ぜのくろさんちのオフィーリア
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1.再生粒子をいっぱい使う例のアレ

 

「私、動けなかったんです」

 

「グロウスに銃を向けられたタツを見たまま」

 

「迷いなく矢のように飛んで行くオフィーリアさんの背中を見つめたまま……」

 

「……動けなかったんです」

 

「だから私、オフィーリアさんが傷ついた時に決めたんです」

 

「オフィーリアさんが困っている時、私に出来る事なら絶対に協力しようって」

 

「……そう。あなたの決意はわかったわ、リン」

 

「その上でもう一度聞くけど、あなたは何故そんな格好をしているの?」

 

「えっ」

 

「えっ」

 

 

2.オフィーリア(15)

 

「オフィーリア? 少しいいかしら?」

 

「ご用ですか? 来訪の理由に興味を示します」

 

「ええ、リンのあの格好についてなのだけれど」

 

「成程。合点を得た為経緯を説明します」

 

「折角ですので何かお飲みになられますか?」

 

「そうね、先の衝撃を和らげる物を貰えるかしら」

 

「了解です。……ハーブティーと鬼殺しのどちらをご所望ですか?」

 

「実質選択肢は前者一択と考えていいのかしら?」

 

 

3.アクセナ曰く、時折優しい

 

「先日、トゥトゥラさんから真心堂の試作を頂きまして」

 

「その中に例の物があった訳ね」

 

「ええ。使い道にあぐねていた所へリンさんが」

 

「何か自分にできる事はないか……と?」

 

「冗談のつもりで差し出したのですが、妙に張り切って着てしまい」

 

「まあいいか、と」

 

「相変わらずあなたは地球人には辛辣ね」

 

 

4.お手とかさせたらキズナ値上がったし

 

「酷い言われ様です。エルマさんの言に異を唱えます」

 

「NLAの黒き聖女なんて呼ばれているのに?」

 

「あれはヒメリさんと共同で任務に当たっていた時の公衆の戯れです」

 

「じゃあ、リンの事はどう思っているの?」

 

「散歩盛りの小型犬でしょうか。率直な感想を提示します」

 

「黒の部分は一切否定できない回答ね」

 

 

5.その頃の小型犬

 

「オー! 真心堂の新商品じゃないのヨーン! キマってるワ!」

 

「ウサギさんですも! かわいいですも!」

 

「リン先輩、それ……」

 

「聞かないで下さい」

 

「……その格好でここまで来たのか?」

 

「聞かないで下さいってば!」

 

 

6.危うく全裸

 

「もう、すっごく恥ずかしかったです! ここまで来るのに周りの視線が熱いやら痛いやら!」

 

「リン先輩って時々要らない所でガッツ発揮するよね……」

 

「着替えてくればよかったじゃないか」

 

「だって、オフィーリアさんがすごくいい笑顔だったもので……」

 

「それ、勧めたのあいつか!?」

 

「えっ! センパイの笑顔見たの!? それ着れば見れる? わたしも着る!」

 

「ちょ、ミーアさん脱げます! そんなに引っ張ったら脱げますからっ!」

 

 

7.カースティとトビアスがアップを始めました

 

「全く。リンもだけど、お前もあいつの事好き過ぎだろ」

 

「センパイの笑顔ですよ!? 見る価値しかないじゃないですか!!」

 

「いやまあ、あいつが笑ってる所なんてそうそう無いとは思うけど」

 

「そうですよ! センパイ専用のリサーチプローブが要るレベルです!」

 

「あった所でお前しか見る奴なんていないだろ」

 

「とりあえずここにもう一人います」

 

「リン!?」

 

 

8.NLAのアイドル

 

「御免。先程から話されているオフィーリアと言う方はもしや……」

 

「ん、ああ。右目のとこに大きな傷のあるコンパニオンなんだが」

 

「エー! あのオフィーリアとお知り合いナノ!? 今度紹介してヨーン!」

 

「っていうかこれから女子会に呼ぶですも! 色々お話ししたいですも!」

 

「あれ、皆センパイの事知ってるの?」

 

「知ってるも何も、ノポンや他の異星人にとっては英雄ですも」

 

「確かに、あいつがいなかったらここまで異星人との交流は無かったかもしれないな」

 

「ベリベリストロングでカインドなクールガールヨ!」

 

「うむ。先日の武闘大会の戦い振りも凄まじかったしな」

 

「「何それ知らない!(です!)」」

 

 

9.キズナ値MAXは伊達じゃない

 

「あああああ! 見たかった! センパイの勇姿を見たかったぁ!!」

 

「落ち着いてくださいミーアさん! まずは冷静にタイムマシンの設計から始めましょう!」

 

「お前も落ち着け!ったく、どうしてあいつの事になるとこう……」

 

「とか言いつつイリーナ先輩も物凄い硬く拳を握り締めてますけど」

 

「いや、これは……」

 

「イリーナ先輩もはっちゃけてもいいんですよ?」

 

「お前らを止める奴がいなくなるだろうが」

 

「朗報です! ヒメリさんが動画を撮っていて公開して下さるようです!」

 

「っしゃあ! ヒメリ先輩マジ聖女!」

 

「見ろ、ただでさえあいつ狂いが多いんだぞ」

 

 

10.胸の内

 

「まあ、とにかくだ」

 

「いくらあいつの事が好きだからって

あいつの冗談全部を真に受けてたら身が持たないぞ」

 

「あいつだってそこまで本気でやってほしい訳でもないだろうし、断ったって……」

 

「それは……駄目です」

 

「いや、でもな」

 

「オフィーリアさんには、笑っていて欲しいから」

 

 

11.それが残酷な願いでも

 

「ほら、オフィーリアさんって記憶喪失じゃないですか」

 

「地球の話をしている人達を遠巻きに。寂しそうにしてる所、見ちゃって」

 

「色んな人のために頑張って、そのおかげで皆笑顔になれてるのに。

オフィーリアさんだけそんな顔をしてて」

 

「だから私っ……!」

 

「……知ってるよ」

 

 

12.シリアスタイム終了

 

「え……」

 

「ノポンやマ・ノン、ラースだけじゃない」

 

「NLAに住んでるならあいつを知らない奴なんていないし、

世話になってない奴だって一人もいない」

 

「誰かは必ずあいつの事を見てるし、その誰もがあいつに何かしたいって思ってる」

 

「だから、お前だけが無理して。あたしらの役目を取らないでくれって事さ」

 

「イリーナさん……」

 

「つまり、イリーナ先輩もバニーを着るって事ですか?」

 

「着・な・い」

 

 

13.そういう人だから

 

「まったく、締まらないな」

 

「だって、ごんな雰囲気の中にセンパイを呼んだら依頼かと思われるじゃないですか」

 

「あー……、暇さえあれば任務であちこち回ってるもんな」

 

「センパイのそういう所は凄いと思うし憧れますけど、

やっぱり気の休まる時間は必要ですしね」

 

「そうだな……。リン、あいつに連絡取ってくれ」

 

「ふふっ、わかりました」

 

 

14.フォトンセイバーとマルチガン標準装備

 

「……はい。わかりました。では今からそちらへ。

用意できる物がない事を悔やみます」

 

「それでは失礼します」

 

「リンからだったようだけれど、どうかしたの?」

 

「女子会のお誘いでした。事実そのままにご報告します」

 

「あら、いいじゃない」

 

「ですが、解りません。少々困惑しています」

 

「……どういう事?」

 

「皆さんとは任務を共にして頂いているものの、

個人的なお付き合いは薄いものですので」

 

「……尤もらしい理由の暗に、私の性格の難を含ませます」

 

「薄いからこそのお誘いでもあると思うわ。皆あなたの事を知りたいのよ」

 

「そういうものでしょうか。不理解を抱えながらに出発を敢行します」

 

「任務じゃないんだから着替えて行きなさい」

 

 

15.こういう人なので

 

「エルマさんもご一緒にいかがですか? 好意によって提案致します」

 

「残念だけどこれからヴァンダムと会う用事があるの。

皆によろしく言っておいてくれるかしら」

 

「わかりました。それでは行って参ります」

 

「行ってらっしゃい。……」

 

「あれだけ優秀で他者の心に理解も深いのに、

自分の事となると解らなくなってしまうものなのかしら」

 

「あれさえなければチームリーダーとしての独立を強く推すのだけれど」

 

「……もう少し、時間が必要なのかしら」

 

「自分がどれだけ愛されているか。あの子自身がそれを理解するまで」

 

 

説明
喋らないし、周囲との関係も判りにくいから感情移入がしにくいとよく言われるアバター主人公。
なら妄想すればいいじゃないという事で折角だから私はこのゼノブレイドクロスでショートショートショートを書き溜めるぜ。書き溜めました。
特に面白いものじゃないです。
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ゼノブレイドクロス

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