英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 戦争回避成功ルート
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〜オルキスタワー・屋上〜

 

「なっ!?」

「そ、そんな……条件はアーネストの時と同じ……いえ、あの時と違ってキーアちゃん達も手伝っているのに、どうして元の姿に戻らないのですか!?」

予想外の出来事にロイドは驚き、ノエルは信じられない表情をし

「……もしかして新型の”グノーシス”のせいでしょうか?」

「!!そう言えば、ヨアヒムやアーネストの時と違い、紅い光を放っているのではなく赤紫色の光を放っているな……!」

ティオの推測を聞いたダドリーは目を見開いてディーターを見つめた。

 

「後は彼がアーネストのように踏み止まっていない事も原因の一つだろうね。確かケビンの報告ではロイドの言葉が無かったら自分の力でもアーネストは助けられなかったって書いてあったよ?」

「わかった……!―――ディーターさん!気をしっかり持ってください!マリアベルさん達に利用されて裏切られた事はショックだと思いますが、それでも貴方は生きるべきです!」

ワジの推測を聞いたロイドはディーターを見つめて声をあげ

「おじさま!おじさまは絶対に助かります!だから絶対に諦めないで下さい!」

エリィも続くようにロイドと肩を並べて声を上げた。

「ググ……ガガガ…………」

ロイドとエリィの叫びを聞いたディーターは何も答えず唸り

「よし、その調子だ!」

その様子を見たダドリーは明るい表情をした。

 

「アアアアアアアアアアアッ!」

しかしその瞬間ディーターは再び苦しみだし、収まっていた赤紫色の光が再び出始め、さらに激しい赤紫色の光を放ち始めた!

「そ、そんな!?どうして二人の声が届いていないんですか!?」

「クッ、これも新型の”グノーシス”によるものなのか……!?」

ディーターの様子を見たノエルは悲痛そうな表情をし、ダドリーは唇を噛みしめ

「聖職者で駄目なら本物の女神に頼るしかないんじゃねえのか!?」

「エイドスさんですか……確かにエイドスさんやその母親であるフィーナさんでしたら可能かもしれませんが……」

「―――問題は空の女神やフィーナがここに到着するまでにディーターが身体を保っていられるかだぞ。」

「ああ。今から呼んだとしても、間に合わねぇぞ。」

ランディの提案を聞いたティオが複雑そうな表情をしている中、ヴァイスとギュランドロスは重々しい様子を纏って呟いた。

「!―――いえ、どうやら間に合ったようです。」

「え……」

一方何かに気付いて空を見上げて呟いたルフィナの言葉を聞いたロイドが呆けたその時、何とロイド達の頭上に”メルカバ”の伍号機が滞空し、そしてエイドスが甲板から跳躍して着地する瞬間風の魔力を纏って落下の勢いを殺し、ロイド達の前に着地した!

 

「―――お待たせしました。ルフィナさんから通信で事情を聞いたケビンさん達が急がせてくれたお蔭で何とか間に合ったようですね。」

「貴女は……!」

「女神様……!どうか御身の御力で、おじさまを救ってあげてください……!」

エイドスの登場にロイドが驚いている中、エリィはエイドスに懇願するかのように頭を深く下げた。

「………………”正義”を求めるあまり、”真の正義”を忘れた挙句娘や信頼していた仲間に裏切られ、あのような姿になってしまうとはもはや哀れとしか言いようがありませんね…………貴方が犯した”罪”は決して許されるものではありませんが、それでも貴方は貴方を裏切った娘達と違い、まだ戻って来れる”領域”にいます。かつて荒れ果てた世界を希望溢れる世界にする事を夢見た貴方の先祖に免じて、貴方が生きて己の罪を償う事を”空の女神”であるこの私が許します。」

エイドスは前に出て静かな表情でディーターを見つめた後全身から膨大な神気を解放して祈りを捧げた。

「イースよ……魔に墜ちし哀れなる迷い子に御慈悲を……七耀の光よ、昏き瘴気を払い、迷い子に道を指し示せ。卑しき闇よ、退け――――!」

エイドスが詠唱を終えるとディーターは虹色の光に包みこまれ

「こ、これは……!」

「に、虹色の光……?」

光に包まれたディーターの様子を見たロカが驚き、ティオが戸惑っていたその時、光に包まれたディーターは人間の姿で倒れていた!

 

「あ……」

「も、戻った……!」

「”奇跡”……」

「これが”空の女神”の”力”…………」

人間の姿に戻ったディーターを見たノエルとロイドは明るい表情をし、リーシャといつの間にかヴァイスリッターから降りていたエリゼは呆け

「喜ぶのはまだ早いぞ!生きてるかどうか確かめろ!」

「!はい!」

そしてヴァイスの言葉に我に返ったロイドはディーターの状態を確かめた。

 

「よかった……衰弱はしているけど、命に別状はないみたいだ。」

「そうか……!」

「ハハ、さすがは”空の女神”だぜ!」

「フフッ、言葉通り”女神の御慈悲”になったね。」

「言われてみればそうですね。」

ロイドの答えを聞いたダドリーとランディは明るい表情をし、静かな笑みを浮かべるワジの言葉を聞いたルフィナは苦笑した。

 

「ううっ……よかった………女神様、本当にありがとうございました……!このご恩は一生忘れません……!」

「フフ、気にしないで下さい。というか本来ならこの時代の私は既に天に召されていますし、そんな細かい事を忘れても私は責めませんよ♪」

涙を流すエリィに感謝されたエイドスは苦笑した後親しみのある笑顔を浮かべ、エイドスの答えを聞いたその場にいる全員は冷や汗をかいて脱力した。

「え、え〜と……」

「少しは空気を読んでから発言してください。」

「さすがはエステルちゃんの先祖だけあって、とんでもない天然だよな……」

ロイドは困った表情をし、ティオはジト目で指摘し、ランディは苦笑していた。

 

「ねえねえ〜……キョクチョーとシレイはディーターの事、許してくれる〜?」

「あ…………」

その時キーアがヴァイスとギュランドロスを見つめて問いかけるとエリィは二人がディーターを処刑するつもりであった事を思い出して不安そうな表情で仲間達と共に二人を見つめた。

「本来ならこの場で処刑するつもりであったが……―――ディーターがヨアヒムによって魔人化した時点でその気は失せた。」

「せっかく助かったそいつを処刑したら俺達の”皇としての器”が小さく見られちまう事もそうだが、お前らが苦労してその男を助けようとしたんだ。お前らのその努力に免じて、その男には生きて償いをさせるつもりだぜ。」

「そうですか……!」

「本当にありがとうございます……!お二人の寛大な御心に心から感謝致します……!」

ヴァイスとギュランドロスの答えを聞いたロイドは明るい表情をし、エリィは頭を深く下げた。

(フフ、どうやら私の嘆願は必要なかったようですね……)

それぞれが喜び合っている中その様子をエイドスは微笑ましく見守っていたがすぐに表情を引き締め

(彼は許しましたが、貴女方は許しませんよ?マリアベル・クロイス並びに”D∴G教団”―――!)

厳しい表情で”碧の大樹”を睨んでいた。

 

その後リセル達やパテル=マテルの片手に乗ったレンがその場に現れた後ヴァイスとギュランドロスは”クロスベル帝国”を建国した事を宣言し……それぞれに指示を与えたギュランドロスは仲間達と共にその場から去り、ヴァイスやレン、そしてマルギレッタ達はその場に残った。

 

そしてロイド達はキーアを奪還する為に”碧の大樹”に向かう事にし……クロスベル帝国が建国された事で任務を終えたエリゼはロイド達に別れを告げてヴァイスリッターでその場から去った。

 

こうして……ディーター大統領の独裁によって支配されていたクロスベルは解放され……”六銃士”とその仲間達によって”クロスベル帝国”が建国された……!

 

 

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と言う訳で何とこのルートではディーターは生き残りました!まあマリアベルがケビンに狩られるのは変わらないんですけどね(黒笑)

説明
第53話
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
1182 1082 2
コメント
本郷 刃様 なんせチートの塊であるブライト家の元祖ですからね〜ww(sorano)
そりゃエイドスなら解呪できますよね〜(本郷 刃)
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