曲となった。

 

 「みんなぁ〜。」

 「ハーーーーイ。」

 「トリニティのダンスショー、お付き合いいただきありがとーう。」

 「ワーワー。ヒューヒュー。」

 「最後1曲となりました。曲は『You make me happy』です。

 「ワーワーワーワー。ヒュヒュヒュヒュヒュー。」

 

 舞台裏

 

 「あれ、あの女、確か、ラビリンス軍幹部イース中将やで。一体、何考えてんねん。」

-7ページ-

 

 舞台

 

 イースが乱入して来た。

 「♪ガンバリしだいで

 未来は変わるから

 愛☆感do!勇☆感do!♭」

 「虫酸が走る笑顔だ.....。この熱狂と興奮を恐怖と絶望に変えてあげるわ。」

 「あかん、あのおばはん入って行ったでえ。」

 「幸せなど無くなってしまえ!ナケワメーケ1号我に仕えよ。」

 「シューーーーッ、ペタッ。ゴゴゴゴゴゴゴ。」

 「ナーーーーケワメーーーーケェーーーーー。」

 皆が唖然としている。

 「まず、トリニティからやれ、ナケワメーケ1号。」

 「ナーーーーケワメーーーーケェーーーーー。」

 「ブーーーン。」

 「ヒョイヒョイ、バコーン。」

 「キャアーーーー。」

 「ミユキさん。己ーーーー。」

 「次は、観客席へ向けて騒音撒き散らせ。」

 「コーーーーーーーーン。」

 ナケワメーケ1号は騒音を撒き散らした。

 「ぐわぁ〜。きゃあ〜。ヒィーッ。うーー。ああーーーっ。止めてくれ〜。」

 「なっ、何、これ。頭が割れそう。」

 「ラビリンスの誰か。あれっ、私のピルンが飛び立った。もう1体のピルンを呼び寄せてる。」

 「おまえたちの嘆き悲しみが負のエネルギーとなり不幸のゲージがいっぱいになった時により鮮明に『インフィニティ』が姿を現し、それを保管しているスウィーツ王国への道が開かれるのさ。フッフッフッ。もっと泣け、もっとワメケ。」

 「何がもっと泣け、ワメケだ。このクソババア。」

 ラブはステージへ上がって来た。そして、マイクスタンドを持った。

 「ミユキさん、大丈夫。」

 「あたしは大丈夫よ。」

 「このバケモノめ。」

 「バシン、バシン。」

 「な.....なんや、えらいこっちゃになってしもうて。」

 「タルト。上、ナッツ。」

 「飛び立って行ったピルンや。あっ、ステージからあゆみはんに渡したピルンや。」

 「私もステージへ向かうわ。」

 「キィ(何してるの。早く、娘の携帯に入りなさい。)」

 「キィ(女子高生の娘。)。キィ(携帯あるの。)」

 

 放送室

 

 「申し訳ございません。」

 「ミユキを置いて自分たちだけ逃げて来るとは何事。ああーっ。このままでは、興行を中止しなくてはならないのよ。大損害よ。」

 

 舞台

 

 「ナーーーーーケワメーーーーーケーーーーーーェ。」

 「キャーーーーッ。」

 「危ない。」

 「バコッ。」

 「お母さん。」

 あゆみは、スタンドマイクの底を先端にして刺又感覚で使いこなし、ナケワメーケ1号を近づけないようにしている。

 「ラブ、携帯を差し出して。」

 「はい。」

 ラブは、ポケットから携帯電話を出した。すると、ラブの携帯電話にピルン2号が突っ込んで来た。

 「キィーーーーーッ。」

 「ウゴーーーーッ。」

 「ドスン。」

 「うわっ、何かが向かってる。」

 「ボッ。」

 「こ、これは。」

 「やっぱ、ホンマにラブはん変身しよるんかいな。」

 「ディスプレイの記載通り操作してみて。」

 「はい。」

 「ああ〜〜〜〜〜っ。あの娘がプリキュアの戦士や。」

 「あの子、新しく就任するプリキュア、ナッツ。」

 「キュア、キュア、プリッ、プーーッ(ラブちゃんガンバレ)。」

-8ページ-

  

 ラブは、最初から刺してある付属の鍵式外部メモリー90度に捻った。

 「チェーーンジ・プリキュア。ヒーーーーーーーート・アーーーーーッッップ。」

 強制的着替えが始まった。

 ラブはまずピンクの濃淡チュチュドレス、ライトピンクのバニエとアンダースコート、フレプリ四つ葉紋様バッジ、左右両方に付け髪付きピンクハートヘアバンド、両耳にピンクハートのピアス、首にピンクのチョーカー、胴体ストラップキャリーケース、両脚にダークピンクのハイソックスとピンクの濃淡のハイブーツ、両腕にピンクの濃淡ブレスを自動装着した。そして.....

 「ピンクのハートは愛ある印。」

 「パンッ。」

 「もぎたてフレッシュ、キュアピーチ。」

 「待って、私も変身するわ。」

 「お、お母さん。まさか、伝説のプリキュア。」

 「そうよ。」

 「あのおばさんも、変身するのか?」

 あゆみはリンクルンを差し出し鍵式外部メモリーをリンクルンに差込90度捻った。強制的着替えが始まった。

 「チェーーーーンジ・マザープリキュア。ヒーーーーーーート・アーーーーッッップ。」

 あゆみはまずピンクの濃淡チュチュドレス、ライトピンクのバニエとアンダースコート、四つ葉フレプリ紋様バッジ、左右両方に付け髪付きピンクハートヘアバンド、両耳にピンクハートのピアス、目元にルビーアイメイク、首にピンクのチョーカー、左太ももにビーエヌオーガーターベルトキャリーケース、両脚にダークピンクのハイソックスとピンクの濃淡ハイブーツ、両腕にピンクの濃淡ブレスを自動装着した。そして......

 「ピンクのハートは愛ある印。」

 「パンッ。」

 「もぎたてスウィート(sweet)、キュアピーーーーーーチマザーーーーーーーッ。」

 「ボン。」

 「煙幕が上がった。」

 「貴様ら、何者。」

 「プリキュアレジェンド。伝説の戦士プリキュア。」

 「あなたの好きにはさせない。」

 「ピーチ、一緒にこれを叫ぶわよ。」

 「OK。」

 「レッツ!プリキュア!」

 「何がレッツ!プリキュア!だ。ナケワメーケ1号、始末せよ。」

 「ナーーーーーケワメーーーーーーケーーェ。」

 

 放送室

 

 「興行は続行するわ。ここで中止すると大損害よ。とにかく、プリキュアショーを追加演目として続行するわよ。」

 「ハイ。」

 「まずナナは、放送室へ入って司会進行を続けて。次にレイカは、プリキュア隊の2人と協力してミユキを助けて。」

 「ハイ。」

 ナナとレイカは、興行続行に向けて動き出した。

 

 舞台

 

 「ピコピコピコピコ。」

 「キャッ。」

 「何、このビーム。」

 「まだ速度が遅いから避けれるけど。」

 「プリキュアのお2人さん頑張って。」

 「ナナの声だ。」

 「ナナちゃーーーーん。」

 「さあ、皆さん、プログラムと共に渡した応援アイテム『レインボーミラクルライト』を取って、左右に振って応援して。」

 「何。」

 「ナナさん。」

 「皆、大声出して。キュアピーチとね。セーーーーノ。」

 「キュアピーチ。」

 「何か漲って来るものを感じる。」

 「ナーーーケワメーーーーケーーーェ。」

 「ヒョイ、ヒョイ。」

 「ピーチ、頭を狙って。私は1号の弱点を解析するわ。」

 「OK。」

 キュアピーチがナケワメーケの頭上に乗っかることに成功した。

 「ウゴッ。」

 「皆がトリニティダンスを楽しんでいたのに。モオッ。怒り炸裂。ダンスダンスダンスーーー。」

 「ウゴウゴウゴウゴウゴ。」

 レイカもステージに姿を現した。なんと、いきなりイースを見つけ話かけた。

 「あなたね。ダンスショーをメチャクチャにしようとしたのは。」

 「やるか、てめえ。」

 「さあ、皆さん、レイカちゃんが犯人を捉えたそうです。皆様、レイカちゃんにも応援お願いします。セーーーーーノ。」

 「レイカちゃーーーーん。」

 「クソッ。応援を味方に付けるとは。トリャーーーーーッ。」

 「ヒョイ。」

 「モーションが大きいわね。覚悟しなさい。」

 「何、オリャーーーッ。」

 「ヒョイ。バコッ。」

 「ウッ。う、うそ。クソッ。」

 「ヒョイ。バコン。」

 「う、うそ。」

 「あなた、軍隊で何を鍛えて来たの。」

 「うるさい。」

 

 一方、キュアピーチ母娘は

 

 「ピーチ、弱点が分かったわ。」

 「どこ。」

 「腕と脚の胴体接続部分よ。細くなってるでしょ。」

 「なるほど、そこを攻撃すれは良いのね。」

 「まずは、腕を2人がかりで掴んで投げを撃つわよ。」

 「OK。」

 ピーチとピーチマザーは、片方の腕を掴みに来た。

 「トオリャアーーーーーー。」

 「ボキッ。」

 「ウゴーーーーッ。ドスン。ウゴ。」

 

 舞台最上部照明付近

 

 「やるでえ〜。」

 「プリップゥー。」

 「レイカさんもやる、ナッツ。」

 

 スウィーツ王国ナノ研究所

 

 ここでは、偵察妖精テルンから送られてる映像を長老ティラミスとショコラが見ている。

 「母と同伴させて正解じゃよ。1人では危険じゃからの。」

 「ダンサーのレイカさん、こんなに強いとは驚きです。いつか、メンバーに加えないと。」

 もう、早くも4人目以降のプリキュアの話になっている。

 

 舞台 ピーチ母娘VSナケワメーケ1号との戦いの現場

 

 「キュアピーチ、レイカちゃんガンバレ。ピーチ、ピーチ、レイカ、レイカ。」

 「ピーチ、もう片方の腕、肩付近をパンチ攻撃するわよ。」

 「OK。」

 「ダブルピーチパーーーーンチ。」

 「バコン。ボキッ。カンカラカーーン。」

 「ウゴーーーーッ。」

 

 舞台 レイカVSイース戦いの現場

 

 レイカは何と、イースの体を目一杯持ち上げ投げを撃とうとしている。

 「やめてーーーー。」

 「何がやめてだよ。だったら、ショーをメチャクチャにするんじゃないよ。」

 「ブオン。ドカッ。」

 「ウギャアーーーー。」

 レイカはバックブリーカーを仕掛けた。イースは、背中に致命的なダメージを受けた。

 「いいぞ、レイカ。」

 「もっとやれやれ。」

 「レイカレイカレイカレイカ。」

 

 ピーチ母娘戦いの現場

 

 「ピーチ、2人で強力なキックを太ももの付け根めがけて仕掛けるわよ。」

 「OK。」

 2人のキュアピーチが大ジャンプをした。そして....

 「ダブル・ピーチ・キィーーーーーック。」

 「バコボキッ。カンカラカーーン。」

 「ウガガガガガーーーァ(激痛い)。」

 「ドテッ。」

 

 レイカVSイース戦いの現場

 

 またしても、レイカはイースを持ち上げ、イースの脳天を落とすかのように投げを撃った。ジャーマンスープレックスである。

 「オリャッ。」

 「ドスーーーン。」

 「ジーーーン、ピヨピヨピヨピヨ。」

 イースは脳震とうを起こしてしまった。レイカは、そのイースの胸ぐらを掴み始めた。

 

 ピーチ母娘戦いの現場

 

 「ナーーーケ。」

 「さあ、仕上げね。」

 「ピーチマザー、アレ。」

 「おらぁ、ダンサーなめるんじゃないよ。」

 「うぐっ。なんて強さだ。」

 「いいぞ、レイカちゃん。ヤレヤレヤレヤレ。」

 キュアピーチ母娘がレイカのもとへ近付いた。

 「すごい、レイカさん。信じられない。」

 「さあ、名を名乗りなさい。あなたは誰ですか。」

 「我が名はイース。ラビリンス総統メビウス様が我が僕。」

 「イース。」

 「そうだ。」

 「ラビリンスの国民。」

 「そうだ。ラビリンス軍隊の軍人だ。」

 「あなたの目的は何。」

 「この国へ侵略戦争を仕掛けラビリンス領にし、負のエネルギーを最大限に集めること。」

 「負のエネルギー。」

 「そう。戦争をすれば犠牲者がたくさん出て、生き残った者たちは最大限一杯嘆き悲しむ。それが負のエネルギーだ。」

 「そんなもの集めて何するの。」

 「世界征服よ。」

 「冗談じゃないよ。そんな事、やってたまるか。」

 「取り押さえよう。」

 「OK。」

 「チッ、捕まってたまるか。覚えてらっしゃい。」

 「イースはワープして去った。」

 「何と言う逃げ方。」

 「ワープして逃げるとは。」

 「ピーチ、仕上げるわよ。ところで、レイカさんは。」

 「あたしは、ミユキさんのところへ急行するわ。」

 「OK.」

 「ピーチ、ピーチ、レイカ、レイカ。」

 「ミユキ。」

 「レイカ。無事だったのね。」

 「良かった。怪我も無くて。」

 

 一方

 

 キュアピーチ母娘は、転倒して動けなくなったナケワメーケ1号に仕上げの魔法を唱えようとしていた。

 「悪いの悪いの飛んで行け。プリキュア・ラブサンシャーイーーン・ダブル。」

 「シューーーッ。」

 「ナケワメーーーーケ。シュワワシュワワーーーッ。」

 ナケワメーケ1号は、アンプに戻った。

 「イースは逃げてしまいましたが、怪物の討伐に成功し、アンプは無事戻って来ました。これで、追加演目プリキュアショーは終わります。」

 「アンコール、アンコール、アンコール、アンコール。」

-9ページ-

 トリニティの3人とキュアピーチの2人は一旦、舞台裏へ引っ込んだ。そこには、トリニティ所属事務所のマネージャーがいた。

 「お疲れ様。あなたたちがプリキュア。」

 「その通りです。」

 「助かりました。あなたたちがいなかったら、興行中止にしざるを得ませんでした。こうして、プリキュアショーでごまかして続行できてホッとしております。」

 「マネージャーさん。」

 「その通りよ。」

 「それにしても、何かあった時の即興対応には驚きですよ。」

 「ダンスユニットは、歌手、ミュージシャンと違ってマイナーなのよ。でも、いざ興行をすれば、連日満員御礼よ。興行収入が大きいのよ。」

 「そうなの。」

 「ダイエットのニーズが高いからね。」

 「なるほど。」

 「さあ、皆さん。アンコールこなして来て。声が途切れず皆様待ち続けているわ。」

 「ハイ。」

 トリニティの3人とキュアピーチの2人は、再びステージへ向かった。

 「パチパチパチパチパチパチパチ。ミユキちゃーーーん。ナナちゃーーーん。レイカ

ちゃーーーーん。キュアピーーーーチーーーィ。」

 「皆様、お待たせしました。アンコールは、進行途中で中断した『You make me happy』です。」

 「パチパチパチパチパチパチ。ヒュヒュヒュヒュヒュヒュ。」 

 曲が鳴り、ダンスも始まった。

 

 数十秒後

 

 「♪ガンバリしだいで

 未来は変わるから

 愛☆感do!勇☆敢do!(以後、繰り返し)♭」

 「さあ、キュアピーチのお2人さん、背中向けて、お腹に力を入れながら腰を振って。」

 「いやぁ〜ん。」

 「恥ずかしい。」

 「ヒュー、ヒュー、ヒューヒューヒュヒューヒュ。いいぞ、もっとやれ。」

 しばらく、繰り返しが続いた。そして....

 「♪猛☆烈go!♭」

 しばらく曲が進行した。第一間奏部、ここもしばらく繰り返します。

 「さあ、今度は私たちトリニティが先ほどの振りを繰り返します。」

 「ヒューヒュヒュヒュヒュヒュヒュ。パチパチパチパチ。」

 曲は2番へ進行します。

 間奏部など要所の部分で連続腰振りダンスを繰り返しながら曲は進行します。そして....

 「♪ジャンジャン

 永遠ずっと

 喜びてんこ盛り♭」

 「パチパチパチパチパチパチ。ヒュヒュヒュヒュヒュヒュ。ミユキちゃーーーん。ナナちゃーーーーん。レイカちゃーーーーん。キュアピーチーーーーーーーィーーー。アンコール、アンコール、アンコーーール、アンコーーーール。」

 「本日は、トリニティダンスショーご観覧いただき誠にありがとうございます。以上を持ちまして、本日の公演を終了さしていただきます。」

 幕が降りた。そして、舞台裏

 「さあ、変身を解いて。」

 「ハイ。」

 「ボッ。」

 キュアピーチは、桃園母娘に戻った。

 「まず、女子高生の娘さん、ミユキさんの楽屋へ行って。」

 「ハイ。」

 「さあ、こっちへ来て。」

 「続いて、女子高生のお母さん、レイカさんの楽屋へ行って。」

 「ハイ。」

 「お母さん、こっちよ。タルト君たちも待ってるわ。」

 一旦別れ、それぞれの楽屋へ向かった。

 

 ミユキの楽屋

 

 「あなたが助けてくれたのね。ところで、正義のヒロインの時はキュアピーチって名乗っていたけど、本当のお名前は。」

 「桃園ラブです。カタカナで『ラブ』と書きます。トリニティの大ファンです。」

 「うふ、う......。可愛いお名前。本当にありがとう。」

 ミユキさんは素晴らしい笑顔をみせた。

 

 レイカの楽屋

 

 「オカン、お疲れ様どす。」

 「タルト、シフォン、ここにいたの。」

 「ヘエ。」

 「あれ、リスがいる。」

 「ナッツと申します、ナッツ。」

 「この子、私たちの追っかけをやっていて、いつもミラクルライトを観客に配っているのよ。」

 「そうなの。」

 「ところでお母さん、お名前聞かしていただけますか。」

 「桃園あゆみです。女子高生のお母さんです。」

 「あゆみさんね。覚えておくわ。」

 「オカン、ナッツはんにはいろいろお世話になり申したでぇ。」

 「そう。」

 「機会があったら是非、桃園家へ行ってみたいナッツ。」

 「主人のいない日にね。」

 「そうこなくっちゃ、ナッツ。」

 「ナッツはん、レイカはん、おおきに。オカン、そろそろ出発せなあかん。」

 「レイカさん、本当にありがとうございました。」

 「いえいえ。入口までお見送りします。」

 

 文化会館で入口

 

 ラブ、ミユキとマネージャーがあゆみたちが来るのを待っていた。

 「良かった。ミユキさんのダンス、また観られるね。」

 「そうよ。家へ招待券お送りしますわ。」

 「皆様、ありがとうございました。それでは、失礼します。」

 ラブとあゆみは、文化会館を後にし板橋区役所前駅へ向かった。

 

 その途中

 

 「あっ.....、何でまたケースが......。」

 「私もよ、道理で携帯電話が出て来ないと思ったら、左太ももに.....。」

 「夢じゃない。」

 「私も。」

 「何言うとんねん。現実やでーーぇ。」

 「ハハハハハハハハハ。」

 「それもそうね。夕食どこで買おうかしら。駅前界隈にスーパーなかったかしら。」

 

 完  

   

  

 

説明
 フレッシュプリキュア!の改造ストーリー「フレッシュ&スウィート(sweet)!フルーツプリキュア!」の第1話です。
 このストーリーは、世界の危機をインフィニティが知らせるところから始まり、トリニティダンスショーの観覧を終え、帰宅するシーンまでお送りします。
 このストーリーでプリキュアは、キュアピーチとキュアピーチマザーが誕生します。更に、トリニティの方で助太刀するダンサーにも注目です。それでは皆様、是非お読みください。
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